後藤象二郎のソースを表示

{{別人|x1=弁護士の|後藤昌次郎}}
{{出典の明記|date=2015年9月}}
{{政治家
| 人名 = 後藤 象二郎
| 各国語表記 = ごとう しょうじろう
| 画像 = Goto Shojiro.jpg
| 画像サイズ = 200px
| 国略称 = {{JPN}}
| 生年月日 = [[1838年]][[4月13日]]<br>（[[天保]]9年[[3月19日 (旧暦)|3月19日]]）
| 出生地 = {{JPN}}・[[土佐国]][[高知城]]下片町<br>（現・[[高知県]][[高知市]]）
| 没年月日 = {{死亡年月日と没年齢|1838|4|13|1897|8|4}}
| 死没地 = {{JPN}}・[[神奈川県]][[箱根]]
| 前職 = [[武士]]（[[土佐藩|土佐]][[藩士]]）
| 称号・勲章 = [[正二位]]<br/>[[勲一等旭日大綬章]]<br/>[[伯爵]]
| 配偶者 = 後藤磯子
| 子女 = [[後藤猛太郎]]<br/>岩崎早苗子<br/>大江小苗<br/>後藤六弥<br/>長與延子
| 親族（政治家） = 娘婿・[[岩崎弥之助]](貴族院議員)<br/>娘婿・[[大江卓]](衆議院議員)<br/>孫婿・[[犬養健]](法務大臣)
| 国旗 = JPN
| 職名 = 第9代 [[農商務省 (日本)#歴代の農商務大臣等|農商務大臣]]
| 内閣 = [[第2次伊藤内閣]]
| 就任日 = [[1892年]][[8月8日]]
| 退任日 = [[1894年]][[1月22日]]
| 国旗2 = JPN
| 職名2 = 第2代 [[逓信省#歴代大臣|逓信大臣]]
| 内閣2 = [[黒田内閣]]<br/>[[第1次山縣内閣]]<br/>[[第1次松方内閣]]
| 就任日2 = [[1889年]][[3月22日]]
| 退任日2 = 1892年8月8日
| 国旗3 = 大阪府
| 職名3 = 官選第2代 [[大阪府知事一覧|大阪府知事]]
| 就任日3 = [[1868年]][[5月23日]]
| 退任日3 = [[1870年]][[1月24日]]
}}

'''後藤 象二郎'''（ごとう しょうじろう、[[1838年]][[4月13日]]〈[[天保]]9年[[3月19日 (旧暦)|3月19日]]〉 - [[1897年]]〈[[明治]]30年〉[[8月4日]]）は、[[大日本帝国|日本]]の[[武士]]（[[土佐藩|土佐藩士]]）、[[政治家]]、[[実業家]]。名は'''象次郎'''とも表記される。[[日本の栄典|栄典]]は[[正二位]][[勲一等旭日大綬章|勲一等]][[伯爵]]。'''土佐三伯'''の1人（他に[[板垣退助]]、[[佐々木高行|佐佐木高行]]）。

== 生涯 ==
=== 生い立ち ===
[[ファイル:Goto Shojiro Kochi01bs3200.jpg|280px|thumb|後藤象二郎生誕地（[[高知市]]）]]
土佐藩士・[[後藤正晴]]（[[馬廻|馬廻格]]・150[[石 (単位)|石]]）の長男として[[高知城]]下片町に生まれる。母は大塚勝従の長女。[[幼名]]は保弥太（やすやた）。[[仮名 (通称)|通称]]は良輔（りょうすけ）だったが、後に'''象二郎'''と改名。[[諱]]は'''正本'''（まさもと）、後に'''元曄'''（もとはる）。[[字]]は日曄、暢谷、雲濤、不倒翁など。[[雅号]]に暘谷、雲濤、光海、鷗公など。

[[板垣退助]]とは[[竹馬の友]]で互いに「いのす（猪之助＝板垣の幼名）」と「やす（保弥太＝後藤の幼名）」と呼び会う仲であった。仲の良かった理由の一つには、互いに遠縁の親戚であったことが挙げられる<ref name="『板垣精神』">『板垣精神』</ref>。{{main|[[後藤象二郎#後藤家と板垣家の関係|後藤家と板垣家の関係]]}}

=== 父の死 ===
[[嘉永]]元年（[[1848年]]）7月25日、保弥太11歳(満10歳)の時、江戸藩邸で父が病死すると<ref name="Osamurai cho"> 『御侍中先祖書系圖牒』[[土佐山内氏|旧山内侯爵家]]蔵</ref>、[[義理]]の[[叔父]]・[[吉田東洋]]が養育を扶助して育つ。のち東洋が開いた少林塾に学ぶ。また[[柳河藩]]士の[[大石進|大石種昌]]に[[大石神影流]][[剣術]]を学び文武の業を修めた。

=== 幕末 ===
[[ファイル:Goto Shojiro Photo Tosa Domain.png|200px|thumb|土佐藩士時代の後藤]]
[[安政]]5年（[[1858年]]）、東洋の推挙によって[[幡多郡]][[奉行]]となる。[[万延]]元年（[[1860年]]）9月、土佐藩の大坂藩邸建築のための[[普請奉行]]を仰せ付けられる。[[文久]]元年（[[1861年]]）に御近習目付となるが、翌2年（[[1862年]]）に東洋が[[暗殺]]されると任を解かれた。文久3年（[[1863年]]）に勉学のため[[江戸]]に出て、[[開成所]]で[[大鳥圭介]]に[[英語]]を学び、[[会津藩]]士・[[高橋金兵衛]]に[[航海術]]を学んだ。[[元治]]元年（[[1864年]]）に藩政に復帰した。前藩主で事実上藩政を執っていた[[山内容堂]]の信頼を得て[[大監察]]や[[参政]]に就き、[[公武合体]]派の急先鋒として活躍した。

[[慶応]]元年（[[1865年]]）閏5月11日、[[武市瑞山]]を獄に断じ、次いで慶応2年（[[1866年]]）、藩命を奉じて薩摩、[[長崎市|長崎]]に出張、さらに[[上海市|上海]]を視察して[[貿易|海外貿易]]を研究した。[[坂本龍馬]]と深く交わるようになったのはこの頃である。

慶応3年（[[1867年]]）、土佐藩は[[征夷大将軍|将軍]]・[[徳川慶喜]]に対し[[大政奉還]]論を提議。[[土佐藩]]の在京幹部である[[寺村道成]]、[[真辺正心]]、[[福岡孝弟]]らの賛同を得て、[[薩摩藩]]の[[西郷隆盛]]、[[大久保利通]]、[[小松清廉|小松帯刀]]らと会談し'''[[薩土盟約]]'''を締結した（6月22日（7月23日））。しかし、[[イカルス号事件]]の処理で土佐に乗り込んできた[[駐日英国大使|英国公使]][[ハリー・パークス|パークス]]との交渉を[[渡辺弥久馬]]（斎藤利行）と共に行うなど時間を消耗したため、[[倒幕]]路線を歩む薩摩との思惑のずれから盟約は解消された。薩摩との提携解消後も大政奉還への努力を続け、10月3日に容堂とともに連署して大政奉還建白書を提出。10月14日に慶喜がこれを受けて[[大政奉還]]を行った。これらの功により、後藤は[[中老]]格700石に加増され、役料800石を合わせて計1,500石に栄進する。

慶応4年（[[1868年]]）、天皇謁見に向かうパークス一行の護衛を務め、パークス暗殺を計画して斬り込んできた浪士と抜刀して斬り合い、そのうち一人の[[朱雀操]]を討ち取る。この事件の功により、[[中井弘]]と共に[[イギリス帝国|イギリス]]の[[ヴィクトリア (イギリス女王)|ヴィクトリア女王]]から恩賜の[[サーベル]]が進呈された<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=英女王が土佐藩士 後藤象二郎に贈呈のサーベル 都内で見つかる {{!}} NHK |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230516/k10014068991000.html |website=NHKニュース |date=2023-05-16 |access-date=2023-05-19 |last=日本放送協会}}</ref>。[[明治維新]]の功により[[賞典禄]]1,000石を賜る。

=== 明治時代 ===
新政府では[[大阪府知事]]や[[参与]]、[[左院]][[議長#議会における議長|議長]]、[[参議]]、[[工部省|工部]][[大輔]]などの要職に就くが、[[明治]]6年（[[1873年]]）の[[征韓論|征韓論争]]に敗れて板垣退助、西郷隆盛らと共に下野する（[[明治六年政変]]）。その後、板垣や[[江藤新平]]・[[副島種臣]]らと共に[[愛国公党]]を結成し、[[民撰議院設立建白書]]署名の1人となる。

明治7年（[[1874年]]）、政治資金を調達するため[[商社]]「[[蓬萊社]]」を設立する。約55万[[円 (通貨)|円]]で政府から[[高島炭鉱]]の払い下げを受けて経営に乗り出すが、[[ジャーディン・マセソン商会]]から代金を全額借りたため、利息と手数料で利益は商会にわたるしくみになっていた。[[福澤諭吉]]の仲介で[[三菱財閥|三菱]]の[[岩崎弥太郎]]に約97万円で売却し、三菱は後藤に毎月1千円を支払う約束をした。

明治14年（[[1881年]]）、[[自由党 (日本 1881-1884)|自由党]]の結成に際しては、[[板垣退助]]に次ぐ副党首格で参加した。結党後、板垣との洋行計画について、[[馬場辰猪]]らにその時期の悪さと資金源を疑われ、自由党の内部対立が深刻になる（[[板垣洋行問題]]）。結局、馬場ら批判グループを追放し終止符を打つ。また1881年4月25日、[[岩崎弥太郎]]が後藤所有の[[高島炭鉱]]を譲り受け、その代償として後藤の政府宛未納金25万円を肩代わりした<ref>明治前期財政経済史料集成17　工部省沿革報告　大蔵省編</ref>。

明治15年11月11日、後藤は板垣とともに横浜から欧州に渡り、仏、独、英を歴訪し、翌年6月22日帰国した。

明治16年（[[1883年]]）、[[朝鮮留学生]]を支援していた福澤の要請で[[朝鮮開化派]]の[[金玉均]]を援護するため、板垣とともに[[フランス]][[公使]]サンクイッチを訪問し、朝鮮国内の鉱山利権譲渡の見返りに100万円を借りて<ref>彭沢周「朝鮮問題をめぐる自由党とフランス」『歴史学研究』265、1962年6月、22頁。</ref>、自由党壮士を組織し、[[朝鮮半島]]に送り込む計画を立てるも頓挫する。福沢と金は後藤を朝鮮政府顧問として招へいする計画だった。

明治20年（[[1887年]]）5月、[[伯爵]]を授けられる。その頃、[[大同団結運動]]が盛り上がり、後藤は指導者として活躍するが、[[保安条例]]の施行により有力民権家が多く追放され、運動は転機を迎えた。後藤も[[福沢諭吉]]とともに保安条例の対象となっていたが、最終的には二人ともリストから削除された<ref>寺崎修「保安条例と福沢諭吉」『福沢諭吉年鑑』22、1995年11月。</ref>。後藤は入閣を打診され、[[黒田清隆]]内閣で逓信大臣に就任する。民権家は批判したが、後藤は大同団結の主義を貫くことを約束した<ref>3月21日付伊藤博文宛渡辺昇書簡、『伊藤博文関係文書』第8巻、1980年、365―366頁。</ref>。実際に閣内で大隈の[[条約改正交渉]]を批判し、再三[[閣議]]の開催を首相に要求し、閣議では内閣として連帯して責任をとって総辞職することを主張した。結局、黒田一人の辞職で終わったが、大臣の単独責任から内閣としての連帯責任への転換、延いては[[政党内閣]]の実現を企図した行動であった<ref>明治22年10月28日付三条実美宛渡辺昇書簡同封別紙探聞報告、「三条実美関係文書」344―5（国立国会図書館憲政資料室蔵マイクロフィルム）。</ref>。[[黒田内閣]]、[[第1次山県内閣]]、[[第1次松方内閣]]で[[逓信省|逓信大臣]]、[[第2次伊藤内閣]]で[[農商務省 (日本)|農商務大臣]]を歴任。政党人脈を生かし、議会での多数派工作に尽力した。しかし、明治27年（[[1894年]]）1月22日、商品取引所の開設にまつわる次官の収賄事件の責任をとって大臣職を辞した。福沢は[[日清戦争]]時に再び後藤を朝鮮政府顧問として派遣することを企図し、招へいの準備が進められたが、結局、日本政府が多くの顧問を派遣する形になり、実現しなかった<ref>都倉武之「明治二七年・甲午改革における日本人顧問官派遣問題――後藤象二郎渡韓計画を中心に」『武蔵野学院大学研究紀要』第3輯、2006年。</ref>。

[[ファイル:GotoShojiro20131109.jpg|180px|thumb|後藤象二郎の墓]]
明治29年（[[1896年]]）夏頃、[[心臓病]]を患って[[箱根]]で療養につとめたが、翌明治30年（1897年）8月4日[[薨去]]。享年60。墓は[[東京都]][[港区 (東京都)|港区]]の[[青山霊園]]にある。墓の形状は[[板垣退助]]の墓と全く同型である。

== 銅像 ==
[[File:Bronze statue of Shojiro Goto.jpg|thumb|芝公園にあった銅像]]
後藤象二郎の薨去後、[[板垣退助]]が会長、[[福岡孝弟]]が副会長となって、浄財を集め[[東京市]]の[[芝公園]]に後藤の銅像([[本山白雲]]作)が建立されたが、[[大東亜戦争]]の金属供出により撤去された。

== 逸話 ==
*[[仮名 (通称)|通称]]「象二郎」の名乗りは、容堂の「吉田東洋に象（かたど）れ」との言に基づくとされる。
*地震がひどく嫌いで、他人が気づかない程度の微震であってもいち早く気づき、屋外に飛び出すので、その点はいつも家人に笑われたという<ref>『明治大臣の夫人』</ref>。
*[[ルイ・ヴィトン]]の顧客になった日本人としては最初期のひとりである。[[立憲主義|立憲政治]]視察のため板垣退助と渡欧した明治15年（[[1882年]]）から16年（[[1883年]]）の間に、ヴィトン本店で[[鞄]]を購入した顧客名簿の中に板垣退助や後藤象二郎の名が記されている。後藤が購入した鞄は存在しないが、板垣の購入したルイ・ヴィトンの鞄は、[[高知市立自由民権記念館]]に現存している<ref>{{cite news| url = http://www.asahi.com/national/update/0916/OSK201109160105.html| title = ルイ・ヴィトン、板垣退助もご愛用　曾孫、トランク寄託| date = 2011-09-17| publisher =朝日新聞 | accessdate = 2011-09-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110919065808/http://www.asahi.com/national/update/0916/OSK201109160105.html|archivedate=2011-09-19}}</ref>。なお初めて顧客になったのが後藤であると長らく信じられてきたが、実際には後藤よりも5年前の[[1878年]]に[[鮫島尚信]]（在仏特命全権公使）と[[中野健明]]（一等書記官）が購入していたことが当時の顧客名簿から判明している<ref name="itagakikai_3" />。板垣退助が日本人購入者として3番目、後藤象二郎が4番目である<ref name="itagakikai_3">NPO法人板垣会 会報第3号</ref>。
* 板垣とは幼馴染であり、互いに「いのす」（猪之助＝板垣）「やす」（保弥太＝後藤）と呼び合う仲で、[[幼少期]]の2人が[[喧嘩]]をした際、後藤が[[ヘビ|蛇]]を苦手とすることを知っていた板垣は、決まって蛇を持ち出して後藤を退散させていたと伝えられる。
* 龍馬が提案したと言われている船中八策に基づき、容堂に大政奉還を進言する。この進言後、[[脱藩]]罪に問われていた龍馬が[[特赦]]されたのは後藤の働きによるとされる。
* [[二条城]]での大政奉還の日、薩摩・土佐・[[広島藩|芸州]]・[[備前藩|備前]]・[[宇和島藩|宇和島]]の五藩の代表が居残って、慶喜と膝詰め談判となった時、緊張のあまり大汗をかいた。そばで見ていた[[松平定敬]]は後藤の緊張した様子を「成る程、額・首筋の流汗は甚だしかりき」と述べ、後で同僚たちと「後藤の汗咄し（ばなし）」を噂し合ったという。
* 明治19年（[[1886年]]）に[[熱海市|熱海]]、同23年（[[1890年]]）には[[大磯町|大磯]]にそれぞれ[[別荘]]を所有している。また、[[平塚市]]袖ヶ浜にも別荘（二扇庵）を所有した。
* 江藤新平が[[佐賀の乱]]を起こした際に、[[大久保利通]]は[[捜査]]に江藤の写真を用いる事を考え、後藤が江藤の写真を持っていることがわかり、[[警視庁 (内務省)|警視庁]]から写真の差出しを頼まれたが、「友人を縛する手掛かりに、おれの記念せる写真を差し出せとは真平御免なり。如何なる処分でも仕切るというのなら勝手にするがよい」と一喝して、写真の差出しを拒否した。江藤[[逮捕]]の後、 [[副島種臣]]・板垣らと共に、自己の功と引き換えに江藤の[[減刑]]を政府に訴え出ている。
*伯、ある時賃借事件の為に訴えられて、法廷に召喚せられしことあり。その際、伯の履歴調べの事より、『参議を免ぜられしは何年何月なりしか』と尋ねられたるに、伯は簡単に、『記憶せず』と返答す。原告は『かかる一生涯の大事を記憶せざる理由なし』と詰め寄りければ、伯は忽ち威丈高になりて曰く、『象二郎、不肖なりといえども、維新前より土佐藩の家老なり。靴磨きか、草履取りの分際より成り上がりし出来星紳士ならば、参議の任免を大事件として、後生大事に記憶すべきも、象二郎はこの如き人物にはあらざるなり』と。それより雄弁を鼓して、散々に揶揄翻弄せしかば、原告は激怒のあまり、口訥して弁ずる能わざりき<ref name="『十人十色名物男』">『十人十色名物男』</ref>。
*ある時、汽車に[[井上馨]]と同乗した際、互いの抱負を語り合った。井上が『我は数千萬円の財を造って見たし』と語ると、後藤は『我は数億円の借金がしてみたし』と答えたという<ref name="『十人十色名物男』"/>。
*数々の上演、テレビドラマ、映画で人気の高い三島由紀夫の戯曲『[[鹿鳴館 (戯曲)|鹿鳴館]]』で、[[井上馨]]をモデルとした主人公・影山伯爵と対立する自由主義者・清原永之輔のモデルであることは三島の創作ノート等にも記されている。清原は伯爵でも大臣でもない在野の大物として描かれているが、1886年の設定なので一応現実の後藤の境遇とも一致する。
* 後藤の旧宅跡は現在[[テレビ長崎]]の社屋となっており、脇に後藤象二郎邸跡を示す石碑が建っている。
* ヴィクトリア女王から進呈されたサーベルは[[静嘉堂文庫]]に収蔵されている<ref name=":0" />。

== 評価 ==
*[[吉田東洋]] 「我甥なれど後藤生は必ず藩のお役に立つべき者と存ず」<ref>『明治功臣録』</ref>
*[[坂本龍馬]]
**「後藤は実に同志にて、人のたましいも志も土佐国中で外にあるまいと存候」
**「彼は才物である。彼は我と時勢を談ずるに、一言も既往の歴史に渉らず、恩讐共に、忘るる如く、杯酒の席に於ても、談柄を常に己れに属せしむ。真に才物である。我は、彼の才を利用して、吾党の志望を達せん」<ref>『実録維新十傑　第九巻』</ref>
*[[中岡慎太郎]] 「西郷は一日に十五里歩むといえば必ず十五里歩み、後藤は二十里歩むと大法螺を吹いて、実は十六里しか歩けない。しかし、結局において、後藤は西郷よりも一里多く歩む人間だ」<ref name="『生きている歴史』">『生きている歴史』</ref>
* [[佐々木高行]] 「佐幕頑固党の小八木などにも大変嫌われる、また平井、小南などの勤王派にも非常に嫌われたる人である。しかしながら此人は皆人知る才子であります。後藤はとかく突飛な事をやる男であるから、御維新でもなければ身の始末が付かなかったことであろう」<ref>『佐佐木老公昔日談』</ref>
* [[福澤諭吉]] 
**「政府の現状を変え、諸悪をはらい清める、非常大胆の豪傑、満天下唯一の人物は後藤伯だけである」<ref>『時事新報　後藤伯』</ref>
**「若しも此人をして総理大臣の地位に当らしめ政府の全権を任せたらんには、国家百年の長計は兎も角も、踔励風発、満前の障害物を一掃して一時天下の耳目を一新するの快断、必ず見る可きものありしならん」<ref>『福澤諭吉全集』第16巻、69頁。</ref>
*[[後藤雪子]]
**「後藤の平生の嗜好は字を書くことなり。暇さえあれば、習字をして楽しみたり。酒は一滴も口にせざりき」<ref name="『十人十色名物男』"/>
**「後藤の体重は三十五歳の時に、二十二貫六百目ありき。晩年病気の際にも、十九貫ありき。身長は測りたること無し。著丈は四尺なりき」<ref name="『十人十色名物男』"/>
* [[陸奥宗光]] 「試に彼と語りて瞑目せんか、彼は明治世界の産物にあらずして、殆ど晋末の六朝か、唐末の五代に成功すべき怪傑が、偶然その形を我国に現出したるに非ざるかを思い至るべし」<ref>『坂本龍馬関係文書』</ref>
* [[勝海舟]] 「後藤は大名の塩辛にしたようなものだ。少しも尻のつかぬ男だ」<ref>『海舟座談』P161</ref>
*[[尾崎行雄]]
**「豪放闊達、人をして一見すぐに快感を起さしむる点においては、予が知人中後藤象次郎伯の右に出づるものはなかった。その言論振舞、何となく雄大な所があって、誠に愉快な人であった。伯の最も他人に異なる所は、過去を語らなかった一事だろう。未来に向って多大の望みをもってる人は、概して過去の語り方が少ないが、一概にそうばかりにも行かないものと見え、伊藤公の如きは、未来に向って、多大の望みを持っていたにもかかわらず、なお好んで過去を語った。大隈候と後藤伯とは、ドチラも容易に過去を語らなかった。特に後藤伯に至っては、過去を語ることが嫌いであったようだ。（大政奉還の事を語らせようとしたが）通り一片の答えをしたかと思うと、何時しか話題を他に転じてしまった。別段四角ばって、これを拒絶したわけではないが、何時の間にか、話を他に外らしてしまった。語ってもよさそうなものだが、語らなかった。不思議な人であった」<ref>『咢堂漫談』</ref>
**「ほんとの豪傑とは、こういう人かと思うような人であった。それにあれほどの豪傑であって、妙なことは、字が上手で、懐素流をよほどよく書いた。おそらく維新の豪傑で、あれほどの能書家は他にはあるまい」<ref>日本憲政史を語る 上巻</ref>
*六代目[[竹本土佐太夫]]
**「維新当時の面白い思い出話を聞こうと思ってたびたび水を向けて見ましたが、いつもニコニコ笑って話されませんでした」<ref name="『生きている歴史』"/>
**「気宇の大きいこと、太っ腹なこともちょっと他人の真似られないところでした。よく『小さな島国の日本で食えなくなれば、日本人として世界のどこへ行っても大将になってやる』といわれていたが、実際、実業家になっておられても素晴らしい人物になられたでしょう。現に商売が好きで『俺は金儲けをするんだ』と、よくいわれていました」<ref name="『生きている歴史』"/>
**「日常生活においても、実に太っ腹で磊落で、小さなことが嫌いでした。私が太夫になってからお邸へ伺候致しました時『貴様の小屋の木戸銭はいくらとるか』とおたづねになった。私はそのコツを知っていますから『ハイ一圓とります』と申し上げると、『なに、一圓とるか。ウーム、貴様もとうとう日本一の太夫になったなァ・・・』と大変なご機嫌で、お喜びなのです。万事こうしたイキの愉快な人でした」<ref name="『生きている歴史』"/>
*[[山田愛川]] 「その人物を形容するに一望千里天空海闊あたかも此の大磯の絶景にさも似たり。しかして君の過去を尋ね、その事跡を思い出すときは無限の感慨胸中に沸き出でて、思わず新鮮なる智識を得るに至ること、いわゆる故るきを温ねて新らしきを知るの趣きがあるからである」<ref>『愛川遺稿』</ref>
*[[山本正心]] 「私はあれほど逢うて心持のよい先輩は、先づ[[林有造]]先輩と好一対の英雄式大人物であったと深く深く頭脳へしみ込んでいる」<ref>『書斎の屑籠:活殺自在』</ref>
*[[後藤新平]] 「およそ人はその功績により、名誉の表彰を受けしものは、皆その記念物を客間に陳列し、以てこれを誇るを常とす。後藤伯に至りては、決してかかる事なし。予かつて、かのパークス危難救助謝礼として、英女王より賜れる宝剣を一見せんと欲し、これを伯に乞いたるに、『何処かへ仕舞置きたり』と答えられたるのみなりき」<ref name="『十人十色名物男』"/>
*[[中江兆民]] 「われらその大胆に服するなり。よく是れ勲を負うの人なり、爵を荷うの人なり、千金を擁するの人なり、姫美を抱くの人なり」<ref>『中江兆民集』</ref>

== 栄典 ==
* [[1887年]]（明治20年）
** [[5月9日]] - [[伯爵]]<ref>『官報』第1156号「叙任及辞令」1887年5月10日。</ref>
** [[12月26日]] - [[従三位]]<ref>『官報』第1351号「叙任及辞令」1887年12月28日。</ref>
* [[1889年]]（明治22年）[[12月27日]] - [[勲一等旭日大綬章]]<ref>『官報』第1952号「叙任及辞令」1889年12月28日。</ref>

== 系譜 ==
=== 系図 ===
*'''後藤家'''の先祖・[[後藤福基]]は、慶長6年（[[1601年]]）、初代[[土佐藩]]主・[[山内一豊]]が土佐から[[上洛]]する途中の[[大坂]]で、禄500石・[[母衣|御使母衣]]で召抱えられた。この時、福基の嫡子の後藤助右衛門（初代）は、200石で父と同じ時に召抱えられている。ゆえあって助右衛門の弟・後藤之基が父・[[後藤福基]]の家督を相続して後藤本家となり、兄・助右衛門が分家して一家を創立。この為、後藤之基家が次男筋であるが本家、助右衛門家が長男筋であるが分家とされている。この「助右衛門」家の10代目当主が後藤象二郎である<ref>『御侍中先祖書系図牒』による</ref>。
*また後藤象二郎の父・[[後藤正晴]]の母は、昭和17年([[1942年]])に出版された[[寺石正路]]撰の『土佐名家系譜』を典拠として「後藤正澄(左近右衛門)の妹」と記す書籍があるが、同時代の藩政史料である『御侍中先祖書系圖牒』に「第九養子・助右衛門正晴。前名藤次。養父外姓之従弟。實は第八・橋本宅右衛門孝直二弟也」とある事から「後藤吉正(収五郎)の妹」が正しい<ref>『土佐名家系譜』は、後藤家の遠祖は、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]の[[武将]]・[[後藤基次]]であるという俗説を載せ、また中途の世代名を欠くなど、藩政史料と照会しておらず極めて粗雑で誤記が多い。一例を挙げれば、後藤家の先祖が召抱えられたのは、1601年、一豊が上洛の途中の大坂においてであるが、『土佐名家系譜』では1600年、一豊が土佐入領の途中の大坂で召抱えられたとする。このように、藩政史料を根底にせず、聞き書きをそのまま記載されている箇所が散見されるため、引用には注意を要する。</ref>。

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{{familytree|border=0|,|-|-|-|-|-|-|-|'| | | | | | | | | | | | | | | | |}}
{{familytree|border=0|!| 153 |-| 253 | | | | | | | | | | 553 | | | | | |153=堀田伊左衛門|253=<sup>3</sup>[[後藤基平]]|553=<sup>6</sup>後藤充輝}}
{{familytree|border=0|!| | | | | |}|-|.| | | |,| 454 | | |}|-|.| | | | |454=後藤基傳}}
{{familytree|border=0|)| 155 |-| 255 |`| 355 |^| 455 |-| 555 |`| 655 |-| 755 |v| 855 |155=<sup>2</sup>後藤之基|255=女子|355=<sup>4</sup>後藤基生|455=<sup>5</sup>後藤基養|555=女子|655=<sup>7</sup>後藤充保|755=<sup>8</sup>後藤充滋|855=<small>後藤光春</small>}}
{{familytree|border=0|`| 156 |-| 256 | | | | |,| 456 | | | | | | | | | | | | |)| 856 |156=<sup>①</sup>後藤助右衛門|256=女子|456=後藤正之|856=<small>後藤基誉</small>}}
{{familytree|border=0| | | | | | |}|-|-| 357 |^| 457 |,| 557 |,| 657 |.| | | |`| 857 |357=<sup>③</sup>後藤勝正|457=<sup>④</sup>後藤正義|557=<sup>⑤</sup>後藤正刻|657=<sup>⑥</sup>後藤吉長|857=男子}}
{{familytree|border=0| | 158 |-| 258 | | | | | | |}|-|'| |}|-|+| 658 |!|158=浅香宗太夫|258=<sup>②</sup>後藤正勝|658=松井正筆}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | |,|-|-|-|-| 459 |,| 559 |)| 659 |!|459=女子|559=女子|659=女子}}
{{familytree|border=0| | | | | | 260 |^| 360 |-| 460 |^| 560 |`| 660 |!|260=遠藤成長|360=遠藤貞成|460=遠藤成直|560=女子|660=毛利吉胤妻}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | |:| | | | | |!|}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | 562 | | | | |!|562=関貞正 }}
{{familytree|border=0|,|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|'|}}
{{familytree|border=0|)|-| 164 |v| 264 |v| 364 | | | | | | | | | | | | |164=<sup>⑦</sup>後藤吉正|264=<sup>⑧</sup>後藤正澄|364=後藤正保}}
{{familytree|border=0|!| | | | |`| 265 |)| 365 | | | | | | | | | | | | |265=後藤正亮|365=五藤正徳妻}}
{{familytree|border=0|)|-| 166 | | | | |)| 366 | | | | | | | | | | | | |166=本山茂直|366=仙石寅治妻}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | | |`| 366 | | | | | | | | | | | | |366=琴子}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | | | | |}|-|-|-|-|-| 566 | | | | | |566=[[吉田正春]]}}
{{familytree|border=0|!| | 166 |-| 266 |-| 366 | | | | | | | | | | | | | | | | |166=吉田正幸|266=吉田正清|366=[[吉田東洋]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | 366 |-| 466 |-| 566 | | | | | | | | | | | | |366=武市正久|466=[[武市正恒]]|566=[[武市瑞山]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | | |,| 466 | | |:| | | | | | | | | | | | | |466=[[島村雅事]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | | |)| 466 |-| 566 | | | | | | | | | | | | |466=島村雅風|566=[[武市富子]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | 366 |^| 466 |,| 566 | | | | | | | | | | | | |366=島村正壽|466=佐尾子|566=[[沢辺琢磨]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | | | | |}|-|(| | | | | | | | | | | | | | | |}}
{{familytree|border=0|!|,| 266 |v| 366 |-| 466 |`| 566 | | | | | | | | | | | | |266=山本信固|366=山本信年|466=山本信道|566=桑津重時}}
{{familytree|border=0|!|!| | | |`| 366 |,| 466 | | | | | | | | | | | | | | | | |366=[[坂本直足]]|466=[[坂本直方]]}}
{{familytree|border=0|!|!| | | | | |}|-|^|-|-|-|-| 466 | | | | | | | | | | | | |466=[[坂本龍馬]]}}
{{familytree|border=0|!|!| 266 |-| 366 | | | | | | 466 |-| 566 |-| 666 | | | | |266=坂本直澄|366=[[坂本幸]]|466=[[福岡孝弟]]|566=[[福岡秀猪]]|666=宮地呉子}}
{{familytree|border=0|!|`| 266 |-| 366 |-|-|-|-|-| 466 |-| 566 | | |:| | | | | |266=[[宮地信貞]]|366=宮地茂好|466=宮地自然|566=[[宮地茂春]]}}
{{familytree|border=0|!| | 166 |-| 266 | | | | | | | | | | |}|-|-| 666 | | | | |166=[[乾正聰]]|266=[[乾信武]]|666=[[宮地茂秋]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | |}|-|-| 366 |-| 466 |-| 566 | | | | | | | | |366=[[乾正成]]|466=[[板垣退助]]|566=宮地軍子}}
{{familytree|border=0|!| | | | |,| 266 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |266=女子}}
{{familytree|border=0|!| | 166 |+| 266 |-| 366 |v| 466 | | | | | | | | | | | | |166=[[谷村自熈]]|266=谷村自高|366=[[谷村自雄#家族|谷村自輝]]|466=[[谷村自庸]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | |`| 266 | | | | |`| 466 | | | | | | | | | | | | |266=[[谷村自雄]]|466=女子}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | | | | | | | | |:| | | | | | | | | | | | | |}}
{{familytree|border=0|`|-|-|-|-|-| 168 |,| 268 |-| 468 | | | | | | | | | | | | |168=女子|268=橋本孝直|468=橋本直道}}
{{familytree|border=0| | | | | | | |}|-|+| 269 | | | | | | | | | | | | | | | | |269=武藤好直}}
{{familytree|border=0| | | | | | | 170 |`| 270 | | | | |,| 470 | | | | | | | | |170=橋本寅直|270=<sup>⑨</sup>[[後藤正晴]]|470=後藤貞馬}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | |}|-|-|goshj|+|gotak|v|goyas|-|goshz|goshj=<sup>⑩</sup>'''後藤象二郎'''|gotak=<sup>⑪</sup>[[後藤猛太郎]]|goyas=<sup>⑫</sup><small>[[後藤保弥太]]</small>|goshz=<sup>⑬</sup>後藤省三|boxstyle_goshj=background-color: #ffa;}}
{{familytree|border=0| | | | | | | 171 |-| 271 | | | | |!| | | |!|amayo| | | | |171=大塚勝従|271=女子|amayo=雨宮良孝}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |!| |:| | | | | |}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |)|amana| | | | |amana=雨宮ナオ}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |)|goryo| | | | |goryo=後藤良輔}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |)| 475 |)|gosab| | | | |475=後藤六弥|gosab=後藤三郎}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |!|isesh| | | | |isesh=伊勢重}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |!| |:| | | | | |}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |)|iseta| | | | |iseta=伊勢孝子}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |`|kashi|,|kasho|kashi=川添紫郎|kasho=[[川添象郎]]}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | | | |}|-|(| | | }}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!|iwyan| |harch|`|kamit|iwyan=[[岩崎弥之助]]|harch=[[原智恵子]]|kamit=川添光郎}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| |}|-|v|iwkoy| |okana|iwkoy=[[岩崎小弥太]]|okana=岡部長章}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |)|iwsan|)|iwtos| | |:| |iwsan=岩崎早苗|iwtos=[[岩崎俊弥]]}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | |`|iwter|,|okata|iwter=[[岩崎輝弥]]|okata=岡部妙子}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | | | |}|-|+|iwtak|iwtak=岩崎毅太郎}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!|sakfu|-|iwsum|`|iweij|sakfu=[[櫻井房記]]|iwsum=岩崎須美|iweij=[[岩崎英二郎]]}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!|oetak|,| 587 | | | | |oetak=[[大江卓]]|587=大江休一}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| |}|-|+| 588 | | | | |588=大江狷三郎}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |)| 489 |`| 589 | | | | |489=大江小苗|589=大江秋子}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |!| | | | | 590 | | | | |590=[[斎藤博 (外交官)|斎藤博]]}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | |`| 491 | | |:| | | | | |491=長與延子}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |}|-|v| 592 | | | | |592=斎藤美代子}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | 393 |-| 493 |`|inuna|,|inumi|393=[[長與專齋]]|493=[[長與稱吉]]|inuna=犬養仲子|inumi=[[犬養道子]]}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |}|-|(| | | }}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | |inuts|-|inuta|`|inuya|inuts=[[犬養毅]]|inuta=[[犬養健]]|inuya=[[犬養康彦]]}}
{{familytree/end}}
</div>

=== 子孫 ===
* [[嫡男]]・[[後藤猛太郎|猛太郎]]は、日本活動フィルム会社（[[日活]]の前身）初代[[社長]]をつとめた。猛太郎と[[新潟県|新潟]]の[[芸妓]]の[[嗣子]]が実業家の[[後藤保弥太|保弥太]]である。孫の[[後藤省三|省三]]は襲爵手続きをなさず、後藤家は[[爵位]]を返上した。
* [[三菱財閥]]の[[岩崎弥之助]]と[[長與稱吉]]は象二郎の[[娘婿]]であり、三菱の[[岩崎小弥太]]と[[旭硝子]]の創業者・[[岩崎俊弥]]、[[鉄道ファン]]のパイオニア[[岩崎輝弥]]は象二郎の[[孫]]にあたる。[[音楽プロデューサー]]・[[川添象郎]]と[[ドイツ語]]学者・[[岩崎英二郎]]、[[評論家]]・[[犬養道子]]及び[[ジャーナリスト]]で[[共同通信社]]の社長を務めた[[犬養康彦]]は象二郎の[[曾孫]]にあたる。{{main|[[板垣退助の系譜#姻族関係系図|関連系図]]}}

=== 妻 ===
* 二人の妻がいた。このうち、後妻の雪子は[[岩崎弥太郎]]（三菱財閥創業者）の養妹（家督相続権のない養女のこと）、[[井上竹次郎]]（歌舞伎座社長）の姉、[[村井多嘉子]]（料理研究家で[[村井弦斎]]の妻）の叔母にあたる<ref>黒岩比佐子『『食道楽』の人 村井弦斎』岩波書店、2004年6月25日、188頁。</ref>。

== 後藤家と板垣家の関係 ==
<small>後藤象二郎と[[板垣退助]]は[[竹馬の友]]として知られ、[[明治維新]]に功績があり共に[[伯爵]]に陞せられた[[元勲]]であるが、両者は遠藤成直の代で共通祖に辿りつく。さらにその先の[[寺村重友#土佐寺村氏系図|寺村重尚]]は、[[寺村道成|寺村左膳]]の先祖に繋がる<ref name="『板垣精神』"/>。</small>
{{familytree/start|style=font-size:80%}}
{{familytree|border=0| | A00 |,| 000 |-| 100 | | 200 |,| 300 | | 400 |,| 500 | | | | |A00=関正次|000=関正貞|100=関貞正|200=小崎久高|300=小崎高宣|400=林勝重|500=林幸子}}
{{familytree|border=0| | |}|-|(| | | | | |}|-|.| |}|-|'| |}|-|.| |}|-|'| |}|-|-| 602 |602='''[[板垣退助]]'''}}
{{familytree|border=0| | A03 |`| 003 |,| 103 |`| 203 | | 303 |`| 403 | | 503 | | | | |A03=[[寺村重友#土佐寺村氏系図|寺村重尚]]娘|003=女子|103=(長女)|203=女子|303=女子|403=女子|503=[[乾正成]]}}
{{familytree|border=0| | A04 | | |}|-|(| | | | | | | | | | | | | 404 |,| 504 |-| 604 |A04=麻田久則娘|404=乾正寿|504=[[乾正春]]|604=乾正勝}}
{{familytree|border=0| | |}|-|-| 005 |!| | | | | | | | | | | | | |}|-|(| | | | | | | |005='''遠藤成直'''}}
{{familytree|border=0|,| A06 | | | | |!| | | | | | | | | 306 |v| 406 |`| 506 |v| 606 |A06=遠藤貞成|306=本山茂苞|406=女子|506=[[本山茂良]]|606=[[乾正厚]]}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | |!| | | | | | | | | | | |`| 407 | | | | |`| 607 |407=女子|607= 本山茂邁}}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | |!| | | | | | | | | | | | | |:| | | | | | | | | | }}
{{familytree|border=0|!| | | | | | | |`| 109 | | | | | | | | |,| 409 | | | | | | | | |109=(次女)|409=本山茂直}}
{{familytree|border=0|`| A10 | | | | | | |}|-|-|-| 310 |-|-|-|+| 410 |-| 510 | | | | |A10=<small>遠藤成長次女</small>|310=後藤吉長|410=後藤吉正|510=後藤正澄}}
{{familytree|border=0| | |}|-|-|-|-|-|-| 111 | | | | | | | | |`| 411 | | | | | | | | |111=後藤正刻|411=女子}}
{{familytree|border=0| | A12 | | | | | | | | | | | | | | | | | | |}|-|-| 512 | | | | |A12=後藤正義|512=[[後藤正晴]] }}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 413 | | |}|-|-| 613 |413=橋本寅直|613='''後藤象二郎'''}}
{{familytree|border=0| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 414 |-| 514 | | | | |414=大塚勝従|514=(長女)}}
{{familytree/end}}
<small>(参考文献)『御侍中先祖書系圖牒』、『土佐名家系譜』、『土佐の墓』、『板垣精神』、『板垣退助君戊辰戦略』</small>

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|25em}}

== 参考文献 ==
* 大町桂月　『伯爵後藤象二郎』 冨山房、大正3年。
* 大橋昭夫　『後藤象二郎と近代日本』 三一書房、1993年。
* [[千田稔 (歴史地理学者)|千田稔]] 『明治・大正・昭和 華族事件録』 新潮社、2005年、144-150頁。
* 慶應義塾編　『福澤諭吉書簡集』第二巻 岩波書店、2001年。
* 末木孝典「政治家後藤象二郎の理念と行動－『責任内閣論』から議院内閣制へ－」『福沢手帖』第181号、2019年6月、16－23頁。

== 関連作品 ==
; 漫画
* 『[[お〜い!竜馬]]』（原作・[[武田鉄矢]]、作画・[[小山ゆう]]、[[小学館]]）
* 『[[猛き黄金の国]]』（[[本宮ひろし]]、[[集英社]]）
* 『[[ねこねこ日本史]]』（[[そにしけんじ]]、[[実業之日本社]]）
; TVドラマ
* 『[[竜馬がゆく (NHK大河ドラマ)|竜馬がゆく]]』（[[1968年]]、[[大河ドラマ|NHK大河ドラマ]]、演：[[石田太郎]]）
* 『[[勝海舟 (NHK大河ドラマ)|勝海舟]]』（[[1974年]]、NHK大河ドラマ、演：[[中井啓輔]]）
* 『[[竜馬がゆく#1982年版|竜馬がゆく]]』（[[1982年]]、[[テレビ東京]]、演：[[夏木陽介]]）
* 『[[田原坂 (テレビドラマ)|田原坂]]』（[[1987年]]、[[日本テレビ]][[年末時代劇スペシャル]]、演：[[林彰太郎]]）
* 『[[翔ぶが如く (NHK大河ドラマ)|翔ぶが如く]]』（[[1990年]]、NHK大河ドラマ、演：[[高橋幸兵]]）
* 『[[竜馬がゆく#1997年版|竜馬がゆく]]』（[[1997年]]、[[TBS大型時代劇スペシャル]]、演：[[尾美としのり]]）
* 『[[徳川慶喜 (NHK大河ドラマ)|徳川慶喜]]』（[[1998年]]、NHK大河ドラマ、演：[[小木茂光]]）
* 『[[竜馬がゆく#2004年版|竜馬がゆく]]』（[[2004年]]、テレビ東京[[新春ワイド時代劇]]、演：[[吹越満]]）
* 『[[篤姫 (NHK大河ドラマ)|篤姫]]』（[[2008年]]、NHK大河ドラマ、演：[[古本新乃輔]]）
* 『[[龍馬伝]]』（[[2010年]]、NHK大河ドラマ、演：[[青木崇高]]）
* 『[[JIN-仁- (テレビドラマ)|JIN-仁-]]』（[[2011年]]、[[TBSテレビ|TBS]][[日曜劇場]]、演：[[宮川一朗太]]）
* 『[[八重の桜]]』（[[2013年]]、NHK大河ドラマ、演：[[京極圭]]）
*『[[西郷どん (NHK大河ドラマ)|西郷どん]]』（[[2018年]]、NHK大河ドラマ、演：[[瀬川亮]]）
; 映画
* 『[[幕末 (映画)|幕末]]』（[[1970年]]、演：[[三船敏郎]]）
* 『[[ゴルフ夜明け前]]』（[[1987年]]、演：[[岸部一徳]]）
*『[[サムライせんせい#映画|サムライせんせい]]』（[[2017年]]、演：[[西村雄正]]）
; TVアニメ
* 『[[お〜い!竜馬#テレビアニメ|お～い!竜馬]]』（[[1992年]]-[[1993年]]、[[NHK総合テレビ]]、声：[[荒川太郎]]）
* 『[[ねこねこ日本史#テレビアニメ|ねこねこ日本史]]』（[[2016年]]-、[[Eテレ]]）
; ミュージカル
* 『[[猛き黄金の国 -士魂商才!岩崎彌太郎の青春-]]』（[[2001年]]、演：[[湖月わたる]]/[[蒼海拓]]）

== 関連項目 ==
{{commons|Category:Gotō Shōjirō}}
* [[自由民権運動]]　　　　　　　　　　　　　　
* [[高知市立自由民権記念館]]
* [[自由党 (日本 1890-1898)]]
* [[国民自由党 (日本)]]
* [[本山白雲]]（戦前、[[東京]][[品川 (東京都)|品川]]の[[芝公園]]に建てられていた後藤象二郎の[[銅像]]の作者）
* [[木村荘平]]　後藤の別宅だった屋敷を旅館「芝浜館」に改装し経営した
* [[後藤象二郎家]]
== 外部リンク ==
* {{Kotobank}}

{{S-start}}
{{S-off}}
{{Succession box
| title  = {{Flagicon|JPN}} [[農商務省 (日本)|農商務大臣]]
| years  = 第9代：1892年8月8日 - 1894年1月22日
| before = [[佐野常民]]
| after  = [[榎本武揚]]
}}
{{Succession box
| title  = {{Flagicon|JPN}} [[逓信省|逓信大臣]]
| years  = 第2代：1889年3月22日 - 1892年8月8日
| before = [[榎本武揚]]
| after  = [[黒田清隆]]
}}
{{Succession box
| title  = {{Flagicon|JPN}} [[元老院 (日本)#副議長|元老院副議長]]
| years  = 1875年 - 1876年
| before = ''（新設）''
| after  = ''（欠員→）''[[河野敏鎌]]
}}
{{Succession box
| title  = {{Flagicon|JPN}} [[左院#構成|左院事務総裁]]
| years  = 1873年<br />''左院議長<br />1871年 - 1873年''
| before = ''（新設→欠員）''
| after  = [[伊丹重賢]]
| afternote = 議長代理
}}
{{Succession box
| title  = {{Flagicon|JPN}} [[工部省#工部卿など|工部大輔]]
| years  = 1871年
| before = ''（新設→欠員）''
| after  = [[伊藤博文]]
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{{Succession box
| title  = {{Flagicon|大阪府}} [[大阪府知事一覧|大阪府知事]]
| years  = 官選第2代：1868年5月23日 - 1870年2月4日
| before = [[醍醐忠順]]
| after  = [[由利公正]]
| afternote  = 御用取扱
}}
{{S-reg|jp}}
{{Succession box
| title  = 伯爵
| years  = [[後藤象二郎家]]初代<br />1887年 - 1897年
| before = 叙爵
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{{S-end}}
{{農商務大臣|1892年 - 1894年}}
{{逓信大臣|1889年 - 1892年}}
{{大阪府知事|1868年 - 1870年}}
{{Normdaten}}

{{DEFAULTSORT:ことう しようしろう}}
[[Category:後藤象二郎|*]]
[[Category:明治時代の閣僚]]
[[Category:日本の農商務大臣]]
[[Category:逓信大臣]]
[[Category:日本の元老院議官|*]]
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[[Category:自由民権運動の人物]]
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