50セント
50セント(50 Cent[1]読み:フィフティー・セント、本名:Curtis James Jackson III(カーティス・ジェームズ・ジャクソン3世)、1975年7月6日 - )は、アメリカ合衆国のヒップホップMC、俳優、企業家、エグゼクティブプロデューサー、プロボクシングプロモーターである。
50 Cent | |
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基本情報 | |
出生名 | カーティス・ジェームズ・ジャクソン3世 |
生誕 | 1975年7月6日(49歳) |
出身地 | アメリカ合衆国, ニューヨーク州, ニューヨーク市, クイーンズ区, ジャマイカ地区 |
ジャンル | ヒップホップ |
職業 | ラッパー, ビジネスマン, 音楽プロデューサー, 俳優 |
活動期間 | 1996年~現在 |
レーベル | Shady, Aftermath, Interscope |
共同作業者 | G-Unit, Dr. Dre, Eminem, Sha Money XL |
公式サイト |
50cent |
ソロMCとしても活動するが、Gユニットの一員でもある。ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区ジャマイカ地区出身。
50セントというMCネームは、1980年代にニューヨークのブルックリン界隈で30人あまりを殺害し、たった50セントでさえも奪ったとされる実在のギャング、ケルビン“50セント”マーティン(Kelvin "50 Cent" Martin)に由来する。
これまでに、グラミー賞を1回受賞している。
来歴
編集母親はドラッグ・ディーラーで、彼を15歳の時に生んだ後、彼が8歳の時に何者かに殺害された。父親はおらず、その後は祖父母に育てられた。12歳の時に麻薬売買を始め、ドラッグディーラーとして名を馳せた。1996年、友人の紹介によりRun-D.M.C.のジャム・マスター・ジェイ主催のレーベルJMJと契約し、ラップの基礎を学ぶ(それまで50セントは小節の数え方や、コーラスの作り方などを知らなかった)。
1999年にはトラックマスターズに見いだされコロムビア・レコードと契約した。シングル『How To Rob』では、駆け出しのラッパーが有名なラッパーからいろいろなものを奪っていくという内容が大いに受け、またその曲にジェイ・Z、ビッグ・パンなどといった著名ラッパーが反応した為にそこそこのヒットとなる。コロムビア・レコードでは、シングル3枚 EP1枚を発表したが、2000年に祖母宅前で9発の銃弾を被弾する銃撃事件に巻き込まれたことから、レコード会社がトラブルを恐れ彼との契約を解除し、アルバム『Power Of The Dollar』はお蔵入りとなってしまう。なお、この銃撃事件で、彼は顔にも銃撃を受け、その影響でその後声質が変わっている。
50セントは、この事件がきっかけでアメリカのレコード会社のブラックリストに載ってしまい、アメリカでは仕事が見つけられなくなってしまった。そこで新しいビジネスパートナーとしてシャ・マニー・XLを迎え、カナダに渡り30曲あまりの曲を録音し、2001年に仮のLPである『Guess Who's Back』を単独でリリース。それと平行して、自らのグループGユニットと共にミックスCD『50 Cent Is The Future』を制作した。
こうした活動の結果がエミネムの目にとまり、彼のレーベル、シェイディ・レコード(Shady Records)とドクター・ドレーのレーベル、アフターマス・エンターテインメント(Aftermath Entertainment)との共同契約を果たす。その後すぐにミックスCD『No Mercy, No Fear』を発表。その中に収録された「ワンクスタ」がラジオでヘビープレイされ、ストリートの支持を獲得。満を持して1stアルバム『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』をリリース。「イン・ダ・クラブ」、「21クエスチョンズ feat. ネイト・ドッグ」等がヒットし1100万枚ものセールスを記録する。また第46回グラミー賞において、最優秀新人賞を含む5部門にノミネートされた。
2005年には2ndアルバム『ザ・マッサカー〜殺戮の日。』が発表され、同年末に自身が主演する半自叙伝的映画「ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン」が全米で公開された。
2007年の9月11日に3rdアルバム『カーティス』をリリースする。この日はカニエ・ウェストのアルバム『グラデュエーション』の発売と同日。そのため、本人は「1週目のセールスでカニエに負けたらもう自己のアルバムを出さない」と公言した。米国内の1週目のアルバムセールスでトップを飾ったのはカニエ・ウェストの『グラデュエーション』で、95万7000枚を売り上げ、ほぼ1週間でプラチナディスク獲得を確実なものとした。続く2位の50セントもゴールドディスクを認定される50万枚をやすやすとクリア、69万1000枚という記録を達成している。
2015年、自己破産した。
2016年6月25日、セントクリストファー・ネイビスで開催された音楽フェスティバルのパフォーマンス中に違法な言葉を連発したとして逮捕された[2]。
ディスコグラフィ
編集アルバム
編集年 | タイトル | アルバム詳細 | チャート最高位 | 認定 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
US [3] |
AUS [4] |
BEL [5] |
CAN [6] |
GER [7] |
IRL [8] |
NZ [9] |
SWE [10] |
SWI [11] |
UK [12] | ||||
2003 | Get Rich or Die Tryin' |
|
1 | 4 | 3 | 1 | 4 | 4 | 3 | 8 | 8 | 2 | |
2005 | The Massacre | 1 | 2 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 10 | 2 | 1 | ||
2007 | Curtis | 2 | 1 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 10 | 1 | 2 | ||
2009 | Before I Self Destruct | 5 | 19 | 34 | 11 | 36 | 18 | 35 | — | 13 | 22 | ||
2014 | Animal Ambition | 4 | 16 | 12 | 4 | 35 | 29 | 8 | 9 | 17 | 21 | ||
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
シングル
編集- How To Rob / Rowdy Rowdy (1999年、コロムビア・レコード)
- Your life's On The Line / The Good Die Young (1999年、コロムビア・レコード)
- Thug Love (2000年、コロムビア・レコード)
- ワンクスタ - Wanksta (2002年)※以下、シェイディー・レコード/アフターマス・エンターテインメント
- イン・ダ・クラブ - In Da Club / Backdown (2002年)
- 21クエッションズ feat. ネイト・ドッグ - 21Questions feat. Nate Dog / Many Man (2003年)
- イン・ダ・フッド - In Da Hood / 8Mile Road (2003年)
- ディスコ・インフェルノ - Disco Inferno (2005年)
- キャンディ・ショップ feat. オリヴィア - Candy Shop feat. Olivia (2005年)
- アウタ・コントロール(Remix) - Outta Control (Remix) (2002年)
- アミューズメント・パーク - Amusement Park (2007年)
- ストライト・トゥー・ザ・バンク - Straight To The Bank (2007年)
- エイヨー・テクノロジー feat. ジャスティン・ティンバレイク&ティンバランド - Ayo Technology feat. Justin Timberake & Timbaland (2007年)
- アイ・ゲット・マニー - I Get Money (2007年)
- アイル・スティル・キル feat. エイコン - I'll still kill feat. Akon (2007年)
- ゲット・アップ - Get Up (2008年)
- アイ・ゲット・イット・イン - I Get It In (2009年)
EP
編集- Power Of The Dollar (2000年、コロムビア・レコード)
- The New Breed (2003年、シェイディー・レコード/アフターマス・エンターテインメント)
ミックスCD
編集- 50 Cent & G-Unit 50 Cent Is The Future
- No Mercy, No Fear
(GユニットのオフィシャルDJであるDJ Whookidの作品のみ掲載)
DVD
編集- ザ・ニュー・ブリード - The New Breed (2003年)
- リフューズ・トゥ・ダイ - Refuse 2 Die: The Unauthorized Biography (2003年)
- Live Control (2004年)
- ギャングスタ・ユニット - Gansta Unit (2006年)※Gユニットとして
出演
編集映画
編集年 | 題名 | 役名 | 備考 | 吹き替え |
---|---|---|---|---|
2005 | ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン Get Rich or Die Tryin' |
マーカス | 伊藤健太郎 | |
2006 | 勇者たちの戦場 Home of the Brave |
ジャマル・エイケン | 江川央生 | |
2008 | ボーダー Righteous Kill |
スパイダー | 西村晃範 | |
2009 | シティ・オブ・ブラッド Streets of Blood |
スタン・ジョンソン | 三宅健太 | |
デッドチェイス -24時間- Dead Man Running |
ティゴ | |||
2010 | ロシアン・ルーレット 13 |
ジミー | ||
GUN [ガン] Gun |
リッチ | 兼脚本 | ||
トゥエルヴ Twelve |
ライオネル | |||
恋とニュースのつくり方 Morning Glory |
本人 | カメオ出演 | ||
2011 | ブラッド・アウト Blood Out |
ハードウィック | 兼製作総指揮 | |
セットアップ Set Up |
サニー | 兼製作 | 伊藤健太郎 | |
2012 | フリーランサー NY捜査線 Freelancers |
ジョナス(マロ) | 中川慶一 | |
ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い Fire with Fire |
ラマー | 河合みのる | ||
2013 | 大脱出 Escape Plan |
ハッシュ | 竹田雅則 | |
ラストベガス Last Vegas |
本人 | カメオ出演 | ||
フローズン・グラウンド The Frozen Ground |
クレイト・ジョンソン | 兼製作 | 斉藤次郎 | |
2014 | コードネーム: プリンス The Prince |
ザ・ファーマシー | 白熊寛嗣 | |
2015 | SPY/スパイ Spy |
本人 | カメオ出演 | 伊藤健太郎 |
サウスポー Southpaw |
ジョーダン・メインズ | 乃村健次 | ||
2018 | ザ・アウトロー Den of Thieves |
エンソン・ルヴォー | 山本満太 | |
大脱出2 Escape Plan 2: Hades |
ハッシュ | |||
2019 | 大脱出3 Escape Plan: The Extractors |
竜門睦月 | ||
2023 | エクスペンダブルズ ニューブラッド Expend4bles |
イージー | 伊藤健太郎 |
テレビ
編集年 | 題名 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
2014-2020 | POWER/パワー Power |
カナン | 兼製作総指揮 |
ゲーム
編集- 50セント:ブラッドオンザサンド 公式サイト
- コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2 Call of Duty: Modern Warfare 2 (2009) (声)
ボクシング
編集2012年8月、友人であるフロイド・メイウェザー・ジュニアと共同でTMTプロモーションズを設立したが、すぐに喧嘩別れをして解消。SMSプロモーションズに名前を変え、ビリー・ディブ、ユリオルキス・ガンボア、アンドレ・ディレルと契約を交わした。2013年11月にはジェームス・カークランドと契約を交わした。
2015年5月、SMSプロモーションズの破産を申請[43]。
2016年2月9日、所属選手のビリー・ディブがSMSプロモーションズから100万ドル(1億1千万円)以上の賃金未払い被害を受けていることを告白して、同プロモーションを離脱したことを発表した[44]。
元契約選手
編集日本語吹き替え
編集デビュー作の『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』以降、伊藤健太郎が大半の作品で担当している[46]。
受賞歴
編集脚注
編集- ^ ユニバーサルミュージックのサイトではスペース無しの「50CENT」と表記されているが、公式サイトではスペースありの「50 Cent」と表記されているため、こちらが正式なものだと思われる
- ^ “50セント カリブ海の島国で逮捕 音楽フェスで“違法語”連発”. スポニチアネックス. (2016年6月27日) 2016年6月27日閲覧。
- ^ “50 Cent – Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. January 27, 2013閲覧。 and “50 Cent > Awards”. AllMusic. Rovi Corporation. September 8, 2012閲覧。
- ^ “Discography 50 Cent”. 'australian-charts.com'. Hung Medien. September 8, 2012閲覧。
- ^ “Discografie 50 Cent” (Dutch). 'ultratop.be'. Hung Medien. September 8, 2012閲覧。
- ^ “50 Cent – Chart History: Canadian Albums”. Billboard. Prometheus Global Media. January 27, 2013閲覧。 and “50 Cent > Awards”. AllMusic. Rovi Corporation. September 8, 2012閲覧。
- ^ Peak chart positions for albums in Germany:
- All except Get Rich or Die Tryin' soundtrack: “Chartverfolgung / 50 Cent / Longplay” (German). 'musicline.de'. Media Control Charts. September 8, 2012閲覧。
- Get Rich or Die Tryin' soundtrack: “Soundtrack / 50 Cent, Get Rich Or Die Tryin'” (German). 'charts.de'. Media Control Charts. July 3, 2011閲覧。
- ^ “Discography 50 Cent”. 'irish-charts.com'. Hung Medien. September 8, 2012閲覧。
- ^ “Discography 50 Cent”. 'charts.org.nz'. Hung Medien. April 30, 2011閲覧。
- ^ “Discography 50 Cent”. 'swedishcharts.com'. Hung Medien. April 30, 2011閲覧。
- ^ “50 Cent (Charts)” (select "Charts" tab) (German). 'hitparade.ch'. Hung Medien. September 8, 2012閲覧。
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引数が必須です。 (説明) - ^ “Top 40 Albums Chart: Chart #1583 (Monday 8 October 2007)”. Recorded Music NZ. April 10, 2012閲覧。
- ^ type MUST BE PROVIDED for Polish CERTIFICATION.
- ^ “Before I Self Destruct (Deluxe Version) by 50 Cent”. iTunes Store. Apple. November 1, 2012閲覧。
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- ^ Jeffries, David. “Animal Ambition: An Untamed Desire to Win – 50 Cent > Overview”. AllMusic. Rovi Corporation. June 6, 2014閲覧。
- ^ Lynch, Joe (December 9, 2014). “9 Albums That Flopped in 2014 (Or Did They?)”. Billboard. Prometheus Global Media. December 9, 2014閲覧。
- ^ “50 CentBoxing Company Goes Bankrupt”. TMZ.com (2015年5月26日). 2015年5月29日閲覧。
- ^ “Billy Dib reveals he is $1m out of pocket after 50 Cent ripped him off”. Fox Sports (2016年2月9日). 2016年2月12日閲覧。
- ^ “Andre Dirrell splits from 50 Cent's SMS Promotions, schedules comeback Aug. 1 on ESPN2”. Mlive.com (2014年7月24日). 2015年2月7日閲覧。
- ^ “Xユーザーの伊藤健太郎@声優さんのツイート”. 2024年9月6日閲覧。
参考文献
編集- ソーレン・ベイカー『ギャングスター・ラップの歴史 スクーリー・Dからケンドリック・ラマーまで』塚田桂子訳・解説、DU BOOKS、2019年9月。
外部リンク
編集- 50 Cent Official Website
- 50 Cent (@50cent) - X(旧Twitter)
- 50 Cent Song Lyrics
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