M13 (天体)

ヘルクレス座の球状星団

M13 (NGC 6205) は、ヘルクレス座にある球状星団。「ヘルクレス座球状星団[4]」 (Hercules Globular Cluster[1][3]Great globular cluster in Hercules[3] )とも呼ばれる。

M13
M13
球状星団 M13
球状星団 M13
星座 ヘルクレス座
見かけの等級 (mv) +5.8[1]
視直径 20'[2][3]
分類 球状星団
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  16h 41m 41.634s[1]
赤緯 (Dec, δ) +36° 27′ 40.75″[1]
赤方偏移 -0.000822
視線速度 (Rv) -246.6 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -1.79 ミリ秒/年[1]
赤緯: -7.07 ミリ秒/年[1]
距離 25,100 光年[3](約7.70kpc)
物理的性質
直径 110 光年
他のカタログでの名称
NGC 6205[1]
ヘルクレス座球状星団[4]
Hercules Globular Cluster[1][3]Mel 150
Template (ノート 解説) ■Project

概要

編集

ヘルクレス座のη星とζ星の中間のややη星寄りに位置する。距離は約25,100光年。数十万個の恒星からなると考えられている。

1714年エドモンド・ハレーが発見した[5]。ハレーは「小光斑にすぎないが、晴れた月のない夜肉眼で見える」と記している[5]。メシエは「星を含まない星雲。円形で明るい。中心部は周辺部より明るく、1フィートの屈折望遠鏡で見える」と記した[5]。星に分離したのはウィリアム・ハーシェルで「最も美しい星団。とくに中心部が著しい。」としている[5]ジョン・ハーシェルも「何千もの星がある。」「毛の生えたような、曲線の枝が出ている」とした[5]ウィリアム・パーソンズは「ふさ飾りのような腕…まわりの空間に向けて枝分かれしている」とした。

透明度の良い暗い観測地では、肉眼でも何とかその姿をとらえることができる[2]。双眼鏡では丸くにじんだ星雲状に見える。中心部まで星に分離するには口径20cm程度の望遠鏡が必要とされる。ジョーンズは口径10cmの望遠鏡で中心部まで分離したとしている。中心部の最も明るい星のメンバーは赤色巨星であり、そのため中心部を注意深く観察すると赤くみえるとする人もいる。高倍率で見ると、ハーシェルやパーソンズが書いたような多数の星が流れていて枝のような構造が見える。枝の多くは南西側にたなびいているとも言われる。

アクティブSETI

編集

太陽系外の天体をターゲットとしたものとしてはアクティブSETIのはしりとして、1974年プエルトリコアレシボ天文台にある電波望遠鏡を使って、M13に向けて電波のメッセージが送信された。このメッセージはアレシボ・メッセージと呼ばれている。

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f g h i SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M13. 2015年11月30日閲覧。
  2. ^ a b 中西昭雄『メシエ天体ビジュアルガイド』誠文堂新光社、2014年8月28日、34頁。ISBN 978-4-416-11462-9 
  3. ^ a b c d e Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2013年12月19日). “Messier Object 13”. SEDS. 2015年11月30日閲覧。
  4. ^ a b M13(ヘルクレス座球状星団)”. 仙台市天文台. 2015年11月30日閲覧。
  5. ^ a b c d e Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年2月20日). “Messier 13 - Observations and Descriptions”. SEDS. 2015年11月30日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集