NHK青春メッセージ
NHK青春メッセージ(エヌエイチケイせいしゅんメッセージ)は、毎年1月の成人の日に開催されていた日本放送協会(NHK)主催のアピールコンテストである。東京・渋谷のNHKホールにて開催され、毎年、当日14:00 - 16:00に総合テレビおよびラジオ第1で生放送していた。
NHK青年の主張全国コンクール ↓ NHK青春メッセージ | |
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東京・渋谷のNHKホール(1973年~2004年まで)を会場に、毎年成人の日に生放送されていた。 | |
ジャンル | 特別番組 |
出演者 | 一覧を参照 |
製作 | |
制作 | NHK |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送(1979年〜2004年) |
放送国・地域 | 日本 |
NHK青年の主張全国コンクール | |
放送期間 | 1960年1月15日 - 1989年1月15日 |
放送時間 | 14:00 - 16:00 |
放送分 | 120分 |
回数 | 30 |
NHK青春メッセージ | |
プロデューサー | 亀谷精一 |
放送期間 | 1990年1月15日 - 2004年1月12日 |
放送時間 | 14:00 - 16:00 |
放送分 | 120分 |
回数 | 15 |
特記事項: 開催は1956年からだが、テレビ放送開始は1960年(第5回)より。 2000年よりハッピーマンデー制度により1月第2月曜日に開催されていた。 |
本項では、2020年11月29日に放送された『青年の主張2020』についても触れる。
概要
編集前身は1955年度(1956年1月15日開催)から1988年度(1989年1月開催)に行われた『NHK青年の主張全国コンクール』で、当該年度(4月2日〜翌年4月1日)に満20歳(成人式)を迎える視聴者を対象に、毎年あるテーマに沿った“主張”を発表してもらうというもの。
第1回(1955年度)は前年、千代田区内幸町のNHK東京放送会館に隣接して完成した旧・NHKホールで開催され、以後、同ホールのほか東京都内の公会堂などを会場に毎年開催。1973年に現在のNHKホールが開場するとともに、1973年度(第19回、1974年1月15日)より現・NHKホールでの開催となる。
ラジオでは第1回から毎年中継していたが、テレビでの中継が行われるようになったのは1959年度(第5回)からである。
1989年度(1990年1月開催)から表題を『NHK青春メッセージ』として装いを一新。それまで設けていた主張テーマを廃して自由にアピールを発表する事が出来るようになった他、ビデオやカセットテープに収録して応募する事も可能となった。また、年齢制限も緩和され、当該年度に満15〜25歳になる青少年に広く門戸を開放した。
地区予選
編集全国コンクールに出場するためには、まずそれらの書類等の審査を各都道府県単位で実施し、その中から優秀な作品(アピール)を選出して全国各地で行われる地区コンクールを勝ち上がることが条件。1992年度までは、全国47都道府県地区(各都道府県のNHK放送局が主催)による地区大会を行う方式だったが、1993年度からはこれが廃止され、全国8ブロックの地域単位(各基幹放送局が主催)による地区コンクールに変更となった。資格は勤労青年。“不世出の雄弁学生”海部俊樹は第2回大会に応募したものの、早稲田大学在学中だったために、東京地区予選で落とされたという[1]。
全国コンクール
編集毎年成人の日に行われる全国コンクールには各ブロックごとのコンクールを勝ち抜いた1~2人程度ずつ(合計10~12人程度)が出場し、その中から最優秀に当たる青春メッセージ大賞をはじめとした各賞が表彰された。
また、全国コンクールの開催時は、アピールの発表会に加えて特に同年代の支持が高いアーチストによるライブパフォーマンスも行われた。なお、番組の総合司会は原則として、NHKアナウンサーと、その年度の成人式を迎えるタレントが務めていたが、年度によっては新成人でないタレントが務めた例もある(2001年度の氷川きよし、2002年度のタッキー&翼など)。
このコンクールには毎年、当時の皇太子・明仁が来賓として出席していた。
なお、イベントの模様は総合テレビおよびラジオ第1で放送。総合テレビでは当初、公開録画で放送されていたが、1985年度(第32回、1986年)からは生放送となった。また、開催から1カ月後に、総合テレビでそのまま再放送された(主に日曜の夕方の時間帯、末期は平日深夜ミッドナイトチャンネル枠)。
タイトルの変遷
編集出演者
編集※肩書きなどは当時。
青年の主張時代(1955~1988年度)
編集この節の加筆が望まれています。 |
回 | 年度・開催日 | 放送日 | 司会者 | 審査員 | ゲスト | 備考 | |
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アナウンサー | 新成人タレント | ||||||
25 | 1978年度(1979.1.15) | 川上裕之 | |||||
26 | 1979年度(1980.1.15) | 1980.1.19 | 川上裕之 | 上田利治、扇谷正造、田中澄江、ほか | |||
27 | 1980年度(1981.1.15) | 1981.1.31 | 川上裕之 | 扇谷正造、田中澄江、ほか | |||
28 | 1981年度(1982.1.15) | 1982.1.30 | 川上裕之 | 小松左京、扇谷正造、ほか | |||
29 | 1982年度(1983.1.15) | 1983.2.6 | 相川浩 | ||||
30 | 1983年度(1984.1.15) | 1984.1.29 | 相川浩 | ||||
31 | 1984年度(1985.1.15) | 1985.2.2 | 相川浩 | ||||
32 | 1985年度(1986.1.15) | 1986.1.15 | 相川浩 | 松本伊代 | 松本伊代、吉川晃司、五輪真弓 | この年から生放送となる。 | |
33 | 1986年度(1987.1.15) | 1987.1.15 | 佐藤充宏 | 石川秀美 | 少年隊、東京バナナボーイズ、石川秀美、竜童組 | ||
34 | 1987年度(1988.1.15) | 1988.1.15 | 佐藤充宏 | 南野陽子 | 沢口靖子、ほか | 南野陽子、桑田靖子、村田和人 | |
35 | 1988年度(1989.1.15) | 1989.1.15 | 佐藤充宏 | 浅香唯 | 小椋佳、ほか |
青春メッセージ時代(1989~2003年度)
編集回 | 年度・開催日 | 司会者 | 審査員 | ライブゲスト | 備考 | |
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アナウンサー | タレント | |||||
36 | 1989年度(1990.1.15) | 宮本隆治 | 大林宣彦、柴門ふみ、ほか | 嘉門達夫(現・嘉門タツオ)[2]、UP-BEAT | ||
37 | 1990年度(1991.1.15) | 徳田章 | 工藤夕貴 酒井法子 |
大林宣彦、ほか | カブキロックス | この年は司会の新成人タレントがダブルキャストとなった。 |
38 | 1991年度(1992.1.15) | 合田敏行 | 石田ひかり | 大林宣彦、中嶋悟、柴門ふみ、中條かな子 | KUSU KUSU、河内家菊水丸、シャ乱Q[3] | |
39 | 1992年度(1993.1.15) | 合田敏行 | 西田ひかる | 三宅藤九郎、和泉淳子、和泉元弥、高橋由美子 | 聖飢魔II、長谷川陽子、高橋由美子 | この年から各都道府県コンクールを廃止し、全国8ブロック予選を経て12名が代表として出場。 |
40 | 1993年度(1994.1.15) | 堀尾正明 | 中江有里 | 森毅、加藤久、荻野アンナ、麻生圭子、羽生善治、松尾武(NHK放送総局長) | T.UTU thb big band、東京パフォーマンスドール、村治佳織 | |
41 | 1994年度(1995.1.15) | 堀尾正明 | 持田真樹 | バブルガム・ブラザーズ、Cornelius、貴島サリオ、志茂美都世 | [4] | |
42 | 1995年度(1996.1.15) | 堀尾正明 | 瀬戸朝香 | 林未歩、養老孟司、荻野アンナ、市川右近、浅利純子、上田洋一(NHK放送総局長) | 木根尚登、浅倉大介、ほか | |
43 | 1996年度(1997.1.15) | 阿部渉 | 一色紗英 | 川淵三郎、乃南アサ、香山リカ、ドリアン助川(叫ぶ詩人の会)、小山田圭吾(コーネリアス)、上田洋一(NHK放送総局長) | TOKYO No.1 SOUL SET、ディアマンテス、Jamic Spoon、川本真琴、グレートチキンパワーズ | |
44 | 1997年度(1998.1.15) | 阿部渉 | 菅野美穂 | 野田正彰、高橋源一郎、江川紹子、俵万智、仙頭直美、大橋晴夫(NHK放送総局長) | 米良美一、hitomi、ホフディラン | |
45 | 1998年度(1999.1.15) | 阿部渉 | 遠藤久美子 | ねじめ正一、弘兼憲史、俵万智、沢松奈生子、上田紀行 | Jungle Smile、小松亮太、プロペラ | |
46 | 1999年度(2000.1.10) | 伊藤雄彦 | ともさかりえ | ねじめ正一、香山リカ、片山右京、櫻井映子、飯野賢治、伊東律子 | 19、rumania montevideo、BLACK BOTTOM BRASS BAND | |
47 | 2000年度(2001.1.8) | 柘植恵水 | DA PUMP[5] | DA PUMP、GO!GO!7188、うたいびとはね | ||
48 | 2001年度(2002.1.14) | 小野文恵 | 氷川きよし[6] | 小出義雄、中村うさぎ、徳山昌守、眞鍋かをり、出田幸彦(NHK番組制作局長) | 氷川きよし、鬼束ちひろ[6]、羽毛田丈史 | |
49 | 2002年度(2003.1.13) | 小野文恵 | タッキー&翼(滝沢秀明・今井翼)[7] | 糸井重里、MAYA MAXX、安野モヨコ、平野啓一郎、吉田兄弟、出田幸彦 | タッキー&翼、吉田兄弟、キンモクセイ | |
50 (終) |
2003年度(2004.1.12) | 高市佳明 | 平山あや | 松本零士、石田衣良、MAYA MAXX、照英 | 一青窈、PE'Z、GOING UNDER GROUND |
開催終了とその後
編集毎年成人の日の恒例として定着してきた『青年の主張コンクール』『青春メッセージ』だったが、時代とともに転機に入ることになる。
2000年代に入り、成人式での参加態度の悪化が社会問題化するなど、年々若者を取り巻く環境が変化する。さらに『青春〜』に改題してからはアーティストのライブも入ったりするなど、これまでの弁論コンクールとはかけ離れたものになった。
加えて、2002年度からは『青春メッセージ』とほぼ同世代の高校生が出場し、サッカーの高校日本一を決める『全国高校サッカー選手権大会』(日本テレビ、読売テレビほか民間放送43社)の決勝戦が裏番組として、ほぼ同一時間帯で生中継されるようになったことも、イベント(番組)の人気低下に拍車をかけた。
そして、かつては最大5000〜6000人はいた応募者の数も年々減少し、最後の開催になった2003年度には、2000人までに減少した。これまでの弁論大会としての内容も、社会の情報化や、パソコンや携帯電話などの普及などにより、主流が筆や活字からメールに取って代わるなど、趣味が多様化していくとともに、以後年々雑記風になり、弁論大会としての勢いを次第に失っていく。
当時チーフプロデューサーを務めていた亀谷精一は「番組としては、歴史的な役割を終えた」として、2004年に『青年の主張』第1回開催から50周年を迎えるに当たり企画を一新させることとなり、2003年度(2004年1月12日開催)を最後に、50年にわたるアピールコンテストとしての歴史に幕を下ろした。
50周年を迎えた2004年度(2005年1月10日)は、放送時間を14時から20時に移し、引き続きNHKホールにて、ライブパフォーマンスに特化したイベント『ライブジャム2005』が、20:00 - 21:58の時間帯で生放送された。なお、ライブジャムの司会は青春メッセージ最終年から引き続き高市、そしてベッキー、ダイノジが担当した。
なお、翌2005年度(2006年)より成人の日の定例特番を打ち切ったが、2009年度(2010年)の成人の日(1月11日)に、夜19:30 - 20:45の時間帯にて、新成人となる20歳の若者に向けた音楽ドキュメンタリー番組『成人の日特集 みんな、20歳だった。』が放送され、約5年ぶりのNHKの成人の日特番となったが、同番組は生放送ではなかったうえ、いま一つ浸透しなかった。2017年の成人の日(1月9日)にはパンクロックバンドONE OK ROCKメインによる『ONE OK ROCK 18祭(フェス)〜1000人の軌跡 We are〜』が放送され、NHKの成人の日特番が、7年ぶりに復活した。同番組は2016年11月13日に収録されたもので、動画パフォーマンス(今回は18歳限定)など、ほぼ青春メッセージの体裁に近いものとなった。なお、それ以降も『18祭』はWANIMAらがメインを務めており、毎年秋から冬の時期に開催、特番として放送されている。
青年の主張2020
編集上記の『青春の主張→青春メッセージ』の流れを汲む特別番組として、2020年11月29日の 17:00 - 18:00 に総合テレビで放送された。『コロナ禍を生きる若者たちよ 心のマグマを開放せよ!』という題目で若者たちが"魂の叫び"をぶつける内容となっている。
当該番組は、NHKホールでの公開収録や公開生放送を行っていた『青春の主張→青春メッセージ』とは違い、スタジオでの事前収録となっている。出場するのは、高校生ミュージシャンの崎山蒼志をはじめとする15~23歳の若者たち8人である。
趣旨
編集『コロナ禍で苦しむ若者たちを救いたい』という趣旨のもと、NHKウィズコロナ・プロジェクト『みんなでエール』の一環として『Nコン2020 みんなのコンサート』や『高専ロボコン2020』とともに青春応援企画の一つとして企画された。
出演者
編集- 田村淳(ロンドンブーツ1号2号) - 番組MC
- 青山テルマ
- 前田裕二
- 山之内すず
脚注
編集- ^ 「青年」と「学生」の使い分け国民的番組「青年の主張」が映してきた若者と日本社会の半世紀(佐藤卓己)、現代ビジネス
- ^ 「青春メッセージ」に衣替えした初年度となった1989年度にゲスト出演した嘉門達夫(現・嘉門タツオ)は「替え歌メドレー」を5分超にわたり熱唱。来賓席で観覧していた皇太子徳仁親王も苦笑したという逸話がある。
- ^ BSヤングバトル当年度グランプリとして登場
- ^ 1995年1月15日(日) - プレイバック!TVガイド ~あのころのテレビはこうだった!~ - テレコ!
- ^ DA PUMPはメンバーに1980年生まれ(SHINOBU)がいたが、2月15日が誕生日だったため新成人ではない。
- ^ a b ちなみに氷川は1977年生まれで当時23歳、鬼束は1980年生まれで当時21歳だったので新成人ではない。
- ^ タッキー&翼は滝沢が1982年生で当時21歳、今井が1981年生で22歳だったので新成人ではない。
関連項目
編集- 成人の日
- 論文
- 弁論大会
- 詩のボクシング
- ライブジャム2005
- 18祭
- NHK総合テレビジョン番組一覧
- NHKラジオ番組一覧
- 原伸次 - 元プロ野球選手(広島東洋カープ→横浜ベイスターズ)、現野球解説者。広島・広陵高等学校時代に春、夏と続けて甲子園出場。原とバッテリーを組んだ渡辺一博投手(当時)が夏の大会後、大会でのエピソードを弁論のテーマにし、1980年度の全国大会(1981年1月)に出場、見事準優勝した。
- ばらえてい テレビファソラシド - 1979年~1982年に総合テレビで放送された人気番組。レギュラーの1人であるタモリが「NHKには『青年の主張』というお笑い番組がありますが…。」と番組内で発言し、NHK局内で問題になったことがある。
- 君の声が聴きたい - 実質上の後継企画。
外部リンク
編集- 「NHK青春メッセージ'97」2021年5月2日閲覧。
- 青年の主張 - NHK放送史
- 第23回NHK青年の主張全国コンクール全国大会 - NHK放送史
- NHK青春メッセージ’90全国コンクール - NHK放送史
NHK総合テレビジョン 成人の日特番 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
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