ボチューンBotune)は、アニメ『聖戦士ダンバイン』に登場する架空の兵器。オーラバトラーの一種。

機体解説

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諸元
ボチューン
BOTUNE
所属 ラウの国
ナの国
開発 ラウの国
ナの国
生産形態 量産機
全高 7.0メット(約7.0m
重量 4.6ルフトン(約4.6t
動力源 オーラ・コンバーター
巡航速度 200リル(約800km/h
最高速度 250リル(約1,000km/h)
武装 オーラ・ソード×1
連装オーラ・バルカン×2
搭乗者 マーベル・フローズン
フォイゾン・ゴウ
トルストール・チェシレンコ
ニー・ギブン
キーン・キッス
その他 オーラ係数:1.1
必要オーラ力:8オーラ
限界オーラ力:18オーラ

ラウの国とナの国の技術陣が共同して開発した主力量産型オーラバトラーダンバインの設計思想を参考にボゾンをベースとして設計開発された。

ボチューンの装甲・形状は空気抵抗を意識した細身(乾重量は4.6ルフトン。ドレイク軍のビランビー:9.5ルフトン、バストール:7.1ルフトンなどと比べて非常に軽量な設計である)でシャープなラインを持ち、機動性や運動性、特に対オーラマシン戦と空中戦を意識した機体となっている(ただし、速度性能そのものは高くなく、クの国で同時期に開発されたオーラ・ボム「タンギー」にも劣っている)。

ボチューンはダンバイン、ボゾンの流れを汲む機体ではあるが、随所に独創性が見て取れるのも特徴で、固定式の頭部や膝の逆関節構造、頭部の後ろに水平に設置された鞘など、既存のオーラバトラーと一線を画す部分が多い(ただし、スペックとしては、参考としたダンバイン(改良前)と体格・速度性能共、非常に似通っている。また、左右に分離したオーラコンバーターを採用するなど、同時期に開発されたドレイク軍のレプラカーンの技術情報も盛り込まれている模様)。

なお、反ドレイク陣営のオーラ・バトラーとしては初めてオーラ係数の数値が1を超えており、ドレイク軍のビランビー以降のオーラバトラーが搭載する「新型オーラ増幅器」と同様のものを搭載していると考えられる。

武装スペックはオーラ・ソード1本、両大腿部に連装オーラ・バルカンを各1基ずつ内蔵する。また、微弱ではあるが搭乗者のオーラ力をソードに蓄積させ威力を増加させる機能を初めて実装している。

ドレイク軍のオーラバトラー開発の系譜は「重武装型」と「高機動型」とに派生したが、ボチューンは反ドレイク陣営における高機動型の一つの完成形となった。加えて、コモンでも容易に扱える必要オーラ力の低さと、それに反して限界オーラ力は18という高さ(ライネックと並び、ビルバインに次ぐ数値)により、乗り手を選ばない汎用性も獲得しており、量産を前提とした主力機としては及第点となっている。

しかし、一方ではドレイク軍のオーラバトラーに比べ搭載火器が乏しいなどの問題点も挙げられることから、ボチューンのポテンシャル性能を最大限に発揮するには「限界オーラ力の高い搭乗者が高機動性を活かし、近接戦闘を行う」といった限られた運用方法が求められるため、そういう意味では乗り手によって左右される機体でもある。

ワインレッド色に塗装された1号機は、ラウの国王フォイゾン・ゴウが並々ならぬ期待をよせるゼラーナ隊に供与され、マーベル・フローズンが搭乗し、彼女がダンバインに乗り換えてからはキーン・キッスが搭乗した。ゼラーナ撃沈後にはニー・ギブンらがオリーブ色の一般量産機に搭乗し最終決戦に臨んでいる。フォイゾン専用機はネイビーブルー色で、他の指揮官機も同様の色に塗装されており、劇中でも複数機が確認されている。他にナの国の女王シーラ・ラパーナ直属の近衛騎士団が使用する白色の機体があり、「ナの白き護り」または「白い女王の戦鬼たち」と呼ばれている(劇中では第31話で、シーラの居城ウロポロス城を訪れたショウ・ザマとマーベルの出迎え機として登場しているが、その後は確認されていない)。

備考

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ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』では、リの国仕様機が登場。機体色はブルーホワイト。また、本機の発展型である装甲を強化した「重装甲ボチューン」や、ナの国の親衛隊用オーラ・バトラー「ボテューン」も登場する。ボチューンの作画ミスであった掌部のオーラ・バルカンがボテューンでは再現されているが、大腿部の連装オーラ・バルカンが廃されているので、結果的に4門から2門へと火力が低下している[1]

制作スタッフの間では、頭部の形状からメカカッツェ[2]ギャオス[3]の渾名で呼ばれていた。

注釈

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  1. ^ ただし、ゲームでは火器は数ではなく種類で判定するので、ゲームデータ的には火力低下は起こっていない。
  2. ^ アニメック誌VoL31、P47掲載の出渕裕イラストコラムより。元ネタはアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』の敵幹部ベルク・カッツェである。
  3. ^ アニメック誌VoL31、P48より。