日本宗教学会
日本宗教学会(にほんしゅうきょうがっかい、英語:Japanese Association for Religious Studies[1])は1930年に設立された日本の哲学系の学会[2][1]。
Japanese Association for Religious Studies | |
設立 | 1930年 |
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種類 | 学術研究団体 |
目的 | 宗教学の研究に関係する個人および団体の研究上の連絡を図り、宗教学の普及発展を期する |
公用語 | 日本語、英語 |
会長 | 藤原聖子 |
重要人物 | 姉崎正治 |
ウェブサイト | https://jpars.org/index.html |
日本哲学系諸学会連合を構成する[3]日本の大規模な哲学系6学会の1つ[4]で、会員は1600人以上とされる[1]。日本宗教研究諸学会連合の運営委員を選出する5学会の1つ[5]。日本学術会議協力学術研究団体のひとつ[6]。International Association for the History of Religions(IAHR) 会員[7]。東京都文京区に事務局を置く[8]。
沿革
編集日本宗教学会は1930年に設立された[9]。第1回大会は、5月10日から11日に東京帝国大学宗教学講座創設25年記念会の主催により、記念宗教学大会として開催された。初代会長は姉崎正治東京帝国大学教授であった。
戦前からの日本の宗教学の状況をみると、1905年の東京大学をはじめとして諸大学に宗教学講座が設置されてきていた動向[9]、仏教系・キリスト教系・神道系の私立諸大学の認可[10]、またそれに応じた日本の宗教学者の増加[10]などが学会設立の背景にあった[10]。磯前順一によれば、当時の日本共産党の反宗教闘争に対抗する流れのなかで日本宗教学会が設立されたという[9]。林淳によれば、当時の日本政府は宗教学が社会主義運動を抑止すると期待していた面がある[10]。
事業・調査活動
編集1948年に日本宗教学会は九学会連合(当時は八学会連合)に加わり[11]、その枠組みの中で日本各地の宗教の社会学的調査を実施した[12]。
日本宗教学会が1952年に設置を決めた「宗教と教育に関する委員会」、1955年に設置した「教育教養委員会」(後に「宗教と教育に関する委員会」に合流)を通じて宗教教育に関する政治活動や調査が行われた[13]。「宗教と教育に関する委員会」が行ったデータ収集等を井上順孝が日本の宗教教育研究における「一つの大きな足場」と評した[14]。
年1回大会を開く[15]。
刊行物
編集宗教研究会の機関紙だった『宗教研究』を1937年に日本宗教学会が引き継ぎ、以後発行している[16][17]。2011年に Religious Studies in Japan [18]が刊行開始された。
不祥事
編集2006年に会員2073人の個人情報がWinnyに流出した[19]。2013年に参加申し込みフォームの設定ミスで24名分の個人情報が漏洩した[20]。
出典
編集- ^ a b c “日本宗教学会”. 学会名鑑. 日本学術会議・日本学術協力財団・科学技術振興機構. 2020年3月9日閲覧。
- ^ 宗教学講座創設25周年記念文献展覧会・日本宗教学会第1回大会於東京大学(1930年) 東京大学宗教学研究室
- ^ 日本学術会議ニューズレター第 23 期第 2 号 2015 年 3 月号
- ^ 渡邊二郎 転換期における人間 学術の動向Vol. 4 (1999) No. 9
- ^ 参加学会リスト | 日本宗教研究諸学会連合
- ^ https://www.scj.go.jp/ja/info/link/link_touroku_na.html
- ^ http://www.iahr.dk/members.php#jp
- ^ http://jpars.org/announcements/contact
- ^ a b c 磯前順一 <日本の宗教学>再考 ―「宗教」という経験― 「日本宗教から一神教への提言」研究会 2007年度
- ^ a b c d 戦後における東大系宗教学の軌跡 : 「来るべき宗教学」の予言がはずれたとき
- ^ 坂野徹「九学会連合の共同調査と「国土」」『産業経営プロジェクト報告書』35-2号(2012年)「産業振興と地域社会」
- ^ 井上順孝『宗教社会学のすすめ』2002年 p.199
- ^ 齋藤知明「近代日本の宗教教育論の諸相 ―明治中期を中心に―」2014年、p11
- ^ グローバル化・情報化時代における宗教教育の新しい認知フレーム(<特集>宗教の教育と伝承)
- ^ Satoshi Nakazato, "Japan: Varied Images through Western Waves" Kierkegaard's International Reception: The Near East, Asia, Australia and the Americas, 2008 ISBN 0754664023[1]
- ^ 西村明アジア・太平洋戦争と日本の宗教研究 学史からのアプローチ 国立歴史民俗博物館研究報告 147, 65-76, 2008-12
- ^ CiNii 雑誌 - 宗教研究「注記」
- ^ http://jpars.org/online/
- ^ 「宗教学会員情報、ウィニーで流出」日本経済新聞 2006年5月18日43ページ
- ^ 学術大会に申し込んだ参加者の個人情報、フォームから閲覧可能な状態に(日本宗教学会) 2013年5月15日(水) 17時48分 ScanNetSecurity
関連文献
編集- 『日本宗教学会五十年史』1980年 国立国会図書館サーチ:R100000002-I000001490715