井上寿一
日本の政治学者・歴史学者
井上寿一(いのうえ としかず, 1956年 - )は、日本の政治学者・歴史家。専門は日本政治外交史・歴史政策論。
東京都生まれ。1981年一橋大学社会学部卒業、1986年、一橋大学大学院法学研究科博士課程単位所得。1988年、論文「1930年代日本外交の史的分析-日中戦争に至る対外政策の形成と展開」により博士(法学/一橋大学)を取得。
一橋大学法学部助手、学習院大学法学部助教授を経て、現在、学習院大学法学部教授。2003年まで学校法人学習院理事。2005年より学習院大学法学部長。
大学院在学中に細谷千博の指導を受け、以来、昭和戦前期の日本外交について一次史料に即した実証研究を重ねる。その成果は学位論文を公刊した著書『危機のなかの協調外交』に示され、日本外交史研究に一石を投じた。近年ではオーラルヒストリーの手法を導入した歴史政策論の開拓にも力を入れ、戦後日本の経済外交・対アジア外交へのアプローチを進めている。
著書
単著
論文
学術論文
- 「国際連盟脱退後の日本外交――対米協調の摸索1933年」(『一橋論叢』93巻2号、1985年)
- 「国際連盟脱退と国際協調外交」(『一橋論叢』94巻3号、1985年)
- 「天羽声明と中国政策」(『一橋論叢』97巻5号、1987年)
- 「1934年の日本の不可侵協定構想と英米の対応」(近代日本研究会編『年報・近代日本研究11協調政策の限界』山川出版社、1989年)
- 「国連と戦後日本外交」(近代日本研究会編『年報・近代日本研究16戦後外交の形成』山川出版社、1994年)
- 「戦後日本のアジア外交の形成」(日本政治学会編『年報政治学1998』岩波書店, 1998年)
- 「戦後日本の外交構想」(日本政治学会編『年報政治学2004』岩波書店, 2004年)
- 「政友会、民政党の失敗に学べ」(『中央公論』119巻1号、2004年)
- 「山県有朋――民衆の成長を怖れた『臆病』な武辺」(『中央公論』119巻8号、2004年)
- 「反米派よ、『亜細亜主義』を騙るなかれ」(『諸君』36巻10号、2004年)
- 「連載 戦後経済外交の軌跡」全6回(『外交フォーラム』17巻11号~18巻5号、2004~2005年)
- 「イラク派遣は、あの悪名高き『山東出兵』に学べ」(『諸君』37巻2号、2005年)
- 「相も変らぬ『反省・謝罪』のための歴史学習」(『正論』397号、2005年)
- 「日中戦争 歴史の教訓を生かす術」(『中央公論』120巻11号、2005年)
書評
- 「松浦正孝著『日中戦争期における経済と政治――近衛文麿と池田成彬』」(『日本史研究』412号、1996年)
- 「鹿錫俊著『中国国民政府の対日政策――1931-1933』」(『史学雑誌』111巻8号、2002年)
- 「小林啓治『国際秩序の形成と近代日本』」(『史学雑誌』112巻11号、2003年)