日本 > 近畿地方 > 三重県 > 北牟婁郡

北牟婁郡(きたむろぐん)は、三重県。北牟娄郡と表記される場合もある。

三重県北牟婁郡の範囲(緑:紀北町 薄黄:後に他郡に編入された区域)

人口13,132人、面積256.55km²、人口密度51.2人/km²。(2024年10月1日、推計人口

以下の1町を含む。

郡域

編集

1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町のほか、下記の区域にあたる。

歴史

編集

元は志摩国英虞郡の一部であったが、天正10年(1582年)に紀伊新宮城主の堀内氏善により紀伊国牟婁郡に編入された。

郡発足までの沿革

編集
引本浦、船津村、長島浦、道瀬浦、古本村、便ノ山村、小浦村、小山浦、二郷村、海野浦、白浦、尾鷲南浦、天満浦、水地浦、早田浦、行野浦、尾鷲中井浦、堀北浦、野地村、錦浦、馬瀬村、上里村、河内村、中里村、三浦、矢口浦、大曽根浦、林浦、矢浜村、向井村、島勝浦、中桐村、前山村、九木浦、須賀利浦、大原村、十須村、江竜村
  • 明治4年
  • 明治6年(1873年) - 林浦が尾鷲南浦に合併。(16村21浦)
  • 明治7年(1874年)(14村20浦)
    • 堀北浦・野地村が尾鷲中井浦に合併。
    • 江竜村が十須村に合併。
  • 明治9年(1876年)(13村19浦)
    • 4月18日 - 第2次府県統合により三重県の管轄となる。
    • 水地浦が天満浦に合併。
    • 中桐村・前山村が合併して島原村となる。
    • 古本村が改称して相賀村となる。

郡発足以降の沿革

編集
  • 明治12年(1879年2月5日 - 郡区町村編制法の三重県での施行により、牟婁郡のうち尾鷲南浦ほか13村19浦に行政区画としての北牟婁郡が発足。郡役所を尾鷲南浦に設置。
 
1.九鬼村 2.尾鷲町 3.相賀村 4.船津村 5.引本村 6.三野瀬村 7.長島村 8.赤羽村 9.二郷村 10.錦村(紫:尾鷲市 桃:紀北町 黄:度会郡大紀町)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。郡役所の所在地が尾鷲町となる。(1町9村)
    • 九鬼村 ← 行野浦、九木浦、早田浦(現・尾鷲市)
    • 尾鷲町 ← 尾鷲南浦、矢浜村、向井村、大曽根浦、尾鷲中井浦、天満浦(現・尾鷲市)
    • 相賀村 ← 相賀村、小山浦、便ノ山村(現・紀北町)
    • 船津村 ← 船津村、中里村、上里村、河内村、馬瀬村(現・紀北町)
    • 引本村 ← 引本浦、小浦村、矢口浦、白浦、島勝浦(現・紀北町)、須賀利浦(現・尾鷲市)
    • 三野瀬村 ← 海野浦、道瀬浦、三浦(現・紀北町)
    • 長島村(長島浦が単独村制。現・紀北町)
    • 赤羽村 ← 大原村、十須村、島原村(現・紀北町)
    • 二郷村(単独村制。現・紀北町)
    • 錦村(錦浦が単独村制。現・度会郡大紀町)
  • 明治30年(1897年
  • 明治32年(1899年
  • 明治42年(1909年10月18日 - 九鬼村の一部(行野浦)が尾鷲町に編入。
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和3年(1928年11月3日 - 相賀村が町制施行して相賀町となる。(4町8村)
  • 昭和9年(1934年9月1日 - 相賀町(おうがちょう)が改称して相賀町(あいがちょう)となる。
  • 昭和10年(1935年)時点での当郡の面積は412.47平方km、人口は45,814人(男22,913人・女22,901人)[1]
  • 昭和15年(1940年11月10日 - 錦村が町制施行して錦町となる。(5町7村)
  • 昭和25年(1950年12月15日 - 二郷村が長島町に編入。(5町6村)
  • 昭和29年(1954年
  • 昭和30年(1955年
    • 1月1日 - 長島町・三野瀬村が合併し、改めて長島町が発足。(3町1村)
    • 2月5日 - 赤羽村が長島町に編入。(3町)
  • 昭和32年(1957年2月1日 - 錦町が度会郡柏崎村と合併して度会郡紀勢町(現・大紀町)が発足。(2町)
  • 昭和45年(1970年)8月1日 - 長島町が改称して紀伊長島町となる。
  • 平成17年(2005年10月11日 - 紀伊長島町・海山町が合併して紀北町となる。(1町)

変遷表

編集
自治体の変遷
明治22年以前 明治22年
4月1日
町村制施行
明治22年 - 昭和5年 昭和6年 - 昭和25年 昭和26年 - 昭和30年 昭和31年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
錦浦 錦村 錦村 昭和15年11月10日
町制 錦町
錦町 昭和32年2月1日
度会郡紀勢町
の一部
平成17年2月14日
度会郡
大紀町
度会郡
大紀町
長島浦 長島村 明治32年2月21日
町制 長島町
長島町 昭和30年1月1日
長島町
昭和45年8月1日
改称
紀伊長島町
平成17年10月11日
紀北町
紀北町
二郷村 二郷村 二郷村 昭和25年12月15日
長島町に編入
三浦 三野瀬村 三野瀬村 三野瀬村
道瀬浦
海野浦
中桐村 明治9年
島原村
赤羽村 赤羽村 赤羽村 昭和30年2月5日
長島町に編入
前山村
大原村
十須村
江竜村 明治7年
十須村に合併
古本村 明治9年
改称 相賀村
相賀村 昭和3年11月3日
町制 相賀町
(おうがちょう)
昭和9年9月1日
改称 相賀町
(あいがちょう)
昭和29年8月1日
海山町
海山町
便ノ山村
小山浦
船津村 船津村 船津村 船津村
中里村
上里村
河内村
馬瀬村
引本浦 引本村 明治32年2月2日
町制 引本町
引本町
小浦村
矢口浦
白浦 明治30年5月31日
桂城村
桂城村
島勝浦
須賀利浦 明治30年5月31日
須賀利村
須賀利村 昭和29年6月20日
尾鷲市の一部
尾鷲市の一部 尾鷲市の一部 尾鷲市
尾鷲中井浦 尾鷲町 尾鷲町 尾鷲町
堀北浦 明治7年
尾鷲中井浦に合併
野地村
尾鷲南浦
林浦 明治6年
尾鷲南浦に合併
天満浦
水地浦 明治9年
天満浦に合併
矢浜村
向井村
大曽根浦
行野浦 九鬼村 明治42年10月18日
尾鷲町に編入
九木浦 九鬼村 九鬼村
早田浦

行政

編集
歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 福原資英 明治12年(1879年5月5日
2 上月秀三 明治16年(1883年)3月18日
3 福原資英 明治16年(1883年)9月25日
4 下村御鍬 明治19年(1886年)9月17日
5 松平正秀 明治26年(1893年)2月25日
6 小野武次郎 明治27年(1894年)6月25日
7 田辺雷蔵 明治30年(1897年)5月29日
8 浜田源十郎 明治32年(1899年)4月27日
9 北野孝一 明治33年(1900年)7月23日
10 長英生 明治37年(1904年)12月29日
11 高橋俊益 明治39年(1906年)6月16日
12 谷野孝 明治40年(1907年)4月5日
13 水原寿一 明治42年(1909年)3月2日
14 大山元史 大正6年(1917年)2月28日
15 瓜生精一 大正8年(1919年)9月30日
16 後藤一郎 大正9年(1920年)12月4日
17 白鹿金市 大正11年(1922年)6月22日 大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

編集
  1. ^ 昭和10年国勢調査による。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能。

参考文献

編集
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 24 三重県、角川書店、1983年6月1日。ISBN 4040012402 
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連項目

編集
先代
牟婁郡
行政区の変遷
1879年 -
次代
(現存)