笠原 一男(かさはら かずお、1916年6月2日 - 2006年8月19日)は、日本歴史学者東京大学名誉教授。

笠原 一男
人物情報
生誕 (1916-06-02) 1916年6月2日
日本の旗 日本 長野県南佐久郡北牧村(現小海町
死没 2006年8月19日(2006-08-19)(90歳没)
出身校 <東京大学
学問
研究分野 日本史(日本中世宗教史(鎌倉仏教))
研究機関 東京大学
テンプレートを表示

経歴

編集

長野県南佐久郡北牧村(現在の小海町)出身。笠原竜蔵・せきの長男[1]旧制千葉県立東葛飾中学校[2]を経て、1938年に旧制新潟高等学校[3]、1941年に東京帝国大学文学部国史学科を卒業[4]

卒業後は東京帝国大学史料編纂所に勤務。翌年に応召。1947年に復員し、東京大学史料編纂所に復帰した。1960年に同助教授、1961年、東京大学教養学部助教授、1962年に「一向一揆の研究」により東京大学から文学博士の学位[5]を授与し、1966年に教授。

1977年に定年退官。発足間もない放送大学教授になり、1990年に退任して客員教授。日本文化研究所長、庭野平和財団理事などを務める。

日本中世宗教史(鎌倉仏教)が専門で、社会経済的基盤からみた浄土真宗本願寺の研究に取り組み、創価学会立正佼成会など現代の新宗教にも研究を広げ、『立正佼正会史』編纂などに従事。『女人往生思想の研究』は、平安時代平安仏教)には普通に認められた女人往生が、鎌倉時代では認められなくなったことを示した代表作である。

著書

編集

単著

編集

共著・編著

編集
  • 真宗史概説 赤松俊秀共編 平楽寺書店、1963
  • 日本史小年表 東京大学出版会、1964
  • 室町幕府 人物往来社、1965
  • 現代に生きる日本史の群像 あそか出版社、1966
  • 封建・近代における鎌倉仏教の展開 法藏館、1967
  • 日本における社会と宗教 吉川弘文館、1969
  • 現代日本の宗教と政治 村上重良共編 新人物往来社、1971
  • 日本宗教史研究入門 評論社、1971
  • 日本史における価値観の系譜 評論社、1972
  • 日本思想大系 17 蓮如・一向一揆 井上鋭夫と共校注 岩波書店、1972、新版1995
  • 日本女性史 全7巻 評論社、1972-1973
  • 近代日本の名著 学陽書房、1973
  • 日本思想の名著 学陽書房、1973
  • 仏教の名著 学陽書房、1973
  • 原典・日本思想史 下出積与共編 評論社、1974
  • 日本における政治と宗教 吉川弘文館、1974
  • 日本宗教史年表 評論社、1974
  • 日本宗教史 1・2 山川出版社、1977
  • 世界の女性史18 日本Ⅰ 王朝の世と女性の役割
  • 世界の女性史19 日本Ⅱ 目覚めゆく女性の哀歓 評論社、1977-78
  • 近世往生伝集成 全3巻 山川出版社、1978-1980
  • 近世往生伝の世界 教育社歴史新書、1978
  • 歴史にみる日本人のこころ 評論社、1978
  • 仏を現代に求めて 大谷暢順対論 評論社、1979
  • 生きざま死にざま 日本民衆信仰史 小栗純子共編 教育社歴史新書、1979
  • 罪と罰 日本民衆信仰史 教育社歴史新書、1980
  • 女人往生 教育社歴史新書、1983
  • 文化の形成と普及 日本仏教の形成と普及 放送大学教育振興会、1986

責任編集・考証

編集
  • 学習漫画 日本の歴史 集英社、1982
  • 学習漫画 人物日本の歴史 集英社、1984
  • 学習漫画 日本の歴史人物事典 集英社、1984
  • 学習漫画 日本の歴史できごと事典 集英社、1988
  • 学習漫画 日本の歴史年表 集英社、1993
  • 原田満子 蓮如-乱世を生きる知恵 木耳社、1997 監修
  • 蓮如 戦国乱世を生きる(まんがおもしろ日本史)講談社、1998 原田と共監修

記念論集

編集
  • 日本宗教史論集 上下 笠原一男博士還暦記念会 吉川弘文館、1976

脚注

編集
  1. ^ 人事興信所 1995, か91頁.
  2. ^ 新潟高等学校一覧 乙号 自昭和10年至昭和11年』新潟高等学校、1935年、24頁。 
  3. ^ 新潟高等学校一覧 乙號 自昭和13年至昭和14年』新潟高等学校、1938年、164頁。 
  4. ^ 東京帝国大学一覧 昭和16年』東京帝国大学、1941年、612頁。 
  5. ^ 書誌事項(CiNii Dissertations)”. 国立情報学研究所. 2017年5月15日閲覧。

参考文献

編集