GISへの社会的関心は、阪神淡路大震災以後、急速に拡大した。GIS企業をはじめ ビジネスなる表現も日常会話に利用されるほどである。この状況は、10年前の英米に類 似している。10年ほど前、イギリスのGIS学会であるAGISの総会に出席したこと があるが、その頃のGISフィーバーは今日の日本のそれと変わらない。当時の英国にお けるGISブームの背景には、サッチャー政権が実施するビッグプロジェクトがあった。 日本でもやはり、このGISブームの背景には政府の実施する空間データ基盤整備という ビッグプロジェクトがある。このプロジェクトは、21世紀型における高度情報化社会の 情報基盤を整備しようとするものであり、これが整備されると自治体や民間企業、大学・ 研究機関だけでなく、一般家庭でも日常的にGISがワープロ並に利用され、電子申請を はじめマルティメディアを高度に利用した情報化社会が到来するといわ