SORIN号
SORIN号(そうりんごう)は、京都・大阪・神戸 - 中津・別府・大分間を運行する夜間高速バスである。
愛称である「SORIN」とは、大分県を代表する歴史上の人物であり、戦国時代に現在の大分県を中心に勢力を誇ったキリシタン大名「大友宗麟(そうりん)」に由来し、名前の部分をローマ字化[1]している。
当項目では、かつて大阪と大分を結んでいた「エメラルド号」と「ゆのくに号」についても述べる。
沿革
編集SORIN号
編集「エメラルド号」・「ゆのくに号」においては関西側の停留所は大阪市内のみ(ゆのくに号は兵庫県内の一部にも停車)であったが、本路線においては京都府京都市・兵庫県神戸市からも利用可能となった。沿革にもあるように、当初は大分交通・亀の井バスの2社を含めた合計4社で(近鉄は隔日・大分側は3社によるローテーション)運行していたが、2019年3月末を以って撤退したため現在は下記2社にて運行しており、結果的にはかつての「エメラルド号」と同じ陣営が残った格好となっている。
運行会社
編集運行経路・停車箇所
編集太字は停車停留所。関西圏内ならびに大分県内間の相互利用は不可。
- 京都駅八条口 - 京都南IC - (名神高速道路) - 豊中IC - (阪神高速道路) - 大阪駅前〈地下鉄東梅田駅〉 - 近鉄なんば駅西口〈OCAT〉 - ユニバーサル・スタジオ・ジャパン〈USJ〉 - (阪神高速道路) - 神戸三宮〈ミント神戸〉 - (阪神高速道路・神戸淡路鳴門自動車道・山陽自動車道・関門橋・九州自動車道・東九州自動車道) - 苅田北九州空港IC - (国道10号) -中津サンライズホテル前 - 宇佐法鏡寺 - 別府北浜 - 大分〈中央通り〉 - 大分新川
- 2016年3月19日より京都駅八条口の乗り場が、「新・都ホテル前」から駅側の新バス乗降所F3バス停に変更になった。
- 神戸・大阪・京都行きは九州道吉志PA、大分行きは阪神高速道路中島PAにてそれぞれ乗客開放の途中休憩をおこなう[17]。
- 大阪マラソン開催時は、一部区間で交通規制が実施されるため、なんばOCATは休止する。
- 大阪駅前(地下鉄東梅田駅)は定期便(1号車)のみ乗降扱いを行い、臨時便(2号車以降)は停車しない。
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン〈USJ〉は京都行きのみが停車(降車のみ)、大分行きは無停車。
車両・車内設備
編集- ハイデッカー
- 3列独立シート
- トイレ
- 毛布・スリッパ(毛布は新型コロナウイルス感染対策の為貸出中止)
- 座席コンセント(又はUSB電源)
- 除菌装置(近鉄バスのみ)
- 仕切りカーテン
- 車内Free Wi-Fi
座席は全席指定席で事前に予約が必要。インターネットでの予約は「ハイウェイバスドットコム」または「発車オ〜ライネット」で取り扱う。
エメラルド号(廃止)
編集概要
編集大阪あべの橋・上本町バスセンター・なんば⇔別府・大分・佐伯
運行会社
編集- ※当時、大分バスは近鉄グループの会社であった。
運行経路・停車箇所(最末期の頃)
編集太字は停車していた停留所
- 大阪あべの橋バスステーション - 大阪上本町バスターミナル - OCAT〈近鉄難波駅西口〉 - (阪神高速道路・中国自動車道・播但連絡道路・山陽自動車道・中国自動車道・関門橋・九州自動車道・国道10号) - 別府ドライブイン - 大分トキハ前 - (米良有料道路・国道10号) - 臼杵・辻ロータリー - 津久見・桜ヶ瀬 - 佐伯駅前
- 別府ドライブインは別府観光港付近にあった大分バス運営の施設[18]。別府市の中心部にある別府駅や北浜ターミナルは大分バスの停留所がないため[19]この場所に停車していた。また、佐伯に延長する前は、大分の起終点は金池ターミナルであった。
車両・車内設備
編集両社とも日野RUグランデッカ(スーパーハイデッカー)で乗客定員28名の3列独立シート車を使用し、車内はトイレ、自動車電話、車内オーディオ(テレビ・ビデオ・マルチステレオ)、飲み物サービスなどを備えていた。塗装は両社共通の当路線専用オリジナル塗装を纏い、大分バスではその後ぶんご号にも同じカラーリングが流用される。路線廃止後は両社共に他路線へ転用[20]されたが、現在はいずれも廃車となっている。
ゆのくに号(廃止)
編集概要
編集ゆのくに号は、かつて大阪と中津・別府・大分を結んでいた路線。
上記のエメラルド号と同じ日に運行を開始。前者が大阪市の南側(天王寺区・阿倍野区)発着とは対照的に、本路線は北側の客層をターゲットとし、大阪最大の繁華街・ビジネス街で、西日本最大のターミナル駅と言われる大阪駅が位置する梅田を発着点とし、兵庫県内の一部にも客扱いを行っていた。
運行開始当初はそこそこの利用があり、エメラルド号とは良き競合相手であったが、バブル崩壊後は利用率が減少した事により、その結果、運行開始から4年あまりで運行休止し、のち正式に廃止となった。
本路線の休止から21年後の2015年9月12日からは大分側3社と西鉄バス北九州が運行する高速バス「北九州 - 別府・大分線」の愛称として本路線と同名である「ゆのくに号」の名称が用いられていた(こちらも2023年3月限りで廃止)。
運行会社
編集- 阪急バス
- 亀の井バス
- 大分交通
- 阪急バスは隔日(夜行0.5往復)運行、亀の井・大分交通は2社によるローテーション運行(単純に計算すると4日に1回の夜行0.5往復)となっていた。
運行経路・停車箇所(最末期の頃)
編集太字は停車していた停留所
大阪梅田(阪急三番街高速バスターミナル) - (国道423号新御堂筋) - 新大阪(阪急バスセンター) - 千里ニュータウン - 千里中央 - (大阪府道大阪中央環状線) - 中国池田IC - (中国自動車道) - 宝塚IC - 西宮名塩 - 西宮北IC - (山陽自動車道・中国自動車道・関門橋・九州自動車道) - 小倉東IC - (国道10号) - 中津駅前 - 宇佐宝鏡寺 - 別府北浜 - 大分(トキハ/フォーラス前) - 大分新川
- 停留所が別府以南のエメラルド号とは対照的に、大分交通・亀の井バスの運行エリアである県北部に停留所を設置していた。SORIN号として運行開始時には、大分県内はゆのくに号の停留所に準じたものとなった。
車両・車内設備
編集3社ともトイレ付きの独立3列シート仕様(定員28名乗り)スーパーハイデッカーを使用し、車内は自動車電話・ビデオ・マルチステレオやおしぼり・飲み物などの各種サービスをおこなっていた。
脚注
編集- ^ 大分バス・大分交通・亀の井バス・近鉄バスの4社は、2011年11月29日付のプレスリリースにて「また、大友宗麟がキリシタン大名として知られ、当時の南蛮(西洋)文化を積極的に取り入れたことから、西洋とのつながりを表現する意味で、ローマ字表記としました。」と発表している。
- ^ a b “大阪-大分、横浜-清里 高速バス2線免許 運輸省”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1990年7月6日)
- ^ “快適な乗り心地、大阪行き高速バスの一般試乗会 大分” 西日本新聞 (西日本新聞社): p16. (1990年7月9日 朝刊)
- ^ 大分・別府~三宮・大阪・京都間夜行高速バス「SORIN号」運行開始いたします! 大分バス・大分交通・亀の井バス・近鉄バス 2011年11月29日
- ^ 【京都・大阪・三宮~中津・別府・大分】間の夜行高速バス「SORIN(そうりん)号」デビュー決定!! 近鉄バス 2011年11月29日
- ^ “京都線の運行が変わります”. 大分バス (2019年2月19日). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “【2019年6月21日~】高速バス運賃改定のお知らせ”. 近鉄バス (2019年5月10日). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “4月8日更新 高速バスの運休について”. 近鉄バス (2020年4月8日). 2020年4月15日閲覧。
- ^ “新型コロナウイルス感染症拡大によるSORIN 号(大分-京都線)の運休について” (PDF). 大分バス (2020年4月8日). 2020年4月15日閲覧。
- ^ “6月30日更新 高速バスの運行再開について”. 近鉄バス (2020年6月30日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ “新型コロナウイルス感染症影響による高速・特急系統の対応について” (PDF). 大分バス (2020年6月24日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ “新型コロナウイルスの影響に伴う高速バス運行状況について”. 近鉄バス (2021年1月20日). 2021年1月24日閲覧。
- ^ “新型コロナウイルス感染症の影響による大分-京都線の運休について” (PDF). 大分バス (2021年1月12日). 2021年1月24日閲覧。
- ^ a b “【3月2日更新】高速バス一部路線運行再開のお知らせ”. 近鉄バス (2021年3月2日). 2021年3月4日閲覧。
- ^ 【2022年9月20日~】大分特急線(SORIN号)の運行計画変更について – 近鉄バス 2022年7月8日発表 2022年10月29日閲覧
- ^ この路線は京都発着ではあるが、他の京都発着路線とは異なり京都営業所の担当ではない。同様の事例としては京都発着ながら八尾営業所が担当している八尾・京都特急線がある。
- ^ その他、2箇所ほどのSA・PAにて停車しているが、車両点検や乗務員交代のための停車であり、乗客は車外へは出られない。
- ^ 現在も敷地を大分バスが管理しているが、別府ドライブインは廃業し、建物は解体されたため、跡地はドコモショップ別府店とファミリーマート別府汐見店と吉野家10号線別府店(大分バスがフランチャイズ運営)になっている。
- ^ 当時は別府市内における大分バスの事業として、貸切バス専業の別府営業所を設置していたほか、坂ノ市~別府観光港線を運営していた。
- ^ 近鉄は2度の塗装変更を経たのち高知西南交通へ移籍、大分バスは路線廃止後も塗装はそのままの状態で、福岡線・鹿児島線・長崎線など九州内の路線にて使用。