粉粒体
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粉粒体(ふんりゅうたい)または粉体(ふんたい)とは、粉、粒などの集まったもの(集合体)。例としては、ごく身近なものとしては砂があり、その他にも、セメント、小麦粉などの粉類、コロイド、磁性流体、磁気テープなどに塗布する磁性の(超)微粉末、業務用複写機などで使用するトナーなどがある。土星の輪も粉粒体の一種である。
粉粒体は、粉(粒)の間の空間(空隙)を占める媒質も含めて一つの集合体と考える。個々の粉、粒は固体であるが、集合体としては流体(液体)のように振る舞う場合がある。砂の振る舞いは一つの例と言える。
米国での調査によると、化学工業で製品の1/2、原料の少なくとも3/4が粉粒体であるという。しかし粉粒体の取り扱いは経験的になされることが多く、経済的ロスも多く発生している。1994年には610億ドル(約10兆円)が粉粒体技術に関連した化学工業であり、電力の1.3 %が粉粒体製造で消費されている。その一方で、毎年1000基のサイロ、ビン(貯蔵槽)やホッパーが故障したり壊れたりしている[1]。
分類
編集粉粒体を扱う場合に最も基本的な物性の一つは粒子の大きさ、すなわち粒径である[2]。粒度とも呼ばれる。粉粒体の分類にも粒径によるものが多く用いられる。
粉は粒より小さく、粒は肉眼でその姿形を識別できる程度の大きさのものを言う。一方で、微粒子、微粉末という言い方も存在する。大雑把な区分をすれば 10−2 m から 10−4 m (数 mm - 0.1 mm)を粒体とし、10−4 mから 10 −9 m(原子の大きさの数倍まで)を狭義の粉体とする。
性質
編集粉粒体は流体とも固体とも異なる独特な挙動を示すことがある[1]。
数値解析
編集粉粒体に対して数値解析を行うとき、上記の独特な性質のため、特別な手法が必要となる。離散要素法(DEM)や粒子法などのような、ラグランジュ的な手法が用いられている。
参考文献
編集- ^ a b 林茂雄『移動現象論入門』東洋書店、2007年、400頁。ISBN 978-4-88595-691-1。
- ^ 化学工学会 編『化学工学』(3版)槇書店、2006年、214頁。ISBN 4-8375-0690-9。
- ^ “粉体|粉体のフレコン輸送の比重や粉塵爆発対策|株式会社ウインテックス”. www.win-tex.co.jp. 2022年11月9日閲覧。
- 酒井幹夫『粉体の数値シミュレーション』丸善出版、2012年。ISBN 978-4-621-08582-0。