吹上御苑

皇居内の吹上地区にある御苑
吹上御所から転送)

座標: 北緯35度41分10.4秒 東経139度44分55.0秒 / 北緯35.686222度 東経139.748611度 / 35.686222; 139.748611

吹上御苑(ふきあげぎょえん)は、皇居東京都千代田区千代田)・吹上地区にある御苑。敷地の多くは森林となっており、その中に御所等の建物が点在する。

皇居の航空写真。半蔵濠と道灌堀に囲まれた森が吹上御苑である。
1979年昭和54年)撮影。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 。

概要

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地理上の位置は武蔵野台地の東端、海岸沿いの土地である。現在は皇居の一部であり、道灌堀を挟み、旧江戸城西の丸地区の西側に隣接する。

主な建物として、第126代天皇徳仁皇后雅子愛子内親王の住まいである「御所」、昭和天皇の御所で昭和天皇崩御後は香淳皇后皇太后としての御所であった「吹上大宮御所」、「宮中三殿」などがある。

江戸城築城後には番衆・代官衆や清洲藩松平忠吉の屋敷地があり、その後は徳川御三家大名屋敷が建築された。

1657年明暦3年)1月明暦の大火で全焼し、当時財政難であった幕府はほぼ壊滅状態であった江戸復旧に際し都市の再建を優先。このあたりは江戸城への類焼を防ぐための火除け地として日本庭園が整備される運びとなった。

明治維新では一時荒廃したが、その後庭園が再建され、さらにゴルフ場も建設された。

吹上御苑の転機となるのは1937年昭和12年)で、昭和天皇がゴルフ場の使用を止め、自然のまま残すように希望したため、以後森林が形成された。隅々まで人の手が入った旧西の丸地区とは対照的に、手つかずとなった吹上御苑は草木が生い茂っている。

吹上御苑の自然

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スダジイアカガシなど常緑樹イチョウケヤキなどの巨木が茂り、林床には広葉樹の下にはアズマシライトソウカモメギクなど稀少な植物が見られる。これら植物は、かつての日本庭園の樹木がそのまま大きくなったものや、昭和天皇が植えたものが野生化したもの、さらに自然に発生したものなどによって複合的に形成されたものである。

また、吹上御苑の湿度は、近くの気象庁の測定値に比べ、およそ10 - 20 %程高く、衛星の観測データによれば、吹上御苑を含む皇居の森で作られた高湿度の空気が大気を冷やし、銀座日本橋辺りまで流れ込み、ヒートアイランド現象の抑制にも役立っていることが判明している。

一般公開

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毎年5月の休日に宮内庁によって一般に公開されている。

関連項目

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外部リンク

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