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'''HD DVD'''({{Lang-en|High-Definition Digital Versatile Disc}})は[[DVDフォーラム]]規格を基より承認された青紫色して[[半導体レーザーハイビジョン]]を使用放送時代に対応するために開発された[[第3世代光ディスク]]の規格である。
 
[[ソニー]]・[[フィリップス]]・[[パナソニック|松下電器産業(現・[[パナソニック]]が中心となって開発を進めていた[[Blu-ray Disc]](以下、BD)に対抗する形で[[2002年]][[8月29日]]に[[東芝]]と[[日本電気|NEC]]が[[DVDフォーラム]]に「AOD (Advanced Optical Disc) 」として提案、同年[[11月26日]]にDVDフォーラムがAODを「HD DVD」の名称で正式承認したことで誕生した。しかし[[高解像度光ディスク規格戦争|BDとの規格争い]]の結果、市場(消費者と、その動向を受けた映画配給会社)はBDを選択したことで、[[2008年]][[2月19日]]にHD DVD陣営の中心である東芝が全面的な撤退を発表また普及団体も解散したためBDとの[[規格争い]]は終結した。
{{TOC Limit|4}}
 
== 概説仕様 ==
[[File:Comparison CD DVD HDDVD BD.svg|thumb|left|CD、DVD、BDとの比較]]
HD DVDはDVD規格をベースにして[[ハイビジョン]]放送時代に対応するために開発された光ディスクの規格である。[[コンパクトディスク|CD]][[DVD]]と同様、直径12 cm / 8 cm、厚さ1.2 mmの[[プラスチック]]製円盤であるが、読み取りに使われるのは波長405 nmの青紫色[[半導体レーザー]]である{{Sfn|北川|2003|p=69}}。DVDよりも波長の短い[[レーザー]]を用いることでより高密度の記録が可能となっている{{Sfn|北川|2003|p=70}}。HD DVDの直径12 cmディスクは1層で15 GBの容量を持ち、2層で30 GBの容量を持つ{{Sfn|北川|2003|p=70}}。直径8 cmディスクでは1層で4.7 GB、2層で9.4 GBの容量を持つ。保護層の厚さがDVDと同じ0.6 mmであるため{{Sfn|北川|2003|p=70}}、DVD製造ラインの一部を流用することが可能であるとされ{{Sfn|北川|2003|pp=70, 72}}、また振動によるレンズとディスクの衝突の回避に使用する接近検知システムの一部流用が可能であるとされた
 
HD DVDの直径12 cmディスクは1層で15 GBの容量を持ち、2層で30 GBの容量を持つ{{Sfn|北川|2003|p=70}}。直径8 cmディスクでは1層で4.7 GB、2層で9.4 GBの容量を持つ。保護層の厚さがDVDと同じ0.6 mmであるため{{Sfn|北川|2003|p=70}}、DVD製造ラインの一部を流用可能であるとされ{{Sfn|北川|2003|pp=70, 72}}、また振動によるレンズとディスクの衝突の回避に使用する接近検知システムの一部流用が可能であるとされた。
HD DVDはほぼ同時期に規格が策定されたBDと第3世代光ディスク規格の地位を争っていたが、市場(消費者と、その動向を受けた映画配給会社)はBDを選択。2008年2月19日の東芝の撤退発表で規格争いは終結した。
 
なお[[2004年]][[12月]]には、HD DVDのコンテンツや商品開発の促進や普及を目的としたHD DVDプロモーショングループが[[メモリーテック]]、日本電気、[[三洋電機]]、東芝の4社が中心に設立された。だが2008年2月の東芝のHD DVD終息表明を受け関連各社もHD DVD事業の撤退方針を打ち出しており、同グループも約3年以上に規格争いの歴史に終止符を打つこととなり2008年[[3月28日]]に公式に解散した。
 
HD DVDは製品として展開されることはなくなったものの、物理規格や再生機器設計などの技術の一部が[[CBHD]]に流用されている。
 
== 規格 ==
=== メディアの種類 ===
HD DVDにはDVDと同様に読み取り専用型と記録型の規格が存在する。書き換えができる記録型HD DVD規格はランドグルーブ記録を採用しているHD DVD-Rewritable (HD DVD-RW) の規格策定が行われていたが2層化が困難なことなどからHD DVD-Rの基本構造を継承したHD DVD-ReRecordable規格を策定しHD DVD-Rewritableの名称をHD DVD-RAMに変更、HD DVD-ReRecordableの名称をHD DVD-RWと決定した。
 
HD DVD-RWはデータ用のみ[[2007年]]7月からPCメーカー等に向けてサンプル出荷されており、2007年12月に製品化されている。また、ビデオ用HD DVD-RWも2008年[[2月]]に製品化が発表された<ref>[http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0802/14/news086.html 日立マクセル、世界初の2倍速記録対応HD DVD-R/RWディスクを発売]、ITmedia、[[2008年]][[2月14日]]</ref>が東芝の撤退により対応するビデオレコーダーは発売中止となりメディアの発売も中止された<ref>[http://www.maxell.co.jp/jpn/important_notice/in080403.html 弊社新製品2倍速HD DVDの発売中止のご案内]、日立マクセルプレスリリース、2008年[[4月3日]]</ref>。しかしその後、磁気研究所、あきばんぐダイレクトが台湾RiTEK社製のHD DVD-RWメディアの販売を開始した。この製品はAACSに対応しており、書き込みに対応したQosmioシリーズの一部で地上デジタル放送のムーブが可能である。日本国内で入手可能なHD DVD-RWメディアはRiTEK社製のものだけであった。
 
HD DVD-RAMの製品化はされていない。
 
多層化に関しては[[2005年]]5月に片面3層 45 GB(1層15 GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われ<ref>[http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_05/pr_j1101.htm 記録容量45GBの再生専用次世代光ディスクの開発について]</ref>、2007年のCESにて片面3層 51 GB(1層17 GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。また片面3層 51 GBのHD DVD-ROMについては2007年[[9月12日]]にDVDフォーラムによって規格化がなされ<ref>[http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070913/dvd.htm DVD Forum、HD記録DVD用ロゴ「HD Rec」を策定 −3層/ツインフォーマットなどを規定] AV Watch、[[2007年]][[9月13日]]</ref>、[[11月15日]]に正式にver.2.0として承認され規格化を完了した<ref>[http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071116/dvd.htm DVD Forum、3層51GB HD DVD-ROMを承認]、AV watch、2007年[[11月16日]]</ref>が製品化はされていない。
 
規格は以下。
; HD DVD-ROM
: 読み取り専用のHD DVD規格。12 cm 片面1層 15 GB / 片面2層 30 GB / 片面3層 51 GB、8 cm 片面1層 4.7 GB/片面2層 9.4 GB
: [[2005年]]5月に片面3層 45 GB(1層15 GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われ<ref>[http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_05/pr_j1101.htm 記録容量45GBの再生専用次世代光ディスクの開発について]</ref>、2007年のCESにて片面3層 51 GB(1層17 GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。
: 2007年[[9月12日]]に片面3層 51 GBのHD DVD-ROMはDVDフォーラムによって規格化がなされ<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/20070913/dvd.htm DVD Forum、HD記録DVD用ロゴ「HD Rec」を策定 −3層/ツインフォーマットなどを規定] AV Watch、[[2007年]][[9月13日]]</ref>、[[11月15日]]に正式にver.2.0として承認され規格化を完了した<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/20071116/dvd.htm DVD Forum、3層51GB HD DVD-ROMを承認]、AV watch、2007年[[11月16日]]</ref>が製品化はされていない。
; HD DVD-R
: 1回だけ書き込み可能な記録型HD DVD規格。片面1層 15 GB / 片面2層 30 GB
; HD DVD-RW
: 繰り返して書き込みおよび消去が可能な記録型HD DVD規格。片面1層 15 GB / 片面2層 30 GB
: データ用が[[2007年]]7月からPCメーカー等に向けてサンプル出荷されており、2007年12月に製品化された。ビデオ用は2008年2月に製品化が発表された<ref>[https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0802/14/news086.html 日立マクセル、世界初の2倍速記録対応HD DVD-R/RWディスクを発売]、ITmedia、2008年[[2月14日]]</ref>が東芝の撤退により対応するビデオレコーダーは発売中止となりメディアの発売も中止された<ref>[http://www.maxell.co.jp/jpn/important_notice/in080403.html 弊社新製品2倍速HD DVDの発売中止のご案内]、日立マクセルプレスリリース、2008年[[4月3日]]</ref>。
: しかしその後、磁気研究所、あきばんぐダイレクトが台湾RiTEK社製のHD DVD-RWメディアの販売を開始した。この製品はAACSに対応しており、書き込みに対応したQosmioシリーズの一部で地上デジタル放送のムーブが可能である。日本国内で入手可能なHD DVD-RWメディアはRiTEK社製のものだけであった。
; HD DVD-RAM
: 繰り返して書き込みおよび消去が可能なPC用途向け記録型HD DVD規格。ランドグルーブ記録を採用。片面1層 20 GB(2層に関しては未策定)
: HD DVD-RAMは製品化されていない。
 
そのほか以下のメディアが開発された。
片面にDVDとHD DVDの両方の記録層を持つ'''ツインフォーマットディスク'''は記録層の深さが現在のDVDと同じであることからピックアップ用のレンズ共用が可能なため、設計製作上のハードルが低いとされる。一部のHD DVDソフトで採用された。
; ツインフォーマットディスク
 
: 片面にDVDとHD DVDの両方の記録層を持ち、記録層の深さが現在のDVDと同じであることからピックアップ用のレンズ共用が可能なため、設計製作上のハードルが低いとされる。一部のHD DVDソフトで採用された。
両面ディスクの片面にHD DVD、もう片面にBDの記録層を持つ[[第3世代光ディスク#Total Hi Def|Total Hi Def]]が、2規格が店頭に並び混乱を生じることへの解決策としてワーナー・ブラザースにより独自に開発され、製品化が進められていたが2007年秋に開発中止された。ワーナーは2008年1月にBD一本化を表明している。
: 2006年9月11日にはメモリーテックと東芝が共同で3層のツインフォーマットディスクの開発を発表した<ref>{{Cite press release |和書|url=https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2006/09/pr1102.html |title=ディスクの片面からHD DVDとDVDが再生できる3層ツインフォーマットディスクの開発 |publisher=東芝 |date=2006-09-11 |access-date=2024-06-26}}</ref>。
; [[第3世代光ディスク#Total Hi Def|Total Hi Def]]
: 両面ディスクの片面にHD DVD、もう片面にBDの記録層を持ち、2規格が店頭に並び混乱を生じることへの解決策としてワーナー・ブラザースにより独自に開発され、製品化が進められていたが2007年秋に開発中止された。
 
=== HD DVD-Video ===
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DVD-Videoの[[Content Scramble System]] (CSS) が破られ違法コピーが蔓延していることから、CSSに代わる新たな著作権保護機構としてより強固なAACSが採用されている。このAACSは再生専用メディアに限らず、記録型メディアにも対応している。
 
HD DVDでは'''HDi'''とよばれる対話型操作機能が必須機能となっており、すべてのHD DVDプレーヤーで利用可能であるこのHDiはマイクロソフトが中心となって開発されXMLや[[ECMAScript]]、SMILといったWWW関連技術からなるものであった。HDiはHD DVDにおいて必須機能でありすべてのHD DVDプレイヤーで利用できる。また全てのプレーヤーにネットワーク端子の搭載が必須となりのため、インターネットを通じて対応ソフトの追加コンテンツの配信が可能である(対応ソフトのみ)
 
なお、映画会社などから[[リージョンコード]]導入に対する要望により導入に向けて検討が行われていたものの、最後までHD DVD-Videoではリージョンコードによる制御は行われていなかった。
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=== HD DVD-VR ===
HD DVDにおいてDVDでの[[DVD-Video]]に対する[[DVD-VR]]に相当する規格である。映像コーデック、音声コーデック、インタラクティブ機能、著作権保護機構、リージョンコードについては前述の[[#HD DVD-Video|HD DVD-Video]]に準拠している。その他の特徴は以下の通り
 
* HD DVDではDVDでの-VRがビデオ用アプリケーションであるDVD-Videoフォーマットのより日の策定されたDVD-VRフォーマットがためDVD-Video用プレーヤーと再生互換が無かったことの反省としてHD DVDではHD DVD-VideoとHD DVD-VR(HDVR)のフォーマット構造を多くの部分で共通化し、HD DVD-VRフォーマットのディスクもHD DVD-Videoプレーヤでは問題なく再生可能なような工夫がされてい設計とした<ref>[http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2005/07/60_07pdf/a0202.pdf 次世代光ディスクHD DVD]</ref>。この事によ従ってDVDと異な、DVDの様に市販レコーダーにHD DVD-Videoフォーマットの記録機能とHD DVD-VRの記録機能を併載する必要が無くなって
* エンコード録画用(DVD-VRに相当)のVideo Object (VOB) モードと放送ストリーム(TS信号)をそのまま記録するStream Object (SOB) モードの2種類がある。
** VOBモード:[[MPEG2-PS]]システムを採用し、MPEG2のほかMPEG4 AVC ([[H.264]]) や[[VC-1]] (WMV) などの各映像コーデックに対応していた。またVOB (VR VOB) モードで録画したものはHD DVD-ROMの[[フォーマット (ストレージ)#アプリケーションフォーマット|アプリケーションフォーマット]]であるHD DVD-VideoのVOB (standard VOB) と[[サブセット]]扱いとなるため、同モードで記録したディスクは通常のHD DVDプレーヤーでも再生可能である。
** SOBモード:[[デジタル放送]]の[[MPEG2-TS]]をそのまま記録するためのモード([[MPEG2-TS]]システムを採用)。SOBモード録画の映像はHD DVD-Video専用プレーヤーでは再生が出来ない。
 
エンコード録画用(DVD-VRに相当)のVideo Object (VOB) モードと放送ストリーム(TS信号)をそのまま記録するStream Object (SOB) モードの2種類がある。
=== HD Rec ===
* VOBモード:[[MPEG2-PS]]システムを採用し、MPEG2のほかMPEG4 AVC ([[H.264]]) や[[VC-1]] (WMV) などの各映像コーデックに対応していた。またVOB (VR VOB) モードで録画したものはHD DVD-ROMの[[フォーマット (ストレージ)#アプリケーションフォーマット|アプリケーションフォーマット]]であるHD DVD-VideoのVOB (standard VOB) と[[サブセット]]扱いとなるため、同モードで記録したディスクは通常のHD DVDプレーヤーでも再生可能である。
{{Main|HD Rec}}
* SOBモード:[[デジタル放送]]の[[MPEG2-TS]]をそのまま記録するためのモード([[MPEG2-TS]]システムを採用)。SOBモード録画の映像はHD DVD-Video専用プレーヤーでは再生が出来ない。
2007年[[9月12日]]、DVDフォーラムにてHD Recのロゴを策定した。HD RecはDVDにハイビジョン録画をする規格であった。
 
このHD DVD-VRを利用して、記録型DVDにHD DVDと同様の形式でデジタルハイビジョン放送を記録できる規格として[[HD Rec]]が製品化された。これはDVD-R/RW/RAMメディアにHD DVDフォーマットを採用することにより、MPEG-4 AVCなどのコーデックでSDとHDやSDの映像を記録する規格。レコーダーやカムコーダーの使用を見込んでいたある
 
同じくDVDメディアにHD DVD-VRで映像を入れる規格として'''HD DVD9'''が[[ワーナー・ブラザース]]により提案されたが製品化されなかった。BDでも同様のコンセプトで[[BD9]]が提案されており、HD DVD9とあわせて[[3x DVD]]の総称でもよばれた。上記HD Recと直接は無関係。
記録型DVDにもHD DVDと同様の形式でデジタルハイビジョン放送を記録できる機能。状況によってはBD以上にメディア単価が高いHD DVDメディアに比べて記録型DVDメディアの価格が大幅に安いため、HD DVDメディアの価格が下がるまではユーザーに重宝されていくと考えられていた。
 
HD DVD9はDVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2のかわりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることでハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することが可能。DVDメディアであるため記録容量がHD DVDに比べて少なく、記録時間や画質の面ではHD DVDに劣る。片面2層 8.5 GBのDVDに平均ビットレート13 Mbpsで85分のハイビジョン映像の収録でき、HD DVDプレーヤーにのみ対応する。当初ワーナー・ブラザースが想定していた物は片面2層 8.5 GBのDVDに平均ビットレート8 Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録し、[[半導体レーザー|青紫色半導体レーザー]]を用いない3x DVD対応のDVDプレーヤーで再生可能にする事であった。
BDレコーダーに搭載されている[[AVCREC]]との最大の違いとして、DVDへ(HDDにTS録画した際と同様)無劣化のMPEG-2形式での記録が(1層で30 - 40分、2層で1時間30分程度ではあるが)可能な点がある。15 - 30分程度の番組を録画する時などであっても、DVDへの記録時に必ずH.264圧縮を受けなければならず最高画質のモードでも多少の劣化を受けるAVCRECよりも自由度が高かった。
 
HD Rec、HD DVD9ともDVD-Video規格とは全く異なるため一般的なDVDプレイヤーで再生することはできず、再生には特に対応した機器が必要である。
東芝1社のみの採用のため、パナソニック・三菱などが採用するAVCREC以上にサポートが懸念された。東芝はHD DVD撤退後HD Rec対応DVDレコーダーを発売したがすでに終売。
 
HD DVD9と直接は無関係なものの、コンセプト等は同じ基軸である。
 
=== 製品化されなかった規格 ===
==== HD DVD9 ====
[[ワーナー・ブラザース]]が提案したDVDメディアにHD DVDのアプリケーションフォーマットで映像を入れる規格。DVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2のかわりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることでハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することが可能である。DVDメディアであるため記録容量がHD DVDに比べ少なく、記録時間や画質の面ではHD DVDに劣る。片面2層 8.5 GBのDVDに平均ビットレート13 Mbpsで85分のハイビジョン映像の記録が可能である。また一般的なDVD-Video規格とは全く異なるため一般的なDVDプレイヤーで再生することはできず、再生にはHD DVDプレイヤーが必要である。
 
BDでも同様のコンセプトで[[BD9]]が考えられており、HD DVD9とあわせて'''3x DVD'''の総称でもよばれている。また、HD Recと直接は無関係なものの、コンセプト等は同じ基軸である。
 
当初ワーナー・ブラザースが想定していた物は片面2層 8.5 GBのDVDに平均ビットレート8 Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録し、[[半導体レーザー|青紫色半導体レーザー]]を用いない3x DVD対応のDVDプレーヤーで再生可能にする事である。
 
結局、HD DVD9の製品化はなされなかった。
 
=== 不正コピー問題 ===
[[2006年]][[12月18日]]、Muslix64というクラッカーが著作権保護機構であるAACSで用いられているキーを取り出すことに成功、これによりHD DVDの映画などが暗号解除されて[[BitTorrent]]などのネットワークに流出するという事件がおきた。またHD DVDのバックアップツールである[[BackupHDDVD]]が公開され、原理的に2007年1月までのコンテンツは全てコピーが可能となった。これに対しAACSのライセンス管理団体である米AACS LAでは想定済み問題であり必要手段を講じるとしたため、今後発売されるコンテンツに関してはこの方法でコピーできなくなる。しかし限定的とはいえAACSが策定されて1年もかからずにコピーが可能となったことがハリウッドを代表とするコンテンツ供給側の方針などに影響を与えるとする懸念がある。また同じAACSを採用しているBlu-ray Discは著作権保護機構としてAACSの他に[[ROM Mark]]や[[BD+]]の実装があるのに対し、HD DVDは[[AACS]]のみであるために今回の問題による第3世代光ディスク規格競争に与える影響が指摘されている(ただしBD+搭載コンテンツは2007年3月からの出荷であったため、2007年1月までのBDコンテンツはHD DVD同様不正コピーされている)<ref>[http://www.nytimes.com/2007/01/01/technology/01hack.html?ex=1325307600&en=38ddb2918d77f8a4&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss Studios’ DVDs Face a Crack in Security]、The New York Times、[[2007年]][[1月1日]]</ref><ref>「離陸の矢先に 次世代光ディスク不正複製、災い転じて福になるのか」、日経エレクトロニクス、[[2007年]][[2月12日]]号、30-31頁(日経BP、2007年[[2月12日]]発行)</ref>。
 
== BDとの比較 ==
=== 構造 ===
HD DVDが読み取りに用いるレーザーはBDも同じく405 nmの青紫色レーザーである{{Sfn|北川|2003|p=69}}。HD DVDはDVDと同様に記録面から0.6 mmの深さに記録層がある{{Sfn|北川|2003|p=70}}(BDは0.1 mmの深さに記録層がある{{Sfn|北川|2003|p=69}})ことから、DVDとHD DVDの片面2層ツインフォーマットディスクはDVDとBDのツインフォーマットディスクより製造が容易であった。このためHD DVD陣営においては「DVDからHD DVDへの橋渡し的役割を果たす」としてコンテンツホルダーに対して採用を呼びかけていた。しかしDVD層を不要と感じる一部の消費者{{誰|date=2021-10-06}}は無駄なコストを払うことに抵抗を持っており、賛否両論があった。
 
=== 容量 ===
一般的なDVDと同じ12 cmディスクにおいてHD DVDは片面1層 15 GB、2層 30 GBである{{Sfn|北川|2003|p=70}}。対するBDは片面1層 25 GB、2層 50 GBである{{Sfn|北川|2003|p=69}}。
 
映画スタジオ各社は当初30 GBで十分な容量があると感じ、2層HD DVDの30 GBと1層BDの25 GBをターゲットにコンテンツを制作していた。しかしBD陣営はDVDとの差別化を図るためBDに豊富な特典コンテンツを収録するようになり、また画質の要求も高まって映像ビットレートを高く取るようになったため2層 50 GBをフルに活用し始めた。
 
録画メディアとしても容量の差が大きな要因となっていた。BSデジタルハイビジョン放送の最大24 Mbpsで換算し片面1層HD DVD-R (15 GB) の収録可能時間は75分、片面1層BD-R/RE (25 GB) は130分と表示されている。地上デジタルハイビジョン放送(最大17 Mbps)ではより長時間の記録が可能であるものの115分と表示され、2時間を切る短さであった。
 
保護層と記録層を取り違えて「BDは記録層が0.1 mmでディスク厚が1.2 mmなので多層化が可能になり、理論上12層まで可能」「HD DVDは記録層が0.6 mmでディスク厚が1.2 mmなので、理論上2層までしか実現できない」といった誤った情報が流布することもあった<ref>[http://ascii.jp/elem/000/000/013/13771/#anker02 Blu-ray Disc]、Ascii.jp</ref><ref>[http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0802/21/news110.html デジモノ家電を読み解くキーワード:「次世代DVD統一」――なぜHD DVDは敗れたか]、ITmedia LifeStyle</ref>。
 
=== コスト ===
記録メディアおよびROMの製造においてHD DVDはDVDの製造機器を一部流用することが可能でありコスト面で有利{{Sfn|北川|2003|pp=70, 72}}と言われてきたが、一定の流通量が見込まれるようになった無機型BDメディアの方が結果的に低コストとなった。またBDにおいても有機素材を用いることでDVD等の設備を流用出来る技術が開発された事から、有機素材を用いたBD-R LTHメディアの発売を国内外の各社が発表し、2008年2月下旬から発売した。これによりさらなるBDの低価格化が進んだ。
 
また、ROM規格のディスク製造コストでもBDは不利と言われてきた{{Sfn|北川|2003|pp=72-73}}が、松下電器産業が試験製造ラインを[[ハリウッド]]に建設するなどして映画スタジオ各社にコストの不安を払拭するよう努めたことがBD支持の拡大につながった。
 
{{要出典範囲|ビデオやインターネットの普及の牽引役となってきた[[アダルトビデオ]]業界|date=2011年12月}}においても当初はHD DVDのほうが低コストであったことで多くのAVメーカーがHD DVDを支持してきたが、BDとHD DVDとのコスト逆転現象や業界内のBD支持の拡大によりAVメーカーも殆どがBD支持に転向してしまい、HD DVD陣営は孤立無援の状態へと陥った。
 
=== ビデオ規格 ===
HD DVDでは[[HDi]](旧:iHD)と呼ばれるインタラクティブ機能が採用されている。XML、CSS、SMIL、ECMAScriptなどの技術が使われている。当初マイクロソフトが中心となっており、BDでもiHDを採用する提案がなされていたが見送られた。BDでは[[Java]]を基礎技術とするBlu-ray Java ([[BD-J]]) の採用によりインタラクティブ機能をサポートしている。
 
著作権保護機構は、HD DVDとBDの両方で[[AACS]]と呼ばれる[[コピープロテクト]]機能が採用されている。BDではこれに加え、AACSが無効化されたことを検知して再生を停止することの出来る[[BD+]]が採用されている。
 
== 沿革 ==
{{Main2|BDとの規格戦争|高解像度光ディスク規格戦争#沿革}}
=== ハードウェアの歴史 ===
* 2006年
** [[3月31日]]:日本国内でHD DVD再生専用機「HD-XA1」が東芝より発売された(HD DVD-Rや[[CPRM]]対応DVD-RAM・DVD-RWの再生には非対応)。当初は2005年内にHD DVDプレーヤーを発売する予定としていたが同年9月に米国の映画産業の意向により米国内での発売を翌年春に延期すると発表し、同年12月には著作権保護規格・AACSのライセンスの発行が遅れているとして日本国内での発売も年明けへ延期していた。
** 5月:東芝の[[Qosmio]]G30/697HSを皮切りに、HD DVD-ROMドライブ搭載PCが数社から発売された。HD DVD-ROMドライブはDVDスーパーマルチドライブも兼ねている。再生専用規格に対応したドライブの発売はBDよりも1ヶ月先行したものの、記録型ドライブの投入はBDの方が早かった。このためHD DVD陣営のNECも2006年秋発売の機種でBDドライブを採用する結果を招いた。
** [[7月14日]]:東芝が録画再生機の「RD-A1」を発売する予定だったが、生産が遅れているとして[[7月28日]]発売に延期となった。記録メディアはHD DVD-Rのみ対応。フロントパネルに「VARDIA」のロゴが入っているほか、デジタルとアナログのチューナーを1つずつ搭載していた。
** [[10月10日]]:NECエレクトロニクス株式会社がBD、HD DVD両規格の記録と再生に対応し読み込みや書き込みが技術的には可能になるドライブ向けシステム[[LSI]]セットのサンプル出荷を開始。
** [[11月22日]]:マイクロソフトよりXbox 360用HD DVD-ROMドライブ「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」が20,790円(税込)で発売。Xbox 360との組み合わせでHD DVDプレーヤーとして機能する。既にXbox 360を購入済みのHDTVユーザーには当時のHD DVDプレーヤーに替わる魅力的で安価なHD DVD導入の選択肢であった。発売当初のXbox 360は[[HDMI]]に対応していなかったためデジタル転送ができなかったが、2007年以降に市場で出回ったHDMI端子搭載のXbox 360ではデジタル転送が可能。
** 12月下旬
*** 世界初のPC用内蔵ファイルベイ用HD DVD-ROMドライブ「HDV-ROM2.4FB」が[[バッファロー (パソコン周辺機器)|バッファロー]]より37,000円で発売された。HD DVD-ROM 2層/HD DVD-R 1層/[[コンパクトディスク|CD]]・DVDの各種メディアの再生に対応した。
*** 東芝より新型プレーヤー「HD-XA2」が11万円前後(翌年1月下旬に延期)、「HD-XF2」が5万円前後で発売。再生メディアやCPRM未対応等は既存のプレーヤーと同等であったが、ローディング時間の短縮や上位バージョンの「HD-XA2」でのHDMI Ver.1.3相当に対応等の機能向上がみられた。また、NECエレクトロニクスは[[12月27日]]に東芝と協力して開発していたHD DVDレコーダー/プレーヤー用システムLSI「EMMA3」のサンプル出荷を開始した。CPU/映像デコーダー/エンコーダー/音声デコーダー/ストリーム処理/グラフィックスエンジン/ビデオスケーラーの第3世代光ディスク向け機能を1チップにしたLSIであり今回はHD DVDに特化した物で「HD-XA2」と「HD-XF2」に採用されているが、BDにも対応可能なため先に開発されていたドライブ向けシステムLSIと同じくコスト削減と両対応の用途への使用も可能であった。
* 2007年
** [[6月12日]]:東芝は新型HD DVD/HDDレコーダー「RD-A600」600 GB HDDと「RD-A300」300 GB HDDの2機種を6月末に発売と発表した。同年2月に発売したDVDレコーダーを改良しHD DVDの録画再生機能を搭載した物だが、HD DVD-RWには非対応。月産1万台で第3世代レコーダーのシェア7割を目標にしており、国内の販売目標はHD DVD製品総計で30-40万台としていた。
** [[12月17日]]:東芝は[[12月21日]]に世界初のHD DVD-RW対応ドライブ(HD Recにも対応)を搭載したノート型パソコンを発売すると発表<ref>[http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071217/toshiba.htm 東芝、世界初のHD DVD-RWドライブ搭載ノートPC「Qosmio」]、AV watch、2007年[[12月17日]]</ref>。
* 2008年
** [[1月14日]]:東芝は2007年9月以降北米で発売した「HD-A3」、「HD-A30」、「HD-A35」の3機種の価格を同13日より最大で半額に値下げしたことを発表した。値下げの理由として、年末に実施していた期間限定割引プロモーションでの販売が好調だったためとしている。同時に、ユーザーに対しHD DVDプレイヤーの操作方法やHD DVDプロモーション情報などを電話で提供する「HD DVD Concierge」サービスを1月よりスタートすることも明らかにした。
** [[2月16日]]:東芝がHD DVD機器すべての生産中止を決定した(販売は継続)とNHKが報道<ref name="nhk" />。
** 2月19日:東芝がHD DVDレコーダ/プレーヤの開発、生産を直ちに停止し3月末をめどにHD DVD関連事業から撤退すると発表<ref name="tettai" />。
** [[9月17日]]:3層 51 GBのHD DVD-ROMのファイルシステム仕様バージョン2.0がDVDフォーラム 第43回 Steering Committee Meetingで承認された。
* [[2016年]][[2月29日]]:東芝HD DVD製品の修理受付を3月31日をもって終了することが発表<ref>[https://www.toshiba.co.jp/regza/bd_dvd/news/20160229.html 「HD DVDレコーダー及びHD DVDプレーヤーの修理受付終了について」]</ref>。
 
=== 参入企業の変遷 ===
* 2004年[[12月22日]]: - HD DVDのコンテンツや商品開発の促進や普及を目的とした、HD DVDプロモーショングループが[[メモリーテック]]、日本電気、[[三洋電機]]、東芝の4社が中心に設立<ref>[httphttps://av.watch.impress.co.jp/docs/20041222/hddvd.htm HD DVDプロモーショングループが22日に発足-東芝EMI、マクセル、バンダイビジュアルなどが参加(AV watch 2004年12月22日)]</ref>。商業的推進を同団体が行い、規格策定は別団体であるDVDフォーラムが行った。
* 2005年
** [[トムソン (企業)|トムソン]]が参入を、[[ユニヴァーサル映画|ユニヴァーサル・ピクチャーズ]]、[[ニューライン・シネマ]]がまたコンピュータ業界をリードしてきた[[マイクロソフト]]と[[インテル]](通称・[[Wintel|ウィンテル連合]])も支持を表明し[[Microsoft Windows Vista|Windows Vista]]と[[Xbox 360]](外付けユニット)で標準対応すると表明するとBDとの第3世代光ディスク規格をめぐる争いは激化の一途をたどった(同じく家庭用ゲーム機の[[PlayStation 3]]はBDを採用)。その争いはかつての[[ベータマックス]]と[[VHS]]による[[ビデオ戦争]]以上といわれた
** 10月: - HD DVD陣営の[[パラマウント映画]]、[[ハリウッド]]最大手でHD DVD陣営の中核企業である[[ワーナー・ブラザース]]グループがBD陣営にも参加することを表明。これでHD DVDのみを支持するハリウッド企業はユニヴァーサル・ピクチャーズのみとなり、ハリウッド映画ソフトの売上シェアの約8割がBDを支持することになった。
** 12月: - BDのみへの支持を表明していた[[ヒューレット・パッカード]] (HP) が両規格を支持することを発表した。マイクロソフトに配慮したものとみられている。
* 2006年[[4月3日]]: - NECの光ドライブ事業がソニーとの合弁となり[[ソニーNECオプティアーク]]株式会社が設立される。事実上策定主導企業であるNECの離脱。
* 2007年[[8月20日]]: - ヴァイアコム傘下の[[パラマウント映画]]・[[ドリームワークス]]等はコンテンツをHD DVDに独占供給すると発表、契約開始から18ヶ月間HD DVDのみでの発売となるとした。ただし、[[スティーヴン・スピルバーグ]]が監督した作品に関しては対象外となっていた<ref>[http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?ichiran=True&n=AS2M2401I%2024072007&Page=3 ドリームワークス、パラマウントから離脱か・米メディア]、NIKKEI NET、[[2007年]][[7月25日]]</ref>。ヴァイアコムの決定にはHD DVD陣営からの1億5,000万ドルの見返りがあったためであると複数の米メディア<ref>[http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS2M2200L%2022082007 東芝、HD-DVD支持見返りに170億円・米紙報道]、NIKKEI NET、[[2007年]][[8月22日]]</ref>が伝えていた。
* 2008年
** [[1月4日]]: - 米DVD売り上げ1位のワーナーブラザーズがHD DVDへの供給を取りやめてBD1本に絞ると発表<ref>[httphttps://wwwav.watch.impress.co.jp/av/docs/20080105/warner.htm WarnerがBlu-rayに一本化。6月以降BDのみ発売-「消費者は明確にBDを選択した」]、Impress AV Watch、2008年[[1月5日]]</ref>。HD DVDへの供給は2008年5月まで続けるとしている。これによりHD DVD陣営の割合は2割ほどに落ち込み、規格争い終結のきっかけとなる。又、これに伴いニューライン・シネマは既にBDへの独占供給へと移行した<ref>[http://www.highdefdigest.com/news/show/New_Line/Industry_Trends/New_Line_Details_Transition_to_Blu-ray/1351 New Line Details Transition to Blu-ray]、High-Def Digest、2008年[[1月8日]](現地時間)</ref>。2008 International CES開催直前の発表だったため業界内への波紋は大きく、北米HD DVDプロモーショングループによるプレスカンファレンスは直前でキャンセル、また[[1月8日]]にはHD DVD単独支持を表明していたパラマウント映画をはじめ[[ポニーキャニオン]]など約20社がHD DVD陣営からの離脱を準備ないし検討しているとの報道もなされた<ref>[http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=azkgsNtXnG08&refer=jp_home 米パラマウント、次世代DVDで「HD DVD」支持撤回へ-FT紙]、Bloomberg、2008年[[1月8日]]</ref><ref>[http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/media/article3153038.ece Blu-Ray takes inside edge in war with HD-DVD]、TIMES ONLINE、2008年1月8日</ref>。
** [[2月11日]]: - 米量販店大手[[ベスト・バイ]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/12/news027.html |title=Best BuyもBlu-ray支持に |website=ITmedia NEWS |publisher=アイティメディア |date=2008-02-12 |access-date=2024-06-26}}</ref>と米[[オンラインDVDレンタル]]大手・[[Netflix]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/12/news031.html |title=レンタルビデオのNetflix、Blu-rayに一本化 |website=ITmedia NEWS |publisher=アイティメディア |date=2008-02-12 |access-date=2024-06-26}}</ref>が別々にBDを優先的に支持すると発表。
** [[2月15日]]: - 米小売り最大手にして米国内のDVDソフトの約4割の販売シェアを誇る[[ウォルマート|ウォルマート・ストアーズ]]が2008年[[5月]]末までにHD DVDソフトの店頭取扱を停止し、2008年[[6月]]以降はBD製品だけを扱うと発表<ref>[http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080216AT2M1600L16022008.html 新世代DVD、米でブルーレイの優位拡大・小売りが支持]、NIKKEI NET、2008年[[2月16日]]</ref>。米国内における大手小売りのHD DVD取扱停止によりますますBD一本化への流れが加速した。
** 2月19日: - HD DVD陣営の中心である東芝が全面的な撤退を発表<ref name="tettai"/>。規格争いが終結した。
** [[3月28日]]: - HD DVDプロモーショングループが解散<ref>[httphttps://av.watch.impress.co.jp/docs/20080328/hddvd.htm HD DVDプロモーショングループが28日に解散-3年3カ月の歴史に終止符 (AV watch 2008年3月28日)]</ref>。名実共に歴史に幕を下ろした<ref>[http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=NN003Y824%2028032008 「HD-DVD」名実とも幕、東芝陣営の団体が解散] IT PLUS、2008年[[3月29日]]</ref>。
 
=== 達成されなかった規格統一 ===
2005年[[4月21日]]の[[日本経済新聞]]朝刊には、東芝とソニーの間でHD DVD・BDの両者の長所を生かした規格を共同開発することで合意したと報道した。これにより第3世代光ディスクは一つに統一された規格となり、ユーザーやコンテンツ製作者のメリットは大きなものになることが期待された。しかしこの交渉は難航した末に中断された。以降は互いに譲歩することなく交渉が再開されないまま2005年8月末には両陣営共に『交渉は時間切れ』として自陣営規格の本格的な製品化へ動き出した。
 
家庭用[[オーディオ・ビジュアル|AV]]分野や[[ノートパソコン|ノートPC]]分野に強い東芝、DVDドライブシェア世界一でありPCや[[Moving Picture Experts Group|MPEG]]といったデバイスに強いNECの2社で規格争いの主導権を握ろうとしており、BD陣営と対立した。積極的に支持する企業はHD DVDの方が少なかったが、DVDフォーラムの権威を借りて業界標準にふさわしいフォーマットであると主張する構図となっていた。これによりベータマックス対VHS戦争の再来が不可避となり、2006年に規格争いが本格化。この顛末にユーザーは失望し、HD DVD陣営への反感と第3世代光ディスクの普及の遅れにつながった。
 
当初形勢がはっきりしなかったため2006年には両規格への対応を決めるメーカーが増え、趨勢が決まる前に両規格対応のドライブが主流となる可能性も考えられた。2007年のCESでは、[[大韓民国|韓国]]の[[LG電子]]からBDとHD DVD両方のディスクに対応できるプレーヤーの発売が発表された。すでにリコーやNECといった企業が両規格対応のための安価な部品開発に成功していたため他のメーカーからも両規格対応のプレーヤーが発売されることも予想されたが、片方のみのプレーヤーに比べて割高なため普及は進まなかった。ただしパソコン向けにはHD DVD-ROM再生およびBD-R/RE記録再生の両対応ドライブ(HD DVD-Rへの記録は非対応)が比較的普及した。
 
またワーナーからはHD DVDとBDを1枚のディスクの裏表に記録することでどちらのプレーヤーでも再生可能なTHD (''Total Hi Def'') ディスクが発表されたものの製造コストが極めて高く、第3世代光ディスクの規格争いは混迷を極めた。
 
ユニバーサルピクチャーズ・ホームエンターテイメント社長のクレイグ・コンブローは2006年はHD DVDプレーヤー、対応PC、Xbox 360向けHD DVDドライブなど北米市場全体で17万5000台のHD DVD機器が普及したと発表した。またユニバーサルスタジオの発言やHD DVDプロモーショナルグループのプレスリリース<ref>[http://www.hddvdprg.com/group/press/pdf/070613.pdf Consumers Drive Record Sales of HD DVD Players to Capture 60% of HD Set-Top Market]、North American HD DVD Promotional Group プレスリリース、2007年[[6月11日]](現地時間)</ref>では北米のアタッチレート(プレーヤーあたりのビデオタイトル販売数)が4:1でHD DVDがBDに比べ1台のハードに対するタイトル販売数が多いと発表されたが、アタッチレートが4:1となる根拠であるそれぞれのハードウェア販売数とタイトル販売数のデータは示されていない。
 
=== フォーマット戦争の終了 ===
HD DVDの記憶容量はBDの約6割でしかなく、過去のベータマックス対VHS戦争と同じように記憶容量で劣るHD DVDは苦戦を強いられるという向きが強かった。これを打開すべく東芝はHD DVDプレーヤの大幅値下げで対抗したが、逆に海外メーカーの参入尻込みやHD DVDソフトの売れ行き不振露呈を招いてしまった。
 
NECエレクトロニクスは「米国では、映画ソフトでHD DVDがBDの3倍売れている。」と発言していたが、2006年末時点でBDと拮抗した。また東芝の藤井美英執行役上席常務は2006年3月にBDとの規格争いに負けたらその時は土下座すると発言<ref>{{wayback|url=http://it.nikkei.co.jp/digital/special/disk.aspx?n=MMITea013031032006|title=「負けたら土下座する」東芝・次世代DVD発売会見|date=20060509105810}}、NIKKEI NET IT-PLUS、2006年3月31日</ref>、そして2006年度内100万台を販売目標とし「年末に売れてしまえばそこで決まる」と発言したが、同年末にHD DVDプレーヤーの年内販売台数が世界計で約10万台になるとの見通しを発表。その後2007年6月12日の東芝のHD DVDレコーダー発表会にて専用プレーヤーの生産台数累計が国内で1万台以下、北米で15万台であり、北米の専用プレーヤー累計シェアが6割であることが発表された。この発表会を睨んだとものと思われるキャンペーンでさらなる低価格とバンドル戦略(5本無料クーポンも別途継続)を行った結果、5月に一時的に専用プレーヤーの単月のシェアで7割程度になったことも発表。しかしこうした低価格戦略にもかかわらず、2006年末の発表時の北米の専用プレーヤー10万台から5万台しか上積みできなかった事から東芝は、2007年初めの北米プレーヤーの販売計画を180万台から下方修正し100万台とした。
 
2007年第1四半期のBDソフトのシェアはHD DVDの倍以上となり差を広げていった。同年の年末商戦でHD DVDの国内シェアは1割未満まで落ち込む。2008年[[1月]]頃にはドライブ開発メーカーはかつてのベータマックス対VHSの時のように勝ち馬に乗る形でBD規格に流れ、米大手映画会社のワーナー・ブラザースや[[スーパーマーケット]]チェーン大手のウォルマート等が相継いでBD支持を表明するなどBD支持の動きが広がり、HD DVD陣営は苦境に立たされた。
 
2008年[[2月16日]]には[[日本放送協会|NHK]]などでHD DVDを主唱する東芝が撤退を検討しており、同月中にも決定を発表する見込みと報じられた<ref name="nhk">[http://www3.nhk.or.jp/news/2008/02/17/d20080217000008.html 東芝 HD DVD撤退を決定へ]、NHKニュース、2008年[[2月17日]]</ref><ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080216/biz0802162101009-n1.htm 東芝がHD-DVD撤退へ 規格争いはBDの勝利]、MSN産経ニュース、2008年2月16日</ref>。そして2月19日、東芝はHD DVD事業についての記者会見を開催。東芝社長の[[西田厚聰]]は「'''HD DVD事業を終息する'''」と正式発表<ref>[http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_02/pr_j1903.htm HD DVD事業の終息について]、東芝プレスリリース、2008年2月19日</ref>し、「異なる規格が併存することによる自社事業への影響、消費者への影響の長期化をかんがみ、早期に姿勢を明確にすることが重要と判断した」と説明した。HD DVDレコーダーならびにプレーヤーの開発/生産を中止の上で出荷も縮小し同年[[3月]]末には事業を終息させる。PCやゲーム機向けのHD DVDドライブについても量産中止すると発表。出荷されたHD DVD関連製品についてはサポートを継続し、補修用部品は最低保有期間<ref>[http://www.eftc.or.jp/code/notation/03.html#01 3. 必要事項表示、1. カタログの表示 (製造業表示規約第5条)、(5)補修用性能部品の保有期間、家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約及び施行規則][[全国家庭電気製品公正取引協議会]]</ref><ref>[http://panasonic.co.jp/cs/kaden/hosho/index.html 補修用性能部品の最低保有期間] [[パナソニック|松下電器産業]]</ref>を満たす製造終了後8年間について保有しサポートするほか、HD DVDドライブを搭載した同社製ノートPCについては「今後の市場ニーズをふまえて、PC事業全体の中での位置づけを検討する」と発表<ref>[http://dynabook.com/pc/catalog/qosmio/080417f4/index_j.htm 2008年4月に発売された新製品]では早くもHD DVDドライブは搭載されなくなった</ref>、HD DVDドライブ搭載モデルの生産を打ち切った。HD DVD記録用メディアはメディアメーカーに継続した製造と販売を要請し調整を図るとした<ref>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080221/1007317/ 東芝VARDIAの“録画魂”は「HD DVD撤退」を乗り越えるか?] 日経トレンディネット</ref>。2002年のHD DVDの誕生から6年弱(製品化からは2年弱)で第3世代光ディスクの規格争いに終止符が打たれ、BDへの完全一本化が決定した<ref name="tettai">[http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080219/toshiba2.htm 東芝、HD DVD事業から撤退。3月末で終息に-DVDレコーダは継続も「BDの予定はない」]、ウォッチインプレス、2008年2月19日</ref>。
 
=== 東芝の撤退発表後の各業界の動き ===
* 2008年
** [[2月21日]]: - [[ヨドバシカメラ]]、[[エディオン|エディオングループ]]([[石丸電気]]・[[デオデオ]]・[[エイデン]]・[[ミドリ電化]]・[[100満ボルト]])はHD DVDレコーダー・プレーヤー販売の全面終了を発表<ref>[http://www.yodobashi.com/enjoy/more/contents/83205942.html 東芝HD DVDプレーヤー・レコーダー販売終了のお知らせ]、yodobashi.com、2008年2月21日</ref>。エディオングループの店舗では[[2月22日]]までに対象HD DVD製品を購入した人のうち、希望者に対してBlu-ray Disc対応機器(プレイステーション3対象外)との交換対応を3月31日まで実施した<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/20080221/edion.htm エディオン、HD DVD機器購入者にBDへの交換対応を実施]、AV watch、2008年2月21日</ref>。
** [[2月28日]]: - 東芝は新聞広告にてHD DVDレコーダーやHD DVDプレーヤーの製造販売終了を表明。
** [[4月3日]]: - [[日立マクセル]]は先に発表していた2倍速HD DVD・HD DVD-RWの発売中止を発表した。これに先立ち日立マクセルは記録型DVDメディアの自社生産を打ち切っているため、HD DVD-RWメディアを生産するメーカーは存在しなくなった。
** [[4月23日]]: - 東芝はHD DVD記録ディスクメディア・HD DVD-R、HD DVD-R DLを自社の[[インターネットショッピング]]サイト「Shop1048(ショップ トウシバ)」で販売すると発表<ref>[http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_04/pr_j2302.htm HD DVD記録ディスクの当社直販ウェブサイトにおける販売について]</ref>。
 
ソフトメーカー側の動きとしては規格争いの終結に伴い、各メーカーがBD参入を発表した。ユニバーサル映画の初参入やパラマウント映画の再参入の他、ワーナーやパラマウントはHD DVDのみで発売されていたタイトルのBlu-ray化も行った。日本のソフトメーカーは[[2009年]]に[[日活]]やショウゲートが[[ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (日本)|ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント]]に販売を委託する形でBlu-rayに参入し、松竹も同年秋に参入した。一方既発売HD DVDソフトの生産は中止され、以降に発売予定だったタイトルも発売中止や初回限定生産となることが多く見られた。
213 ⟶ 138行目:
既にHD DVDにムーブされたコピーワンスのデジタル放送コンテンツはBDなど他のメディアへの再ムーブが現状では出来ないため、ドライブの修理が出来なくなった時点で再生が困難となる。
 
なお終息宣言直後の2008年[[2月]]には東芝社長の西田が「BDへの参入予定はない」と明言していた<ref>[httphttps://plusdwww.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0802/19/news096.html 2008年2月19日LifeStyleより]</ref>が、2009年[[6月]]の[[株主総会]]の席では「[[SDメモリーカード]]の将来的な規格開発においてBD陣営との協力が重要になる」<ref>[httphttps://plusdwww.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0906/25/news088.html 東芝、Blu-ray Discの事業化を検討]</ref>としてBD参入に含みを持たせる表現に変わった。
 
東芝は2009年[[7月18日]]に、現行DVD機に加えて新たにBD再生専用機の年内の発売を発表。再生専用機を先行発売する理由は、海外でテレビ番組の[[インターネット]]配信が進んでおり、日本で主流の録画再生機の需要増大が見込めないためとしていた。しかし後に需要状況を鑑みてBDレコーダーも発売した。当初はOEM供給だったが、[[2010年]]に[[レグザ|レグザブルーレイ]]を自社開発し発売している。
 
== 支持企業一覧 ==
HD DVDの販売促進目的で2004年12月22日にメモリーテック、日本電気、三洋電機、東芝の4社が中心となり'''HD DVDプロモーショングループ'''には、解散の時点で一般会員・準会員合計で135社が加盟していた<ref name=":1">{{Wayback |url=http://www.hddvdprg.com/jpngroup/indexabout/member.html |title=HD DVDプロモーショングループ日本語サイ会員リスト|date=2008030220495120080214140540}}</ref>が設立された。その後[[北アメリカ|北米]]や[[ヨーロッパ|欧州]]へ展開されたものの、2008年2月19日に東芝がHD DVDから完全撤退することを発表したため同年3月28日解散
 
解散の時点で一般会員・準会員合計で135社が加盟していた<ref name=":1">{{Wayback |url=http://www.hddvdprg.com/group/about/member.html |title=HD DVDプロモーショングループ会員リスト|date=20080214140540}}</ref>。
 
以下の支持企業リストは東芝の撤退が決まる前のもの。'''太字'''はHD DVDの幹事企業<ref name=":1"/>。※印は[[Blu-ray Disc Association]](BDA)にも参入を表明している企業<ref>[http://www.blu-raydisc.com/general_information/Section-14009/Index.html Blu-ray Disc Association - Supporting Companies]</ref>。
252 ⟶ 175行目:
 
== 発売された製品 ==
{{See also|光学ドライブ#HD DVDドライブ}}
以下に記載するのは2008年2月19日までに発売された代表的な製品である。全機種とも東芝の撤退により生産完了している。
 
何れも3波長化しておりCDやDVDも使用可。
 
=== ハードウェアの歴史 ===
* 2006年
** [[3月31日]] - 日本国内でHD DVD再生専用機「HD-XA1」が東芝より発売された(HD DVD-Rや[[CPRM]]対応DVD-RAM・DVD-RWの再生には非対応)。当初は2005年内にHD DVDプレーヤーを発売する予定としていたが同年9月に米国の[[映画産業]]の意向により米国内での発売を翌年春に延期すると発表し、同年12月には著作権保護規格・AACSのライセンスの発行が遅れているとして日本国内での発売も年明けへ延期していた。
** [[7月14日]] - 東芝が録画再生機の「RD-A1」を発売する予定だったが、生産が遅れているとして[[7月28日]]発売に延期となった。記録メディアはHD DVD-Rのみ対応。フロントパネルに「VARDIA」のロゴが入っているほか、デジタルとアナログのチューナーを1つずつ搭載していた。
** [[11月22日]] - マイクロソフトよりXbox 360用HD DVD-ROMドライブ「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」が20,790円(税込)で発売。Xbox 360との組み合わせでHD DVDプレーヤーとして機能する。既にXbox 360を購入済みのHDTVユーザーには当時のHD DVDプレーヤーに替わる魅力的で安価なHD DVD導入の選択肢であった。発売当初のXbox 360は[[HDMI]]に対応していなかったためデジタル転送ができなかったが、2007年以降に市場で出回ったHDMI端子搭載のXbox 360ではデジタル転送が可能。
** 12月下旬
*** 東芝より新型プレーヤー「HD-XA2」が11万円前後(翌年1月下旬に延期)、「HD-XF2」が5万円前後で発売。再生メディアやCPRM未対応等は既存のプレーヤーと同等であったが、ローディング時間の短縮や上位バージョンの「HD-XA2」でのHDMI Ver.1.3相当に対応等の機能向上がみられた。また、NECエレクトロニクスは[[12月27日]]に東芝と協力して開発していたHD DVDレコーダー/プレーヤー用システムLSI「EMMA3」のサンプル出荷を開始した。CPU/映像デコーダー/エンコーダー/音声デコーダー/ストリーム処理/グラフィックスエンジン/ビデオスケーラーの第3世代光ディスク向け機能を1チップにしたLSIであり今回はHD DVDに特化した物で「HD-XA2」と「HD-XF2」に採用されているが、BDにも対応可能なため先に開発されていたドライブ向けシステムLSIと同じくコスト削減と両対応の用途への使用も可能であった。
* 2007年
** [[6月12日]] - 東芝は新型HD DVD/HDDレコーダー「RD-A600」600 GB HDDと「RD-A300」300 GB HDDの2機種を6月末に発売と発表した。同年2月に発売したDVDレコーダーを改良しHD DVDの録画再生機能を搭載した物だが、HD DVD-RWには非対応。月産1万台で第3世代レコーダーのシェア7割を目標にしており、国内の販売目標はHD DVD製品総計で30-40万台としていた。
* 2008年
** [[1月14日]] - 東芝は2007年9月以降北米で発売した「HD-A3」、「HD-A30」、「HD-A35」の3機種の価格を同13日より最大で半額に値下げしたことを発表した。値下げの理由として、年末に実施していた期間限定割引プロモーションでの販売が好調だったためとしている。同時に、ユーザーに対しHD DVDプレイヤーの操作方法やHD DVDプロモーション情報などを電話で提供する「HD DVD Concierge」サービスを1月よりスタートすることも明らかにした。
** [[2月16日]] - 東芝がHD DVD機器すべての生産中止を決定した(販売は継続)とNHKが報道<ref name="nhk">[http://www3.nhk.or.jp/news/2008/02/17/d20080217000008.html 東芝 HD DVD撤退を決定へ]、NHKニュース、2008年[[2月17日]]</ref>。
** 2月19日 - 東芝がHD DVDレコーダ/プレーヤの開発、生産を直ちに停止し3月末をめどにHD DVD関連事業から撤退すると発表<ref name="tettai">[https://av.watch.impress.co.jp/docs/20080219/toshiba2.htm 東芝、HD DVD事業から撤退。3月末で終息に-DVDレコーダは継続も「BDの予定はない」]、ウォッチインプレス、2008年2月19日</ref>。
** [[9月17日]] - 3層 51 GBのHD DVD-ROMのファイルシステム仕様バージョン2.0がDVDフォーラム 第43回 Steering Committee Meetingで承認された。
* [[2016年]][[2月29日]] - 東芝HD DVD製品の修理受付を3月31日をもって終了することが発表<ref>[https://www.toshiba.co.jp/regza/bd_dvd/news/20160229.html 「HD DVDレコーダー及びHD DVDプレーヤーの修理受付終了について」]</ref>。
 
=== HD DVDレコーダー ===
308 ⟶ 248行目:
 
プレーヤーは日本市場で約1万台、海外を含めて約70万台が販売。
 
=== PC用HD DVDドライブ ===
[[ファイル:Blu-ray HD DVD.JPG|thumb|HD DVD/BD両規格対応ドライブ]]
; 東芝
:* SD-H802A
:* TS-L802A(初のノートPC搭載用薄型HD DVD再生ドライブ<ref>{{Cite press|url=http://www.tsstorage.com/tsst/info/ts-l802aj.html |title=世界初のノートPC搭載用薄型HD DVD再生ドライブの発売について |publisher=東芝サムスン ストレージ・テクノロジー株式会社 |accessdate=2009-11-03 |deadlinkdate=2021-10-14 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130322090039/http://www.tsstorage.com:80/tsst/info/ts-l802aj.html |archivedate=2013-03-22}}</ref>)
:* SD-L902A(初のノートPC搭載用薄型HD DVD記録ドライブ<ref>{{Cite press|url=https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2006/10/pr0201.html |title=世界初のノートPC搭載用薄型HD DVD記録ドライブの発売について |publisher=株式会社東芝 |accessdate=2009-11-03}}</ref>)
:* SD-H903A(初のデスクトップPC搭載用HD DVD記録ドライブ<ref>{{Cite press|url=https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2007/01/pr0501.html |title=世界初のデスクトップPC搭載用HD DVD記録ドライブの発売について |publisher=株式会社東芝 |accessdate=2009-11-03}}</ref>)
:* SD-L912A(初のノートPC搭載用薄型HD DVD-RW記録ドライブ<ref>{{Cite press|url=https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2007/06/pr0402.html |title=世界初(*1)のノートPC搭載用薄型HD DVD-RW記録ドライブの発売について |publisher=株式会社東芝 |accessdate=2009-11-03}}</ref>)
; LG
:* GGC-H20N(HD DVD/BD両対応再生ドライブ<ref>{{Cite web|url=http://jp.lge.com/prodmodeldetail.do?actType=search&page=1&modelCategoryId=030204&categoryId=030204&parentId=0302&modelCodeDisplay=GGC-H20N&model=NOTHING |title=LG Japan :: GGC-H20N, GGC-H20N |accessdate=2021-10-14 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20080602151737/http://jp.lge.com/prodmodeldetail.do?actType=search&page=1&modelCategoryId=030204&categoryId=030204&parentId=0302&modelCodeDisplay=GGC-H20N&model=NOTHING |archivedate=2008-06-02}}</ref>)
:* GGW-H20N<ref>{{Cite web|url=https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_659.php |title=GGW-H20N|LG|株式会社aiuto PCパーツ・周辺機器 総合代理店 |publisher=株式会社アユート |accessdate=2021-10-14}}</ref>(GGC-H20NにBD-R/REへの記録を可能にしたもの)
; BUFFALO
:* HDV-ROM2.4FB(SD-H802AのOEM製品<ref>{{Cite web|url=http://buffalo.jp/products/catalog/storage/hdv-rom2.4fb/ |title=内蔵ファイルベイ用 HD DVDドライブ {{!}} HDV-ROM2.4FB |accessdate=2009-11-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070127222530/http://buffalo.jp/products/catalog/storage/hdv-rom2.4fb/ |archivedate=2007-01-27}}</ref>)
:* BHC-6316FBS-BK(GGC-H20NのOEM製品<ref>{{Cite web|url=http://buffalo.jp/products/catalog/storage/bhc-6316fbs/ |title=BD-ROM・HD DVD-ROM対応 SATA用 内蔵ブルーレイ&HD DVDドライブ {{!}} BHC-6316FBS-BK |accessdate=2009-11-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070906233007/http://buffalo.jp/products/catalog/storage/bhc-6316fbs/ |archivedate=2007-09-06}}</ref>)
:* BHC-6316U2<ref>{{Cite web|url=http://buffalo.jp/products/catalog/storage/bhc-6316u2/ |title=BHC-6316U2 BD-ROM・HD DVD-ROM対応 USB2.0用 外付けブルーレイ&HD DVDドライブ : 外付けブルーレイドライブ {{!}} バッファロー |accessdate=2009-11-03 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070907111055/http://buffalo.jp/products/catalog/storage/bhc-6316u2/ |archivedate=2007-09-07}}</ref>(BHC-6316FBS-BKの外付けモデル)
:* BRHC-6316FBS-BK(GGW-H20NのOEM製品<ref>{{Cite web|url=http://buffalo.jp/products/catalog/storage/brhc-6316fbs/ |title=BD-R/RE・HD DVD-ROM対応 SATA用 内蔵ブルーレイ&HD DVDドライブ {{!}} BRHC-6316FBS-BK |accessdate=2021-10-14 |archivedate=2007-10-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20071011203129/http://buffalo.jp/products/catalog/storage/brhc-6316fbs/}}</ref>)
:* BRHC-6316U2<ref>{{Cite web|url=http://buffalo.jp/products/catalog/storage/brhc-6316u2/ |title=BD-R/RE・HD DVD-ROM対応 TurboUSB機能搭載 USB2.0用 外付けブルーレイ&HD DVDドライブ {{!}} BRHC-6316U2 |accessdate=2021-10-14 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070907111321/http://buffalo.jp/products/catalog/storage/brhc-6316u2/ |archivedate=2007-09-07}}</ref>(BRHC-6316FBS-BKの外付けモデル)
; アイ・オー・データ
:* BRD-SH6B<ref name="jp.iodate/brd-h6">{{Cite web|url=https://www.iodata.jp/product/storage/blu-ray/brd-h6/ |title=BRD-H6シリーズ {{!}} ポータブルブルーレイドライブ {{!}} IODATA アイ・オー・データ機器 |accessdate=2009-11-03}}</ref>(GGW-H20NのOEM製品)
:* BRD-UXH6{{R|jp.iodate/brd-h6}}(BRD-SH6Bの外付けモデル)
 
PC用ドライブは日本で約2万台、海外を含め約30万台が販売。
 
=== ゲーム機 ===
[[File:Xbox 360 HD-DVD Drive.png|thumb|Xbox 360用HD DVDプレーヤー]]
[[マイクロソフト]]が発売しているゲーム機である[[Xbox 360]]は、別売のHD DVDプレーヤーを接続する事によりHD DVDを再生する事ができた。このプレーヤーは[[Microsoft Windows XP|Windows XP]] SP2以降のPC(但しすべてのPCで動作するわけではない)に接続すればHD DVDドライブとして使用可能であった<ref>[httphttps://av.watch.impress.co.jp/docs/20061121/xbox.htm Xbox 360 HD DVDプレーヤーはPCで利用可能か? WinDVD 8 HDでテスト。3万円弱のHD DVDソリューション](AV Watch 2006年11月21日観覧)</ref>。
 
== 不正コピー問題 ==
[[2006年]][[12月18日]]、Muslix64というクラッカーが著作権保護機構であるAACSで用いられているキーを取り出すことに成功、これによりHD DVDの映画などが暗号解除されて[[BitTorrent]]などのネットワークに流出するという事件がおきた。またHD DVDのバックアップツールである[[BackupHDDVD]]が公開され、原理的に2007年1月までのコンテンツは全てコピーが可能となった。これに対しAACSのライセンス管理団体である米AACS LAでは想定済み問題であり必要手段を講じるとしたため、今後発売されるコンテンツに関してはこの方法でコピーできなくなる。しかし限定的とはいえAACSが策定されて1年もかからずにコピーが可能となったことがハリウッドを代表とするコンテンツ供給側の方針などに影響を与えるとする懸念がある。また同じAACSを採用しているBlu-ray Discは著作権保護機構としてAACSの他に[[ROM Mark]]や[[BD+]]の実装があるのに対し、HD DVDは[[AACS]]のみであるために今回の問題による第3世代光ディスク規格競争に与える影響が指摘されている(ただしBD+搭載コンテンツは2007年3月からの出荷であったため、2007年1月までのBDコンテンツはHD DVD同様不正コピーされている)<ref>[http://www.nytimes.com/2007/01/01/technology/01hack.html?ex=1325307600&en=38ddb2918d77f8a4&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss Studios’ DVDs Face a Crack in Security]、The New York Times、[[2007年]][[1月1日]]</ref><ref>「離陸の矢先に 次世代光ディスク不正複製、災い転じて福になるのか」、日経エレクトロニクス、[[2007年]][[2月12日]]号、30-31頁(日経BP、2007年[[2月12日]]発行)</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|30em}}
 
== 参考文献 ==
*{{Cite magazine|和書|magazine=[[DOS/V POWER REPORT]] |volume=13 |issue=9 |year=2003 |month=9 |lastauthor=北川 |first=達也 |title=Blu-ray Disc vs. AOD最前線レポート |pages=69-74 |ref=harv}}
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|HD-DVD}}
{{Wikinews|東芝がHD DVDから撤退へ}}
* [[第3世代光ディスク]]
* [[Blu-ray Disc]]
* [[映像機器]]
* [[CBHD]] - 中国が開発した、物理規格や再生機器設計などの技術の一部を流用した光ディスク
* [[HDMI]](High-Definition Multimedia Interface)
 
* [[Advanced Access Content System]](AACS)
* [[トムソン (企業)]]
* [[ユニバーサル映画]](ユニヴァーサル・ピクチャーズ)
* [[ニューライン・シネマ]]
* [[マイクロソフト]]
** [[Microsoft Windows Vista]]
** [[Xbox 360]](外付けユニット対応)
* [[ウィンテル連合]]
* [[東芝]]
* [[日本電気]]
* [[日立マクセル]]
* [[三菱化学メディア]]
* [[三洋電機]]
* [[BackupHDDVD]]
* [[規格争い]] - [[ビデオ戦争]]
<!--
== 外部リンク ==
* [{{Wayback|url=http://www.hddvdprg.com/jpn/index.html |title=HD DVDプロモーショングループ] {{ja icon|date=20070414213651}}
* [{{Wayback|url=http://www.thelookandsoundofperfecthddvd-toshiba.comjp/hdd-dvd/products/hddvd/index_j.html 北米|title=東芝HD DVD プロモーショングループ] {{enサイト icon|date=20090714045538}}
 
* [http://www.hddvd-toshiba.jp/hdd-dvd/products/hddvd/index_j.html 東芝HD DVD プロモーションサイト] {{ja icon}}
-->
{{Tech-stub}}
{{光ディスク}}