白鯨との闘い
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『白鯨との闘い』(はくげいとのたたかい、原題: In the Heart of the Sea)は、アメリカ合衆国で製作され、2015年に公開されたヒューマン・アクション映画。原作はナサニエル・フィルブリックの『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』。監督はロン・ハワード、主演はクリス・ヘムズワースが務める。
白鯨との闘い | |
---|---|
In the Heart of the Sea | |
監督 | ロン・ハワード |
脚本 | チャールズ・リーヴィット |
原案 |
チャールズ・リーヴィット リック・ジャッファ アマンダ・シルヴァー |
原作 |
ナサニエル・フィルブリック 『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』 |
製作 |
ジョー・ロス ポーラ・ワインスタイン ウィル・ウォード ブライアン・グレイザー ロン・ハワード |
製作総指揮 |
ブルース・バーマン サラ・ブラッドショウ パラク・パテル エリカ・ハギンズ デヴィッド・バーグスタイン |
出演者 |
クリス・ヘムズワース ベンジャミン・ウォーカー キリアン・マーフィー トム・ホランド ベン・ウィショー ブレンダン・グリーソン |
音楽 | ロケ・バニョス |
撮影 | アンソニー・ドッド・マントル |
編集 |
マイク・ヒル ダン・ハンリー |
製作会社 |
ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ ロス・フィルムズ イマジン・エンターテインメント |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
2015年12月11日 2016年1月16日 |
上映時間 | 121分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $100,000,000[2] |
興行収入 |
$93,920,758[2] $25,020,758[2] 3億3000万円[3] |
あらすじ
編集1850年、アメリカの新進作家ハーマン・メルヴィルは、トーマスという男を訪ねた。トーマスはかつてエセックス号という捕鯨船に乗り組み、巨大な白いマッコウクジラと戦った人々の最後の生き残りだった。渋るトーマスから当時の壮絶な実話を聞き出すメルヴィル。
1819年、エセックス号は捕鯨基地ナンタケットを出港した。船長は家柄だけで選ばれた未経験者のポラードで、ベテランの一等航海士チェイスはそれが不満だった。船には14歳の孤児トーマスもキャビン・ボーイとして乗り組んでいた。1年以上の航海でもなかなか鯨油を集められないエセックス号は、噂を頼りに南米大陸から2000マイル(3700キロメートル)以上離れた未知の海域に乗り出した。マッコウクジラの大群を見つけて色めき立つ船員たち。だが、群れを率いていたのは巨大で凶暴な白鯨だった。
船員たちは白鯨に銛を打ち込むも、逆襲され沈没するエセックス号。3艘のボートに分乗した船員たちは、僅かな水と食料で漂流を始めた。船員たちは途中で無人島であるデュシー島にたどり着くが、島にいても生存は見込めないことを知り、残留を希望した数名を残して、再び洋上を漂流した。その後食糧は尽き、最終的に生き残るためには、死者の肉を食べる必要もあった。90日の漂流の後、救助されたのは船長とチェイス、若いトーマスなど、ほんの数名に過ぎなかった。
トーマスはその後、漂流中の体験を妻にさえ語らず、苦しみ続けて来た。メルヴィルに全てを語ることで、救われるトーマス。1年後にメルヴィルは、取材した実話ではなく、そこから膨らませたフィクションの『白鯨』を出版した。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替[6]
- エセックス号の一等航海士。船長代行で事実上の責任者であった。
- エセックス号の船長。
- マシュー・ジョイ - キリアン・マーフィー(高橋広樹)
- エセックス号の二等航海士。
- エセックス号のキャビン・ボーイ。
- 小説家。エセックス号の話を元に小説を書こうとする。
- 老年期のトーマス・ニッカーソン - ブレンダン・グリーソン(楠見尚己)
- ニッカーソン夫人 - ミシェル・フェアリー
- 夫が酒浸りになっても面倒を見続けた。そのことで金銭にシビアであり彼女がトーマスに「真実を話して、お金をもらって」と圧したのが物語の始まりともいえる。
- カレブ・チャペル - ポール・アンダーソン(宮崎敦吉)
- エセックス号の船員。
- ヘンリー・コフィン - フランク・ディレイン(須藤翔)
- ポラード船長の従兄弟。
- ベンジャミン・ローレンス - ジョゼフ・マウル
- バージライ・レイ - エドワード・アシュリー
- ラムズデル - サム・キーリー
- リチャード・ピーターソン - オジー・イクヒル
- ウィリアム・ボンド - ゲイリー・ビードル
- ペギー・チェイス - シャーロット・ライリー
- ポール・メイソン - ドナルド・サンプター
- スペイン人船長 - ジョルディ・モリャ
製作
編集プリ・プロダクション
編集ナサニエル・フィルブリックの『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』の映画化が持ち上がったのは本作が初めてではない。2000年にもミラマックスがバリー・レヴィンソンを監督に迎えて映画化しようとしたが、頓挫してしまった[7]。
ジョージ・ポラード・Jr船長を演じる候補としてはベンジャミン・ウォーカーの他に、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン、ヘンリー・カヴィルの名前が挙がっていた[8]。
撮影
編集主要撮影は2013年9月にロンドンとハートフォードシャーにあるリーブスデン・スタジオで始まった[9]。さらに、スペインのカナリア諸島に属するランサローテ島とラ・ゴメラ島でも撮影が行われた[10]。
評価
編集レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは241件のレビューで支持率は42%、平均点は5.50/10となった[11]。Metacriticでは47件のレビューを基に加重平均値が47/100となった[12]。
関連出版
編集関連項目
編集- ハーマン・メルヴィル『白鯨』 - 海洋小説の名作。エセックス号の沈没事故をモデルにしている。
- 捕鯨 - 捕鯨船
出典
編集- ^ “IN THE HEART OF THE SEA”. British Board of Film Classification. 2015年4月13日閲覧。
- ^ a b c “In the Heart of the Sea” (英語). Box Office Mojo. 2016年3月20日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報 2017年3月下旬号』p.43
- ^ “ロン・ハワード監督海洋アドベンチャー「白鯨のいた海」、最新予告編”. allcinema. (2015年9月17日). オリジナルの2016年3月7日時点におけるアーカイブ。 2020年7月9日閲覧。
- ^ “クリス・ヘムズワース×ロン・ハワード監督「白鯨との闘い」、16年1月公開決定”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2015年10月30日) 2015年11月9日閲覧。
- ^ “白鯨との闘い ブルーレイ&DVD”. ワーナー. 2016年3月20日閲覧。
- ^ “Chris Hemsworth To Topline Maritime Adventure 'In The Heart Of The Sea,' DreamWorks Circling”. The Playlist (2012年6月11日). 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月9日閲覧。
- ^ “Ben Walker in Talks for ‘The Heart of the Sea’ with Chris Hemsworth”. Variety (2013年5月7日). 2015年1月6日閲覧。
- ^ “Ron Howard starts shooting 'Heart of the Sea' in the U.K.”. UPI.com (2013年10月3日). 2015年3月31日閲覧。
- ^ “Production Begins on Ron Howard’s Heart of the Sea”. ComingSoon.net (2013年9月24日). 2015年3月30日閲覧。
- ^ "In the Heart of the Sea". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2023年1月7日閲覧。
- ^ "In the Heart of the Sea" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2023年1月7日閲覧。