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{{Pathnav|救急車|日本の救急医療|frame=1}}
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'''[[日本]]における[[救急車]]'''(にほんにおけるきゅうきゅうしゃ)
現在は高規格準拠の3車種([[トヨタ・ハイメディック]]、[[日産・パラメディック]]、[[札幌ボデー・トライハート]])が「高規格[[wikt:準拠|準拠]]救急自動車」または「高規格準拠救急車」として販売されている<ref group="注釈">ベルリングのC-CABINは独自の新基準として外国製電動ストレッチャーを標準装備する仕様となっており、非防振の専用スライド式「電動ストレッチャー専用充電架台」を装備するため、従来型ストレッチャー用の防振架台は装備できない(電動ストレッチャーの収容と充電が出
{{-}}
== 概要 ==
日本の救急車は以下の6つに大別され、所属している組織によって、配備の目的や車内の装備、管轄省庁などが異なる。
# [[地方公共団体]]([[日本の消防|消防]])が所有するもの
# [[病院]]などの[[医療機関]]が所有するもの
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*[[1997年]](平成9年)
**7月 - [[三菱ふそう]]が日本の自動車メーカーとして4番目となる高規格救急車ディアメディックを発表。
*[[2021年]]([[令和]]3年) - 2020年11月に消防メーカーの[[DMM.com|DMM]]子会社ベルリングが救急車「C-CABIN」のコンセプトカーを発表。2021年に独自の新基準と銘打った救急車「C-CABIN」を発売<ref group="注釈">ベルリングのC-CABINは独自の新基準として外国製電動ストレッチャーを標準装備する仕様となっており、非防振の専用スライド式「電動ストレッチャー充電架台」を装備するため防振架台を装備できない。この部分が高規格救急車標準仕様の要件に適合しないことから種別が2B型救急車(準高規格救急車)となる。そのため、ベルリングのHP上で「高規格準拠救急車」の記載はしておらず、救急車の新基準「C-CABIN」として発表・表示されている。災害対応特殊救急自動車の要件には適合しているため、2021年から地方自治体の災害対応特殊救急自動車入札にベルリングがC-CABINで参加している。なお、2022年から一部の地方自治体や病院にC-CABINの納入を開始している。</ref>
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TMPD Ambulance.JPG|[[ダッジ|ダッジ・ブラザーズ製<br>救急車]]<br>([[1930年代]])
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== 搭載されている主な医療用資器材 ==
[[ファイル:
[[ファイル:Sapporo Fire Bureau Ambulance Toyota Himedic cold district specification interior.jpg|サムネイル|高規格救急車の医療資材]]
=== 高規格救急車 ===
*観察用資器材 - [[聴診器]]、[[血圧計]](自動式・タイコス式)、検眼用[[ペンライト]]、患者監視装置([[心電図]]・脈波・[[血圧]]・血中[[酸素飽和度]])等。傷病者の[[バイタルサイン]]などを測定するために使用する。
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=== 大型救急自動車 ===
[[ファイル:Dr-Car 1.jpg|thumb|
: [[マイクロバス]]をベースにした車両で、[[日産・シビリアン]]や[[トヨタ・コースター]]がベース車両として主に使われている。
: 用途別の[[特装車|架装]]タイプは、以下の4種類がある。
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:現在では、[[トーハツ]]製のダイハツ・ハイゼットをベースに架装した軽救急自動車<ref>{{Cite web |title=軽4WD救急自動車|特殊車両|消防・特殊車両|トーハツ株式会社 |url=https://www.tohatsu.com/ffdp/jp/ |website=トーハツ株式会社 |access-date=2024-07-27 |language=ja}}</ref>や、[[赤尾]]製のスズキ・エブリイに架装した軽救急自動車<ref>{{Cite web |title=赤尾軽救急 {{!}} 株式会社赤尾|消防・防災用品の専門商社 |url=https://akao-co.com/products/2385/ |access-date=2024-07-27 |language=ja |first=Livemasters |last=Inc}}</ref>が主となっている。
; その他特殊な車両▼
[[ファイル:Matsudo Fire Department Fire Fighting Ambulance.JPG|thumb|190px|right|消救車<br>([[松戸市消防局]])]]▼
'''消救車(しょうきゅうしゃ、正式名称:消防救急自動車)'''は、それまで別々に出動していた消防自動車と救急自動車の両方の機能を持つ車を配備することに目指して開発された車である。
*他に通常の消防車を用いるケースとして、救急出場時に救急現場に近い消防署・出張所から[[消防車]]を同時に出場させ、救命処置や救急隊の活動支援等に当たらせる、いわゆる「PA連携」<ref group="注釈">'''P'''ump(ポンプ車) and '''A'''mbulance(救急車)の意。</ref> と呼ばれる出場がある。一時、[[愛媛県]]と[[高知県]]の[[公安委員会]]が「消防車の本務は消防活動でありPA連携は目的外使用。道交法違反の疑い」などと指摘<ref>[http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111031k0000e040076000c.html PA連携:ポンプ車の救命出動 一部公安委が「待った」]{{リンク切れ|date=March 2018}} 毎日新聞2011年10月31日</ref> したことを受け、2011年12月28日に警察庁交通局交通企画課からPA連携について「消防自動車が緊急走行により救急現場に向かうことが許されると解される」と各都道府県警察本部などに通知。同日、総務省消防庁からも同内容が都道府県に通知<ref>消防救第349号(平成23年12月28日)総務省消防庁</ref> され、現在では全国で問題なくPA連携が行える。▼
: [[京都市消防局]]では、市街地から遠く離れた一部の出張所に、患者搬送を目的とした「器材搬送車」と消防救急車<ref group="注釈">[[モリタホールディングス|モリタ]]が従前「消救車」と呼んでいたもの。</ref><ref>{{Cite web|和書|date=2005-01-06 |url=https://response.jp/article/2005/01/06/66851.html |title=消救車あらため消防救急車…名称と法的扱い決まる |publisher=[[Response.]] |accessdate=2019-11-16}}</ref> を配備している。器材搬送車のベース車両として[[日産・セレナ|セレナ]]や[[三菱・デリカスペースギア|デリカスペースギア]]等の[[ミニバン]]が用いられ、車内は前述の軽救急車と同様に狭く、搭載資器材は限られている。
: これらの車両は[[京都市消防局]]では「救急車」ではなく「'''消防車'''」の扱いになるため、車体塗色は朱色に白が入ったものとなっている。
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ファイル:Kazo-supermedic.jpg|スーパーメディック2WD
ファイル:Isuzu
ファイル:Tokai kougaku cutmodel.jpg|スーパーメディック4WDカットモデル
ファイル:20080105 広島 広島市東 温品 救急.JPG|後期型キャンターオプティマ
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=== 外国産高規格救急自動車一覧===
;[[フォード・スーパーデューティー]]F-250救急自動車
:架装はジェイカブ・インダストリーズ。
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:当時の[[自治省]]消防庁が、後に施行される救急救命士法の検討段階で、従来のキャブオーバー型救急車に代わる新しいタイプの救急車の検討・比較材料として輸入車ディーラーであるウエスタン自動車<ref group="注釈">のちに[[ヤナセ]]に吸収された。</ref> を通じ[[東京消防庁]]に2台試験的に導入、運用させた。[[横浜市消防局]]にウエスタン自動車が寄贈した。
:車両が大きく資器材の収容能力等が高かった為、車内で行う処置を拡大した場合のシミュレーションや、搬送時患者に与える振動を軽減する防振機能付架台などのテストを実施し新しいタイプの救急車の検討・比較材料として多くのデータを得ることができた。この事から後の国産高規格救急車規格の基礎とも言える車両だが、エンジン出力は不足していた後継車両の310D型(約100馬力)に比して約70馬力と小さく、動力性能が明らかに国産車より劣っていた為、実際は予備車的扱いであまり現場では運用されていなかった。
;[[メルセデス・ベンツ]]・310D型高規格救急自動車
:[[ファイル:20080105 広島 広島市西 救急.JPG|thumb|200px|right|[[メルセデス・ベンツ]]310D型]]架装は{{仮リンク|クリスチャン・ミーセン|de|Miesen (Karosseriehersteller)}}または{{仮リンク|ビンツ|de|Binz (Fahrzeuge)}} 。
:救急救命士法施行に伴い全国に初めて配備された高規格救急車。[[メルセデス・ベンツ]]社製で、前述の307D型の後継車両である。
:車両のサイズや車内の広さなどバランスがとれ、現在の国産高規格救急車の手本にもなった。また、ベンツの救急車として当時雑誌やテレビ等で紹介され話題になった。
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=== 中型・大型トラックベースなど ===
[[File:Tokyo Fire Department SUPER AMBULANCE Interior.jpg|thumb|
[[東京消防庁]]に配備されている「'''特殊救急車:スーパーアンビュランス'''」([[京成自動車工業]]・ヨコハマモーターセールス製造)に代表される大型車のことである。
*このほかにも[[日本赤十字社]][[岡山県]]支部 [[岡山赤十字病院]]は車体が拡張しない「'''多目的救急車 岡山25'''」(ベースは[[日野・レンジャー]] ベッド数1床)<ref>[https://www.47news.jp/5288924.html 47News(山陽新聞) 2020.09/23「グッズ通じて活動PR 日赤県支部 ペーパークラフトと折り紙贈る」]</ref>を配備し、赤十字[[長野県]]支部 [[諏訪赤十字病院]]も車体が拡張しない「'''災害救護車'''」(ベッド数1床)を配備<ref>[https://nc.suwa.jrc.or.jp/nc-pages/disaster 諏訪赤十字病院 看護部]</ref>、[[滋賀医科大学医学部附属病院]]もトラックをベースにしたDMAT車を配備している。また、赤十字[[熊本県]]支部 [[熊本赤十字病院]]は、片側が拡張するタイプ(ベースは[[いすゞ・ギガ]])で、4床の[[手術室]]と同等の機能を有した「'''特殊医療救護車''':ディザスターレスキュー」を配備している。傷病者を病院に搬送する救急車としてではなく、被災地や災害現場に赤十字病院の救護班が直接出動し、速やかに救命処置や緊急手術などの[[災害医療]]が可能な、移動手術車として使用される。
[[File:Disaster-3.jpg|thumb|
*[[熊本赤十字病院]]の特殊医療救護車は、医師・看護師・薬剤師・診療放射線技師・業務調整員などで編成された赤十字救護班が同乗し、被災地や災害現場などに直接出動することで早期に[[災害医療]]を開始し、重篤な傷病者の救命率を上げる為に建造された車両である。
:停車時には車体の左側が拡張し、車幅4.3m、床面積25[[平方メートル|m<sup>2</sup>]]、4床の緊急[[手術]]が可能な救命処置室となる。車両後部のハッチから油圧式スロープを展開し、ストレッチャーに載せたままで傷病者を搬入できる。車体の[[発電機]]による電源の他、外部商用電源に接続しての運用も可能。
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*2015年度に[[京都市消防局]]がそれまで運用していた[[札幌ボデー・トライハート]](ベースは[[三菱ふそう・キャンター|三菱ふそう・キャンター4WD]])の大型救急車を更新する形で[[いすゞ・ギガ]]ベースの東京消防庁のスーパーアンビュランスと同型の車両「'''高度救急救護車:ハイパーアンビュランス'''」を導入し2015年6月より運用を開始した<ref>[http://www.city.kyoto.lg.jp/shobo/page/0000183512.html 新消防指令センター及び高度救急救護車の本格運用開始!(京都市消防局HP)]</ref>。
{{Double image aside|right|Superambulance-fuso.jpg|180|Superambulance-fuso2.jpg|200|スーパーアンビュランス<br>(2台目)(引退済み)|拡幅時}}
{{Double image aside|right|SUPERAMBULANCE.jpg|180|SuperAmbulance2.jpg|200|スーパーアンビュランス<br>(3台目)(引退済み)|拡幅時}}
{{Double image aside|right|Tokyo Fire Department SUPER AMBULANCE Front.jpg|
;特殊救急車(スーパーアンビュランス)
:ボディを左右に拡幅することで左右各4床、計8床のベッドを有する救護所として大規模災害や多数傷病者が発生した時に活躍する車両。<br>通常状態でも救急車として患者搬送 することができる<ref>{{Cite web|和書|title=東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防車両:特殊救急車> |url=https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/ts/soubi/car/01_02.htm |website=www.tfd.metro.tokyo.lg.jp |access-date=2023-09-10}}</ref>。その為、サイレンアンプも通常の救急車と同じピーポーサイレンを装備している。かつては2台所有していたが、2021年に1台引退したことで、現在は残る1台のみが現存<ref>{{Cite web|和書|title=全長10m超え! 左右に巨大化する特殊救急車「スーパーアンビュランス」ってなんだ!? |url=https://kuruma-news.jp/post/457674 |website=くるまのニュース |date=2021-12-23 |access-date=2023-09-10 |language=ja}}</ref>。
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:[[1996年]](平成8年)12月、[[東京消防庁第八消防方面本部]]消防救助機動部隊([[立川市]])発足のため、同隊に配転となる。
:[[2004年]](平成16年)2代目引退。この間に地下鉄サリン事件等に出場した。
▲=== 消救車等 ===
▲[[ファイル:Matsudo Fire Department Fire Fighting Ambulance.JPG|thumb|190px|right|消救車<br>([[松戸市消防局]])]]
▲'''消救車(しょうきゅうしゃ、正式名称:消防救急自動車)'''は、それまで別々に出動していた消防自動車と救急自動車の両方の機能を持つ車を配備することに目指して開発された車である。2台買うよりは若干安いが、その分、両方の機能を持つ車両は法令上も想定外だったこともあり、より的確に運用できるかどうかはこれからの課題である。実際に配備されている消防機関はまだ少なく、[[2004年]](平成16年)12月に[[モリタホールディングス|モリタ]]が開発・製造した[[日野・デュトロ]]ベースの車両が、千葉県[[松戸市消防局]]六実消防署に第1号として導入された。[[2007年]](平成19年)4月に[[京都市消防局]]北消防署中川消防出張所に全国第2号として消救車が導入されたが、消防車部分は[[京都市消防局]]特注モデルのため小型動力ポンプしか搭載していない。救急車部分でも防振ベッドや生体情報モニターなどを備えるが、高規格救急車と比べると設備は劣るため、救急車としては準高規格救急車と同レベルであるといえる。[[2008年]](平成20年)4月に青森県むつ市大畑町の大畑消防団本部付分団に全国3号目の消救車が配備された。同分団の[[消防団]]がポンプ車として使い[[救急車]]としては、同分団に隣接する下北地域広域行政事務組合消防本部大畑消防署が運用する。2015年度に福井県の[[嶺北消防組合]]にも配備された。患者収容スペースを活かした[[日本の消防車#指揮車(指令車)|指揮車]]仕様のタイプが2007年(平成19年)4月現在[[福岡市消防局]]、[[北九州市消防局]]に配備されている。
▲他に通常の消防車を用いるケースとして、救急出場時に救急現場に近い消防署・出張所から[[消防車]]を同時に出場させ、救命処置や救急隊の活動支援等に当たらせる、いわゆる「PA連携」<ref group="注釈">'''P'''ump(ポンプ車) and '''A'''mbulance(救急車)の意。</ref> と呼ばれる出場がある。一時、[[愛媛県]]と[[高知県]]の[[公安委員会]]が「消防車の本務は消防活動でありPA連携は目的外使用。道交法違反の疑い」などと指摘<ref>[http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111031k0000e040076000c.html PA連携:ポンプ車の救命出動 一部公安委が「待った」]{{リンク切れ|date=March 2018}} 毎日新聞2011年10月31日</ref> したことを受け、2011年12月28日に警察庁交通局交通企画課からPA連携について「消防自動車が緊急走行により救急現場に向かうことが許されると解される」と各都道府県警察本部などに通知。同日、総務省消防庁からも同内容が都道府県に通知<ref>消防救第349号(平成23年12月28日)総務省消防庁</ref> され、現在では全国で問題なくPA連携が行える。
== 自衛隊の救急自動車 ==
{{main|救急車 (陸上自衛隊駐屯地用)|1トン半救急車}}
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JMSDF Ambulance(TOYOTA HIMEDIC) in Maizuru Air Station 20140727.JPG|[[海上自衛隊]]<br>トヨタ<br>ハイメディック<br>(白色)
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JSDF-衛生科.jpg| 1トン半救急車(手前)と<br>[[野外手術システム]]車(奥の2台)
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== 医療機関の救急自動車(病院救急車) ==
[[File:Amb16 kishiHP.jpg|thumb|
医療機関が所有する救急車は、患者容体の急変や専門外の治療など他施設へ[[転院搬送]]を要する患者の救急搬送に主に使用される車両である。「病院救急車」は俗称で、法令上の正式名称は消防と同じく「救急自動車」である。
*管轄省庁は [[厚生労働省]]である。このため、医療機関の救急車は総務省消防庁発出の「救急業務実施基準(昭和39年3月3日自消甲教発第6号)」による通達の規制を受けない。
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*[[救急科]]だけでなく他の診療科の使用も考慮して、汎用性の高い'''2B型救急車'''を所有する医療機関が多い。医療機関によっては、[[ステーションワゴン]]や[[ミニバン]]、軽ワゴン車などを改造して救急車にしているところもある。
*出動件数や走行距離が少ないため車体の損耗が少なく、そのため消防の救急車と比べて車両更新期間が長くなる傾向にあり、旧年式の車両も少なくない<ref>[https://m.youtube.com/watch%3Fv%3DM4REqF19DJg&ved=2ahUKEwjivZaa3Lb_AhVfpVYBHS_YBeM4HhDPjQV6BAgIEAk&usg=AOvVaw0FLvAj1Qr3eg7lQvyMYRfN 長崎国際テレビ「済生会長崎病院が救急車更新のためクラウドファンディング」【動画】]</ref>。
*通常時(待機時)の装備は、ストレッチャー、酸素ボンベ一式、点滴フック、救急蘇生セット一式、程度と比較的簡素である。高齢者が多い医療機関では、吸引器や車イスを積載するリフトの装備もみられる。<ref>[http://www.welbee.co.jp/ambulance.php 有限会社ウェルビー 「リフト付き救急車」]</ref>
*各診療科ごとに必要とする医療機器が異なるため、[[心電図#心電図モニタ|生体情報モニタ]]や人工呼吸器、精密輸液ポンプ、[[超音波検査|超音波エコー]]、など通常時は車内に未搭載の機器が必要な場合は、診療科の外来や病棟の機器を一時的に搭載するなど、拡張性の高い運用が行われている。
*[[医療法]]が定める[[病院]]だけに限らず、[[診療所]]、有床診療所、医院・クリニック、被災地の仮設診療所なども所有できる。[[公安委員会]]の緊急車両指定に施設あたりの台数制限はなく、複数の救急車を運用する施設もある<ref>[https://m.youtube.com/watch?v=DHv5E5sxTBI 公立豊岡病院 但馬救命救急センター 2023.10/23 「緊急車両の赤色灯を点けてみた」【動画】]</ref>。
*救急車を所有しない医療機関などで転院搬送を要する場合は、地元消防の救急車に出動を依頼する。消防本部によっては、送り手側の医療機関に対し主治医の署名・押印が入った 「転院搬送依頼書」など所定の書類提出を要求するところもある<ref>[https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/280/11954.html 広島市「転院搬送依頼書の提出をお願いします」]</ref>。 転院搬送時に、患者と共に紹介状や各種検査データ、看護サマリーなど一式の「診療情報提供書」が、送り側から受入れ側へ引き継がれる。
;医療機関の救急車に搭載されている主な医療用資器材
[[File:PatientMonitor-2.jpg|thumb|
*医療機関や各診療科によって、車内で使用する医療機器や薬剤、搬送される患者の症状や程度は大きく異なるため、搭載する器材などは消防と異なり画一化や規格化がされていない。通常時(待機時)、車内はストレッチャーや酸素ボンベ一式、救急蘇生セットなど、最低限の医療機器のみを搭載し、実際の搬送時は、患者の容態に応じて外来や病棟で使用している医療機器を一時的に搭載するといった、弾力的な運用を行っている。
*大学病院や一部の病院の救急車には、[[超音波検査|超音波エコー]]装置や精密輸液ポンプ、気管切開、体腔穿刺(胸腔・心嚢・腹腔穿刺やドレナージなどを含む)用の器材一式、骨内注射用機器一式、など車内での簡易な救急処置・外科手術セットを搭載しているものも見られる<ref>[https://www.heartlife.or.jp/hospital/department/er/er-division/doctor-car/ 社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院 「装備・車内の様子」]</ref>。災害時には、[[DMAT]]隊として[[災害医療]]に出動する車両もある。
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== サイレンの騒音公害としての側面 ==
救急車の出動回数が増えているのは前述の通りで、本来非常時にのみ運用されるべきはずであった緊急走行が現在では慢性的に行われ、サイレンが市民生活に与える影響もそれに伴い増大している。サイレンが人々に負担を与えるものであることが住民意識調査により示されている<ref>「[https://
== 脚注 ==
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