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「講談社文芸文庫」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
[[1988年]]に、[[純文学]]系統の作品を系統的に収録する目的で創刊された。よみやすさを追求するために、ほかの講談社の文庫よりやや大きめのサイズ([[新潮文庫]]と同じくらいの[[日本目録規則]]による大きさ表記では16cmとなるもの)にして、活字の大きさもやや大きめの10ポイントを採用した。その代わりに定価設定は高く、1200円から1500円くらい(本体価格)が標準である。なお刊行から数年間は、表紙の題名は金色の浮かし文字だったが、後におそらくコスト削減のため通常の印刷となり、紙質も当初のものより落としている。ただし元々が上質だったため、現在も他より悪いわけではない。新刊時の帯も、約10年を過ぎて、ほぼ無くしたが、創刊20周年を迎えるころから徐々に復活している。毎月4冊から3冊刊行になっている。
[[1988年]]に、[[純文学]]系統の作品を系統的に収録する目的で創刊された。よみやすさを追求するために、ほかの講談社の文庫よりやや大きめのサイズ([[新潮文庫]]と同じくらいの[[日本目録規則]]による大きさ表記では16cmとなるもの)にして、活字の大きさもやや大きめの10ポイントを採用した。その代わりに定価設定は高く、1200円から1500円くらい(本体価格)が標準である。なお刊行から数年間は、表紙の題名は金色の浮かし文字だったが、後におそらくコスト削減のため通常の印刷となり、紙質も当初のものより落としている。ただし元々が上質だったため、現在も他より悪いわけではない。約10年を過ぎて毎月4冊から3冊刊行になっている新刊時の帯もほぼ無くしたが、創刊20周年を迎えるころから徐々に復活している。


内容は今までの文庫本ではあまり採用されなかった純文学の作品や[[絶版]]からの復活、海外文学のなかでも実験的な作品を収録する事が多い。[[柄谷行人]]、[[花田清輝]]などの評論にも力をいれており、作家では[[大江健三郎]]の作品が多い。また[[井伏鱒二]]や[[吉田健一 (英文学者)|吉田健一]]、[[白洲正子]]といった玄人好みのエッセイを収録した「現代日本のエッセイ」や「戦後短編小説再発見」シリーズがある。1997年春から、[[ヘンリー・ジェームス]]、[[ゲーテ]]等の訳書を刊行している。
内容は今までの文庫本ではあまり採用されなかった純文学の作品や外国文学者のエセー集を[[絶版]]から刊行する事が多い。[[柄谷行人]]、[[花田清輝]]などの評論にも力をいれており、作家では[[大江健三郎]]の作品が多い。また[[井伏鱒二]]や[[吉田健一 (英文学者)|吉田健一]]、[[白洲正子]]といった玄人好みのエッセイを収録した「現代日本のエッセイ」や「戦後短編小説再発見」シリーズがある。1997年春から、[[ヘンリー・ジェームス]]、[[ゲーテ]]等の訳書を刊行している、実験的な海外文学作品も出している。


他に独自の特徴として、刊行時に著者が存命の場合は、本文の後に「著者から読者へ」と題した短文が掲載される。これは書き下ろしのオリジナルエッセイで、作品執筆時の思い出などの文章が収録されている。またその後に、専門家や親交のある文学者による解説や作家案内をはさんで、「著書目録」も掲載されている。これは著者の作品を「単行本」、「文庫」、「全集」等に分類した上で刊行順に一覧にしたもので、こちらも著者存命の場合は本人の校閲を経ており、信頼性の高いリストとなっている。「文庫」目録は長年、刊行時に購入可能のみだったが、現在は刊行された全点を掲載しているものが多い。
他に独自の特徴として、刊行時に著者が存命の場合は、本文の後に「著者から読者へ」と題した短文が掲載される。これは書き下ろしのオリジナルエッセイで、作品執筆時の思い出などの文章が収録されている。またその後に、専門家や親交のある文学者による解説や作家案内をはさんで、「著書目録」も掲載されている。これは著者の作品を「単行本」、「文庫」、「全集」等に分類した上で刊行順に一覧にしたもので、こちらも著者存命の場合は本人の校閲を経ており、信頼性の高いリストとなっている。「文庫」目録は長年、刊行時に購入可能のみだったが、現在は刊行された全点を掲載しているものが多い。


当初は品切れをなるべく出さない方針であったが、刊行開始約10年目を経た辺りからは、品切書目も出ざるを得なくなっていた。しかし2007年ごろから、他社(新潮、ちくま、[[中公文庫]]ほか)も含めて文芸書の復刊が増え始め、20周年を記念して、アンケートを読者から募った結果の「復刊」を謳った作品もある。ただしこれらは絶版になっていわけではないので、実際は増刷である。
当初は品切れをなるべく出さない方針であったが、刊行開始約10年目を経た辺りからは、品切書目も出ざるを得なくなっていた。しかし2007年ごろから、他社([[新潮文庫]][[ちくま文庫]]、[[中公文庫]]ほか)も含めて文芸書の復刊が増え始め、20周年を記念して、アンケートを読者から募った結果の「復刊」を謳った作品もある。ただしこれらは絶版になったではないので、実際は増刷の形をとる。

==外部リンク==
*[http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_list.jsp?type=&a=&t=&k=&i=&d_s_y=&d_s_m=&d_s_d=01&d_e_y=&d_e_m=&d_e_d=31&series=6&n=20&s=d&o=d&sf=0 講談社文芸文庫刊行リスト] 毎月更新される。



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2009年4月12日 (日) 20:38時点における版

講談社文芸文庫(こうだんしゃぶんげいぶんこ)は、講談社が発行している文庫版の叢書である。主に純文学文芸評論の収録が多い。

概要

1988年に、純文学系統の作品を系統的に収録する目的で創刊された。よみやすさを追求するために、ほかの講談社の文庫よりやや大きめのサイズ(新潮文庫と同じくらいの日本目録規則による大きさ表記では16cmとなるもの)にして、活字の大きさもやや大きめの10ポイントを採用した。その代わりに定価設定は高く、1200円から1500円くらい(本体価格)が標準である。なお刊行から数年間は、表紙の題名は金色の浮かし文字だったが、後におそらくコスト削減のため通常の印刷となり、紙質も当初のものより落としている。ただし元々が上質だったため、現在も他より悪いわけではない。約10年を過ぎて毎月4冊から3冊刊行になっている、新刊時の帯もほぼ無くしたが、創刊20周年を迎えるころから徐々に復活している。

内容は今までの文庫本ではあまり採用されなかった純文学の作品や外国文学者のエセー集を絶版から刊行する事が多い。柄谷行人花田清輝などの評論にも力をいれており、作家では大江健三郎の作品が多い。また井伏鱒二吉田健一白洲正子といった玄人好みのエッセイを収録した「現代日本のエッセイ」や「戦後短編小説再発見」シリーズがある。1997年春から、ヘンリー・ジェームスゲーテ等の訳書を刊行している、実験的な海外文学作品も出している。

他に独自の特徴として、刊行時に著者が存命の場合は、本文の後に「著者から読者へ」と題した短文が掲載される。これは書き下ろしのオリジナルエッセイで、作品執筆時の思い出などの文章が収録されている。またその後に、専門家や親交のある文学者による解説や作家案内をはさんで、「著書目録」も掲載されている。これは著者の作品を「単行本」、「文庫」、「全集」等に分類した上で刊行順に一覧にしたもので、こちらも著者存命の場合は本人の校閲を経ており、信頼性の高いリストとなっている。「文庫」目録は長年、刊行時に購入可能のみだったが、現在は刊行された全点を掲載しているものが多い。

当初は品切れをなるべく出さない方針であったが、刊行開始約10年目を経た辺りからは、品切書目も出ざるを得なくなっていた。しかし2007年ごろから、他社(新潮文庫ちくま文庫中公文庫ほか)も含めて文芸書の復刊が増え始め、20周年を記念して、アンケートを読者から募った結果の「復刊」を謳った作品もある。ただしこれらは絶版になったのではないので、実際は増刷の形をとる。

外部リンク