コンテンツにスキップ

ルベオサウルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルベオサウルス
ルベオサウルス
ルベオサウルスのフリル
地質時代
後期白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 周飾頭亜目
下目 : 角竜下目 Ceratopia
: ケラトプス科 Ceratopidae
亜科 : セントロサウルス亜科 Centrosaurinae
: ルベオサウルス属 Rubeosaurus
学名
Rubeosaurus
McDonald & Horner, 2010

ルベオサウルス学名 Rubeosaurus)は、モンタナ州後期白亜紀地層から発見された、セントロサウルス亜科に属する恐竜である。勇壮な鼻角とホーンレットを備える。80年の間スティラコサウルス属に分類されていたが、2010年に新属として独立した。また、ブラキケラトプスとして知られる標本はルベオサウルスの未成熟な個体であると考えられている。エイニオサウルスとは姉妹群であるとされる。

発見の歴史

[編集]
MOR 492。2020年4月に新属ステラサウルスとして独立した。

ホロタイプUSNM  11869 は部分的な後頭骨の寄せ集めで、1928年にジョージ・フライヤー・スタンバーグによって発見されたものである。第二の標本、MOR  429 は左の鱗状骨、ともに骨化した左右の鼻骨(鼻角の角芯つき)、部分的な左の上眼窩角、そして2本のスパイクを備えたほぼ完全な右の後頭骨などからなる。こちらは1986年に発見された[1]

本属は2010年にアンドリュー・マクドナルドとジョン・ホーナーによって命名された。模式種はR.オヴァトゥス。本種は以前、スティラコサウルス・オヴァトゥスとして記載されていたものである[2]

分岐分析の結果、ルベオサウルスはエイニオサウルスの姉妹群であることがわかった。

特筆すべきはその大きく太くまっすぐな鼻角とスパイク状のホーンレットで派手に装飾された骨質のフリルである。そのホーンレットは1~2対で、先端が鋭く、外側に向かってまっすぐ伸びる[1]

幼若個体の標本

[編集]

2007年、マイケル・ライアンらは別属の恐竜ブラキケラトプスがルベオサウルスの幼若個体ではないかと指摘した[1][3]

2011年の研究はその考察を裏付ける結果となった。ブラキケラトプスの最も成熟した個体と見られる標本 USNM 14765 の示す形質が、他のセントロサウルス類には当てはまらず、ルベオサウルスとは共通する幼形の形質であることが示されたのである。その研究では一方で、ブラキケラトプスの模式標本があまりにも不完全であり幼若個体のものでもあることから、 ブラキケラトプスは疑問名と考えられるべきでありルベオサウルスの古参異名とはなり得ないことも示唆された[4]

分類

[編集]

以下ライアンらによる系統樹。 (2016):[5]

セントロサウルス亜科

ディアブロケラトプス・エアトニ

ナストケラトプス族

アヴァケラトプス・ランメルシ (ANSP 15800)

MOR 692

CMN 8804

ナストケラトプス・ティトゥシ

Malta new taxon

アルベルタケラトプス・ネスモイ

セントロサウルス下科

ルベオサウルス・オヴァトゥス

スティラコサウルス・アルベルテンシス

スピノプス・ステルンベルゴルム

セントロサウルス・アペルトゥス

コロノサウルス・ブリンクマニ

パキリノサウルス下科

エイニオサウルス・プロクルヴィコルニス

アケロウサウルス・ホルネリ

パキリノサウルス族

パキリノサウルス・カナデンシス

パキリノサウルス・ラクスタイ

パキリノサウルス・ペロトルム

シノケラトプス・ズケンゲンシス

ウェンディケラトプス・ピンホルネンシス

ゼノケラトプス・フォレモステンシス

ホームズらは、スティラコサウルスの非対称性について記載された論文中で、ルベオサウルス・オヴァトゥスの提案された固有派生形質はスティラコサウルス・アルベルテンシスの種内の解剖学的変化の範囲内にあり、R. オヴァトゥスはスティラコサウルス・アルベルテンシスのジュニアシノニムであると主張した[6]

出典

[編集]
  1. ^ a b c Andrew T. McDonald & John R. Horner, (2010). "New Material of "Styracosaurus" ovatus from the Two Medicine Formation of Montana". Pages 156–168 in: Michael J. Ryan, Brenda J. Chinnery-Allgeier, and David A. Eberth (eds), New Perspectives on Horned Dinosaurs: The Royal Tyrrell Museum Ceratopsian Symposium, Indiana University Press, Bloomington and Indianapolis, IN.
  2. ^ Gilmore, Charles W. (1930). “On dinosaurian reptiles from the Two Medicine Formation of Montana”. Proceedings of the United States National Museum 77 (16): 1–39. doi:10.5479/si.00963801.77-2839.1. http://biodiversitylibrary.org/page/32382634. 
  3. ^ Ryan, Michael J.; Holmes, Robert; Russell, A.P. (2007). “A revision of the late Campanian centrosaurine ceratopsid genus Styracosaurus from the Western Interior of North America”. Journal of Vertebrate Paleontology 27 (4): 944–962. doi:10.1671/0272-4634(2007)27[944:AROTLC]2.0.CO;2. http://www.bio.ucalgary.ca/contact/faculty/pdf/russell/314.pdf 2010年8月19日閲覧。. 
  4. ^ McDonald, A. T. (2011). Farke, Andrew Allen. ed. “A Subadult Specimen of Rubeosaurus ovatus (Dinosauria: Ceratopsidae), with Observations on Other Ceratopsids from the Two Medicine Formation”. PLoS ONE 6 (8): e22710. doi:10.1371/journal.pone.0022710. PMC 3154267. PMID 21853043. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3154267/. 
  5. ^ Ryan, M.J.; Holmes, R.; Mallon, J.; Loewen, M.; Evans, D.C. (2017). “A basal ceratopsid (Centrosaurinae: Nasutoceratopsini) from the Oldman Formation (Campanian) of Alberta, Canada”. Canadian Journal of Earth Sciences 54. doi:10.1139/cjes-2016-0110. http://www.nrcresearchpress.com/doi/pdf/10.1139/cjes-2016-0110. 
  6. ^ Robert.B. Holmes; Walter Scott Persons; Baltej Singh Rupal; Ahmed Jawad Qureshi; Philip J. Currie (2019). “Morphological variation and asymmetrical development in the skull of Styracosaurus albertensis”. Cretaceous Research in press: Article 104308. doi:10.1016/j.cretres.2019.104308.