ハンミョウ
ハンミョウ科の昆虫
ハンミョウ(斑猫、斑蝥)は、コウチュウ目オサムシ科[2]のハンミョウ科(Cicindelinae)に分類される昆虫の総称、または日本列島の一部の地域に生息するナミハンミョウ[3](学名: Cicindela japonica)を示す和名。本項目は主に後者について扱う。都市部の公園などにも生息しており、比較的身近な虫である。
ハンミョウ(ナミハンミョウ) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Cicindela japonica Thunberg, 1781 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ハンミョウ ナミハンミョウ |
形態・生態
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成虫の体長は約20mmほど[4]。日本列島に分布するハンミョウ科の中では最大の種である。頭部は金属光沢のある緑色、前翅はビロード状の黒紫色に白い斑点があり、前胸部と前翅の中央部に赤い横帯が入る。体の下面は金属光沢のある青緑色をしている。体には独特の香りがあり、果物のような芳香と感じる人もいる。
成虫は春から秋まで見られる。日当たりがよくて地面が湿っている林道や川原などに生息するほか、公園など都市部でも見られる。人が近づくと飛んで逃げ、1 - 2 m程度飛んで着地し、度々後ろを振り返る。往々にしてこれが繰り返されるため、その様を道案内にたとえ「ミチシルベ」「ミチオシエ」という別名がある[4]。大きな複眼と鋭い大顎を持ち、敏捷な動作で小型昆虫などを捕えて食べる。
幼虫は細長い体と大きく鋭い大顎を持ち、固い裸地に垂直に円筒形の巣穴を掘り、平らな頭部で穴に蓋をするようにして潜んでいる。昆虫などの小動物が穴の近傍を通りかかると、穴から前半身を乗り出して大顎で捕え、穴の中に引きずり込んで食べる。幼虫の背面には前方に向いた大きな鉤状の突起があり、力の強い獲物を捕らえる際に穴の外に引きずり出されないよう、穴の内壁に引っかけて体を固定するために用いる。
分布
編集日本列島の一部の地域。以下は代表的な地域である[1]。
脚注
編集- ^ a b “日本産昆虫学名和名辞書(DJI)”. 昆虫学データベース KONCHU. 九州大学大学院農学研究院昆虫学教室. 2014年8月25日閲覧。
- ^ 槐真史編 編『日本の昆虫1400 2 トンボ・コウチュウ・ハチ』伊丹市昆虫館監修、文一総合出版〈ポケット図鑑〉、2013年、100頁。ISBN 978-4-8299-8303-4。
- ^ 福田晴夫ほか『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 : 野山の宝石たち』(増補改訂版)南方新社、2009年、144頁。ISBN 978-4-86124-168-0。
- ^ a b 原有正『美しき小さな虫たちの図鑑』山と溪谷社、2020年、46頁。 ISBN 978-4-635-06296-1
参考文献
編集- 栗林慧写真、黒沢良彦・渡辺泰明 解説『甲虫』山と渓谷社〈野外ハンドブック〉、1984年、124-128頁。ISBN 4-635-06022-5。
関連項目
編集外部リンク
編集- "Cicindela japonica". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- 青木繁伸 (2012年10月18日). “ハンミョウ”. 幼虫図鑑. 群馬大学社会情報学部. 2014年8月25日閲覧。
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『ハンミョウ』 - コトバンク