夕陽号
夕陽号(ゆうひごう)は、東京都(一部便は千葉県浦安市発着 / 埼玉県さいたま市を経由)と山形県鶴岡市・酒田市を結ぶ夜行高速バスである。
全ての座席が指定のため、乗車には事前の予約が必要。
運行会社
編集- 庄内交通(酒田営業所)
- ※:同社担当便で多客期における増発便車両(貸切車タイプ)運用は、2014年3月31日まで庄内交通観光バス・ハイヤーの担当であったが、翌4月1日より庄内交通観光バス・ハイヤーが庄内交通に合併したため、現在は増発便も庄内交通の担当となっている。
- ※:同社担当便で多客期における増発便車両(貸切車タイプ)運用については国際興業観光バスが担当。
概要
編集当初は、庄内交通と東京急行電鉄(当時。現・東急バス)との共同運行で、愛称も「日本海ハイウェイ夕陽号」だった。東急では同路線を「ミルキーウェイ号酒田線」と案内していた。その後、1998年に東急は酒田線を含む全ての夜間高速バスから撤退し、しばらくは庄内交通のみの単独運行となっていた。一方、1992年10月1日から庄内交通と国際興業の共同運行により、酒田・鶴岡 - 大宮・赤羽間「庄内・日本海ハイウェイ夕陽号」の運行を開始したが、1999年に渋谷発着の路線と統合された。統合後は、都心の経由地も渋谷 - 池袋 - 大宮の順に停車している。
2009年には新たに東京駅・秋葉原駅・上野駅発着の系統も運行を開始しており、2012年には新宿駅への乗り入れも開始した。さらに、2017年には東京ディズニーランド (TDL) 発着便も運行開始した。
運行開始時は、玉電跡地の東急バスターミナルからの発着だった(現在発着の渋谷マークシティはこの跡地に建っている)。東急バスターミナル閉鎖後には、渋谷東急イン前などが乗り場だったこともある。
なお、日本で初めてボルボ・アステローペが使用された夜行高速バスでもある(庄内交通が導入)。
運行経路
編集- 池袋・渋谷線(1号・2号)
渋谷駅(渋谷マークシティ) - 池袋駅西口 - 大宮駅東口 ⇔ 庄内観光物産館 - エスモールバスターミナル - 庄内町余目駅前 - イオン酒田南店 - 酒田駅前 → さかた海鮮市場前(下り便のみ停車)
- 東京・新宿線(51号・52号)
バスタ新宿 - 東京駅丸の内北口(オアゾ前) - 秋葉原駅 - 上野駅 ⇔ 庄内観光物産館 - エスモールバスターミナル - 庄内町余目駅前 - イオン酒田南店 - 酒田駅前 → さかた海鮮市場前(下り便のみ停車)
- 東京・東京ディズニーランド線(81号・82号)
東京ディズニーランド - 東京駅(乗車:八重洲南口・降車:日本橋口)JRバスターミナル ⇔ 庄内観光物産館 - エスモールバスターミナル - 庄内町余目駅前 - イオン酒田南店 - 酒田駅前 → さかた海鮮市場前(下り便のみ停車)
歴史
編集- 1988年(昭和63年)12月21日 - 渋谷 - 鶴岡・酒田間の夜行高速バス「日本海ハイウェイ夕陽号」として運行開始(1往復)。東京急行電鉄と庄内交通の共同運行で、国道7号・北陸道・関越道経由。東急側の愛称は「ミルキーウェイ」[1][2][3]。
- 1992年(平成4年)10月1日 - 赤羽・大宮 - 鶴岡・酒田間の夜行高速バス「庄内・日本海ハイウェイ夕陽号」を運行開始。国際興業と庄内交通の共同運行[4]。
- 1998年(平成10年)6月15日 - 東急バスが夜行高速バス事業から撤退。
- 1999年(平成11年)6月16日 - 庄内交通の単独運行となっていた渋谷 - 鶴岡・酒田間と、国際興業バス・庄内交通の共同運行となっていた池袋・赤羽・大宮 - 鶴岡・酒田間の路線を統合。現在の運行系統となる。
- 2004年(平成16年)12月20日~2005年(平成17年)1月20日 - 昼行便を運行(新潟県中越地震と年末年始対応のため)。
- 2005年(平成17年)11月17日 - ジャスコ酒田南店(現:イオン酒田南店)乗り入れ開始。酒田駅乗り入れを廃止。
- 2006年(平成18年)8月10日~8月16日 - 同年7月13日に羽越本線で起きた崖崩れのため、お盆の帰省ラッシュの対応で昼行便の運行を予定したが、8月9日に羽越本線が復旧したため実際の運行は無かった。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)4月1日 - 東京駅発着系統の運行を開始。また、渋谷発着便の鶴岡地区到着時刻が5分繰り下げる。
- 2010年(平成22年)12月1日 - 同日出発便より、学生割引(学割)運賃(大人運賃の2割引)を新たに設定。東京駅発着系統が木曜・金曜・土曜・日曜及び繁忙期期間のみの運行に変更。
- 2011年(平成23年)6月16日 - 庄内町余目駅前バス停留所を新設。
- 2012年(平成24年)7月13日 - 東京駅発着系統が新宿西口高速バスターミナルに延伸。あわせて下り便のみさかた海鮮市場前乗り入れ開始。
- 2014年(平成26年)4月1日 - 東京・新宿線が毎日運行となる[5]。
- 2016年(平成28年)4月4日 - 東京・新宿線の新宿駅の乗り場を、この日から供用開始したバスタ新宿に変更。
- 2017年(平成29年)
- 4月1日 - 東京第一ホテル鶴岡からエスモールバスターミナルに変更[6]。
- 10月1日 - 東京ディズニーランド発着便を新設[7][8]。
- 2018年(平成30年)4月1日 - この日の出発便より東京ディズニーランド発着便が東京駅(八重洲南口・日本橋口)経由となる(池袋駅西口は非経由)[9]。
- 2019年(令和元年)
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和4年)3月11日 - この日の出発便より新宿線の運行を再開[17]。
- 2022年(令和4年)
使用車両
編集- 庄内交通は原則ハイデッカー車(三菱ふそう・エアロエースまたはいすゞ・ガーラ)が使用されている。初代車両は夜行路線としては初の採用例となったボルボ・アステローペであった。初代車両代替時にもアステローペで代替(路線統合時に赤羽線の車両を使用)されたが、2007年度に所定車は三菱エアロバスに統一された。
- 東急は三菱スーパーエアロIIを使用していた。最後部2列以外は独立横3列シート、最後部2列は喫煙席に設定の上横4列シート(最後部列は横5列)となっており、カーテンで仕切ることができるようになっていた。
- 国際興業は原則独立横3列シート27~29人乗りのスーパーハイデッカー車またはハイデッカー車(いすゞ・ガーラ)が使用されている。かつては独立横3列シート29人乗りのいすゞ・スーパークルーザースーパーハイデッカーが使用されていた。
- お盆、年末年始等の最ピーク期には更なる増便が実施されることがあり、専用車両ではない一般観光バス車両(4列シート・概ね4号車以降)によって運行される場合があり、多いときには10台前後で運行し、台数が多いため、一度にバスターミナルへ入線できず到着号車順に乗車することになる。また渋谷マークシティに入線できる車両に限りがあるため、池袋駅西口発着となる場合もある。
使用車両画像一覧
編集-
続行便に使用される貸切用車両(庄内交通)
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日本海ハイウェイ夕陽号(庄内交通)初代車両 ※現在は廃車
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ミルキーウェイ(東京急行電鉄)
利用状況
編集- 渋谷・池袋・大宮 - 鶴岡・酒田系統
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
2002(平成14)年度 | 365 | 1,300 | 28,943 | 79.3 | 22.3 |
2003(平成15)年度 | 366 | 1,332 | 29,683 | 81.1 | 22.3 |
2004(平成16)年度 | 365 | 1,501 | 33,171 | 90.9 | 22.1 |
2005(平成17)年度 | 365 | 1,454 | 31,996 | 87.7 | 22.0 |
2006(平成18)年度 | 365 | 1,506 | 33,615 | 92.1 | 22.3 |
2007(平成19)年度 | 366 | 1,644 | 35,836 | 97.9 | 21.8 |
脚注
編集- ^ “高速バス時代が本格到来”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1989年4月20日)
- ^ 『夜間高速バスが認可 酒田-東京間 来月21日から運転』昭和63年11月30日読売新聞朝刊22面山形読売庄内・最上
- ^ 『夜間高速バスが出発 酒田』昭和63年12月24日読売新聞朝刊22面山形読売庄内・最上
- ^ 『庄内交通、鶴岡・酒田―大宮間来月から高速バス』平成4年9月3日日本経済新聞地方経済面東北B
- ^ “酒田線〔夕陽号〕新宿・東京・秋葉原・上野発 毎日運行継続のお知らせ=”. 国際興業バス (2014年3月3日). 2014年6月9日閲覧。
- ^ “夕陽号【東京線】東京第一ホテル鶴岡からエスモールバスターミナルへ乗降地変更のお知らせ”. 庄内交通 (2017年1月31日). 2018年5月8日閲覧。
- ^ “〜庄内地方からディズニーランド(R)へ〜”. 国際興業バス (2017年9月4日). 2017年9月7日閲覧。
- ^ “夜行高速バス『夕陽号』 系統新設【「東京ディズニーランド(R)」乗入れ】について”. 庄内交通 (2017年9月5日). 2017年9月7日閲覧。
- ^ “夜行高速バス 夕陽号「東京ディズニーランド(R)」線東京駅八重洲南口乗り入れについて”. 庄内交通 (2018年3月26日). 2018年6月3日閲覧。
- ^ “【夕陽号】夜行高速バス東京線、高速バス仙台線の運賃改定について”. 庄内交通 (2019年4月23日). 2019年6月2日閲覧。
- ^ “【夜行高速バス】11/1(金) 夕陽号「東京ディズニーランド(R)」線のダイヤ改正実施について”. 庄内交通 (2019年9月4日). 2019年11月4日閲覧。
- ^ “コロナウイルスの影響に伴う高速バスの運休・減便等について”. 国際興業バス (2020年4月3日). 2020年4月4日閲覧。
- ^ “夜行高速バス【「東京ディズニーランド(R)」線】及び【京都・大阪・USJ線】運休について”. 庄内交通 (2020年3月18日). 2020年4月4日閲覧。
- ^ “高速バスの運休について”. 庄内交通 (2020年4月7日). 2020年4月23日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」【新宿線】の運行再開について”. 庄内交通 (2020年6月19日). 2020年7月2日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」新宿線の運休について”. 庄内交通 (2020年8月13日). 2020年9月5日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」【新宿線】の運行再開について”. 庄内交通 (2021年2月24日). 2022年4月10日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」【新宿線】の運休について”. 庄内交通 (2022年2月2日). 2020年9月5日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」【新宿線】の運行再開について”. 庄内交通 (2022年3月3日). 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」【渋谷線】の期間限定運行について”. 庄内交通 (2022年3月28日). 2022年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月29日閲覧。
- ^ “夜行高速バス「夕陽号」【渋谷線】の運行について”. 庄内交通 (2022年7月6日). 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。
- ^ “庄交バスターミナルの移転および酒田駅前停留所の変更について”. 庄内交通 (2022年7月5日). 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。