王致和
王致和(拼音: 、日本語読み: おうちわ、ワンチーホー、ワンヂーフーなど)は、中華人民共和国北京市の老舗調味料メーカー。腐乳と臭豆腐(青腐乳)を主な製品とする[1]。国内だけでなく世界各地で販売されている[2]。
種類 | 有限責任会社 |
---|---|
略称 | 王致和 |
本社所在地 | 中国北京市海淀区阜石路41号 |
設立 | 1678年(清代・康熙17年) |
業種 | 食品製造業 |
主要株主 | 北京二商集団(北京首農食品集団) |
製品
編集大塊腐乳(紅腐乳)と臭腐乳(青腐乳、臭豆腐)を主な製品とする[1]。そのほか、玫瑰腐乳、紅辣腐乳、甜辣腐乳、桂花腐乳、五香腐乳、霉香腐乳、白菜辣腐乳、火腿腐乳、蝦子腐乳、香菇腐乳などがある[1]。腐乳以外にも、韮菜花醤(火鍋つけダレ)、葱姜料酒(料理酒)などがある。
腐乳は大豆を原料、紅酒・白酒・白砂糖・食塩を補助材料として、発酵を経て作られる[3]。栄養豊富で健康食品としても食される[4][3]。伝統的な製法を継承しつつ、国内の腐乳業界で最も機械化された工場を擁している[1]。
歴史
編集清代の1669年(康熙8年)、安徽省に豆腐屋の息子の「王 致和」という人物がいた[1]。彼は北京に上京して科挙(会試)を受験したが、不合格[1][4]。再受験に備え、北京の安徽会館で豆腐を製造販売して滞在費を稼ぐことにした[5][2]。節約のため、売れ残ってカビが生えた豆腐を、実家の腐乳製法を応用して塩漬けにして食べたところ、存外に美味だった[3][1]。こうして発明された「王致和の臭豆腐」は、周囲からも好評だったため、1678年(康熙17年)、科挙を諦めて北京で「王致和南醤園」(王致和南酱园)を開業した[2][4]。清代末期には、西太后も王致和の臭豆腐を好み[4]、「青方」の美名を下賜した[6]。なお異説として、清代の地方志『武清縣誌』では、王致和は武清県(現在の天津市武清区)の人とされる。
中華人民共和国期の1958年、現在の本社を北京市海淀区に公私合営で開設、年々事業を拡大する[2]。
2008年、王致和の腐乳製法が国家級非物質文化遺産に登録[2]。そのほか、中華老字号や中国馳名商標にも登録されている[2]。
2009年、それまで親会社だった北京二商集団の再編に伴い、北京首農食品集団が親会社となる[7][8]。
2010年、腐乳ミュージアム(腐乳科普馆)を本社に開設[9][6]。
2019年、創業350周年記念イベントが催され、北京曲劇『王致和』の上演や、マスコットキャラクター「王小和」の発表などが行われた[10][6]。
脚注
編集- ^ a b c d e f g 宮尾茂雄「腐乳」『アサマパートナーニュース』No166、アサマ化成株式会社、2015年、3f。
- ^ a b c d e f “腐乳酿造技艺(王致和腐乳酿造技艺) - 中国非物质文化遗产网·中国非物质文化遗产数字博物馆” (中国語). www.ihchina.cn. 中華人民共和国文化観光部. 2023年2月5日閲覧。
- ^ a b c “北京の伝統食品:王致和腐乳”. japan.visitbeijing.com.cn. 2023年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e “中国の発酵食品-腐乳(豆腐) » 中国語日常会話”. www.1chinese.com (2017年8月10日). 2023年2月5日閲覧。
- ^ “王致和腐乳”. japan.visitbeijing.com.cn. 2023年2月5日閲覧。
- ^ a b c “老字号王致和品牌创立350周年同名曲剧在京首演” (中国語). 环球网. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “公司简介”. www.bjfood.net. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “北京二商、日本の食品製造会社に出資_China.org.cn”. japanese.china.org.cn. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “王致和腐乳科学普及館”. japan.visitbeijing.com.cn. 2023年2月5日閲覧。
- ^ 徐子茗. “王致和品牌创立350周年大会暨北京曲剧《王致和》首演正式启动”. fashion.chinadaily.com.cn. 2023年2月5日閲覧。