松崎町

静岡県賀茂郡の町

松崎町(まつざきちょう)は、静岡県賀茂郡にある伊豆半島南西部の海岸沿いに位置する。町のキャッチフレーズは「花とロマンの里」。

まつざきちょう ウィキデータを編集
松崎町
松崎町中心部の松崎海岸
松崎町旗 松崎町章
松崎町旗 松崎町章
1965年11月3日制定
日本の旗 日本
地方 中部地方東海地方
都道府県 静岡県
賀茂郡
市町村コード 22305-1
法人番号 9000020223051 ウィキデータを編集
面積 85.11km2
総人口 5,365[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 63人/km2
隣接自治体 下田市賀茂郡南伊豆町西伊豆町河津町
町の木 マツ
町の花 ツワブキ
松崎町役場
町長 深澤準弥
所在地 410-3696
静岡県賀茂郡松崎町宮内301番地1
北緯34度45分10秒 東経138度46分43秒 / 北緯34.75275度 東経138.77872度 / 34.75275; 138.77872座標: 北緯34度45分10秒 東経138度46分43秒 / 北緯34.75275度 東経138.77872度 / 34.75275; 138.77872
地図
町役場位置

外部リンク 公式ウェブサイト

松崎町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

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牛原山町民の森から見た松崎町中心部
雲見温泉街を望む


町内には松崎温泉を始めとする温泉なまこ壁の町並み等の史跡があり、夏の海水浴などを含め、多くの観光客が訪れる。


桜餅に使われる桜葉漬けは、全国の約7割が松崎町で生産されている。

地理

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町の64%は山林であるが、町中心部に流れる那賀川・岩科川により、流域に約500haの耕地をもつ伊豆半島西側最大の平野となっている。

  • 山: 長九郎山(996m) 、婆娑羅山(ばさらやま、608m)、烏帽子山(162m)
  • 河川: 那賀川、岩科川
  • 湖沼: なし
  • 海域: 主に西から西北方向に開けている。南海トラフ巨大地震が発生した際には、最大12mの津波が到達することが予想されている[1]

気候

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松崎(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 19.0
(66.2)
22.0
(71.6)
24.4
(75.9)
27.6
(81.7)
29.4
(84.9)
35.0
(95)
36.0
(96.8)
37.0
(98.6)
34.7
(94.5)
31.0
(87.8)
27.4
(81.3)
23.3
(73.9)
37.0
(98.6)
平均最高気温 °C°F 11.4
(52.5)
12.1
(53.8)
15.0
(59)
19.3
(66.7)
23.4
(74.1)
25.7
(78.3)
29.3
(84.7)
31.0
(87.8)
28.1
(82.6)
23.5
(74.3)
18.7
(65.7)
13.9
(57)
20.9
(69.6)
日平均気温 °C°F 7.0
(44.6)
7.5
(45.5)
10.3
(50.5)
14.5
(58.1)
18.4
(65.1)
21.7
(71.1)
25.4
(77.7)
26.5
(79.7)
23.5
(74.3)
18.7
(65.7)
13.9
(57)
9.3
(48.7)
16.4
(61.5)
平均最低気温 °C°F 2.1
(35.8)
2.3
(36.1)
5.0
(41)
9.2
(48.6)
13.7
(56.7)
18.4
(65.1)
22.3
(72.1)
23.1
(73.6)
19.8
(67.6)
14.4
(57.9)
9.2
(48.6)
4.4
(39.9)
12.0
(53.6)
最低気温記録 °C°F −5.9
(21.4)
−6.0
(21.2)
−4.4
(24.1)
−1.1
(30)
4.6
(40.3)
10.4
(50.7)
12.5
(54.5)
16.5
(61.7)
8.7
(47.7)
3.7
(38.7)
−0.7
(30.7)
−6.6
(20.1)
−6.6
(20.1)
降水量 mm (inch) 73.9
(2.909)
97.4
(3.835)
161.1
(6.343)
174.1
(6.854)
182.0
(7.165)
231.6
(9.118)
246.4
(9.701)
153.7
(6.051)
238.9
(9.406)
198.1
(7.799)
131.2
(5.165)
73.8
(2.906)
1,962.1
(77.248)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 6.5 6.8 10.4 9.9 10.5 12.3 10.9 7.4 11.0 9.9 8.4 6.8 110.7
平均月間日照時間 185.4 175.4 180.1 192.4 194.7 135.3 161.5 211.3 163.1 158.2 161.7 178.2 2,096.4
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[2]

歴史

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伊豆地域の町村。27が町村制施行時の松崎村。(26.岩科村 61.中ノ郷村)
  • 明治初年の時点で現在の町域内に以下の21村が存在。主に旗本領掛川藩領で構成された。
    • 那賀郡 : 江奈村、桜田村、池代村、大沢村、船田村、峰輪村、那賀村、建久寺村、吉田村、門野村
    • 賀茂郡 : 松崎村、宮内村、伏倉村、南郷村、明伏村、小杉原村、岩科村、雲見村、石部村、岩地村、道部村
  • 1882年(明治15年)1月1日 - 依田勉三、北海道十勝開拓を目的に晩成社を組織。7月、豆海汽船会社、依田佐二平により開業。西伊豆と東京を結ぶ豆海丸運行。
  • 1883年(明治16年)3月15日 - 晩成社第1回移民団の依田勉三ら27人、大沢村を出発。
  • 1887年(明治20年)-依田善六、駿豆汽船会社設立(のち伊豆浦汽船と合併し、豆州汽船会社と改称)。
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の3村が発足
    • 那賀郡中ノ郷村 ← 池代村、大沢村、船田村、峰輪村、那賀村、建久寺村、吉田村、門野村および賀茂郡南郷村、明伏村、小杉原村
    • 賀茂郡松崎村 ← 松崎村、宮内村、伏倉村および那賀郡江奈村、桜田村
    • 賀茂郡岩科村 ← 岩科村、雲見村、石部村、岩地村、道部村
  • 1891年(明治24年)6月11日 - 中ノ郷村が中川村に改称。
  • 1896年(明治29年)4月1日 - 郡制の施行により中川村の所属郡が賀茂郡に変更。
  • 1901年(明治34年)3月15日 - 松崎村が町制施行して松崎町となる。
  • 1909年(明治42年) - 駿河湾汽船、松崎町に設立、松崎-沼津間に松丸就航。
  • 1929年(昭和4年)5月7日 - 全国標準相場であった松崎マユ市場閉鎖。
  • 1932年(昭和7年)11月15日 - 浜町橋、鉄筋コンクリートで架け替え渡り初め式。
  • 1955年(昭和30年)3月31日 - 中川村と合併し、改めて松崎町が発足。
  • 1956年(昭和31年)6月1日 - 岩科村を編入。
  • 2013年(平成25年)10月4日 - 「日本で最も美しい村」連合への加盟が認定された。

人口

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松崎町と全国の年齢別人口分布(2005年) 松崎町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 松崎町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
松崎町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 10,425人
1975年(昭和50年) 10,337人
1980年(昭和55年) 10,013人
1985年(昭和60年) 9,635人
1990年(平成2年) 9,266人
1995年(平成7年) 8,841人
2000年(平成12年) 8,515人
2005年(平成17年) 8,104人
2010年(平成22年) 7,653人
2015年(平成27年) 6,837人
2020年(令和2年) 6,038人
総務省統計局 国勢調査より


行政

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松崎町役場

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松崎町役場正面からの写真

町長

マスコットキャラクター

不祥事

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職員による暴言「めんどくせぇ」、および職務怠慢

2019年(令和元年)9月、ひとり親世帯への助成金、27世帯の約22万円を各家庭に振り込まず、申請した町民に対し「めんどくせぇ」と職員が暴言を吐いたことが、2020年(令和2年)2月21日に発覚、町長の長嶋精一は申請全世帯に対し、1軒ずつ謝罪に出る事態となった[4]

県の機関

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地区

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  • 中川(なかがわ)地区 - 旧中川村(中ノ郷村)
    • 那賀(なか) - 旧那賀村
    • 建久寺(けんきゅうじ) - 旧建久寺村
    • 吉田(よしだ) - 旧吉田村
    • 船田(ふなた) - 旧船田村
    • 門野(かどの) - 旧門野村
    • 峰輪(みねわ) - 旧峰輪村
    • 大澤(おおさわ) - 旧大沢村
    • 池代(いけしろ) - 旧池代村
    • 南郷(なんごう) - 旧南郷村
    • 明伏(あけぶし) - 旧明伏村
    • 小杉原(こすぎはら) - 旧小杉原村
  • 松崎(まつざき)地区 - 旧松崎町(狭義)
    • 江奈(えな) - 旧江奈村
    • 櫻田(さくらだ) - 旧桜田村
    • 松崎 - 旧松崎村
    • 宮内(みやうち) - 旧宮内村
    • 伏倉(しくら) - 旧伏倉村
  • 岩科(いわしな)地区 - 旧岩科村(広義)
    • 道部(みちぶ) - 旧道部村
    • 岩科 - 旧岩科村(狭義)
      • 岩科北側(いわしなほくそく)
      • 岩科南側(いわしななんそく)
    • 三浦(さんぽ)
      • 岩地(いわち) - 旧岩地村
      • 石部(いしぶ) - 旧石部村
      • 雲見(くもみ) - 旧雲見村

合併協議

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  • 2000年以降、周辺市町村、または周辺市町との合併協議を行ってきたが、実現には至らなかった。

姉妹都市・提携都市

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日本

その他

美しい村づくり、ロゴマークの活用、サポーター会員制度、イベントの開催、広報活動を行っている地方自治体や地域の連合体に参加している。

経済

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松崎町では観光業(温泉)、林業、漁業、商業などが盛んである。

農林業

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漁業

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教育

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高等学校

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中学校

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小学校

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現存する小学校
廃校となった小学校
  • 松崎町立中川小学校(2010年3月廃校。松崎小学校に統合)
  • 松崎町立岩科小学校(2007年3月廃校、松崎小学校に統合)
  • 松崎町立三浦小学校(2007年3月廃校、松崎小学校に統合)

その他の教育施設

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交通

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松崎バスターミナル

町内に鉄道は通っていない。鉄道を利用する場合の最寄り駅は、伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅あるいは、伊豆急行線稲梓駅蓮台寺駅伊豆急下田駅

バス

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道路

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一般国道
主要地方道
一般県道

船舶

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  • 松崎港 - 現在は定期旅客航路は開設されていない。沼津港から定期旅客船が出ていたが、2003年に廃止になっている。

名所・旧跡・観光スポット

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なまこ壁(近藤平三郎生家)
 
ときわ大橋(漆喰の装飾がある珍しい橋)
 
室岩洞(石切り場の跡)
 
雲見浅間神社の石門とされる千貫門

史跡

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神社

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温泉

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足湯

日帰り温泉

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  • 野天風呂 山の家
  • ダジュール岩地(5月-10月、岩池海岸)
  • 平六地蔵露天風呂(5月-10月、石部海岸)
  • 赤井浜露天風呂(5月-10月、雲見海岸)※2019年9月1日から休止中、営業再開の予定なし[5]

海水浴場

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  • 松崎海水浴場
  • 岩地海水浴場 - 「東洋のコートダジュール」と称される[6]
  • 石部海水浴場
  • 雲見海水浴場

スキューバダイビング

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  • アクアティーク
  • アイダイブ
  • デュークダイビングサービス(DDS)
  • ダイビングサービスはまゆ
  • コリンズ

キャンプ場

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  • 伊豆松崎あそび島
  • 雲見夕陽と潮騒の岬オートキャンプ場
  • 雲見オートキャンプ場
  • オートキャンプ場 花沢

観光施設

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祭事・イベント

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映画・テレビの撮影

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文学

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著名な出身者

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江戸時代の生まれ
明治生まれ
大正生まれ
  • 三國連太郎 - 1923年(大正12年)1月20日、群馬県太田町(現・太田市太田地区)生まれ。静岡県賀茂郡松崎町育ち。俳優。【転入】※生後7か月の時、父の故郷である松崎町に転居してきた。
昭和生まれ

脚注

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  1. ^ 資料1-3 市町村別平均津波高一覧表<満潮位>”. 内閣府防災情報のページ (2012年8月29日). 2024年2月16日閲覧。
  2. ^ 松崎 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2023年10月6日閲覧。
  3. ^ 町長の部屋 | 松崎町” (2021年12月14日). 2021年12月13日閲覧。
  4. ^ 「町職員が「めんどくせぇ」 ひとり親への助成金未払い クリスマスプレゼント買えず…」テレビ静岡2020年2月21日付
  5. ^ “無料露天風呂が月末に閉鎖 松崎・赤井浜温泉、存続求める声”. 静岡新聞社. (2019年8月4日). https://www.at-s.com/sp/news/article/economy/shizuoka/665569.html 2020年5月20日閲覧。 
  6. ^ 海水浴場”. 松崎町ホームページ. 2023年11月19日閲覧。

外部リンク

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