黒木 華(くろき はる[注 1]1990年〈平成2年〉3月14日[1][2] - )は、日本女優。本名、同じ[3]

くろき はる
黒木 華
黒木 華
本名 黒木 華
生年月日 (1990-03-14) 1990年3月14日(34歳)
出身地 日本の旗 日本 大阪府高槻市
身長 164 cm[1]
血液型 B型[1]
職業 女優
ジャンル 映画ドラマ舞台
活動期間 2010年 -
活動内容 2010年 舞台デビュー
2011年 映画デビュー
2014年 映画『小さいおうち』出演
事務所 フリーランス
主な作品
映画
舟を編む
小さいおうち
母と暮せば
リップヴァンウィンクルの花嫁
日日是好日
浅田家!
テレビドラマ
純と愛
リーガル・ハイ
花子とアン
天皇の料理番
真田丸
重版出来!
みをつくし料理帖
西郷どん
凪のお暇
イチケイのカラス
ゴシップ#彼女が知りたい本当の〇〇
受賞
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(女優賞)
2014年小さいおうち
日本アカデミー賞
最優秀助演女優賞
2015年『小さいおうち』
2016年母と暮せば
2021年浅田家!
新人俳優賞
2014年舟を編む』『草原の椅子
ブルーリボン賞
新人賞
2014年『草原の椅子』『舟を編む』『シャニダールの花
その他の賞
キネマ旬報ベスト・テン
助演女優賞
2016年『母と暮せば』『幕が上がる』『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判
新人女優賞
2014年『舟を編む』『シャニダールの花』『草原の椅子』『まほろ駅前多田便利軒』『くじけないで
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大阪府高槻市出身[4][5]京都造形芸術大学芸術学部映画学科俳優コース卒業[6][7]パパドゥ所属(2024年3月まで[8][1]。現在はフリーランス[9]

略歴

幼いころより母に連れられて映画や芝居を見て育ち[10]、兄弟やいとこと一緒に地域の児童劇団に参加し演技を褒められたことをきっかけに演技が好きになる[5][11]。全国大会で優勝実績もある演劇の名門・追手門学院高等学校に進学して演劇部に所属し、「演劇部のエース」として1年時から3年間主役を務めていた[10][12]女優を志して卒業後は映画制作や演劇を学べる大学への進学を希望し、自宅から通える京都造形芸術大学芸術学部映画学科俳優コースに進学[7][13][14][15]林海象東陽一らに師事して演技を学ぶ[12][16][17]

学内製作の作品にキャスティングの声がなかなか掛からなかったことから、大学在学中の2009年12月に「野田秀樹演劇ワークショップ in 大阪」に参加[11][18]。翌2010年にはオーディションに合格して6月のNODA・MAP公演『ザ・キャラクター』にアンサンブルとして初舞台に立ってデビュー[注 2][4][18]、さらに同年9月のNODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』で1,155人が応募した娘役オーディションを経て野田秀樹、中村勘三郎との3人芝居でヒロインの娘役[注 3]として舞台に立った[7][18][21]。翌2011年にはNODA・MAP公演『南へ』、阿佐ヶ谷スパイダース公演『荒野に立つ』、蜷川幸雄演出『あゝ、荒野』などの舞台作品に出演し、演劇界の期待の新人として注目を浴びる[4]

2011年には映像作品に進出し、『東京オアシス』にメインキャストとして映画に初出演、2012年には『おおかみこどもの雨と雪』で声優にも初挑戦[5]。2012年度後期のNHK連続テレビ小説純と愛』に夏菜演じるヒロインの同期社員役で出演してテレビドラマ初出演を果たし[22]、「表向きは柔和だが実は陰険」という腹黒いキャラクターを演じてその高い演技力が評判となり、知名度を高める[23][24]。翌2013年には連続テレビ小説『純と愛』、『リーガル・ハイ』第2シリーズなどのテレビドラマでレギュラー出演し、映画でも初主演[注 4]した『シャニダールの花』や『舟を編む』での演技が評価され、キネマ旬報ベストテン日本アカデミー賞ブルーリボン賞など日本の主要映画賞で計7つの新人賞を受賞した。

2014年にはオーディションを経て『小さいおうち』で山田洋次監督作品に初出演し[25]、同作での演技により第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。日本の女優では左幸子田中絹代寺島しのぶに次いで史上4人目であり、23歳での受賞は日本人最年少となる[26]。映画祭の総評では「(黒木の)演技力は群を抜いていた。」と評された[27]。銀熊賞受賞に際しては、内閣官房長官菅義偉(当時)も祝意を示した[28]。同作では第38回日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞も受賞。また、その年最も活躍し将来の活躍が期待できる俳優に贈られるエランドール賞新人賞も受賞した。

映像外部リンク
  『幕が上がる』映画予告編 - YouTube
冒頭で灰皿を投げつける先生役を演じている。

2015年2月28日公開の『幕が上がる』(監督:本広克行)では黒木が高校・大学と演劇に没頭し、舞台役者としてプロのキャリアをスタートしたことから演劇部の顧問役としてキャスティングされた。作品中では弱小演劇部の運命を一転させる重要な役回りを演じており、映画評論家の清水節らがその存在感を高く評価している[19][29]。同年4月期のTBSテレビ60周年特別企画『天皇の料理番』での好演が話題を呼び[30][31]東京ドラマアウォード2015にて主演女優賞を受賞[32]、同年12月12日公開の『母と暮せば』で第39回日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞を受賞して前年に続いての「連覇」となった[33]。2年連続の最優秀助演女優賞受賞は、第32, 33回に連続受賞した余貴美子以来6年ぶり、史上2人目の快挙である。

2016年3月公開の『リップヴァンウィンクルの花嫁』で映画単独初主演を務め[34]、同年4月期の『重版出来!』で連続ドラマに初主演[35]。同年秋には第29回東京国際映画祭のフェスティバル・ミューズを務める[36]

2024年3月29日、同月末をもって所属事務所パパドゥを退社することを発表[8]。退社後はフリーランスとなる[9]

人物・エピソード

  • 名前は「華」と書いて「はる」と読み、「春(はる)のように華やかに生きてほしい」との思いを込めて名付けられた[37]
  • 人物像として、派手さのない「どちらかと言えば“地味”な顔立ち」や「温かみや素朴さを感じる“和風美人”のたたずまい」、「芯が強く意志を貫くまっすぐさ」「人間としての器量の大きさ」を感じさせるような品位から、しばしば「昭和的」「純日本的」なイメージであると評される[38][39][40][41]。映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』の監督を務めた岩井俊二は民族的な風貌の役者が台頭するハリウッドの傾向を引き合いに、黒木はむしろ「最も現代的」であり「平成の最先端女優」であると評している[42][43]。岩井はCMの演出を手掛けた際に黒木を評して「文学的な香りがする女優」とも語っている[44]
  • 大阪出身で、かなりのお笑い好き。第23回東京スポーツ映画大賞の授賞式では千鳥テンダラーのファンだと明している[3]NHKあさイチ』にゲスト出演した際にはバナナマンの大ファンであると明かし、いつもは物静かでキャピキャピではない黒木が「バナナマンの前では『キャーっ』となる」とマネージャーも語っている[45]。気になる若手芸人としては金属バットを挙げている[46]。『ハライチのターン!』(TBSラジオ)や向井慧パンサー)のラジオを好んで聴いており、radikoプレミアム会員でもある[47]
  • 小学6年生の時に『探偵!ナイトスクープ』に依頼者として出演したことがある。依頼した内容は「母親が友人に『娘は運動神経がない』とメールを送ったのに腹が立つ。足を高く上げる特技で母を驚かせたい」というものだった[3]

出演

映画

テレビドラマ

劇場アニメ

舞台

テレビ番組

ラジオドラマ

CM

その他

書籍

写真集

  • 黒木華写真集 映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より(2016年6月、リトルモアISBN 978-4-8981-5442-7[153]

受賞歴

映画

2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
2018年度
2020年度
2023年度

テレビ

2015年度
2016年度
2018年度
2019年度
2020年度
  • 第2回アジアコンテンツアワード 主演女優賞(『凪のお暇』)[172]
  • 東京ドラマアウォード2020 主演女優賞(『凪のお暇』)[173][174]

その他

2014年度
2015年度

脚注

注釈

  1. ^ 名前の読みは「はな」ではなく、「はる」である。
  2. ^ 『表に出ろいっ!』をデビュー作とする記述も見られる[19][20]
  3. ^ 太田緑ロランスとのダブルキャスト。
  4. ^ a b 綾野剛とのダブル主演。
  5. ^ 日本より先に韓国、香港、台湾で順次公開[54]
  6. ^ 野村周平とのダブル主演。
  7. ^ 柄本佑とのダブル主演。
  8. ^ 太田緑ロランスとのダブルキャスト。
  9. ^ 玉置玲央とのダブル主演。

出典

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外部リンク