ワンダーコーポレーション
株式会社ワンダーコーポレーションはかつて存在した日本の企業。REXT Holdings株式会社の前身企業。後述するREXT HoldingsおよびREXT株式会社(2代、旧・株式会社ジーンズメイト)の事業統合が行われるまでは関東地方を中心に日本で展開し、書籍やゲームソフト・CD・DVD等の販売及び買い取りを行う専門店の経営を主としていた。
旧本社(カスミつくばセンター) | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒305-0034 茨城県つくば市小野崎296-3 |
本店所在地 | 茨城県つくば市小野崎294番地1 |
設立 | 1988年3月1日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 1050001016270 |
事業内容 | ゲームソフト、映像(DVD)ソフト、音楽CD、書籍、携帯電話、化粧品等の小売販売及びフランチャイズチェーン(FC)事業、エコ・プロデュース事業(リサイクルショップ)、Eコマース事業(オンラインショップ) |
代表者 | 塩田 徹(代表取締役社長) |
資本金 |
31億8,555万円 (2020年3月末日現在) |
発行済株式総数 |
7,559,184株 (2020年3月末日現在) |
売上高 |
単体:474億336万4千円 連結:612億791万2千円 (2020年3月期) |
純利益 |
単体:12億6,855万4千円 連結:9億7,857万0千円 (2020年3月期) |
純資産 |
単体:67億2,004万7千円 連結:70億7万0千円 (2020年3月末日現在) |
総資産 |
単体:231億452万4千円 連結:272億4,813万3千円 (2020年3月末日現在) |
従業員数 |
単体:564人 連結:750人 (2020年3月末日現在) |
決算期 | 3月末日 |
主要株主 | REXT(株) 100% |
主要子会社 |
株式会社ワンダーネット 100% 株式会社Vidaway 66.4% |
外部リンク | REXT公式サイト |
特記事項:決算・従業員数は2020年3月末時点の情報 |
本項は、事業統合前にワンダーコーポレーションが展開した「WonderGOO」「WonderREX」などの店舗ブランド・事業について記述する。
概要
編集1981年10月にカスミグループの家電部門として事業開始し、1988年3月に株式会社カスミ家電として分社化。
1990年代に入り、以下の専門店が開店した。
- 1992年4月、茨城県水海道市(現・常総市)にレンタルビデオ・音楽ソフト・書籍専門店「FOXY」を開店[1](主力業態となるエンタテイメント事業を開始)。
- 同年6月、パソコン専門店「C-YOU」を土浦市荒川沖に開店[2]。
- 1993年10月、家電・パソコン・ゲームソフト・音楽ソフトを柱とした複合店「カスミ家電&C-YOU」を茨城県牛久市に開店[2]。
- 1995年1月、ゲームソフト・音楽ソフト・書籍を中心としたエンタテイメント専門店「mega」を茨城県つくば市に開店[2]。
1996年からは店舗の屋号を変更していく。同年9月に「mega」から「ワンダーグー(WonderGOO)」に、11月には「カスミ家電&C-YOU」から「ワンダーステーション(Wonder STATION)」に変更した。1999年6月にパソコン専門店の新業態として「デジックスワンダー(DIGIX WONDER)」を茨城県東海村に開店した[2]。
2000年にはJASDAQ上場を見据えて、社名を株式会社ワンダーコーポレーションに変更した。
しかし家電量販店との競合には勝てず、わずか2年後の2002年に同業他社のケーズホールディングスと資本提携を結び、「ワンダーステーション」と「デジックスワンダー」を譲渡することになる(2015年8月に資本提携を解消[3])。また、カスミグループの書店部門だった株式会社ブックランドカスミを傘下におさめ、順次経営統合を進めた上2006年3月をもって吸収合併(簡易合併)した。
「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とは業務提携関係にあり、提携後には合弁会社である株式会社TSUTAYAワンダーグーを設立。「ワンダーグー」の店内に「TSUTAYA」が併設されるケースも多くなった。2012年4月にはTSUTAYAの有力フランチャイジーの一社であるサンレジャー(2014年6月にケイ・コーポレーションを吸収合併しVidawayに商号変更)を子会社化したほか、同年5月には元TSUTAYA社長の日下孝明を社長に迎えるなど、CCCとの関係は濃くなりつつある。
2013年2月には、大手CD・DVD・レコード・書籍販売会社の新星堂を連結子会社とし、2016年2月23日付でインターネットによる音楽配信の普及によって経営の苦戦が強いられている同社を吸収合併した[4][5]。合併後も新星堂のブランド名は維持される。
2018年3月29日には株式公開買付け及び第三者割当増資により、RIZAPグループが議決権所有割合ベースで75.05%の株式を取得し、同社の子会社となった。これまで約43%の株式を保有していたカスミは保有全株式を売却している[6]。元DAISO取締役であり、RIZAPの取締役であった内藤雅義を社長として迎えた。
2020年12月18日には、RIZAPグループの子会社であるHAPiNS、ジーンズメイトの2社と2021年4月1日付で経営統合を行うことを発表。ワンダーコーポレーションは2021年3月30日付でJASDAQ(後の東証スタンダード市場)上場廃止となり、同年4月1日付で3社の株式移転により設立されたREXT(初代)の完全子会社となった[7]。
2022年5月にREXT(初代)を吸収合併。6月1日にはジーンズメイトとHAPiNSを吸収分割した。管理本部機能はワンダーコーポレーションが継承しREXT Holdings株式会社に、事業運営機能はジーンズメイトに継承しREXT株式会社(2代)にそれそれ社名変更した[8]。
この他、かつてはハードオフコーポレーションともフランチャイズ契約を結んでいた(詳しくは後述)。
店舗ブランド
編集WonderGOO(ワンダーグー)
編集CD・DVD・書籍などのソフト関連を中心に、各種ホビー商品(コスパの商品も含む)等までの幅広い商品の販売・買取を扱う「エンタテイメント専門店」。略称は「ワングー」。
前述した通り、1992年開店の「FOXY」と1995年開店の「mega」を展開していた事業で、現在の主力業態となっている。1990年代後半からは、カスミグループだった「ブックランドカスミ」も順次このブランドへと称号を変更した[注 1]。
CCCとの業務提携により、多くの店舗にはTSUTAYAによるレンタルコーナーも併設されている(提携前までは、WonderGOOが独自に展開していた)。
商品の支払い時には、現金だけでなくクレジットカードやバーコード決済が利用できる。電子マネーの楽天Edyも使用できたが[注 2]、2021年9月30日をもってTSUTAYAのシステムを利用しているレンタルコーナーを除いて取り扱いを終了している。
ポイントカードについては、以前は独自のポイントカードを発行しており、商品の購入・売却に応じたポイントが付与され[9]、またかつての「ワンダーステーション」や「デジックスワンダー」で発行されたカードも、引き続き利用できた(ワンダーレックスにおいても同様)。2016年7月1日よりTポイントを導入し[10]、従来のポイントカードは2018年8月31日をもってポイントの付与を、2019年2月28日をもってポイントの還元をそれぞれ終了し[11]、一時期はTポイントに一本化されたが、2021年よりWonderGOO・新星堂アプリで登録して利用する独自のポイントサービスもTポイントと並行して導入している。
インターネット上にもオンラインショップ「e WonderGOO」を開設しており、実店舗で販売しているものと同様の特典が付いた商品の一部販売や買取を行なっており、ポイントカードも使用できる。
WonderREX(ワンダーレックス)
編集中古品の販売・買取に特化した店舗(エコリユース部門)。取り扱う品目は、ブランドグッズから家電機器まで多岐に渡り、豊富な品揃えを売りにしている[12]。店舗ブランドは「WonderREX」の他に「REXTA」「買取王REXT」を展開している。
ワンダーコーポレーションでは、従来からワンダーグーにて中古ゲームを取り扱いしていたが、2000年4月にハードオフコーポレーションのフランチャイズチェーンに加盟し、「ハードオフ」「オフハウス」の営業を開始することで中古品全般の取り扱いを開始したのがこの業態の始まりである。お膝元である茨城県南部から店舗を展開し始め、茨城県北部や千葉県にも拡大していった。
そして、2009年春に「運営方針に関して食い違いが生じた」として、ハードオフ社とのフランチャイズの解消を発表[13]。同年10月には、自社で手掛けていた「ハードオフ」と「オフハウス」を一斉に閉店。その後ほとんどの店舗を改装の上、「WonderREX」(ワンダーレックス)に転換することで自社ブランドでの中古品販売業を開始するに至った。
こういった経緯があるため、2013年は店舗の大半が茨城県や千葉県内にあり、その他は群馬県と三重県の各1店舗のみに限られていた。2022年現在は先述の地域の他に福島県・愛知県・静岡県・広島県にも出店、さらには関東地方全域に店舗網を拡大させている[14]。
ポイントカードはWonderGOOと共通。買取を申し出る際は身分証明を兼ねるため、ポイントカードを必ず呈示しなければならない。また、ポイントの還元率は一律1%である。WonderGOOと同様に、2018年9月よりTポイントを導入、2019年3月からはTポイントに統一された。
尚、WonderREXへの転換に対し、ハードオフコーポレーションからはFC契約終了後の競業禁止規定に抵触するとして訴訟を提起された[15]。一審ではハードオフコーポレーション側の主張を全面的に認め、WonderREXの運営禁止と7億5000万円の賠償を命ぜられ全面敗訴したが、二審にて和解勧告が行われ7億8000万円の和解金をハードオフコーポレーションに支払うことで和解が成立、WonderREXの営業は継続出来ることとなった[16]。
新星堂
編集その他
編集コスメティック商品に注力した「CoLeColle(コレコレ)」という専門店も展開している。姉妹ブランドで小規模型の「petit*Colle(プチコレ)」もあり、主に各地のWonderGOO内に併設されている。店舗数は後者の方が多い。
これ以外にもコンビニエンスストア大手ファミリーマートとの共同店舗「ファミリーマート+WonderGOO」も 茨城県筑西市に展開している。
各種フランチャイズチェーンのフランチャイジーとしても店舗を展開している。2018年にはいきなり!ステーキの当社1号店をオープンした[17]。
過去の事業
編集「WonderCAFE(ワンダーカフェ)」という名称のインターネットカフェを、埼玉県三郷市と千葉県茂原市に1店舗ずつ展開(前者はWonderGOOの店内に入居)していたが、いずれも2013年2月に閉店。
他にも、携帯電話(現在のスマートフォン)専門店の「BeWonder(ビーワンダー)」や写真現像・プリント(現在のデジカメ写真)を行う「Sharara(シャララ)」も展開されていた。
営業形態
編集本社が茨城県にあることから、同県を初めとする関東地方に多くの店舗がある。また、西日本では未進出の県も多く、近畿地方では2013年1月6日の伊丹店(兵庫県伊丹市)の閉店を最後に撤退したほか、岡山県、香川県、福岡県以外には出店していない。甲信越地方、北陸地方にも未出店。
1994年4月よりフランチャイズ展開を開始し[2]、関東地方以外では大半がフランチャイズ形式により運営されていたが、そのほとんどは閉店。2023年現在、営業しているフランチャイズ店舗では、岩手県の奥州水沢店・東京都の瑞江店・神奈川県の下瀬谷店・愛知県の名古屋大須店を残すのみとなっている。
フランチャイズの事例を以下に挙げた。
- 岩手県 - 株式会社ティーアンドティー[注 3]がフランチャイズ展開している。かつては北海道・東北地方の各県にも展開していたが、閉店したりTSUTAYA[注 4]に業態転換している。TSUTAYAに転換した店舗の一部ではWonderGOOで取り扱いを行っていたコスメティック商品を継続して取り扱っている[注 5]。かつての店舗は過去に存在したデンコードーの店舗を参照。
- 静岡県 - 地場系の河村電気がフランチャイズ展開し、同店舗内に併設されていた。
- 愛知県 - 名古屋大須店はジーストアを展開するタブリエ・マーケティング[18]が運営している。過去に出店していた碧南店は佐藤ホーエー家電[19]が運営していた。
- 鹿児島県 - 同業他社のエディオンのエリアフランチャイズも担当しているカコイエレクトロにより展開されており、主に同店舗内に併設されていたが、2016年5月限りで県内の全店舗を閉鎖。
- 近畿地方には現在店舗が存在しないが、かつては関西ケーズデンキによるフランチャイズ展開で兵庫県・大阪府・京都府に数店舗出店していた(ただし最後の店舗であった伊丹店は直営店)。さらに兵庫県内にあった1店舗(伊川谷店)はナカヌキヤ(かつての中川ムセン)が運営していた。
脚注
編集注釈
編集- ^ 元々「ブックランドカスミ」として営業していた店舗では、看板等に「powered by ブックランドカスミ」という表記が付されている(同社の吸収合併により、表記が抹消された店舗もある)。
- ^ 一部のフランチャイズ店を除く。チャージは、100円から25,000円までの100円単位で可能だった。
- ^ 出店開始時は家電量販店のデンコードーが運営し、『WonderGOO』単独店舗の他に、同社が運営する『SUPER Denkodo』や『MAX Denkodo』店舗内のCD・ゲームコーナーとして展開していたが、これらの店舗がケーズデンキへ転換される際に閉鎖し、WonderGOO店舗のみの展開となった。2010年に「株式会社デンコードーエンタテインメント」としてデンコードーの子会社として分社。2014年にデンコードーから独立し、2017年に現社名に変更。
- ^ ティーアンドティーはTSUTAYAのフランチャイジーでもある。
- ^ POSシステムはWonderGOOのものを使用しているためコスメコーナー専用レジでの会計となり、TSUTAYAのクーポンなどが利用できない場合がある。
出典
編集- ^ “沿革”. REXT株式会社. 2022年9月30日閲覧。
- ^ a b c d e “ワンダーコーポレーション【3344】歴史”. strainer. 2022年9月30日閲覧。
- ^ 『資本・業務提携解消に伴う株式の売出し及び主要株主の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)株式会社ワンダーコーポレーション、2015年8月6日 。2016年11月9日閲覧。
- ^ “ワンダーコーポ、子会社の新星堂を吸収合併 コスト削減狙う”. 日本経済新聞. (2015年12月3日) 2015年12月7日閲覧。
- ^ 『株式会社ワンダーコーポレーションと株式会社新星堂の合併契約締結に関するお知らせ』(プレスリリース)株式会社ワンダーコーポレーション 株式会社新星堂、2015年12月3日 。2015年12月7日閲覧。
- ^ 『RIZAP グループ株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果、第三者割当による新株式発行、親会社、主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)株式会社ワンダーコーポレーション、2018年3月23日 。2018年3月29日閲覧。
- ^ 『株式会社ワンダーコーポレーション、株式会社HAPiNS及び株式会社ジーンズメイトの共同持株会社設立(共同株式移転)による経営統合に関するお知らせ』(プレスリリース)株式会社ワンダーコーポレーション 株式会社HAPiNS 株式会社ジーンズメイト、2020年12月18日 。2020年12月23日閲覧。
- ^ “沿革”. REXT株式会社. 2023年9月8日閲覧。
- ^ “ポイントカードのご案内”. WonderGOO. 2013年2月22日閲覧。
- ^ “7 月 1 日より、WonderGOO と新星堂で T ポイントサービス開始” (PDF). ワンダーコーポレーション (2016年6月30日). 2020年2月5日閲覧。
- ^ “WonderGOOポイント付与終了のお知らせ”. WonderGOO. 2020年2月5日閲覧。
- ^ “売りたい | 総合リサイクルショップ ワンダーレックス”. WonderREX. 2022年12月20日閲覧。
- ^ 流通ニュース(2009年4月14日付)より。また、ワンダーコーポレーションHP内・ニューリリースでも発表されている(バックナンバーで閲覧可)
- ^ “店舗案内”. WonderREX. 2022年9月30日閲覧。
- ^ 訴訟の提起に関するお知らせ 株式会社ワンダーコーポレーション
- ^ 和解による訴訟の解決及び特別損失の発生に関するお知らせ 株式会社ワンダーコーポレーション
- ^ いきなり!ステーキ ひたち野うしく店6月1日(金) グランドオープンのお知らせワンダーコーポレーションニュースリリース 5月30日
- ^ “WonderGOO名古屋大須店 店舗情報”. 2016年6月14日閲覧。
- ^ “地域貢献活動報告書”. 株式会社佐藤ホーエー家電・碧南市 (2010年2月1日). 2016年6月14日閲覧。
関連項目
編集- コスパ
- 音泉 - インターネットラジオポータルサイト。WonderGOOにおいて、各番組のラジオCDを販売している。
外部リンク
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