土佐清水市(とさしみずし)は、高知県南西部に位置するである。太平洋に突きだした足摺岬や水産業で知られる。

とさしみずし ウィキデータを編集
土佐清水市
土佐清水市中心部
足摺岬竜串
ジョン万次郎金剛福寺

地図
市庁舎位置
土佐清水市旗 土佐清水市章
土佐清水市旗 土佐清水市章
1955年1月25日制定
日本の旗 日本
地方 四国地方
都道府県 高知県
市町村コード 39209-0
法人番号 4000020392090 ウィキデータを編集
面積 265.42km2
総人口 11,032[編集]
推計人口、2024年10月1日)
人口密度 41.6人/km2
隣接自治体 宿毛市四万十市幡多郡大月町三原村
市の木 アコウ
市の花 ツバキ
市の鳥
市の魚
イソヒヨドリ
メジカ
土佐清水市役所
市長 程岡庸
所在地 787-0392
高知県土佐清水市天神町11番2号
北緯32度46分53秒 東経132度57分18秒 / 北緯32.78147度 東経132.95489度 / 32.78147; 132.95489座標: 北緯32度46分53秒 東経132度57分18秒 / 北緯32.78147度 東経132.95489度 / 32.78147; 132.95489
土佐清水市役所
外部リンク 公式ウェブサイト

土佐清水市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト
清水の名水

概要

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四国本島の西部南端に位置している。市域には高速道路鉄道が通っていないほか、地理的に大消費地から遠く、当市は日本の市の中で東京からの移動時間を最も要する場所のひとつであるとされる[注釈 1]

また高知県内11市中室戸市に次いで人口が2番目に少なく、県内では高齢化率が最も高い市である。主要産業である水産業の衰退とともに過疎化高齢化が深刻化している。65歳以上が人口比の50%以上を占める限界自治体の一つ。

四国島内で唯一、航空自衛隊の基地である土佐清水分屯基地が設けられている。

足摺半島の西海岸回り(県道27号)と 旧スカイライン(県道348号)の分岐から約1kmくらい足摺岬方面に西海岸回りの道路を行くと土佐の三名水のひとつである「清水の名水」が山側の道路脇に湧き流れ落ちている。土佐清水の地名はここから取ったと云われている[注釈 2]

地理

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土佐清水市中心部周辺の空中写真。
2019年9月17日撮影の4枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

山地

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主な山

河川

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主な河川
  • 下ノ加江川
  • 加久見川
  • 益野川

海岸

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今後発生が予見されている南海トラフ巨大地震の際には、市内の海岸に最大17mの津波が到達することが予想されている。これは高知県下の市町で2番目の値(四万十市と同値)である[1]

隣接している自治体

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 高知県

気候

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清水特別地域気象観測所(土佐清水市足摺岬、標高31m)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 22.5
(72.5)
22.5
(72.5)
25.2
(77.4)
26.9
(80.4)
31.3
(88.3)
31.7
(89.1)
35.5
(95.9)
35.0
(95)
33.8
(92.8)
31.3
(88.3)
27.0
(80.6)
23.9
(75)
35.5
(95.9)
平均最高気温 °C°F 12.4
(54.3)
13.4
(56.1)
16.2
(61.2)
20.1
(68.2)
23.4
(74.1)
25.4
(77.7)
28.9
(84)
30.4
(86.7)
28.3
(82.9)
24.3
(75.7)
19.7
(67.5)
14.7
(58.5)
21.4
(70.5)
日平均気温 °C°F 8.9
(48)
9.8
(49.6)
12.8
(55)
16.9
(62.4)
20.4
(68.7)
23.0
(73.4)
26.5
(79.7)
27.7
(81.9)
25.5
(77.9)
21.4
(70.5)
16.5
(61.7)
11.3
(52.3)
18.4
(65.1)
平均最低気温 °C°F 5.5
(41.9)
6.2
(43.2)
9.1
(48.4)
13.5
(56.3)
17.6
(63.7)
20.9
(69.6)
24.6
(76.3)
25.6
(78.1)
23.2
(73.8)
18.6
(65.5)
13.4
(56.1)
7.9
(46.2)
15.5
(59.9)
最低気温記録 °C°F −4.3
(24.3)
−5.0
(23)
−3.4
(25.9)
3.2
(37.8)
9.2
(48.6)
14.6
(58.3)
17.3
(63.1)
20.1
(68.2)
14.0
(57.2)
7.3
(45.1)
2.4
(36.3)
−2.0
(28.4)
−5.0
(23)
降水量 mm (inch) 98.6
(3.882)
116.4
(4.583)
183.9
(7.24)
221.8
(8.732)
232.6
(9.157)
400.2
(15.756)
222.8
(8.772)
231.5
(9.114)
362.4
(14.268)
254.2
(10.008)
146.9
(5.783)
97.0
(3.819)
2,563.9
(100.941)
平均降水日数 (≥0.5 mm) 6.9 8.1 12.1 10.9 11.1 15.1 11.6 11.9 13.3 10.4 9.0 7.4 127.9
湿度 58 59 62 66 73 83 84 82 77 69 65 60 70
平均月間日照時間 180.5 173.3 190.1 196.0 190.5 131.0 196.6 233.8 175.8 179.7 167.0 174.1 2,190.5
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1940年-現在)[2][3]

歴史

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沿革

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  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、幡多郡に以下の5村が成立。
    • 清松村 ← 清水村、養老村、加久見村、浦尻村、横道村、松尾村、伊佐村、大浜村、中ノ浜村、越村
    • 上灘村 ← 窪津村、大岐村、以布利村、津呂村、大谷村
    • 伊豆田村 ← 下ノ加江村、布村、久百々村、立石村、鍵掛村
    • 三崎村 ← 三崎村、奥益野村、下益野村、斧積村、爪白村
    • 下川口町 ← 下川口町、片粕村、宗呂村、有永村、貝ノ川村、大津村
  • 1924年大正13年)
    • 7月1日 - 清松村が清水村に改称。
    • 9月15日 - 清水村が町制施行、清水町となる。
  • 1941年昭和16年)4月1日 - 清水町が上灘村を編入。
  • 1947年(昭和22年)11月3日 - 三崎村が町制施行、三崎町となる。
  • 1950年(昭和25年)11月3日 - 伊豆田村が町制施行、改称し下ノ加江町となる。
  • 1954年(昭和29年)8月1日 - 清水町、下ノ加江町、三崎町、下川口町の4町が合併し市制施行、土佐清水市となる[注釈 3]
  • 2003年平成15年)2月8日 - 戸籍事務の電子化。

主な出来事

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行政

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施設

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土佐清水市中央公民館
 
土佐清水郵便局

警察

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駐在所
  • 下ノ加江駐在所(土佐清水市下ノ加江3417)
  • 以布利駐在所(土佐清水市以布利149-9)
  • 足摺岬駐在所(土佐清水市足摺岬478-1)
  • 三崎駐在所(土佐清水市三崎浦一丁目7-33)
  • 下川口駐在所(土佐清水市下川口984-1)

消防

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医療

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主な病院
  • 足摺病院
  • 医療法人修命会 土佐清水病院
  • 渭南病院

公民館

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主な公民館
  • 土佐清水市中央公民館

郵便局

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主な郵便局

スポーツ

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主な運動施設

姉妹都市・提携都市

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姉妹都市提携している3市とも、当市出身のジョン万次郎ゆかりの都市である。

海外

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国内

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経済

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土佐清水市中心部のプラザパル

第一次産業

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主な産業は、水産業遠洋漁業)である。清水サバなど

第二次産業

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主な工場
  • かつおぶし工場
  • 西岡造船所

第三次産業

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主な商業施設
  • コーナン土佐清水店
  • コメリ土佐清水店
  • ハマート
  • プラザパル
  • サニーマート
  • コスモス

金融機関

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メディア

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中継局

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地域

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人口

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土佐清水市と全国の年齢別人口分布(2005年) 土佐清水市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 土佐清水市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
土佐清水市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 24,122人
1975年(昭和50年) 24,856人
1980年(昭和55年) 24,252人
1985年(昭和60年) 23,014人
1990年(平成2年) 21,182人
1995年(平成7年) 19,582人
2000年(平成12年) 18,512人
2005年(平成17年) 17,281人
2010年(平成22年) 16,029人
2015年(平成27年) 13,778人
2020年(令和2年) 12,388人
総務省統計局 国勢調査より


健康

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  • 平均年齢:59.44歳(2020年[6]、全国の市で5位)
  • 高齢化率:50.6%(2020年[6]、全国の市で5位)

教育

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土佐清水市には「土佐清水市奨学生募集」という奨学金制度がある。なお、奨学金は返還義務がともなう。

閉校の学校については高知県中学校の廃校一覧高知県小学校の廃校一覧の項目を参照。

専修学校

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  • 土佐清水高等専修学校(休校中)

高等学校

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県立

中学校

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小学校

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  • 土佐清水市立足摺岬小学校
  • 土佐清水市立清水小学校
  • 土佐清水市立下川口小学校
  • 土佐清水市立下ノ加江小学校
  • 土佐清水市立三崎小学校
  • 土佐清水市立幡陽小学校

研究施設

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主な研究施設
  • 大阪海遊館海洋生物研究所 以布利センター

交通

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以布利港
 
めじかの里土佐清水

空港

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定期旅客便が就航する最寄りの空港は、高知空港(高知龍馬空港、南国市)である。

鉄道

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市域に鉄道は敷設されていない。なお、市外の最寄り駅は中村駅である。JTB時刻表には清水プラザパル前バス停が中心駅として記載されている。

バス

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清水プラザパル前(旧清水バスセンター)が市内公共交通の拠点となっている。

  • 高知西南交通
    • 宿毛 - ふれあいパーク大月 - 清水プラザパル前
    • 中村 - 清水プラザパル前 - 大浜 - 足摺岬
    • 清水プラザパル前 - 窪津 - 足摺岬
    • 高速バス「しまんとライナー」:高知市 - 土佐清水市

道路

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一般国道
道の駅

船舶

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旅客を扱う定期航路は就航していない。かつては以下の航路などがあった。

1982年12月に就航。大都市圏への足として活躍したが、1997年、翌年の明石海峡大橋架橋を控え、利用客減少と原油価格高騰を理由に室戸汽船が航路廃止を決定。その後、第三セクターによる高知シーラインとして航路は存続されたが、1999年7月に台風8号の影響で甲浦港にて船舶が港内の防波堤に接触、浅瀬に乗り上げて座礁する。奇跡的に死傷者は出なかったものの、この事故と原油価格高騰が経営悪化に追い討ちをかけ、2001年12月9日をもって航路廃止。
上記、高知シーラインの航路廃止に伴い、航路をそのまま引き継ぐ形で2001年12月10日からあしずり港への寄港を開始。就航当初は1日1便であったが、利用客減少のため土・日運航となる。しかし、利用客減少に歯止めはかからず、さらなる原油価格高騰が追い討ちをかけて2004年4月10日をもって航路休止。その後、同社自体も2005年3月30日に自己破産を申請後、同年6月30日をもって航路廃止となった。

観光

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名所・旧跡

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重要文化財(国指定)
 
吉福家住宅 主屋
天然記念物(国指定)
  • 松尾のアコウ自生地 - 樹高22m、樹齢300年以上
 
唐舟島
  • 唐舟島の隆起海岸 - 土佐清水港内東奥にある無人小島
  • 千尋岬の化石漣痕 - 1700から1500万年前頃にできたもの
主な寺院
 
金剛福寺
主な神社
 
竜宮神社(足摺臼碆)
  • 竜宮神社(足摺臼碆)
遺跡
  • 唐人駄馬巨石群 [7]

観光スポット

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自然
 
足摺岬スボノくち
 
竜串
 
大岐の浜
  • 大岐の浜:四国八十八景39番
 
叶﨑 灯台
  • 叶﨑(かなえざき):当市で最初にできた灯台で明治44年8月20日点灯、光達距離25km
文化施設
 
ジョン万次郎の生家
集落活動センター

祭事・催事

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  • あしずり祭り(毎年8月の第2土曜日に開催)
  • 産業祭(毎年12月の第1土・日曜日に開催)
  • ホエールウォッチング
  • 竜串トロピカル (野外音楽フェス、春、秋 年二回開催)

出身著名人

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海の駅あしずりにある中濱萬次郎少年と仲間達の群像

土佐清水市を舞台にした作品

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小説
  • 足摺岬(1949年・田宮虎彦)
  • 赤い椿の花(1960年・田宮虎彦)
映画
  • 足摺岬(1954年・吉村公三郎監督)…田宮虎彦の同名の小説の映画化
  • 雲がちぎれる時(1961年・五所平之助監督)…田宮虎彦の小説「赤い椿の花」の映画化
テレビドラマ

脚注

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注釈

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  1. ^ 高等学校の「地理A」では、東京から最も移動時間を要するのは島根県江津市と掲載されている。出発時間や出発・到着場所の決め方によって変わるので、どちらも東京から最も時間がかかるとの記述自体は間違いではない。
  2. ^ あと二つの土佐の名水は、岩佐の清水(野根山街道)と桜井戸(高知市要法寺):現地説明看板より
  3. ^ なお市制施行当時は、既に静岡県清水市(2003年に合併により消滅し、現在は静岡市清水区)が存在していた。

出典

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  1. ^ 資料1-3 市町村別平均津波高一覧表<満潮位>”. 内閣府防災情報のページ (2012年8月29日). 2024年2月16日閲覧。
  2. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
  3. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
  4. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、155頁。ISBN 9784816922749 
  5. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、147頁。ISBN 978-4-10-320523-4 
  6. ^ a b 令和2年国勢調査総務省統計局
  7. ^ 唐人駄場遺跡」土佐清水市、2015年11月17日閲覧。
  8. ^ 集落活動センターとは|えいとここうち”. www.eitoko.jp. 2022年9月11日閲覧。

外部リンク

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