「肺胞」の版間の差分
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2010年1月30日 (土) 07:39時点における版
肺胞(はいほう、英: alveolus)は、血液‐ガス交換の場。肺の容積の85%を占める。
肺胞はガスを溜める肺胞腔と、これを囲む肺胞上皮からなる。肺胞上皮は扁平肺胞上皮細胞と顆粒肺胞上皮細胞からなる。前者は肺胞を取り囲む毛細血管内皮細胞と基底膜を介して血液空気関門を形成し、肺胞内ガスと血液ガスの交換を行う。後者は層板小体を多く含み、肺サーファクタント(肺胞界面活性剤)を開口分泌し、肺胞被覆層を形成している。肺胞一つの大きさは100〜200μmくらい。肺胞は中隔孔により互いに交通している。
ガス交換の仕組み
血液と空気のガス交換は血液‐ガス分配係数で表される。赤血球中のヘモグロビン(Hb)は酸素分圧に応じて酸素と結合し、酸素分圧の低い末梢組織で酸素を遊離する。
二酸化炭素は一部はヘモグロビンと結合しているが、これは二酸化炭素の運搬というよりもヘモグロビンと酸素との親和性を変化させることにより効率よく酸素を運搬させる役割を持っている。二酸化炭素は酸素よりも水に溶解しやすく、二酸化炭素の運搬は専ら血漿への溶解→赤血球内での水和(炭酸に変化)によるイオン化によって血漿中に拡散して運搬される。血漿中にはフリーの二酸化炭素と炭酸イオンが共存し平衡に達しているが、二酸化炭素分圧の低い肺胞に血液が到達すると、まず二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、血漿の二酸化炭素分圧が下がることによって炭酸が脱水されて二酸化炭素となり、さらに肺胞気中に拡散して排泄される。
一方一酸化炭素やシアン化水素は酸素よりもヘモグロビンとの親和性が高く、酸素運搬を阻害して毒性を発揮する。