ビノレルビン

抗悪性腫瘍剤の一つ

ビノレルビン (Vinorelbine) とは、植物由来のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)。フランス製薬会社であるピエールファーブルメディカメンで開発された。投与は二酒石酸塩で行われる。商品名はナベルビン注(販売:協和発酵キリン株式会社)。VNRの略号で表されることがある。

ビノレルビン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能43 ± 14%(経口)[1]
血漿タンパク結合88~89%
代謝肝臓CYP3A4
半減期22.2~32.5時間
排泄尿(5.8~12.4%)及び糞中
データベースID
CAS番号
71486-22-1
ATCコード L01CA04 (WHO)
PubChem CID: 60780
KEGG D08680
化学的データ
化学式C45H54N4O8
分子量778.932 g/mol
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効果・効能

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  • 手術不能または再発乳癌
    1. 本剤の術前・術後化学療法における有効性および安全性は確立していない(使用経験がない)。
    2. 本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤およびタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪もしくは再発例を対象とすること。
    3. 初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性および安全性は確立していない。
  • 非小細胞肺癌

重大な副作用

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骨髄機能抑制、間質性肺炎肺水腫(0.1%未満)、気管支痙攣(0.1%未満)、麻痺性イレウス心不全心筋梗塞(0.1%未満)、狭心症(0.1%未満)、ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)、肺塞栓症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、急性腎不全、急性膵炎(0.1%未満)。

作用機序

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有糸分裂微小管の構成タンパク質であるチューブリンに選択的に作用し、その重合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す。

脚注

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  1. ^ Marty M, Fumoleau P, Adenis A, Rousseau Y, Merrouche Y, Robinet G, Senac I, Puozzo C (2001). “Oral vinorelbine pharmacokinetics and absolute bioavailability study in patients with solid tumors”. Ann Oncol 12 (11): 1643–9. doi:10.1023/A:1013180903805. PMID 11822766. 

参考資料

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関連項目

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外部リンク

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