この判旨は、「婚姻の自由」を「当事者間」に、すなわち男女のカップルだけではなく同性のカップルにも認めたものとも読めるが、そうではない。これは民法750条の夫婦同氏制度の合憲性に関する判例であり、それを判断するのに必要な限りで憲法24条1項を前記のように解釈したにすぎない。 日本の司法は同性婚への最終的判断を下していない すなわちこの事案では争点になっていない同性カップルの「婚姻の自由」について、最高裁は何も判断していないのだ。もっといえば同性カップルにも「婚姻の自由」が憲法上あるか否かについてYesともNoとも言わないために「当事者間」という言葉を用いたのだ。 もっとも昭和62年9月2日の最高裁大法廷判決は、「婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯しんしな意思をもつて共同生活を営むこと」としているが、この定義に続いて「夫婦」の言葉も見え、最高裁は、男女のカップルの