屋嘉比島
屋嘉比島(やかびじま)は、沖縄県島尻郡座間味村に属する無人島で[1]、座間味島の西約4km[2]、慶良間諸島最南西端である久場島の北約2kmの海上に位置する[3]。
屋嘉比島 | |
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1977年撮影。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 | |
所在地 | 日本(沖縄県島尻郡座間味村) |
所在海域 | 東シナ海 |
所属諸島 | 慶良間諸島 |
座標 | 北緯26度12分57秒 東経127度14分40秒 / 北緯26.21583度 東経127.24444度座標: 北緯26度12分57秒 東経127度14分40秒 / 北緯26.21583度 東経127.24444度 |
面積 | 1.26 km² |
海岸線長 | 5.29 km |
最高標高 | 214.4 m |
プロジェクト 地形 |
地理
編集面積1.26km2[4]、周囲5.29kmで[1][2]、島北東部に最高標高214.4mの丘陵を有する島である[5]。北東部には海岸に面した標高50m以上の急崖が聳え、南東部には小さな砂浜が存在し、島の北西約200mに「長内瀬(ながちんせ)」という小島がある[5]。
島全体に森林やススキの草原が広がる[6]。屋嘉比島に棲息するケラマジカは国指定の天然記念物に指定され、1974年(昭和49年)から約10年間は鳥獣保護区にも認定されていた[6]。1983年現在、ケラマジカの約半数は屋嘉比島に棲息し、朝方と夕方には餌取りを行う為に海岸部の草地に出現する[7]。アカウミガメとアオウミガメの産卵地で、孵化したウミガメを狙ってアカマタが捕食する事例が報告されている[8]。島の周囲は最大で幅約600mのサンゴ礁に取り巻かれ、ダイビングスポットとなっている[5]。緑色片岩で構成され[1]、久場島と同様に含銅硫化鉄鉱床(キースラガー鉱床)を形成し、戦前まで銅の採掘地であった[9]。
歴史
編集方言で「ヤカンジマ」といい、『正保国絵図』には「やかひ嶋」と、『絵図郷村帳』には「屋かび島」と記されている[5]。
屋嘉比島山頂に御嶽が祀られている[2]。17世紀に南に位置する久場島で放し飼いにされたシカが島に渡り[7]、現在でもケラマジカとして屋嘉比島に棲息している[10]。1955年(昭和30年)に当時の琉球政府は屋嘉比島に棲むケラマジカを天然記念物に指定し、その後本土復帰した1972年5月15日に国指定の天然記念物となった[7]。1880年(明治13年)に銅鉱床が発見され[5]、1936年(昭和11年)に本格的な採掘が行われた[8]。1939年(昭和14年)にラサ工業による高品質な銅を産出する鉱山として発展すると、島内の人口が2,000人以上に達し、住宅や小中学校も建設された[8]。しかし、1945年(昭和20年)3月に沖縄で最初に米軍が上陸すると[8]、島民10人が集団自決を行った[2]。また沖縄戦の空襲で鉱業所は破壊され、戦後は無人島となった[9][11]。現在は桟橋や鉱山跡の遺構が残存している[8]。
脚注
編集- ^ a b c 『沖繩大百科事典 下巻』「屋嘉比島」(1983年)p.966
- ^ a b c d 『角川日本地名大辞典』「屋嘉比島」<座間味村>(1991年)p.690
- ^ 『沖繩大百科事典 上巻』「久場島」(1983年)p.966
- ^ “平成25年 全国都道府県市区町村別面積調 島面積” (PDF). 国土地理院. p. 9 (2013年10月1日). 2014年5月22日閲覧。
- ^ a b c d e 『日本歴史地名大系』「屋嘉比島」(2002年)p.543下段
- ^ a b 『島嶼大事典』(1991年)p.516
- ^ a b c 『沖繩大百科事典 中巻』「ケラマジカ」(1983年)p.26
- ^ a b c d e 『SHIMADAS 第2版』「屋嘉比島」(2004年)p.1220
- ^ a b 『沖繩大百科事典 中巻』「鉱物資源」(1983年)p.81
- ^ “沖縄天然記念物マップ 「ケラマジカ及びその生息地」”. 沖縄県立総合教育センター 琉球文化アーカイブ. 2013年5月12日閲覧。
- ^ 『日本の島事典』(1995年)p.196
参考文献
編集- 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典 47.沖縄県』 角川書店、1991年。ISBN 4-04-001470-7
- 平凡社地方資料センター 『日本歴史地名大系第四八巻 沖縄県の地名』 平凡社、2002年。ISBN 4-582-49048-4
- 沖繩大百科事典刊行事務局 『沖繩大百科事典』 沖縄タイムス、1983年。
- 日外アソシエーツ編 『島嶼大事典』 日外アソシエーツ、1991年。ISBN 4-8169-1113-8
- 財団法人日本離島センター編 『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス) 第2版』 財団法人日本離島センター、2004年。ISBN 4-931230-22-9
- 菅田正昭編 『日本の島事典』 三交社、1995年。ISBN 4-87919-554-5
関連項目
編集外部リンク
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