民集
民集(みんしゅう)とは、特定の判例集の略称。以下のいずれかを指す。
- 大審院民事判例集
- 最高裁判所民事判例集
通例として、
最高裁判所民事判例集
編集『最高裁判所判例集』の「民事編」のことを指す。原則月1回刊行。最高裁判所判例委員会編集。財団法人判例調査会刊行。
事件名、訴訟当事者、判示事項、判示要旨、判決本文、上告理由書、上告受理申立理由書、第1審、原審判決から成る。民集に登載するほど重要でないと判断された事件は、『最高裁判所裁判集民事』(「集民」と呼ばれる)に登載される(こちらは、「内部資料」扱いで公刊されない)。
最高裁判所判例解説
編集民集登載事件については、まず最初に、『ジュリスト』[1]の「時の判例」欄に、事件を担当した最高裁判所調査官が解説を掲載する。次いで、公式判例集に登載された最高裁判決については、『法曹時報』(一般財団法人法曹会の月刊法曹専門誌)の「最高裁判所判例解説」欄に、より詳細な内容で判例解説が掲載されることが慣習となっている。「調査官解説」とも呼ばれるこの解説は、判示事項、裁判の要旨を摘示し、当該裁判について調査官の「個人的意見」に基づいて解説したものであり、「最高裁としての見解」を示したものではない。ただ、学説や判例について詳細な分析や当該事案の事実関係を簡潔に知ることができる上、最高裁における判断過程の一端を知ることができることから、重要な影響力を持っている。判決が出されたしばらく後に、「調査官解説」は、裁判の年ごとに『最高裁判所判例解説・民事編』としてまとめられ、一般財団法人法曹会から刊行される。
法曹会の発行した最高裁判所判例解説については平成15年に株式会社LICから昭和29年度から平成11年度までを収録したDVD版が発売されており[2]、その後、ウエストロー・ジャパン株式会社からオンライン版[3]の提供もなされるようになっている。