i30(アイ・サーティー)は、韓国現代自動車が製造・販売しているCセグメントクラスの乗用車である。

概要

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エラントラをベースとする、ハッチバックを中核とする車両である。ただし世代によってはステーションワゴンやファストバックセダンも存在する。

エラントラとの関係について

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元々エラントラがベースとなっているi30であるが、i30およびエラントラの販売にあたり以下のような状況が発生している。

  • 北米市場においてはi30がFD系の頃からエラントラGT(ハッチバック)/エラントラツーリング(ワゴン)の名称で販売されている。
    • なお、エラントラに「ツーリング」がついた前例としては2代目ワゴン韓国仕様の「アヴァンテ・ツーリング」がある。
  • オーストラリアでは逆にエラントラがADからCN7にフルチェンジした際に名称が変更され、CN7がi30セダンとして販売されている。
  • 日本市場においてはXDエラントラと入れ替わる形でFD系が導入された。

歴史

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初代(2007年-2010年、FD/FDW型)

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ヒュンダイ・i30(FD)
 
フロント
 
リア
概要
販売期間 2007年 -
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
5ドア ステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン ガソリン
1.4L 直4 95PS/12.7kg・m
1.6L 直4 122PS/15.7kg・m
2.0L 直4 143PS/19.0kg・m
ディーゼル
1.6L 直4 115PS/26.0kg・m
2.0L 直4 140PS/31.0kg・m
変速機 5速MT / 4速AT
サスペンション
ストラット式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,650mm
2,700mm(i30cw)
全長 4,245mm
4,475mm(i30cw)
全幅 1,775mm
全高 1,480mm
1,565mm(i30cw)
その他
姉妹車・車台が共通の車 キア・シード
ヒュンダイ・エラントラ
キア・フォルテ
別名 エラントラ・ツーリング(北米、i30CW)
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2007年3月ジュネーヴモーターショーで世界初公開された。2006年パリモーターショーに出展されたHED-3アーネズ (Arnejs) コンセプトの市販モデルにあたる。

先に登場した姉妹車キア・シードをベースにして開発[注釈 1]されたCセグメントに分類される欧州戦略車である。

ヒュンダイではi30以後、欧州市場向け車種を「i○○」というネーミングに統一する方針を打ち出しており、後にAセグメント車がi10Bセグメント車がi20ソナタ代替となるDセグメントセダン/ワゴンがi40の車名でデビューしている。国によってはスタレックスエラントラもそれぞれ「iMAX(オーストラリア)」、「i35」の名称で販売されている。

当初は韓国・蔚山工場で生産されていたが、後にチェコ・ノショヴィツェの新工場が稼動して現地生産が開始された。

エンジンは直列4気筒ガソリン1.4L・1.6L(ガンマエンジン)・2.0L(ベータエンジン)と直4ディーゼルターボ1.6L・2.0Lがラインナップされている。韓国市場では当初はガソリン・ディーゼルともに1.6L車のみのラインナップだったが、2007年12月に輸入ハッチバック車への対抗としてガソリン2.0L車も投入された[1]

i30cw(米国名:エラントラツーリング)

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ステーションワゴンの「i30cw」は2007年ソウルモーターショーで発表された。ハッチバックのi30をベースに全長を230mm延長し、後席の使い勝手を高めている。北米では「エラントラ・ツーリング」として発表されている[2]

日本仕様

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日本市場へは2008年7月19日から、まずハッチバックが全国のヒュンダイ販売店で発売された。
日本仕様車は1.6GL/2.0GLS(全車AT)が設定されていた。エラントラの約140万-175万円という国内のライバル車種に比べ割安な販売価格を考えた場合、i30は約177万-207万円(税込み)と一見国内ライバル車種と変わらない価格のように見えるが、価格を下げない代わりに装備、特に安全装備を充実させているとされた。具体的にはイモビライザーiPod/USBメモリ対応6スピーカーCDラジオ、さらにはCセグメントの日本車(国内仕様)ではオプション設定となることの多い[注釈 2]である6エアバッグシステム(フロントデュアル/フロントサイド/カーテン)、EBD付きABSが全車に、さらに2.0GLSにはESPも標準装備されていた。
その後、i30cwを2009年6月8日に発表、翌9日に発売開始。グレードはi30同様に1.6GLと2.0GLSの2種だが、2.0GLSに装備されるアルミホイールは16インチとなっていた。
2009年末をもって乗用車販売より撤退[3]したため、本車の販売も終了した。

受賞履歴

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ラインナップ

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プレミアはいずれも2010年にワールドカップスペシャルエディションに改称して限定販売した後、プレミアに再改称。エクストリームはいずれも2010年に廃止。i301.6Lガソリンのプレミアブラウンスペシャルは2010年ブラウンスペシャルに改称。

区分 1.6Lガソリン 2.0Lガソリン 1.6Lディーゼル
i30 トレンディ
デラックス
ラグジュアリー
プレミア
プレミアブラウンスペシャル
エクストリーム
トップ
トップVIPパック
ラグジュアリー
プレミア
エクストリーム
トレンディ
デラックス
ラグジュアリー
エクストリーム
i30cw トレンディ
デラックス
ラグジュアリー
プレミア
ラグジュアリー
プレミア
エクストリーム
デラックス
ラグジュアリー
プレミア

2代目(2010年-2016年、GD型)

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ヒュンダイ・i30(GD)
 
フロント
 
リア
概要
販売期間 2011年 - 2016年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
5ドア ステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン ガソリン
1.6L ガンマGDi 直4 140PS/17.0kg・m
1.6L 直4 ガンマGDi ブルーセイバー 140PS/17.0kg・m
ディーゼル
1.6L 直4 VGT 126PS/26.5kg・m
変速機 6速MT(VGTのみ) / 6速AT
サスペンション
ストラット式
トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース 2,650mm
全長 4,300mm
4,485mm(ワゴン)
全幅 1,780mm
全高 1,470mm
1,500mm(ワゴン)
その他
姉妹車・車台が共通の車 ヒュンダイ・エラントラ(アバンテ)
別名 エラントラGT(北米)
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2011年9月のフランクフルトモーターショーにて世界初公開[6]。同年10月20日、韓国にて発売。

MD型アバンテとプラットフォームやエンジンを共用し、ヴェロスター同様「PREMIUM YOUNIQUE LIFESTYLE」(i40登場後以前は「Premium Youth Lab」)と銘打った若者向けプレミアム路線を目指すことになった。

スタイリングは6代目ソナタ以降、ヒュンダイのデザイン哲学である「流体の彫刻」を具現化したもので、内外装とも初代とは打って変わってダイナミックなものへと変貌している[7]。また、クラスで初めて電子式パーキングブレーキや格納式リヤカメラ[注釈 3]、7エアバッグ、フレックスステアリング等を装備した。

2012年6月には欧州市場専用の「i30ワゴン」が追加された。全長4,485mmは5ドア比+185mm。エンジンは3種のガソリンと3種のディーゼルを用意。チェコのノショヴィツェ工場で生産される。

2015年1月、韓国仕様に改良が施され、フロントマスク、アルミホイールなどが新意匠となり、1.6L・VGTディーゼルエンジンがユーロ6に適合して、新たにDCTを組み合わせた。同時に、1.6L・GDiエンジンがラインナップから外れた。

区分 1.6Lガソリン 1.6Lディーゼル 2.0Lガソリン
i30 ユニーク
PYL
PYL TUIX ブラックライト
ユニーク
PYL
PYL TUIX ブラックライト
Dスペック

3代目(2016年-、PD型)

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ヒュンダイ・i30(PD)
 
フロント
 
リヤ
概要
販売期間 2016年 -
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
5ドア ステーションワゴン
5ドア ファストバック
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 1.4L 直4 GDiターボ
1.6L 直4 GDiターボ
1.6L 直4 VGTディーゼル
変速機 7速DCT
サスペンション
ストラット式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,650mm
全長 4,340mm
全幅 1,795mm
全高 1,455mm
その他
姉妹車・車台が共通の車 ヒュンダイ・アバンテ
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2016年9月、韓国にて発表。同月にはモンディアル・ド・ロトモビルでも発表された。AD型アバンテのプラットフォームをベースに開発された。

フロントには陶磁器の曲線をモチーフにした「カスケーディンググリル」が採用された。これは今後登場するヒュンダイ車に順次採用される。

使用する超高張力鋼の割合を27%から53.5%に拡大し、強度を向上させた。足回りに関しては、リヤが先代のトーションビームから初代と同じマルチリンクに戻った。

韓国では5ドアハッチバックの設定のみだが、海外の市場によってはワゴンファストバックの設定も存在する。2017年7月13日(ドイツ現地時間)には、ファストバックが初めて公開されたが、 これは欧州のみでの販売となっている。2018年10月24日にリリースされたNライントリムは、ヒュンダイの高性能ブランドである「N」の感性を感じることができるよう、ブラックメッシュタイプのラジエーターグリル、ブラックベゼルヘッドランプ、専用バンパー、いくつかのチューニングが施されたサスペンションなどが装備され、タイヤはミシュランのスポーツタイヤであるパイロットスポーツ4を装着する。

2020年2月にフェイスリフトが行われ、よりスリムなLEDヘッドランプとなった。また、18インチのアロイホイール、7インチのデジタルメータークラスター、10.25インチのタッチスクリーンインフォテインメントシステム、Hyundai SmartSenseアドバンスドセーフティパッケージといった新たな装備も同時に追加された。ただし、韓国国内では販売不振を理由としてフェイスリフトモデルを販売せず、2020年5月よりi30自体の販売を停止している。また、同年9月には北米市場でも販売中止となった。但し、欧州市場とオセアニア市場については2021年9月現在においても引き続き販売されている。また、1.0L T-GDIおよび1.5L T-GDIは、48Vのマイルドハイブリッドテクノロジーと組み合わされる。

なお、オセアニア向けエラントラはCN7系へのフルモデルチェンジと同時に「i30セダン」に改名され、i30の兄弟車種という位置付けとなっている。

i30 N(2017年9月 - )

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2017年7月13日(ドイツ現地時間)に初めて公開。同グレードは、2015年にヒュンダイが発表した高性能ブランドである「N」の最初のラインナップとなる。2.0LシータⅡT-GDiガソリンエンジンに6速マニュアルトランスミッションが組み合わされ、通常モデルは240馬力、パフォーマンスパックは275馬力の最高出力を誇る。また一時的に出力を高めるオーバーブーストとローンチコントロール、電子制御式LSD、電子制御サスペンション、「N」専用の高性能タイヤなど、同ブランドにふさわしい仕様となっている。走行場面に応じて5つの走行モードを選択することができ、走行モードに応じて排気音が可変排気バルブシステムを介して調節される。

2018年10月に開催されたパリモーターショーでは、i30 N ファストバックも披露した。チェコ工場で生産され、欧州とオーストラリアのみの販売となる。

2017年に完全子会社のヒュンダイ・モータースポーツGmbHが開発した、レーシングカーモデルの「i30 N TCR」が発売されている。サーキット専用モデルで公道走行はできないが、128,000ユーロ(1ユーロ130円として1664万円)から一般人でも購入が可能。FIA(国際自動車連盟)の定めるTCR規定に最適化され、専用のシャーシと安全装備を備えている。

2021年にフェイスリフトが実施された。

 
北米仕様ヒュンダイ エラントラGT
区分 i301.4Lガソリンターボ i301.6Lガソリンターボ i301.6Lディーゼル
i30 スタイル
チューナーパッケージ
スマート
モダン
プレミアム
スポーツ
スポーツプレミアム
Nライン
スマート
モダン
プレミアム

モータースポーツ

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2013年にドイツに設立されたHMGH(ヒュンダイ・モータースポーツ有限会社)のサーキットレース用マシンとしてよく用いられており、ニュルブルクリンク24時間レースではSP3クラス3連覇を達成した。

2018年には、前述のi30 N TCRがWTCR(世界ツーリングカーカップ)のチャンピオンマシンとなった。

脚注

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注釈

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  1. ^ なおシードはエラントラがベースである。
  2. ^ 例えばトヨタ・アリオン(260系)ではEBD付きABSこそ標準装備であるものの6エアバッグはメーカーオプションである。VSCに至ってはA20 Sパッケージ(最高グレード)のみにしか設定がない(メーカーオプション)。2012年8月1日、公式サイトより。
  3. ^ リバース時のみCIエンブレム裏面に隠されたカメラが出現する仕組み。

出典

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参考文献

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外部リンク

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以下、すべてヒュンダイ公式サイト。