コットンクラブ (映画)
『コットンクラブ』(The Cotton Club)は、1984年のアメリカ合衆国の犯罪映画。 監督はフランシス・フォード・コッポラ(クレジットはフランシス・コッポラ)、出演はリチャード・ギアとグレゴリー・ハインズなど。
コットンクラブ | |
---|---|
The Cotton Club | |
監督 | フランシス・フォード・コッポラ |
脚本 |
ウィリアム・ケネディ フランシス・フォード・コッポラ |
原案 |
ウィリアム・ケネディ フランシス・フォード・コッポラ マリオ・プーゾ |
原作 | ジム・ハスキンス |
製作 | ロバート・エヴァンス |
製作総指揮 | ダイソン・ラヴェル |
出演者 |
リチャード・ギア グレゴリー・ハインズ ダイアン・レイン ロネット・マッキー ボブ・ホスキンス ジェームズ・レマー ニコラス・ケイジ アレン・ガーフィールド フレッド・グウィン |
音楽 | ジョン・バリー |
撮影 | スティーヴン・ゴールドブラット |
編集 |
バリー・マルキン ロバート・Q・ラヴェット |
製作会社 |
アメリカン・ゾエトロープ プロデューサーズ・セールス・オーガニゼーション 他 |
配給 |
オライオン・ピクチャーズ 松竹富士 |
公開 |
1984年12月14日 1985年3月2日 |
上映時間 | 128分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
英語 イタリア語 |
製作費 | $58,000,000[1] |
興行収入 | $25,928,721[1] |
配給収入 | 8億7300万円[2] |
1920年代から1930年代にかけてニューヨークハーレム地区に実在した高級ナイトクラブ「コットン・クラブ」を舞台に、華やかなショーやマフィアの覇権争いなどを、実在の人物を交えて描いたフィクションである。
ストーリー
編集ギャングがマシンガンを撃つ禁酒法時代のニューヨーク(1920年代)。マンハッタンのハーレムにあるコットンクラブは、従業員とダンサーは黒人だが、客は正装した白人に限られる高級ナイトクラブだった。クラブのオーナーであるオウニーとフレンチーは、暗黒街の黒幕的存在で、ギャングたちを牛耳っていた。
ギャングのボスであるダッチは、ハーレムで襲撃を受け、コルネット奏者兼ピアニストのディキシー・ドワイヤー(リチャード・ギア)に命を救われた。ディキシーは巻き添えを食った歌手のベラ(ダイアン・レイン)に一目ぼれするが、ベラはダッチの愛人になる。ベラには、ブロードウェイに自分のナイトクラブを持つという野心があったのだ。ディキシーは、ダッチに顎で使われる立場に嫌気がさし、脱却の機会を窺う。
若手の黒人タップダンサーであるサンドマン(グレゴリー・ハインズ)は、兄のクレイとコンビでコットンクラブのオーディションを受け、合格する。サンドマンは兄との対立や、混血の歌手ライラとの恋に悩みつつ、コットンクラブでの人気を確実なものとして行く。
ディキシーはコットンクラブのオーナーであるオウニーの口利きで、ハリウッドのギャング映画に出演し、スターになる。だが、ディキシーの弟のヴィンセント(ニコラス・ケイジ)は、暗黒街での成り上がりを目指し、フレンチーの誘拐を企てた揚句に射殺される。
大恐慌による不景気の時代がきても、コットンクラブは相変わらずの賑わいだった。トップダンサーとなったサンドマンは、舞台で華麗なタップを踏んでいる。同じ頃、ギャング同士の抗争からダッチが射殺された。ディキシーは、愛人関係から解放されたベラと共にハリウッドへと旅立った。
キャスト
編集- ディキシー・ドワイヤー
- 演 - リチャード・ギア
- コルネット奏者でジャズピアニストの青年。ダッチの命を救ったことで目をかけられる。
- ビックス・バイダーベック(1903年-1931年)をモチーフにしたキャラクター。
- サンドマン(デルバート)・ウィリアムズ
- 演 - グレゴリー・ハインズ
- コットン・クラブのオーディションに受かったタップダンサー。ライラに一目惚れする。
- ベラ・シセロ
- 演 - ダイアン・レイン
- 歌手。まだ10代だが大人びた容姿を武器に自分の店を持つことを目指している。
- ライラ・ローズ・オリヴァー
- 演 - ロネット・マッキー
- 父親が黒人で母親が白人の歌手。肌が白いので白人にも見える。
- ジャズ歌手で女優のレナ・ホーン(1917年-2010年)をモチーフにしたキャラクター。
- オウニー・マドゥン(実在の人物)
- 演 - ボブ・ホスキンス
- コットン・クラブの経営者で暗黒街のドン。アイルランド系。
- ダッチ・シュルツ(実在の人物)
- 演 - ジェームズ・レマー
- 凶暴な性格のギャングのボス。本名アーサー・フレゲンハイマー。ユダヤ系。
- ヴィンス・ドワイヤー
- 演 - ニコラス・ケイジ
- ディキシーの弟。成り上がり志向が強く、ディキシーがダッチの命を救ったことをきっかけにダッチの用心棒になる。
- マッド・ドッグ・コール(1908年-1932年)をモチーフにしたキャラクター。
- アッバダッバ・バーマン(実在の人物)
- 演 - アレン・ガーフィールド
- ダッチの部下。
- フレンチー・デマンジ(実在の人物)
- 演 - フレッド・グウィン
- マドゥンの相棒。
- ティシュ・ドワイヤー
- 演 - グウェン・ヴァードン
- ディキシー、ヴィンス兄弟の母。
- フランシス・フレゲンハイマー
- 演 - リサ・ジェーン・パースキー
- ダッチの妻。
- クレイ・ウィリアムズ
- 演 - モーリス・ハインズ(グレゴリー・ハインズの実兄)
- サンドマンの兄でタップダンスのパートナー。
- ソル・ワインスタイン
- 演 - ジュリアン・ベック
- ダッチの忠実な部下。
- バンピー・ローズ
- 演 - ローレンス・フィッシュバーン
- 黒人マフィアのボス。
- バンピー・ジョンソン(1905年-1968年)をモチーフにしたキャラクター。
- アーヴィング・スターク
- 演 - トム・ウェイツ
- コットン・クラブのスタッフ。サンドマンにオーディション合格を告げる。
- パッツィ・ドワイヤー
- 演 - ジェニファー・グレイ
- ヴィンスの妻。
- キャブ・キャロウェイ(実在の人物)
- 演 - ラリー・マーシャル
- 黒人ジャズ歌手。コットン・クラブでパフォーマンスを見せる。
- グロリア・スワンソン(実在の人物)
- 演 - ダイアン・ヴェノーラ
- ハリウッドの大女優。ディキシーに映画俳優になることを勧める。
他にもデューク・エリントン、チャールズ・チャップリン、ジェームズ・キャグニー、ファニー・ブライスが実名で登場する。
日本語吹替
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
ソフト版 | TBS版 | ||
ディキシー・ドワイヤー | リチャード・ギア | 速水奨 | 津嘉山正種 |
サンドマン・ウィリアムズ | グレゴリー・ハインズ | 檀臣幸 | 内海賢二 |
ベラ・シセロ | ダイアン・レイン | 伊藤美紀 | 島本須美 |
ライラ・ローズ・オリヴァー | ロネット・マッキー | 佐藤ゆうこ | 横尾まり |
オウニー・マドゥン | ボブ・ホスキンス | 壌晴彦 | 富田耕生 |
ダッチ・シュルツ | ジェームズ・レマー | 中博史 | 池田勝 |
ヴィンス・ドワイヤー | ニコラス・ケイジ | 相沢正輝 | 大塚明夫 |
フレンチー・デマンジ | フレッド・グウィン | 長島雄一 | 大木民夫 |
バンピー・ローズ | ローレンス・フィッシュバーン | 山野井仁 | 沢木郁也 |
アーヴィング・スターク | トム・ウェイツ | 塚田正昭 | |
アッバダッバ・バーマン | アレン・ガーフィールド | 柳沢栄治 | 増岡弘 |
クレイ・ウィリアムズ | モーリス・ハインズ | 天田益男 | 島香裕 |
チャールズ・"ラッキー"・ルチアーノ | ジョー・ダレッサンドロ | 小関一 | |
ソル・ワインスタイン | ジュリアン・ベック | 石森達幸 | |
ティシュ・ドワイヤー | グウェン・ヴァードン | 五十嵐麗 | |
ジョー・フリン | ジョン・P・ライアン | 河相智哉 | 飯塚昭三 |
モンク | エド・オロス | 天田益男 | 小関一 |
エド・ポプケ | グレン・ウィズロウ | 吉田孝 | |
ノーマ・ウィリアムス | セルマ・カーペンター | 吉岡久仁子 | |
マイク・ベスト | ロン・カタバトス | 乃村健次 | |
マイク・コッポラ | スティーブ・ヴィグナリ | 秋元羊介 | |
マダム・サンクレア | ノヴェラ・ネルソン | 片岡富枝 | |
その他又は役不明 | 村竹あおい | 火野カチコ 関俊彦 | |
演出 | 田島荘三 | 山田悦司 | |
翻訳 | 飯田公代 | 宇津木道子 | |
プロデューサー | 上田正人 (TBS) | ||
制作 | コスモプロモーション | 東北新社 TBS | |
初回放送 | 1988年11月22日 『火曜ロードショー』 |
作品の評価
編集Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「エネルギッシュで記憶に残る役者たちが勢揃いした『コットンクラブ』は、その視覚的および音楽的な力強さで楽しませてくれるが、プロットは儀礼的な拍手喝采を集めるだけに終わっている。」であり、29件の評論のうち高評価は76%にあたる22件で、平均点は10点満点中6.46点となっている[3]。 Metacriticによれば、14件の評論のうち、高評価は8件、賛否混在は6件、低評価はなく、平均点は100点満点中68点となっている[4]。
出典
編集- ^ a b “The Cotton Club” (英語). Box Office Mojo. 2020年11月15日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)440頁
- ^ "The Cotton Club". Rotten Tomatoes (英語). 2020年11月15日閲覧。
- ^ "The Cotton Club" (英語). Metacritic. 2020年11月15日閲覧。