VP-210
ビジュアルホン VP-210(ブイピー にい いち まる )は、DDIポケット(現ワイモバイル)向けに供給された京セラ製PHS端末である[1][2]。
キャリア | DDIポケット |
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製造 | 京セラ |
発売日 | 1999年9月 |
概要 | |
音声通信方式 | PHS (1.9GHz) |
形状 | ストレート型 |
サイズ | 140 × 54 × 29 mm |
質量 | 165 g |
連続通話時間 | 約120分(音声通話時) 約60分(テレビ電話時) |
外部メモリ | なし |
赤外線通信機能 | なし |
Bluetooth | なし |
メインディスプレイ | |
方式 | TFT液晶 |
解像度 | |
サイズ | 2.0インチ |
表示色数 | |
サブディスプレイ | |
なし | |
メインカメラ | |
画素数・方式 | 約11万画素CMOSイメージセンサ |
サブカメラ | |
なし | |
カラーバリエーション | |
なし | |
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概要
編集VP-210は世界で初めて市販されたカメラ付きPHS端末である[3]と同時に、世界で初めて市販された移動体電話上のテレビ電話でもある。 VP-210のメインディスプレイは、2.0インチの反射型TFT液晶であった[2]。 本モデルのディスプレイの右上にはテレビ電話用のカメラがついており[3]、このカメラには約11万画素CMOSイメージセンサが搭載された。 このカメラは、デジタルカメラとしても使うことができ、撮影した画像をEメールとともに送信することも可能であった。
VP-210のデータ通信方式は当時のPHSでは標準の「α-DATA32(PIAFS対応 32.2Kbps)」であった。VP-210同士でテレビ電話をすることができた[4]。ただし、当時市販されていたNTTのISDN回線による据置型テレビ電話端末「Phoenix mini」とは、それぞれが互換性のない通信方式を採用していたため、互いの間でのテレビ電話としての通話はできなかった。なお、テレビ電話は回線交換通信であり、データ通信料金のみで通話することができた。
販売・反響
編集本モデルは、筐体の大きさや、インターネットが可能な携帯電話よりも高額であるなどの理由からあまり振るわず、出荷台数は数万台だった。 これに加え、朝日新聞の森田岳穂は2020年の記事の中で、不発に終わった原因として、同機種でしかテレビ電話が使えなかった点や、カメラの位置などを指摘している[3]。
VP-210の発売後1999年7月になると、DDIポケットは、α-DATA64(ベストエフォート型の64Kデータ通信)や、無線機を2台搭載してハンドオーバーを改善した「ハイブリッド携帯端末 H"」の展開を開始し、VP-210の出荷を終了した。
本モデルの失敗からメーカーの大半がカメラ付携帯電話の開発をためらうようになった[3]。その後、2000年11月に静止画の撮影を中心としたJ-SH04が登場し、その後のカメラ付き携帯電話の基礎となった[3]。 さらにその後、2001年にテレビ電話を搭載した第3世代携帯電話(P2101Vなど)やそのPHS版機種(Lookwalk P751v)が発売され、VP-210の先進性が再度見直されることとなる。
沿革
編集脚注
編集- ^ 佐々木千之 (1999年5月17日). “京セラ、CMOS画像センサーと反射型カラー液晶を搭載し、カラー画像通信が可能なPHSを発表”. ASCII.jp. 2020年10月28日閲覧。
- ^ a b “京セラ、TV電話つきPHS「VP-210」を7月末に販売”. Internet Watch (1999年5月17日). 2020年10月28日閲覧。
- ^ a b c d e 森田岳穂 (2020年10月28日). “世界を変えた日本発カメラ付き携帯 20年前の誕生秘話:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年10月28日閲覧。
- ^ 1秒間に2コマというコマ送りの画像送信
関連項目
編集外部リンク
編集- “京セラ、TV電話つきPHS「VP-210」を7月末に販売”. INTERNET Watch. (1999年5月17日)
- “スタパトロニクスMobile”. Impress Watch. (1999年11月15日)