インドへの道
『インドへの道』(原題: A Passage to India)は、E・M・フォースターの長編小説。1924年発表。またこれ (A Passage to India) を原作としたデヴィッド・リーン監督、脚本、編集による1984年のイギリス、アメリカ合衆国の映画である。またサンサ・ラマ・ルウ脚色の舞台もベースとなっている。リーンの14年ぶりとなる劇場映画にして遺作である。
インドへの道 | |
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A Passage to India | |
監督 | デヴィッド・リーン |
脚本 | デヴィッド・リーン |
原作 | E・M・フォースター |
製作 |
ジョン・ブラボーン リチャード・ B・グッドウィン |
音楽 | モーリス・ジャール |
撮影 | アーネスト・デイ |
編集 | デヴィッド・リーン |
配給 |
コロンビア ピクチャーズ 松竹富士 |
公開 |
1984年12月14日 1985年8月12日 |
上映時間 | 163分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $27,187,653[1] |
ストーリー
編集第一次大戦後の英国の植民地インドのチャンドラボアへ、英国娘アデラ・ケステッド(ジュディ・デイヴィス)が婚約者で治安判事のロニー(ナイジェル・ヘイヴァース)を訪ねて来訪する。ロニーの母ムーア夫人(ペギー・アシュクロフト)が同行している。
彼らはインド人医師アジズ(ヴィクター・バナルジー)、インド人哲学者ゴッドボール(アレック・ギネス)、英国人教授フィールディング(ジェームズ・フォックス)と知り合う。だがアデラは、自転車に乗っていてインドの性的な石像群を見てしまい、動揺を覚えて逃げ帰ってくる。またアジズはフィールディングに、アデラの胸が小さいと言い、マンゴーのような胸の娘を紹介してやると言う。
アデラらはアジズの誘いで、マラバー洞窟へ行くが、汽車の出発にフィールディングが遅れてしまい、英国人女性とインド人のアジズだけで行くことになってしまう。二人きりになったアデラとアジズ。アデラはアジズの性生活について質問をするが、その後、洞窟へ入ったアデラは、錯乱状態となってそこから逃げ出す。ここで何が起きたかは原作でも映画でも曖昧に描かれている。
アジズは、後から着いたフィールディングらとチャンドラボアへ戻るが、アデラはアジズに暴行されたと訴えていたため、彼女を山で助けたカレンダー夫人(アン・ファーバンク)の援助による告訴でアジズは逮捕される。
フィールディングとムーア夫人はアジズを信じるが、裁判が始まり、インド人の反英感情が高まる。ムーア夫人は帰国する途上で死去する。だが証言台で、アデラは自身の錯乱からきた妄想だと認め、告訴を取り下げた。フィールディングはいったん帰国するが、数年後戻ってくる。だがフィールディングが手紙で結婚したと書いたため、アジズは相手がアデラだと思い込み反感を抱いている。だが現れたフィールディングの妻は、ムーア夫人の娘のステラだった。アジズは安堵し、英国にいるアデラに手紙を書いた。「正直に証言したあなたの勇気に感謝するのに、長い時間がかかった」。
キャスト
編集- アデラ・ケステッド:ジュディ・デイヴィス
- アジズ:ヴィクター・バナルジー
- ムーア夫人:ペギー・アシュクロフト
- ゴッドボール:アレック・ギネス
- リチャード・フィールディング:ジェームズ・フォックス
- ロニー・ヒースロップ:ナイジェル・ヘイヴァース
- ハードリー:アダム・ブラックウッド
- タートン:リチャード・ウィルソン
- アリ:アート・マリック
- アムリトラオ:ロシャン・セス
受賞・ノミネート
編集賞 | 部門 | 候補 | 結果 |
---|---|---|---|
アカデミー賞 | 作品賞 | ジョン・ブラボーン リチャード・ B・グッドウィン |
ノミネート |
主演女優賞 | ジュディ・デイヴィス | ノミネート | |
助演女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
監督賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート | |
脚色賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート | |
撮影賞 | アーネスト・デイ | ノミネート | |
作曲賞 | モーリス・ジャール | 受賞 | |
美術賞 | Hugh Scaife (装置) Leslie Tomkins (美術) John Box (美術) |
ノミネート | |
衣裳デザイン賞 | ジュディ・ムーアクロフト | ノミネート | |
音響賞 | Nicolas LeMessurier Michael A.Carter John Mitchell Graham V.Hartstone |
ノミネート | |
編集賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート | |
ゴールデングローブ賞 | 外国映画賞 | 受賞 | |
助演女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
監督賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート | |
脚色賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート | |
作曲賞 | モーリス・ジャール | 受賞 | |
英国アカデミー賞 | 作品賞 | ノミネート | |
主演男優賞 | ジュディ・デイヴィス | ノミネート | |
主演女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
助演男優賞 | ジェームズ・フォックス | ノミネート | |
脚色賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート | |
作曲賞 | モーリス・ジャール | ノミネート | |
撮影賞 | アーネスト・デイ | ノミネート | |
ニューヨーク映画批評家協会賞 | 作品賞 | 受賞 | |
女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
監督賞 | デヴィッド・リーン | 受賞 | |
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 助演女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 |
ボストン映画批評家協会賞 | 主演女優賞 | ジュディ・デイヴィス | 受賞 |
助演女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
カンザスシティ映画批評家協会賞 | 作品賞 | 受賞 | |
監督賞 | デヴィッド・リーン | 受賞 | |
助演女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 作品賞 | 受賞 | |
監督賞 | デヴィッド・リーン | 受賞 | |
男優賞 | ヴィクター・バナルジー | 受賞 | |
女優賞 | ペギー・アシュクロフト | 受賞 | |
全米監督協会賞 | 長編映画監督賞 | デヴィッド・リーン | ノミネート |
訳書
編集関連書籍
編集出典
編集- ^ “A Passage to India (1984)” (英語). Box Office Mojo. 2011年3月4日閲覧。
- ^ 元版は「世界文学全集 53 モーム フォースター」筑摩書房 1970。映画化に際し単行判で再刊