松浦市
松浦市(まつうらし)は、長崎県北部、北松浦半島に位置する市。離島部も市域に含む。松浦党発祥の地。「アジ」水揚げ日本一を誇る都市であり、「アジフライの聖地」として知られている[1][2]。
まつうらし 松浦市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 長崎県 | ||||
市町村コード | 42208-8 | ||||
法人番号 | 3000020422088 | ||||
面積 |
130.55km2 | ||||
総人口 |
19,606人 [編集] (推計人口、2024年10月1日) | ||||
人口密度 | 150人/km2 | ||||
隣接自治体 |
佐世保市、平戸市 佐賀県:伊万里市、唐津市 | ||||
市の木 | マキ | ||||
市の花 | ツバキ | ||||
松浦市役所 | |||||
市長 | 友田吉泰 | ||||
所在地 |
〒859-4598 長崎県松浦市志佐町里免365番地 北緯33度20分27秒 東経129度42分33秒 / 北緯33.34097度 東経129.70911度座標: 北緯33度20分27秒 東経129度42分33秒 / 北緯33.34097度 東経129.70911度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
地理
編集長崎県の北松浦半島北部に位置し、北は玄界灘から伊万里湾に面し、西は平戸市、南は佐世保市、東は佐賀県伊万里市に接している[3]。市域南側の内陸部は溶岩台地の丘陵地で、平地は少ない。川は坂瀬川・竜尾川・志佐川・調川川・今福川などが流れ、河口には「ぎぎが浜」に代表される鳴き砂がある。
有人離島では、伊万里湾の沖合いに浮かぶ福島・鷹島・黒島・飛島・青島の各島を行政区域とする。この中で、平成の大合併前まで単独で町制を施行していた2島(黒島は旧鷹島町に含まれる)のうち、福島は1967年(昭和42年)に隣の佐賀県伊万里市との間に福島大橋が架橋され、鷹島も2009年(平成21年)4月18日に唐津市との間に鷹島肥前大橋が架橋された。このように2島では経済的、地理的には松浦市本土だけでなく佐賀県とのつながりも強い(旧福島町では2003年に住民団体が伊万里市との法定合併協議会設置を求める請求書を提出している)。
気候
編集松浦(2011年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 20.0 (68) |
21.8 (71.2) |
24.3 (75.7) |
26.3 (79.3) |
31.3 (88.3) |
32.8 (91) |
36.2 (97.2) |
37.0 (98.6) |
34.1 (93.4) |
31.3 (88.3) |
28.8 (83.8) |
23.7 (74.7) |
37.0 (98.6) |
平均最高気温 °C (°F) | 10.3 (50.5) |
10.9 (51.6) |
14.8 (58.6) |
18.9 (66) |
23.3 (73.9) |
25.3 (77.5) |
29.6 (85.3) |
31.1 (88) |
26.9 (80.4) |
22.5 (72.5) |
17.8 (64) |
12.0 (53.6) |
20.3 (68.5) |
日平均気温 °C (°F) | 7.0 (44.6) |
7.4 (45.3) |
10.8 (51.4) |
14.6 (58.3) |
19.0 (66.2) |
22.0 (71.6) |
26.4 (79.5) |
27.4 (81.3) |
23.4 (74.1) |
18.9 (66) |
13.9 (57) |
8.7 (47.7) |
16.6 (61.9) |
平均最低気温 °C (°F) | 3.7 (38.7) |
3.6 (38.5) |
6.8 (44.2) |
10.4 (50.7) |
14.9 (58.8) |
19.4 (66.9) |
23.9 (75) |
24.4 (75.9) |
20.4 (68.7) |
15.4 (59.7) |
10.0 (50) |
5.2 (41.4) |
13.2 (55.8) |
最低気温記録 °C (°F) | −4.1 (24.6) |
−3.4 (25.9) |
−0.7 (30.7) |
2.9 (37.2) |
6.3 (43.3) |
13.2 (55.8) |
17.4 (63.3) |
17.8 (64) |
12.5 (54.5) |
8.0 (46.4) |
2.5 (36.5) |
−0.5 (31.1) |
−4.1 (24.6) |
降水量 mm (inch) | 86.0 (3.386) |
99.9 (3.933) |
135.7 (5.343) |
167.6 (6.598) |
147.7 (5.815) |
309.2 (12.173) |
337.0 (13.268) |
364.7 (14.358) |
214.4 (8.441) |
142.0 (5.591) |
108.3 (4.264) |
89.8 (3.535) |
2,195.2 (86.425) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 8.4 | 9.7 | 8.7 | 8.8 | 7.7 | 13.0 | 12.2 | 10.3 | 11.9 | 8.0 | 8.8 | 8.4 | 116.6 |
平均月間日照時間 | 102.9 | 108.8 | 173.0 | 192.9 | 213.0 | 122.8 | 172.4 | 212.4 | 146.6 | 168.4 | 131.8 | 88.9 | 1,831.8 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[4] |
隣接する自治体
編集地域
編集人口
編集松浦市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 松浦市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 松浦市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
松浦市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
地名
編集松浦市の地名を参照。
歴史
編集律令制下では肥前国松浦郡の区域とされた。平安時代後期の延久元年(1069年)、源氏(嵯峨源氏)の流れを汲む源久が松浦郡宇野御厨の検校となり、現在の市域にあたる梶谷に住み松浦久と名乗り、太夫判官と称して松浦郡・彼杵郡の一部及び壱岐郡を治めた。この松浦久のもとで松浦党と呼ばれる武士団が結成された。松浦党は水軍として有名で、元寇でも活躍している。
江戸時代には藩庁は置かれなかった。その後は当地を含む北松浦半島一帯(離島部を含む)で石炭の存在が発見され、明治時代から戦後にかけて石炭産業(北松炭田)で栄え、最盛期にあたる1955年(昭和30年)の国勢調査では人口44,057人を数えた。 そうした中で炭鉱事故も発生し、1958年(昭和33年)5月7日、中興鉱業江口鉱業所では地下200m地点で出水、作業員29人が死亡する事例もあった[5]。 1960年代以降のエネルギー革命で炭鉱はすべて閉山し、それ以降は戦前から続く漁業のほか火力発電所の建設で産業基盤の維持を図っているが、依然として人口減少が続いている。
年表
編集まつうらし 松浦市 | |||||
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廃止日 | 2006年(平成18年)1月1日 | ||||
廃止理由 |
新設合併 松浦市(旧)、北松浦郡福島町、鷹島町 →松浦市(新) | ||||
現在の自治体 | 松浦市(新) | ||||
廃止時点のデータ | |||||
国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 長崎県 | ||||
市町村コード | 42208-8 | ||||
面積 | 95.79km2. | ||||
総人口 |
21,360人 (推計人口、2005年12月1日) | ||||
隣接自治体 |
佐世保市、平戸市、北松浦郡江迎町、(海上で隣接)福島町、鷹島町 佐賀県:伊万里市 | ||||
松浦市役所 | |||||
所在地 |
〒859-4598 長崎県松浦市志佐町里免365番地 | ||||
ウィキプロジェクト |
- 1889年4月1日 町村制施行により、 北松浦郡のうち現在の市域にあたる以下の村が発足。()は合併を行った村。それ以外は単独村制。
- 1922年11月1日 志佐村が町制を施行し、志佐町となる。
- 1929年4月1日 今福村が町制を施行し、今福町(いまぶくまち)となる。
- 1941年1月1日 御厨村と星鹿村が新設合併、同時に町制を施行し、新御厨町となる。
- 1949年1月1日 調川村が町制を施行し、調川町となる。
- 1951年1月21日 福島村が町制を施行し、福島町となる。
- 1954年4月1日 志佐町と上志佐村が新設合併により改めて志佐町となる。
- 1955年3月31日 北松浦郡志佐町・新御厨町・調川町が新設合併、同時に市制を施行し、松浦市(旧)となる。
- 1955年4月15日 今福町が松浦市に編入される。今福町の読みは「いまふくちょう」。
- 1975年1月1日 鷹島村が町制を施行し、鷹島町となる。
- 1976年8月4日 集中豪雨で市内が冠水、約70戸が床上浸水した。今福町では民家の裏山が崩れ1人が負傷[6]。
- 2006年1月1日 松浦市・福島町・鷹島町が新設合併により松浦市(現行)となる。
- 2019年4月27日 「アジフライの聖地」を宣言。
行政
編集市の行政機関
編集- 市長:友田吉泰(2018年2月5日就任、2期目)
- 松浦市消防本部
- 国民健康保険直営松浦市立中央診療所(旧松浦市民病院)
県の行政機関
編集議会
編集市議会
編集松浦市議会の議席定数は、17議席である[7]。
県議会
編集松浦市から選出される長崎県議会議員の定数は1議席である。現在は石本まさひろが務める。
衆議院
編集- 選挙区:長崎4区(佐世保市(早岐・三川内・宮の各支所管内を除く)、平戸市、松浦市、西海市、北松浦郡(佐々町))
- 投票日:2023年10月22日(北村誠吾の死去に伴う補欠選挙)
- 当日有権者数:243,185人
- 投票率:42.19%
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 金子容三 | 40 | 自由民主党 | 新 | 53,915票 |
末次精一 | 60 | 立憲民主党 | 前 | 46,899票 |
司法
編集産業
編集水産業
編集市内には漁港が12か所にある[3]。
産地市場として1979年(昭和54年)に松浦市が開設した地方卸売市場である松浦魚市場がある[3]。松浦魚市場における総水揚げ量72,374トン(日本第9位 2019年)。アジの漁獲量は約25,000トン(2017年)3年連続全国一の水揚げ(PDF5枚目)、サバの漁獲量は約4万トンで日本有数。当地産のアジ・サバは「旬あじ」「旬さば」のブランド名を名乗る。「アジフライの聖地」を宣言して町おこしを行っている[8][9]。とらふぐの養殖収穫量は2014年度に全国1位となった[10]。
製造業
編集- ニッチツ松浦工場
石炭火力発電所
編集九州電力と電源開発の石炭火力発電所が立地している[3]。低炭素化のため、九州電力の火力発電所では下水汚泥バイオマスやアンモニアの混焼、電源開発の火力発電所では木質バイオマスの混焼が行われている[3]。
金融
編集- 十八親和銀行(2店舗)- 松浦支店、松浦中央支店
- ※かつては佐賀銀行も今福支店を置いていたが、2015年(平成27年)2月に伊万里支店に統合され、出張所としてATMが設置されているのみである。
姉妹都市・友好都市
編集国内
編集国外
編集- 市内の九州電力・電源開発の火力発電所ではオーストラリア等の海外炭を燃料としており、産炭地であるマッカイ市と姉妹都市となった
教育
編集高等学校
編集- 廃止された高等学校に関しては長崎県高等学校の廃校一覧#松浦市を参照。
中学校
編集公立のみ7校
- 廃止された中学校に関しては長崎県中学校の廃校一覧#松浦市を参照。
小学校
編集公立のみ9校(2016年(平成28年)4月時点)
- 松浦市立御厨小学校
- 松浦市立星鹿小学校
- 松浦市立青島小学校(中学校と併設)
- 松浦市立志佐小学校
- 松浦市立上志佐小学校
- 松浦市立調川小学校
- 松浦市立今福小学校
- 松浦市立福島養源小学校(2016年4月松浦市立福島小学校と松浦市立養源小学校を統合の上開校)
- 松浦市立鷹島小学校
- 廃止された小学校に関しては長崎県小学校の廃校一覧#松浦市を参照。
松浦市では、「松濤奨学基金条例」に基づく奨学金制度があり高等学校・専修学校・大学進学者を対象としている。なお、奨学金は返還義務がともなう。
交通
編集鉄道
編集バス路線
編集- 松浦市乗合バス
- 西肥自動車が路線を廃止した地区を運行する廃止代替バス。松浦観光バスが運行する。
- 昭和自動車(昭和バス)
- 東松浦半島一帯を営業エリアとするバス事業者で、鷹島肥前大橋の開通にあわせ、唐津市(旧肥前町)中心部の入野と鷹島を結ぶ路線を運行開始している。
- 鷹島乗合タクシー
- 鷹島で運行していた松浦市営バス(旧鷹島町営バス)の休止に伴い、同島内で運行開始している。鷹島タクシーが運行する。
- さつき観光
- 高速バス。松浦市と唐津市・福岡市を結ぶ。
道路
編集高速道路
編集一般国道
編集県道
編集- 長崎県道103号喜内瀬鍋串辻線
- 長崎県道109号鷹島肥前線
- 長崎県道144号松浦江迎線
- 長崎県道146号上志佐今福停車場線
- 長崎県道158号鷹島線
- 長崎県道228号御厨江迎線
- 長崎県道256号星鹿港線
道の駅
編集2つの道の駅には「アジフライの聖地」を記念するモニュメントが建てられている[13]。
船舶
編集市内航路
編集市外航路
編集名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
編集観光名所など
編集- 不老山総合公園
- 四季の森石倉
- 龍王の滝
- 松浦水軍の郷 海のふるさと館
- 夕日の見える棚田(福島)
- 蛙鼻公園フルーツフラワーパーク(福島)
- いろは島(福島)
- モンゴル村(鷹島)
- 松浦市立鷹島歴史民俗資料館
催事
編集- 精霊流し、花火大会 : 8月15日
- 土谷棚田の火祭り : 9月
- 松浦水軍まつり:10月
著名な出身者
編集★は故人
松浦市に縁のある作品
編集小説
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “「アジフライの聖地 松浦」とは”. 松浦市. 2021年4月6日閲覧。
- ^ “アジフライ「聖地」にモニュメント 松浦、道の駅2カ所に”. 長崎新聞社 (2021年3月21日). 2021年4月10日閲覧。
- ^ a b c d e “第2章 松浦市の特徴”. 松浦市. 2024年9月18日閲覧。
- ^ “松浦 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月24日閲覧。
- ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、129頁。ISBN 9784816922749。
- ^ 豪雨で五千戸浸水 四人が生き埋め騒ぎ『朝日新聞』1976年(昭和51年)8月4日夕刊、3版、7面
- ^ “長崎県松浦(まつうら)市議選(定数17)”. 2018年12月22日閲覧。
- ^ “「アジフライの聖地 松浦」とは”. 松浦市. 2021年4月6日閲覧。
- ^ “アジフライ「聖地」にモニュメント 松浦、道の駅2カ所に”. 長崎新聞社 (2021年3月21日). 2021年4月10日閲覧。
- ^ 具志堅直 (2016年12月2日). “九十九島とらふぐ、地元でPR 佐世保・鹿町で出荷式”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 長崎版
- ^ 日本財団図書館(電子図書館)過疎地域活性化のための交流施策のあり方に関する調査研究:事例40 長崎県・福島町~三福島町友好交流事業~
- ^ 長崎県の交流自治体
- ^ “アジフライ「聖地」にモニュメント 松浦、道の駅2カ所に”. 長崎新聞社 (2021年3月21日). 2021年4月10日閲覧。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- 松浦市 (city.matsuura) - Facebook
- 松浦市 (@CityMatsuura) - X(旧Twitter)
- 松浦市 (@matsuuracity_official) - Instagram
- 松浦の民話
- 松浦市 青の大学
- 松浦市に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 地図 - Google マップ