又吉亮文
又吉 亮文(またよし あきふみ、1995年11月20日 - )は、沖縄県浦添市出身の元プロ野球選手(投手)。右投左打。兄は福岡ソフトバンクホークス所属の又吉克樹。従姉妹は舞台女優の大村沙亜子。
基本情報 | |
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国籍 | 日本 |
出身地 | 沖縄県浦添市 |
生年月日 | 1995年11月20日(28歳) |
身長 体重 |
175 cm 75 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | IL / 2018年 ドラフト2位 |
初出場 | IL / 2018年4月1日 |
最終出場 | IL / 2019年9月13日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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来歴
編集プロ入り前
編集浦添市立浦添中学校入学時から野球を始め、当時は外野手としてプレー。同級生に與座海人(西武)がいる[1]。
沖縄県立浦添高等学校進学後に自らの希望で投手に転向[2]。当時はオーバースローのフォームで、球速は120km/h前後の平凡な投手だった[3]。ベンチ入りできたのは2年生の秋のみで[2]、中学時代も高校時代も目立った成績を残せなかった[1]。
高校卒業後は野球を辞め、琉球大学に進学して教員免許を取得することを目指していたが、3年生の秋に兄の又吉克樹がドラフト会議で中日ドラゴンズより2位指名を受けたことで奮起し、野球を続けるために兄と同じ環太平洋大学に進学[4]。練習に励み、2年生秋の新人戦で130km/h後半の直球を投げ込めるまでに成長[4]。更に監督の野村昭彦の指導でフォームをスリークォーターに変え、最速140km/hを計測するまでに成長した[1]。3年生からセットアッパーを任される機会が増え、目立った活躍はできなかったものの[1]3年生秋と4年生秋は明治神宮野球大会での登板も経験した[4][5]。2017年にプロ野球志望届を提出したものの[6][7]、NPB球団からドラフト指名を受けることはなかった[8]。
香川時代
編集NPB球団からの指名はなかったものの、独立リーグ・四国アイランドリーグplusの2018年度新入団ドラフト会議で香川オリーブガイナーズから2位指名を受けて[1][9]入団[3][10]。奇しくも環太平洋大学から香川入団という兄・克樹と同じ道を辿ることになった[3]。
入団1年目の2018年はフォームがサイドスローになり、シーズン終盤に最速147km/hを記録するまでに成長[4]。チームで2番目に多い34試合に登板し[4]、シーズン最終戦となる9月17日の対徳島インディゴソックス戦(観音寺市総合運動公園野球場)で先発登板した[11]以外は中継ぎとして活躍し、防御率2.35という成績を残した。リーグチャンピオンシップにも登板し、第2戦では7回表二死二塁の場面から最終回まで完璧に封じこめ、リーグ総合優勝に貢献した[12][13]。ベースボール・チャレンジ・リーグの群馬ダイヤモンドペガサスとのグランドチャンピオンシップにも登板したが、第1戦で同点の7回から登板して追加点を許し敗戦投手となり[14]、チームも優勝を逃している。
2年目の2019年はクローザーを任されてシーズン序盤から活躍[15]。5月25日時点でリーグトップの防御率0.42を記録し、リーグが3年ぶりに実施する北米遠征メンバーに選抜されたが[16]、渡航直前に腰の違和感を訴え辞退することとなった[17][18]。前期は34試合中21試合に登板し、リーグトップの防御率0.31、5セーブ、チームトップタイの3勝をあげ、前期シーズンのチームMVPに選出された[19][20]。最終的には44試合に登板して防御率2.29を記録し、5勝、13セーブをあげて、最多セーブのタイトルを獲得し[21]、シーズンを通してのチームMVPにも選出された[22]。この年はイースタン・リーグとの交流戦や[23]フェニックス・リーグ[24]の選抜チームのメンバーに入り、NPB選手との対戦を経験して実力をアピールしたが、この年もドラフト指名されることはなかった[25][26]。10月31日に香川を退団[27]。
香川所属時代は2018年に広島東洋カープの入団テストに参加している様子が『RCCニュース6』で放送され、2019年に横浜DeNAベイスターズの入団テストに参加している様子が確認されていた。
琉球時代
編集2年連続でのドラフト指名漏れの後、ほかの独立リーグ球団からの誘いもあったが[28]、2019年11月16日、地元の沖縄県浦添市の浦添市民球場で行われた[29]新球団・琉球ブルーオーシャンズのトライアウトに参加。香川でのチームメイトの三好一生とともに実技審査を合格し[30][31]、始動1年目となる2020年より入団することとなった。
2020年2月29日、琉球のオープニングゲームである対読売ジャイアンツ三軍戦(沖縄セルラースタジアム那覇)で先発投手を務め[32]、6回を被安打2、5奪三振、無失点と好投してチームの勝利に貢献した[33][34]。
2020年11月25日、今シーズンの契約満了を持って琉球を退団することが発表された[35]。
社会人野球時代
編集2021年2月1日より、沖縄県で社会人として働きながらクラブチームのシンバネットワークアーマンズベースボールクラブで野球を継続する[36]。
福島時代
編集2021年11月9日、ベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)のドラフト会議で福島レッドホープスより指名を受けた[37]。その後正式な入団発表はなかったが、2022年2月時点で福島ウェブサイトに所属選手として掲載されている[38]。これまで通り、中継ぎ投手として起用されていたが、シーズン終盤には先発でも起用された[39]。シーズン終了後の9月29日、福島からの退団(任意引退)が発表された[40]。
選手としての特徴
編集サイドスローから投げる思い切りのいい直球が売りで[41]、香川時代2年目に最速149km/hを記録している[42]。変化球はスライダー、フォークなど[2]。
人物
編集3人兄弟の三男で、次男の又吉克樹とは5歳年が離れている。たまに克樹に連絡するときに敬語になってしまい、克樹からは「お兄ちゃんというより、先輩という感じなんじゃないですかね」と言われており[43]、亮文本人も克樹のことを「家族というより尊敬する人」と表現している[2]。2020年から亮文が琉球ブルーオーシャンズに入団することが決まったときには、「弟も野球を続ける」と克樹は素直に喜んでいた[44]。また、同年には長兄は琉球ブルーオーシャンズのマネジャーを務めていた[45]。
2018年8月発売のNintendo Switch用ソフト『プロ野球 ファミスタ エボリューション』では「四国アイランドリーグplus選抜」の一員として、又吉のデータが登録されている[46]。
詳細情報
編集独立リーグでの投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | 香川 | 34 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | - | .667 | 153 | 38.1 | 29 | 0 | 11 | - | 2 | 23 | 1 | 0 | 13 | 10 | 2.35 | 1.04 |
2019 | 44 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 2 | 13 | - | .714 | 258 | 63.0 | 45 | 0 | 24 | - | 6 | 68 | 3 | 0 | 16 | 16 | 2.29 | 1.10 | |
2022 | 福島 | 26 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2 | - | .500 | 201 | 41.2 | 56 | 5 | 10 | - | 7 | 26 | 4 | 0 | 30 | 24 | 5.18 | 1.58 |
IL:2年 | 78 | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 | 3 | 13 | - | .700 | 411 | 101.1 | 74 | 0 | 35 | - | 8 | 91 | 4 | 0 | 29 | 26 | 2.31 | 1.08 | |
BCL:1年 | 26 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2 | - | .500 | 201 | 41.2 | 56 | 5 | 10 | - | 7 | 26 | 4 | 0 | 30 | 24 | 5.18 | 1.58 |
- 各年度の太字はリーグ最高
- 2022年度シーズン終了時点
独立リーグでのタイトル・表彰
編集- タイトル
- 最多セーブ(2019年)
- 表彰
- チームMVP(2019年)
- 前期チームMVP(2019年)
背番号
編集- 24 (2018年 - 2019年)
- 29 (2020年)
- 18 (2022年)
脚注
編集- ^ a b c d e “又吉亮文、香川が2位指名 四国Lドラフト 中日・又吉投手の弟”. 琉球新報 (琉球新報社). (2017年11月22日). オリジナルの2017年11月22日時点におけるアーカイブ。 2019年11月22日閲覧。
- ^ a b c d “香川オリーブガイナーズ2018 期待の新戦力(2)大学で急成長 又吉亮文 “兄超え”誓う22歳右腕”. 四国新聞 (四国新聞社). (2018年3月14日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ a b c 浜村博文 (2018年2月9日). “【野球】兄の背中を追い、独立L・香川でNPBを目指す又吉亮文”. デイリースポーツ online (神戸新聞社) 2019年11月22日閲覧。
- ^ a b c d e 井上幸太 (2019年6月16日). “兄と同じ道を辿って急成長。中日・又吉克樹の弟がドラフト候補へ名乗り”. スポルティーバ (集英社) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “中日又吉の弟亮文投手1/3回を3失点で降板”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2017年11月14日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “又吉亮文がプロ志望/環太平洋大 中日又吉の弟”. 沖縄タイムス+ (沖縄タイムス社). (2017年10月5日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “大学生は105人/プロ野球志望届提出者一覧”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2019年10月22日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “九産大・草場、東洋大・飯田ら/主な指名漏れ選手”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2019年10月26日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “元侍高校代表・岸、中日又吉実弟も…独立L四国ドラフトで指名されたのは?”. Full-Count (Creative2). (2017年11月14日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “ガイナーズが7選手と契約 四国ILplus”. 四国新聞 (四国新聞社). (2017年12月15日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “9/17 香川OG-徳島IS”. 四国アイランドリーグplus 公式サイト. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “【ニュース】又吉亮文は「克樹」の届かなかった場所を目指す。2018四国ILチャンピオンシップ、ガイナーズ劇的サヨナラで2連勝!(9月24日 香川オリーブガイナーズ)”. 4SPO. (2018年9月24日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ 高田博史 (2018年9月24日). “【四国リーグCS第2戦】『22球、まったく覚えていない』又吉好投。香川、サヨナラ勝ちで総合優勝に王手”. Yahoo!ニュース (ヤフー) 2019年11月22日閲覧。
- ^ 高田博史 (2018年10月8日). “【日本独立リーグGC第1戦】「楽しいです、ほんと」群馬の前に初戦を落とした香川がつかんだ手応え”. Yahoo!ニュース (ヤフー) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “香川・又吉亮文 成長著しい又吉弟/四国ILリポート”. 週刊ベースボールONLINE (ベースボール・マガジン社). (2019年5月13日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “チーム主将に香川・中村 北米遠征27人選抜 四国ILplus”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年5月26日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “北米遠征メンバー変更 四国IL”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年6月6日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ 『四国アイランドリーグplus 2019年北米遠征選抜メンバー変更のお知らせ』(プレスリリース)香川オリーブガイナース、2019年6月5日 。2019年11月22日閲覧。
- ^ “チームMVPに又吉 四国IL”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年7月4日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “高知・駒田徳広監督は今季限り/四国ILリポート”. 週刊ベースボールONLINE (ベースボール・マガジン社). (2019年7月21日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “個人タイトル 香川の又吉、最多セーブ 四国ILplus”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年9月14日) 2019年9月14日閲覧。
- ^ “チームMVPに又吉 四国IL”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年10月24日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “イースタン・リーグとの交流戦に香川から4選手 四国ILplus”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年7月12日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “フェニックス・リーグ出場の選抜チーム第1次メンバー決まる 四国アイランドリーグplus”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年10月3日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “近江の技巧派左腕や“清宮の兄貴”が呼ばれず 2019年ドラフト会議の指名漏れ選手”. スポーツナビ (ヤフー). (2019年10月17日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “ドラフト主な指名漏れ、近江・林、早大・加藤、中日又吉弟、紀州の剛腕も”. デイリースポーツ online (神戸新聞社). (2019年10月17日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “香川、主力3選手が退団 四国ILplus”. 四国新聞 (四国新聞社). (2019年11月1日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ 岩国誠 (2019年12月18日). “中日又吉の弟・亮文が「琉球」からNPB目指す 「横並びで競争」兄の言葉を励みに”. Full-Count 2019年12月22日閲覧。
- ^ 『琉球ブルーオーシャンズ トライアウト開催のお知らせ』(プレスリリース)株式会社BASE、2019年9月3日 。2019年11月23日閲覧。
- ^ “琉球ブルーオーシャンズ合格発表”. NHK 沖縄県のニュース (日本放送協会). (2019年11月20日) 2019年11月22日閲覧。
- ^ “沖縄初プロ野球球団 琉球ブルーオーシャンズ トライアウト合格者発表” (PDF). 琉球ブルーオーシャンズ (2019年11月20日). 2019年11月21日閲覧。
- ^ 琉球ブルーオーシャンズ [@RYUKYUBLUEOCEAN] (2020年2月29日). "本日のスターティングメンバー 沖縄出身の又吉が先発です。". X(旧Twitter)より2020年2月29日閲覧。
- ^ “ブルーオーシャンズ白星 巨人3軍に2-1 大河、攻守で勝利に貢献”. 琉球新報 (琉球新報社). (2020年3月1日) 2020年3月2日閲覧。
- ^ “沖縄初のプロ野球チーム「オーシャンズ」勝利の船出 NPB参入へ機運高める”. 沖縄タイムス+プラス (沖縄タイムス社). (2020年3月1日) 2020年3月2日閲覧。
- ^ “退団選手のお知らせ”. 琉球ブルーオーシャンズ (2020年11月25日). 2020年11月25日閲覧。
- ^ 又吉亮文 [@akifumi1120] (2021年2月6日). "そういえば。 2月1日から新しいチームで野球をさせていただいてます。". X(旧Twitter)より2021年2月9日閲覧。
- ^ ルートインBCリーグ指名選手一覧 (PDF) - ベースボール・チャレンジ・リーグ(2021年11月9日)2021年11月9日閲覧。
- ^ 選手情報 - 福島レッドホープス(2022年2月26日閲覧)
- ^ “又吉 亮文(福島レッドホープス)-選手プロフィール”. OmyuTech. 2022年9月18日閲覧。
- ^ 「任意引退選手」のお知らせ - 福島レッドホープス(2022年9月29日)2022年9月30日閲覧。
- ^ “又吉 亮文 プロフィール - ドラフト候補リスト”. スポーツナビ. 2019年11月22日閲覧。
- ^ “ドラフト会議2019 - 又吉 亮文 - 四国IL香川 - プロ野球速報”. gooニュース. 2019年11月22日閲覧。
- ^ “新たな兄弟選手誕生なるか?中日・又吉「投げ方似ている」ドラフト指名待つ弟にエール”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2017年10月25日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ 島田明 (2019年11月25日). “ドラ番記者”. 中日スポーツ(CHUNICHI Web). 2019年11月26日閲覧。
- ^ “元中日戦士 沖縄で奮闘中!新球団「琉球ブルーオーシャンズ」に亀沢恭平、杉山翔大、勝崎コーチも!”. 中日スポーツ. (2020年2月15日) 2020年2月18日閲覧。
- ^ “Nintendo Switch™「プロ野球 ファミスタ エボリューション」に 四国アイランドリーグplusの選手が登場!”. 四国アイランドリーグplus (2018年7月26日). 2020年3月15日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 又吉 亮文 akifumi.m (@akifumi1120) - X(旧Twitter)(2017年12月 - )
- 又吉 亮文 (@0ab3k) - X(旧Twitter)(2013年7月 - 2017年11月18日)
- Akifumi Matayoshi (100012136962081) - Facebook
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