コンテンツにスキップ

「島嶼ケルト語」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
WikitanvirBot (会話 | 投稿記録)
m r2.7.1) (ロボットによる 追加: fa:زبان‌های سلتیک جزیره‌ای
m Botによる: {{Normdaten}}を追加
 
(9人の利用者による、間の11版が非表示)
1行目: 1行目:
{{語族
|name=島嶼ケルト語
|region=[[アイルランド]], [[スコットランド]], [[ウェールズ]], [[マン島]], [[コーンウォール]], [[ブリタニー]]
|familycolor=インド・ヨーロッパ語族
|fam2=[[ケルト語派]]
|child1=[[ブリソン諸語]]
|child2=[[ゲール諸語]]
|glotto=insu1254
|glottorefname=Insular Celtic
}}
[[File:Map Gaels Brythons Picts.png|200px|right|thumb|5世紀の[[ブリテン諸島]]の言語分布。青がピクト語、緑がゲール語、赤がブリソン諸語。]]
'''島嶼ケルト語'''(とうしょケルトご、Insular Celtic)とは、[[ケルト語派]]のうち[[ブリテン諸島]]を起源とするものを指す語であり、さらに以下のように分類される。
'''島嶼ケルト語'''(とうしょケルトご、Insular Celtic)とは、[[ケルト語派]]のうち[[ブリテン諸島]]を起源とするものを指す語であり、さらに以下のように分類される。


4行目: 15行目:
*[[ブリソン諸語|ブリソン語]]([[ブルトン語]]、[[コーンウォール語]]、[[ウェールズ語]]など)
*[[ブリソン諸語|ブリソン語]]([[ブルトン語]]、[[コーンウォール語]]、[[ウェールズ語]]など)


「島嶼ケルト語」の名はこれらの言語が古来からブリテン諸島で話されてきたことに由来する。またこの語派の存在は、([[ケルトイベリア語]]や[[ガリア語]]などの[[死語]]からなる)[[大陸ケルト語]]の分化以後に誕生した島嶼ケルト祖語とでもいうべき言語から、ゲール語とブリトニック語が分化しブリテン諸島近辺でともに発展してきたことを示している。
「島嶼ケルト語」の名はこれらの言語が古来からブリテン諸島で話されてきたことに由来する。またこの語派の存在は、([[ケルトイベリア語]]や[[ガリア語]]などの[[死語 (言語)|死語]]からなる)[[大陸ケルト語]]の分化以後に誕生した島嶼ケルト祖語とでもいうべき言語から、ゲール語とブリトニック語が分化しブリテン諸島近辺でともに発展してきたことを示している。


この語派を想定する際には、島嶼-大陸ケルトの区分がP-Qケルト語の区分と一部重複することが問題となる。すなわちブリトニック語はガリア語とともに[[Pケルト語]]に分類され、ゲール語はケルトイベリア語とともに[[Qケルト語]]に分類されるのである。この問題について島嶼-大陸ケルトの分類を支持する説は、島嶼ケルト語には[[前置詞]]が[[屈折]]しまた[[語順]]がVSOであるという共通点があることを根拠に、P-Qケルト語間で発生したとされる音韻変化はあくまで表面的なもので、変化はブリトニック語とガリア語で独立に起こったのだと主張している。
この語派を想定する際には、島嶼-大陸ケルトの区分がP-Qケルト語の区分と一部重複することが問題となる。すなわちブリトニック語はガリア語とともに[[Pケルト語]]に分類され、ゲール語はケルトイベリア語とともに[[Qケルト語]]に分類されるのである。この問題について島嶼-大陸ケルトの分類を支持する説は、島嶼ケルト語には[[前置詞]]が[[語形変化|屈折]]しまた[[語順]]がVSOであるという共通点があることを根拠に、P-Qケルト語間で発生したとされる音韻変化はあくまで表面的なもので、変化はブリトニック語とガリア語で独立に起こったのだと主張している。


島嶼ケルト語に含まれる言語は、以下の通りである。
島嶼ケルト語に含まれる言語は、以下の通りである。
29行目: 40行目:
**コーンウォール語
**コーンウォール語


[[Category:ケルト語派|とうしよけるとこ]]
{{ケルト語派}}
{{Normdaten}}

{{デフォルトソート:とうしよけると}}
[[af:Eiland-Keltiese tale]]
[[Category:ケルト語派]]
[[bar:Inslkejtische Sprochn]]
[[be-x-old:Астраўныя кельцкія мовы]]
[[bg:Островни келтски езици]]
[[cy:Celteg Ynysig]]
[[de:Inselkeltische Sprachen]]
[[en:Insular Celtic languages]]
[[es:Lenguas celtas insulares]]
[[fa:زبان‌های سلتیک جزیره‌ای]]
[[fr:Langues celtiques insulaires]]
[[gl:Linguas célticas insulares]]
[[gv:Çhengaghyn Celtiagh ellanagh]]
[[ia:Linguas celtic insular]]
[[it:Lingue celtiche insulari]]
[[ko:도서 켈트어군]]
[[la:Linguae Celticae insulares]]
[[lt:Salų keltų kalbos]]
[[mk:Островски келтски јазици]]
[[nn:Øykeltiske språk]]
[[no:Øykeltiske språk]]
[[ru:Островные кельтские языки]]
[[sl:Otoški keltski jeziki]]
[[sv:Ökeltiska språk]]
[[ta:இன்சுலார் செல்திக்கு மொழிகள்]]
[[zh:海島凱爾特語支]]

2021年3月13日 (土) 14:47時点における最新版

島嶼ケルト語
話される地域アイルランド, スコットランド, ウェールズ, マン島, コーンウォール, ブリタニー
言語系統インド・ヨーロッパ語族
下位言語
Glottologinsu1254[1]
5世紀のブリテン諸島の言語分布。青がピクト語、緑がゲール語、赤がブリソン諸語。

島嶼ケルト語(とうしょケルトご、Insular Celtic)とは、ケルト語派のうちブリテン諸島を起源とするものを指す語であり、さらに以下のように分類される。

「島嶼ケルト語」の名はこれらの言語が古来からブリテン諸島で話されてきたことに由来する。またこの語派の存在は、(ケルトイベリア語ガリア語などの死語からなる)大陸ケルト語の分化以後に誕生した島嶼ケルト祖語とでもいうべき言語から、ゲール語とブリトニック語が分化しブリテン諸島近辺でともに発展してきたことを示している。

この語派を想定する際には、島嶼-大陸ケルトの区分がP-Qケルト語の区分と一部重複することが問題となる。すなわちブリトニック語はガリア語とともにPケルト語に分類され、ゲール語はケルトイベリア語とともにQケルト語に分類されるのである。この問題について島嶼-大陸ケルトの分類を支持する説は、島嶼ケルト語には前置詞屈折しまた語順がVSOであるという共通点があることを根拠に、P-Qケルト語間で発生したとされる音韻変化はあくまで表面的なもので、変化はブリトニック語とガリア語で独立に起こったのだと主張している。

島嶼ケルト語に含まれる言語は、以下の通りである。

ゲール語
ブリトニック語
  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Insular Celtic”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/insu1254