近江今津駅
近江今津駅(おうみいまづえき)は、滋賀県高島市今津町名小路一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線の駅である。駅番号はJR-B14[1]。
近江今津駅 | |
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西口(2017年5月) | |
おうみいまづ Ōmi-Imazu | |
◄JR-B13 近江中庄 (4.8 km) (4.9 km) 新旭 JR-B15► | |
所在地 | 滋賀県高島市今津町名小路一丁目9-1 |
駅番号 | JR-B14[1] |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■湖西線 |
キロ程 | 20.9 km(近江塩津起点) |
電報略号 | オイ |
駅構造 | 高架駅 |
ホーム | 2面4線 |
乗車人員 -統計年度- |
1,661人/日(降車客含まず) -2022年- |
開業年月日 | 1974年(昭和49年)7月20日[2] |
備考 |
直営駅 みどりの窓口 有 |
概要
編集湖西地域の高島市の中心駅・主要駅で、かつて所在地付近を走っていた江若鉄道が当駅近くを終点としており[3][4][5]、駅周辺は開業前から湖西地域の鉄道の拠点であった。
現在の湖西線においても拠点駅として機能しており[6]、多くの列車が当駅で折り返すほか、優等列車である特急も一部が停車する[2][7]。
当駅は高島市内では乗降客が最も多い駅であり、駅前からは上中・小浜方面(若狭)への西日本JRバス(若江線)が発着し[3][6]、駅付近にある今津港には竹生島方面(竹生島経由で長浜港へ運航する便もある)へ向かう(琵琶湖の)遊覧船も発着する[2][8]。
歴史
編集駅構造
編集島式ホーム2面4線を持つ、待避設備を備えた高架駅であり、改札口は1か所のみ。湖西線内で2駅のみの直営駅の一つ(堅田駅の傘下の地区駅)である。
- 特徴
- 駅構内にはみどりの窓口・有人改札口・交通系ICカード専用簡易型自動改札機・自動券売機・屋内待合室・化粧室・発車標などが設置されている。
- 構内の南側には留置線4線が設けられ[16]、線内運用の電車の夜間留置に使用される。多雪地帯のため留置線に短い屋根があり[2]、積雪からパンタグラフを保護する。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 - 3 | 湖西線 | 下り | 永原・敦賀方面[17] |
2 - 4 | 上り | 堅田・京都方面[17] |
- 線路の構成[2]
- 1番線(ホームなし、下り待避線)
- 2番線(1番のりば、下り本線)
- 3番線(2番のりば、下り待避線)
- 4番線(3番のりば、上り待避線)
- 5番線(4番のりば、上り本線)
- 6番線(ホームなし、上り待避線)
- 付記事項
- 外側2線(1・4番のりば)が本線、内側2線(2・3番のりば)が待避線であり、外側2線(1・4番のりば)の外側にはホームのない待避線が1線ずつ敷かれている。
- 当駅から京都方面へ折り返す列車は2番のりば[16]を、当駅から近江塩津方面へ折り返す列車は3番のりばを使用する[2]。
- 一部列車は当駅で緩急接続を行うが、当駅始発の京都方面行き・近江塩津方面行きとの対面乗り換えはできない(特急は同一ホームで対面乗り換えをすることができる)。
- 内側2線(2・3番のりば)は両方向に出発信号機を設けているため、方向を問わずに発車することができる[16]。
- ホームの長さは320 mとなっており、15両分のホーム有効長をもつが、12両分しか使用していない。なお、使用していない部分にはフェンスが設置されたため、立ち入ることはできない。
- ホームのない待避線には、貨物列車や試運転列車[注釈 1]などが後続列車の発車・通過待ちを行うために停車することがある。
- 当駅は湖西線において近江塩津方へ折り返せる構造になっている唯一の駅である。
- 一部の列車は西日本ジェイアールバス若江線と連絡するため、このバスと連絡する列車は駅到着時にバス発車時刻のアナウンスが行われる。
- 2006年10月21日の改正で新快速が敦賀駅に乗り入れるようになり、当駅で車両の連結・切り離し作業が行われることになった[注釈 2]。車両の連結・切り離しを行う列車は上下とも3番線(2番のりば)に停車する。
- 下り列車は近江塩津・敦賀方面行きの新快速と快速のほぼすべての列車で切り離し作業が、上り列車は京都方面行きの新快速と快速のほぼすべての列車で連結作業が行われる(上下線とも、当駅発着と永原発着および一部の列車を除く)。
- 連結・切り離しが行われる列車を中心に乗務員の交代があり、連結・切り離しを行う列車は列車番号の設定変更(別列車扱い。種別表示は変えない)も行われる。
利用状況
編集高島市内では最も利用客が多い。主に京都・大阪方面への通勤通学客や、滋賀県立高島高等学校への通学生の利用もあるが、西日本ジェイアールバス若江線やマイカー利用による福井県嶺南地方の利用客も多い。
「滋賀県統計書」によると、1日平均の乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
1992年 | 3,016 | [統計 1] |
1993年 | 2,998 | [統計 2] |
1994年 | 2,945 | [統計 3] |
1995年 | 2,935 | [統計 4] |
1996年 | 3,053 | [統計 5] |
1997年 | 3,029 | [統計 6] |
1998年 | 2,998 | [統計 7] |
1999年 | 2,928 | [統計 8] |
2000年 | 2,899 | [統計 9] |
2001年 | 2,830 | [統計 10] |
2002年 | 2,799 | [統計 11] |
2003年 | 2,764 | [統計 12] |
2004年 | 2,737 | [統計 13] |
2005年 | 2,645 | [統計 14] |
2006年 | 2,616 | [統計 15] |
2007年 | 2,567 | [統計 16] |
2008年 | 2,544 | [統計 17] |
2009年 | 2,446 | [統計 18] |
2010年 | 2,353 | [統計 19] |
2011年 | 2,263 | [統計 20] |
2012年 | 2,242 | [統計 21] |
2013年 | 2,235 | [統計 22] |
2014年 | 2,162 | [統計 23] |
2015年 | 2,168 | [統計 24] |
2016年 | 2,175 | [統計 25] |
2017年 | 2,187 | [統計 26] |
2018年 | 2,102 | [統計 27] |
2019年 | 1,989 | [統計 28] |
2020年 | 1,498 | [統計 29] |
2021年 | 1,477 | [統計 30] |
2022年 | 1,661 | [統計 31] |
駅周辺
編集住宅が多く建つが、公共施設や商業施設が駅の東西に点在する。湖西線の開業に際して27万 m2の土地区画整理事業が行われ、全日本建設技術協会から設計・施工の面で優秀と評価され、土地区画整理事業として全国で初の表彰を受けた[18]。開業時には警察や消防署などの公共施設や国鉄の事務所や職員住宅が整備されていたが、地価が10倍以上に高騰したことで商店や民家はまばら状態であった[18]。買い物客の流出を防ぐために近江今津駅前にショッピングセンターを開業させる計画があったが、地価の高騰で頓挫している[19]。
駅西側には図書館や市営斎場があり、駅東側には総合病院・資料館・今津港・琵琶湖がある。国道161号高島バイパス・国道303号・滋賀県道291号今津停車場線は駅西側、滋賀県道333号安曇川今津線は駅東側、滋賀県道54号海津今津線は駅北側を通る。なお、国道303号・ザゼンソウ群落・陸上自衛隊今津駐屯地は駅からやや離れた所にある。
東口
編集- 今津港[20](琵琶湖汽船 - 竹生島行き)
- 琵琶湖周航の歌資料館
- ヴォーリズ通り
- 今津郵便局
- 今津税務署
- 大津家庭裁判所高島出張所
- 高島簡易裁判所
- 大津地方法務局高島出張所
- 高島市民会館
- 高島警察署
- 自衛隊滋賀地方協力本部高島地域事務所
- 西日本JRバス近江今津営業所
西口
編集- 高島市役所別館
- 高島市役所今津支所
- 滋賀県高島合同庁舎
- 滋賀県立高島高等学校
- 高島市立今津図書館
- 高島市斎場
- 西友[21] - かつては改札外で売店の営業を行っていた[22]。
バス路線
編集駅西口のロータリー内に「近江今津駅」停留所があり、下記の各路線が発着する。なお、カッコ内の事業者名はコミュニティバスの運行委託先である。
近江今津駅 | |||
---|---|---|---|
乗り場 | 運行事業者 | 系統または路線名・行先 | 備考 |
1 | 西日本ジェイアールバス | 若江線[3][6]:小浜駅 | おおむね1時間に1便運行 |
2 | 高島市コミュニティバス (湖国バス) |
総合運動公園線:近江今津駅 | 循環路線:南回りまたは北回りで運行 |
高島市コミュニティバス (大津第一交通) |
あいあいタウン線:近江今津駅 松陽台線:近江今津駅 マキノ南西部線:近江中庄駅 |
デマンドタクシー路線(要予約)[23] |
かつては高島市コミュニティバスの新旭西循環線が当駅に乗り入れていたが、経路見直しに伴い廃止された。
隣の駅
編集脚注
編集記事本文
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 双葉社 2021, p. 14.
- ^ a b c d e f g 川島 2010, p. 62.
- ^ a b c 「【木津勝の近江時巡り】江若鉄道「近江今津駅」現存する唯一の駅舎」『産経ニュース』産経デジタル、2015年4月12日。
- ^ 「半世紀前に廃線、江若鉄道の唯一残った駅舎も しのぶ会」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2021年5月4日。オリジナルの2021年5月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c 「「青春18きっぷ」で琵琶湖一周ぶらり旅」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞西日本、2019年8月28日。オリジナルの2019年8月28日時点におけるアーカイブ。
- ^ 双葉社 2021, p. 22.
- ^ “琵琶湖汽船 竹生島クルーズ”. 琵琶湖汽船. 2022年4月28日閲覧。
- ^ a b c “データで見るJR西日本2021 沿革” (PDF). 西日本旅客鉄道 (2021年10月). 2021年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月14日閲覧。
- ^ 今津町 2001, p. 15.
- ^ 今津町 2001, p. 420.
- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、118頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、144頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 双葉社 2021, p. 24.
- ^ 朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 42号 阪和線・和歌山線・桜井線・湖西線・関西空港線、曽根悟 監修、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年5月16日、26頁。
- ^ a b c 川島 2010, p. 14.
- ^ a b “近江今津駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年1月13日閲覧。
- ^ a b 「湖西線各駅停車 新旭・近江今津 3万都市へかける 二、三男のUターン期待」『京都新聞』京都新聞社、1974年6月5日。
- ^ 「国鉄湖西線の光と影 センター建設の夢崩れて 商店街の盛衰 お客の流出防止に苦慮」『京都新聞』京都新聞社、1974年1月5日。
- ^ “今津港 へのアクセス・駐車場・周辺情報”. 琵琶湖汽船. 2022年9月30日閲覧。
- ^ “西友(にしとも)店舗案内 滋賀県・近江今津”. 川魚の西友(旧社名:西友商店). 2022年4月30日閲覧。
- ^ “キヨスク近江今津駅売店閉店のご案内”. 川魚の西友(旧社名:西友商店). 2022年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月18日閲覧。
- ^ “今津地域 バス・乗合タクシー時刻表(高島市コミュニティバス)” (PDF). 高島市コミュニティバス (2023年4月1日). 2023年9月25日閲覧。
利用状況
編集- ^ 平成4年滋賀県統計書
- ^ 平成5年滋賀県統計書
- ^ 平成6年滋賀県統計書
- ^ 平成7年滋賀県統計書
- ^ 平成8年滋賀県統計書
- ^ 平成9年滋賀県統計書
- ^ 平成10年滋賀県統計書
- ^ 平成11年滋賀県統計書
- ^ 平成12年滋賀県統計書
- ^ 平成13年滋賀県統計書
- ^ 平成14年滋賀県統計書
- ^ 平成15年滋賀県統計書
- ^ 平成16年滋賀県統計書
- ^ 平成17年滋賀県統計書
- ^ 平成18年滋賀県統計書
- ^ 平成19年滋賀県統計書
- ^ 平成20年滋賀県統計書
- ^ 平成21年滋賀県統計書
- ^ 平成22年滋賀県統計書
- ^ 平成23年滋賀県統計書
- ^ 平成24年滋賀県統計書
- ^ 平成25年滋賀県統計書
- ^ 平成26年滋賀県統計書
- ^ 平成27年滋賀県統計書
- ^ 平成28年滋賀県統計書
- ^ 平成29年滋賀県統計書
- ^ 平成30年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和元年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和2年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和3年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和4年滋賀県統計書 (PDF)
参考文献
編集- 『今津町史 第三巻 近代・現代』今津町、2001年6月29日。
- 川島令三『【図説】日本の鉄道 中部ライン 全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日。ISBN 978-4-06-270065-8。
- 『都市鉄道完全ガイド 関西JR編 2021-2022年版』双葉社、2021年6月22日。ISBN 978-4-575-45881-7。
関連項目
編集外部リンク
編集- 近江今津駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道