化学メーカー

化学メーカー（かがくメーカー）とは、化学反応を伴う生産プロセスにより財の生産、供給を行う企業全般のこと。業態により総合化学メーカーおよび誘導品メーカー、電子材料メーカーなどに分類される。

概略

日本の化学産業は、1800年代後半の農業用肥料の生産がスタートとされ、戦後初期の政府による石油化学工業育成対策等により急成長を果たした。 現在では、化学産業は国内製造業の出荷額の約8.4％（産業別3位）、付加価値額の10.6％（同3位）を占め、輸送機械製造業、一般機械製造業と共に基幹産業とされている。

日本の化学メーカー

社名右の（）内は、左からJ-GAAPに基づく売上高／純利益／純資産額であり、特筆がない限り2010年3月期決算（連結）である。

総合化学メーカー

総合化学メーカーは一般的に基礎原料から川中、川下の各種製品までの一貫生産を行う企業のことを指す。エチレンセンターを保有する企業に限定して呼ぶ場合もあるが、歴史的経緯等から以下の企業を総合化学メーカーと呼ぶ場合が多い。

• 三菱ケミカルホールディングス　（2兆5,150億円／128億円／9,401億円）※国内最大手
• 住友化学　（1兆6,209億円／147億円／8,214億円）
• 旭化成　（1兆4,335億円／252億円／6,446億円）
• 三井化学　（1兆2,077億円／△280億円／4,190億円）
• 昭和電工　（6,782億円／△379億円／2,843億円）※2009年12月期
• 東ソー　（6,287億円／68億円／1,908億円）
• 宇部興産　（5,495億円／82億円／2,021億円）
• カネカ　（4,124億円／84億円／2,571億円）
• 電気化学工業　（3,238億円／104億円／1,603億円）
• トクヤマ　（2,731億円／74億円／2,436億円）
• チッソ　（2,611億円／105億円／△807億円）

平成初期までは総合化学大手として三菱化成（現：三菱化学）、住友化学、昭和電工、宇部興産、三井東圧化学（現：三井化学）の5社を指す場合が多かった。また、化学工業日報社が発行する化学工業日報（日刊）や化学経済（月刊）では、上記5社に旭化成、東ソーを加えた7社を総合化学大手としている。近年では、各社の事業再編等の結果、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、旭化成、三井化学、東ソーを総合化学大手5社として括る場合も多い。

誘導品メーカー

主に基礎原料を用いて川中にあたる誘導品を生産する。 主要メーカーは以下のとおりである。

• 信越化学工業　（9,168億円／838億円／1兆7,691億円）
• 三菱ガス化学　（3,845億円／58億円／2,780億円）
• ダイセル化学工業　（3,202億円／110億円／2,290億円）
• JSR　（3,101億円／136億円／2,507億円）
• 日本触媒　（2,443億円／108億円／1,637億円）
• 日本ゼオン　（2,258億円／50億円／1,080億円）
• セントラル硝子　（1,546億円／4億円／1,121億円）
• 日産化学　（1,490億円／127億円／1,076億円）
• 日本曹達　（1,324億円／85億円／841億円）

電子材料メーカー

主に半導体、ディスプレイ等に用いる部材を生産する。 主要メーカーは以下のとおりである。

• 富士フイルムホールディングス　（2兆1,816億円／105億円／1兆7,461億円）
• 日東電工　（6,018億円／375億円／3,887億円）
• 日立化成工業　（4,552億円／235億円／2,826億円）
• 住友ベークライト　（1,708億円／33億円／1,285億円）
• ADEKA　（1,599億円／67億円／1,231億円）
• 東京応化工業　（705億円／2億円／1,176億円）

外部リンク

• 日本化学工業協会
• 石油化学工業協会
• 日本肥料アンモニア協会
• 塩ビ工業・環境協会
• 化学工業日報
• アジアの石油化学
• 化学総連
• 日本化学エネルギー産業労働組合連合会

参考文献

• 日経文庫 "化学" ISBN 4532117224
• 化学工業日報社 "ケミカルビジネスガイド2009" ISBN 9784873265414