ガメラマーチ
『ガメラマーチ』は、1968年(昭和43年)3月20日に公開された大映の映画『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』の主題歌。
解説
編集大映のドル箱シリーズである「ガメラ映画」の主題歌として、『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』から登場し、以後、シリーズ全作で主題歌として使用された。
作詞者は大映の永田雅一社長の実子で専務・副社長だった永田秀雅。永田は「映画を観に来る子供たちをいい子に育てたい」という意味から、ガメラを全くのお友達、「僕らのガメラ」にしたかったといい、この気持ちを込めて前作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』の主題歌『ガメラの歌』に続いて本曲を作詞した。歌詞は三番まであり、「日・月・火・水・・・」と曜日を怪獣と絡ませた内容となっている。また、「強いぞガメラ!」「頑張れガメラ! 」「咥えて離すな」「火炎噴射」「回転ジェット」「体当たり」「殺人音波」など、一部の歌詞は『ガメラの歌』を踏襲している。
ガメラシリーズを担当した湯浅憲明監督によると、本曲を作詞した永田専務が、会議室からはりきって出てきて、「おいガメラの歌が出来たから、みんな聞け」と、スタッフの前で「強いぞガメラ・・・」と朗読。専務の前ということで全員拍手したところが「湯浅君、みんなが感激していいと言ってくれたから、これ使ってくれ」ということになり、レコーディングとなった。歌唱している「大映児童合唱団」というのは、湯浅監督によると「そこらへんの子を集めてきて歌わせたもの」だそうで、「そんなものないんですよ」ということである。
湯浅監督はこの歌について「聞いているうちに覚えちゃういいメロディーですよね、変にプロの作詞でないのがいいのかもしれませんね」とコメントしていて、「新しいガメラ[1]にもこの歌、どこかに流して欲しかったなあ。そうすることで、新旧のガメラがすんなりと繋がるんですがねえ」と語っている。
2021年に公開された『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の外伝小説である『妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚』には、ガメラをモチーフにした「玄武」が登場しており[注 1]、その際に京都の妖怪達が『ガメラマーチ』の替え歌を歌っている[注 2][2][3]。
2021年の作品『ネズラ1964』では、『宇宙怪獣ガメラ』に出演したマッハ文朱が歌う『ネズラマーチ』が『ガメラマーチ』へのオマージュとして挿入されている[4]。
ソノシート
編集朝日ソノラマから、映画公開に合わせてソノシートが発売された。B面は『ぼくらのガメラ』。盤によってはA・B曲が逆のものもあった。ガメラと新怪獣バイラスの解剖図解、「迫力ドラマ」と題したミニドラマなどで構成されていた。『ガメラ対大悪獣ギロン』公開版以降は収録楽曲は『ガメラマーチ』のみ。『ガメラ対深海怪獣ジグラ』では大映レコードからLPレコード盤も発売された。
使用作品
編集- 『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(1968年、大映)
- 『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969年、大映)
- 『ガメラ対大魔獣ジャイガー(1970年、大映)
- 『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(1971年、大映)
- 『GAMERA -Rebirth-』(2023年、KADOKAWA)
- 『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』(2009年、サミー)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 徳間大映が1995年(平成7年)に製作した『ガメラ 大怪獣空中決戦』のこと。ちなみに、同作を監督した金子修介の著書『ガメラ監督日記』(1997年・小学館)によれば、同作の製作準備段階で用意された検討用シナリオの中には「敵の怪獣をガメラが倒し、子供たちが『ガメラマーチ』を歌って終わる」という内容のものもあったという。
- ^ 峰守ひろかず, 渡辺雄介, 2021年,『妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚』, 265-271頁, メディアワークス文庫
- ^ 妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚 – 齢70歳の安倍晴明が登場! ラスボスとのバトルには玄武(亀)が火炎を吐き、回転しながら空を舞う…って!ガメラ登場か。
- ^ 映画『ネズラ1964』公式Xアカウント、2020年11月27日、本日11月27日は『大怪獣ガメラ』公開日!祝ガメラ55周年!そんな記念日に「ガメラマーチ」をオマージュした「ネズラマーチ」を大公開!是非お聴きください♪、X(Twitter)
参考文献
編集- 『大怪獣ガメラ 秘蔵写真集』(徳間書店)「永田秀雅インタビュー」
- 『ガメラを創った男 評伝 映画監督・湯浅憲明』(アスペクト)