ブダイ (学名:Calotomus japonicus)は、ブダイ科[2]

ブダイ
ブダイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ベラ亜目 Labroidei
: ブダイ科 Scaridae
: ブダイ属 Calotomus
: ブダイ C. japonicus
学名
Calotomus japonicus
(Valenciennes, 1840)
和名
ブダイ
英名
White-spotted parrotfish
Japanese parrotfish

名称

編集

ブダイという名前の由来には、いくつかの説があり、身体が鎧を着た武士のようなので『武鯛』、ヒラヒラと舞うように泳ぐ姿から『舞鯛』、に比べて不格好ということで『醜鯛』もしくは『不鯛』という説がある。

地方名

編集

アカブダイ(神奈川県三崎静岡県伊豆地方)、トネ(三重県)、ウシ、クズナ(大阪府堺市)、イガミ(関西紀伊高知県など)、エガミ(高知県)、モハン(熊本県)、ハチウオ、ハチキ(鹿児島県エラブチ(奄美群島)、アカエラブチャー(沖縄県)、ウーフー(小笠原諸島)。

分布

編集

本州中部以南、韓国台湾に分布する[1]

形態

編集

全長30-40cm。ベラに似た体型だが、やや体高が高く、頭部が大きい。オスはやや青みがかっていて、メスはやや赤みがかっている。ブダイ科の魚は、歯が癒合し嘴のようになっている種が多いが、本種の癒合は不完全である。

生態

編集

浅い海の海底の岩礁域に生息する。食性は春から秋にかけては底に棲む動物を食べ、冬は海藻食に変化する。

利用

編集

食用になる。雑食であるために夏場は磯臭さが強く、あまり評価は高くないが、秋から旬である冬にかけてはハバノリなどを食べるため、「寒ブダイ」として賞味される。刺身にすると美味だが、クセが強いので、生姜や葱といった薬味の工夫が必要となる。また、洗いにして酢味噌で食したり、煮付けや鍋の具、から揚げやフライ、味噌漬け、干物にしてもよい。

釣り

編集

本種は釣りの対象魚だが、網にかかることは少なく、ほとんどが磯釣りによって捕獲される。餌は夏場は甲殻類。冬場は海藻類。

文化

編集

本種は旬が冬であるため、俳句などの季題になることもある。その際は『舞鯛』の名が用いられることが多い。また、江戸時代の外科医・武井周作の著書『魚鑑』にも本種についての記述がある。

脚注

編集
  1. ^ a b Russell, B., Myers, R., Choat, J.H., Clements, K.D., Rocha, L.A., Lazuardi, M.E., Muljadi, A., Pardede, S. & Rahardjo, P. (2012). “Calotomus japonicus”. IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T190686A17799873. doi:10.2305/IUCN.UK.2012.RLTS.T190686A17799873.en. https://www.iucnredlist.org/species/190686/17799873 2023年9月27日閲覧。. 
  2. ^ 中村庸夫『魚の名前』2006年 東京書籍 ISBN 4487801168

参考文献

編集
  • 望月賢二 監修 著、魚類文化研究会 編『図説 魚と貝の大事典』柏書房、1997年、334頁。ISBN 4760114424 

関連項目

編集