フォード・Fシリーズ
Fシリーズ(F-Series)は、フォードが1948年から製造・販売するフルサイズピックアップトラック型の自動車。サイズが大きくなるに従って'F'に続く数字が大きくなる。1999年にF-250以上のモデルがスーパーデューティーとして独立したため、それ以降Fシリーズとは主にF-150を指す(英語圏での呼称はエフ・ ワンフィフティ)。メキシコではフォード・ロボ(Ford LOBO スペイン語でオオカミの意)の名前で発売されている。1999年以降のF-250、F-350、F-450、F-550については、フォード・スーパーデューティー(Ford Super Duty)を参照。
フォード・Fシリーズ | |
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2018 F-150 XLT クルーキャブ | |
概要 | |
別名 | フォード・ロボ(メキシコ、1992年以降、ベースモデルのXLを除く) |
販売期間 | 1948年 - |
ボディ | |
ボディタイプ | ピックアップトラック |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 後輪駆動/四輪駆動 |
系譜 | |
先代 | 1941年 - 1948年製ピックアップ |
2010年5月、1948年の生産開始以来の累計生産台数が3,390万台に到達した。年間販売台数で世界1位になることもあり、アメリカでは全自動車部門で28年連続、トラック部門で31年連続で販売台数1位を誇る。
一部の車両はタイヤが大きいため日本では準中型自動車(5t限定含む)に分類される。そのため2017年以降に普通免許を取得した場合、運転できない。
歴史
編集初代(1948年~1952年)
編集フォード・Fシリーズ(初代) | |
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フォード・F-1(ローダウン車) | |
概要 | |
販売期間 | 1948年-1952年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 2ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 3.5L、3.7L、3.9L、4.2L V8 4.6L、5.2L、5.5L |
変速機 | 3速MT、4速MT、5速MT |
F-1、F-2、F-3、F-4、F-5、F-6、F-7、F-8という8種類のタイプがあった。
2代目(1953年~1956年)
編集フォード・Fシリーズ(2代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1953年-1956年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 2ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 3.5L、3.7L、3.9L、4.5L V8 292V8 |
変速機 | 3速MT、4速MT |
名称がF-100、F-110、F-250、F-260、F-350、F-360、F-500、F-900に変更された。この型は根強いファンが多数おり、古いアメリカ車などのイベントではしばしば見かけることがある。
3代目(1957年~1960年)
編集フォード・Fシリーズ(3代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1957年-1960年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 2ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 3.7L、4.5L V8 292V8 |
F-100、F-250、F-350、F-500の4種類。従来からのフレアーサイドに加え、スタイルサイドが追加された。
4代目(1961年~1966年)
編集フォード・Fシリーズ(4代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1961年-1966年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 3.7L、3.9L、4.8L、4.9L V8 5.8L |
4ドアのアクセスキャブ仕様が登場。
5代目(1967年~1972年)
編集フォード・Fシリーズ(5代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1967年-1972年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 3.9L、4.9L V8 351V8、5.9L、6.4L |
F-110(3代目、4代目と設定されていなかった)などの名称が復活。種類が増加。
6代目(1973年~1979年)
編集フォード・Fシリーズ(6代目) | |
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フォード・Fシリーズ(6代目) | |
F-150 | |
概要 | |
販売期間 | 1973年-1979年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 3.9L、4.9L V8 302V8、351V8、5.9L、6.4L、6.6L、460V8 |
1975年モデルで、現在の主力モデル、F-150(エフ・ワンフィフティ)が登場する。1976年モデル以降、Fシリーズは全米売り上げ一位のトラックになり、以来現在まで一位を保持。
7代目(1980年~1986年)
編集フォード・Fシリーズ(7代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1980年-1986年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 4.9L V8 5.0リッター V8 5.8リッター V8 6.6L V8 6.9L(ディーゼル) V8 7.5リッター |
直線的なスタイルになり、このスタイルは8代目や9代目にも受け継がれる。ディーゼルエンジン搭載車が登場。グレードはF-100、F-150、F-250、F-350、F-600、F-700、F-800。
1982年にグレード名の「レンジャー」は廃止され、フォード・クーリエに代わる小型トラック(フォード・レンジャー)の車名として使用される。
8代目(1987年~1991年)
編集フォード・Fシリーズ(8代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1987年-1991年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 4.9L V8 5.0リッター V8 5.8リッター V8 6.9L(ディーゼル) V8 7.3L(ディーゼル) V8 7.5リッター |
変速機 |
4速MT/5速MT 3速AT/4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,967-4,277mm |
全長 | 4,930-6,241mm |
全幅 | 2,007mm |
全高 | 1,773-1,994mm |
トラックで初めて、後輪ABSが標準装備される。7代目の基本シャーシ、ドアパネルを踏襲した、実質的なマイナーチェンジモデルである。
9代目(1992年~1997年)
編集フォード・Fシリーズ(9代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 1992年-1997年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直6 4.9L V8 5.0リッター V8 5.8リッター V8 7.3L(ディーゼルターボ) V8 7.5リッター |
変速機 |
4速MT/5速MT 3速AT/4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,967-4,277mm |
全長 | 5,006-6,322mm |
全幅 | 2,007-2,423mm |
全高 | 1,821-2,027mm |
フロントグリルが丸みを帯びる。フレアーサイド仕様が復活。直列6気筒エンジン搭載車はこのモデルが最後になった。右ハンドルだったオーストラリア仕様のF-250をベースに、高規格救急車に改造されたものが、日本にも少数輸入された事がある。
7代目および8代目の基本シャーシ、ドアパネルを踏襲した、実質的なマイナーチェンジモデルである。
10代目(1997年~2003年)
編集フォード・Fシリーズ(10代目) | |
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スタイルサイド仕様 | |
フレアーサイド仕様(ハーレーダビッドソン仕様) | |
クルーキャブ(キングランチ仕様) | |
概要 | |
販売期間 | 1997年-2003年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 3ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
V6 4.2L V8 4.6L V8 5.4L |
変速機 |
5速MT 4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 3,053-3,990mm |
全長 | 5,174-5,702mm |
全幅 | 1,991-2,027mm |
全高 | 1,839-1,948mm |
基本シャーシやボディパネルまで大幅に刷新された。大きく丸みを帯びたボディが特徴。当時は、この斬新なデザインが話題を呼んだ。1999年モデルで、F-250、F-350が、スーパーデューティーとして独立。以降は、一般的なF-150とは別設計になる。2001年モデルで、フレアーサイド仕様にF-150初のクルーキャブ仕様が登場。オートバイメーカーのハーレーダビッドソンや、テキサス州のキングランチ牧場とタイアップしたモデルなど多彩なモデルが登場し、11代目にも受け継がれている。その一方で衝突安全性が著しく低い事が実証されている[1][2]。
2001年、スポーツカー顔負けの動力性能を持つハイパワーピックアップの人気を受け、F-150をベースにしたスポーツモデル、SVTライトニングを発表した。V8インタークーラースーパーチャージャーエンジンを搭載し、当初は360ps、最終的に385psを発揮した。動力性能は0-100mphが13.6秒、ゼロヨン加速が同等の13.7秒、最高速度が234km/hとcd値の高いピックアップトラックとしては高水準である。スキッドパッドでの最大旋回重力は0.88とチューニングされた足回り、駆動系が働きコーナリングでも高い性能を誇る。
このSVTライトニングは日本におけるニスモのようなメーカー純正のチューニングカーであったのでディーラーでも購入ができ、オプションを付けても4万ドル以下という価格も幸いしヒットした。
日本へ近鉄モータースにより正規輸入されていた。
11代目(2004年~2008年)
編集フォード・Fシリーズ(11代目) | |
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スタイルサイド仕様 | |
フレアーサイド仕様 | |
ハーレーダビッドソン仕様 | |
概要 | |
販売期間 | 2004年 - 2008年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
V6 4.2L V8 4.6L V8 5.4L |
変速機 |
5速MT 4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 3,200-3,683mm |
全長 | 5,364-5,836mm |
全幅 | 2,004mm |
全高 | 1,867-1,933mm |
再び直線的でがっしりとしたボディになり、車体の剛性も高まった。フロントグリルはグレード毎に異なり、様々な種類がある。先代では4ドアのクルーキャブは全てフレアーサイドであったので、フレアーサイド仕様の割合が高かったが、この現行型では、クルーキャブにもスタイルサイド仕様が導入されたので、スタイルサイド型に人気が集中している。2004年の北米カー・オブ・ザ・イヤートラック部門など、数々の賞を受賞。2005年の年間売り上げ台数が939,000台となり、トラックの年間売り上げ台数の歴代記録を更新。2006年で右ハンドルの生産を中止(主にオーストラリア向けのF-250)。
12代目(2009年~2014年)
編集フォード・Fシリーズ(12代目) | |
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レギュラーキャブ | |
クルーキャブ | |
SVTラプター | |
概要 | |
販売期間 | 2009年-2014年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2-5人 |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
V8 4.6L V8 5.4L V8 4.4Lディーゼル V8 6.2L |
変速機 |
4速AT 6速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース |
3,200mm(ショートベッド) 3,670mm(ロングヘッド) 3,518mm(クルーキャブ) 4,140mm(エクステンディッドキャブ・ロングベッド) |
全長 | 5,364-6,309mm |
全幅 | 2,004mm |
全高 | 1,867-1,943mm |
2008年1月に北米国際オートショーで発表された。2009年モデルとして2008年10月から発売されている。アメリカの景気が減速していたため、発売が予定よりも2ヶ月繰り下げられた。基本シャーシ、ドアパネルは11代目をほとんど踏襲しており、実質的にはビッグマイナーチェンジだが、より大型のフロントグリルなどでさらに迫力が増したスタイルとなっている。V型6気筒エンジン車とマニュアルトランスミッション車が廃止され、代わりにディーゼル車がF-150にも導入される。リンカーン・マークLTの後継となる、高級グレードも登場した。先代に引き続き2009年の北米カー・オブ・ザ・イヤーのトラック部門を受賞している。SVTラプターやハーレーダビッドソン仕様の追加などバリエーションを増やしている。
13代目(2014年~2020年)
編集フォード・Fシリーズ(13代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 2014年-2020年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2-5人 |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
V6 2.7L EcoBoost(ツインターボ) V6 3.3L V6 3.5L V6 3.5L EcoBoost(ツインターボ) V6 3.0Lターボディーゼル V8 5.0L |
変速機 |
6速AT 10速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 3,109-4,158 mm |
全長 | 5,316-6,363 mm |
全幅 | 2,029 mm |
全高 | 1,910〜1,953 mm |
2015年モデルとして2014年に発売。ボディ外板も一新したフルモデルチェンジ。フレームはこれまでどおりスチール製ラダーフレームが用いられたが、ボディとベッドにアルミを採用した。
14代目(2020年~)
編集フォード・Fシリーズ(14代目) | |
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概要 | |
販売期間 | 2020年- |
ボディ | |
乗車定員 |
3名 (レギュラーキャブ)[3] 5名 (スーパーキャブ)[3] |
ボディタイプ |
2ドアピックアップトラック 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | FR、4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
V6 2.7L EcoBoost(ツインターボ) V6 3.0L PowerStroke(ターボディーゼル) V6 3.3L V6 3.5L EcoBoost(ツインターボ) V6 3.5L PowerBoost(ツインターボハイブリッド) V8 5.0L |
変速機 | 10速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 3,109-3,408mm[3] |
全長 | 5,316-5,518mm[3] |
全幅 | 2,029-2,192mm[3] |
全高 | 1,953-1,993mm[3] |
車両重量 | 2,012-2,506kg[3] |
2021年モデルとして2020年6月にフルモデルチェンジ。イメージは先代を踏襲している。グリルには自動開閉シャッターを採用、アクティブエアダムを採用するとともにキャブからテールゲートまでの形状を見直すことで空力面も大幅に向上している。パワートレインは5.0L V8、3.5L V6ターボ、3.3L V6、2.7L V6ターボ、3.0L V6ディーゼルターボ、3.5L V6+モーターのハイブリッドをラインナップ。
EV(2022年~)
編集フォード・Fシリーズ(EV) | |
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概要 | |
販売期間 | 2022年- |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
モーター |
452 hp (337 kW; 458 PS) (標準バッテリー) 580 hp (433 kW; 588 PS) (拡張バッテリー) |
車両寸法 | |
車両重量 | 2,900 kg |
2021年5月19日、電気自動車バージョンとなる“F-150 ライトニング”が初公開された[4]。公開からの4か月で予約が15万台に達しており、2022年4月から発売[5]。翌年にはEPA基準515kmかつハンズフリーで高速道路などの運転が可能となるハイテク機能搭載型のF-150ライトニング・フラッシュを発表した。F-150ライトニング・フラッシュは2024年からオンライン販売される予定である[6]。
脚注
編集- ^ Crash Test Ford F150 - YouTube
- ^ Crash Testing: MINI Cooper vs Ford F150
- ^ a b c d e f g 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、8 Aug 2020、195頁。ISBN 978-4-7796-4170-1。
- ^ 塩谷公邦 (2021年5月20日). “フォード、「F-150 ライトニング」初公開 ピックアップトラック「F-150」のEV版”. Car Watch 2021年10月10日閲覧。
- ^ “フォードの電動ピックアップトラック、予約は15万台以上…試作生産を開始”. レスポンス. (2021年9月17日) 2021年10月10日閲覧。
- ^ “フォード「F-150ライトニング・フラッシュ」を発表!EVで航続距離515kmと、ハンズフリーで高速道路を走行できるフォード・ブルークルーズを標準装備!(MotorFan)”. Yahoo!ニュース. 2023年10月8日閲覧。