出版物の販売額がついに2兆円を割り込むなど出版不況が深刻化するなか、出版社は新たな販売促進の方法を模索している。その一つが、書籍の発売前に「電子版」をネットで無料配布するという「フリー・キャンペーン」だ。業界では異例の試みが10万部を超えるヒットを生み出した。 「電子と紙は別のものという意識で」 出版科学研究所が2010年1月25日に発表した数字は業界関係者に衝撃を与えた。09年の出版物の推定販売額が、1989年以来21年ぶりに2兆円を割り込んだのだ。ある中小出版社の老経営者は 「ネットに押されて本も雑誌も売れない。出版業界は土砂降りの状態だよ」 とため息をもらす。だが、嘆いていても仕方がない。一部の若手編集者からは、これまで出版業界で敵視されがちだったインターネットを積極的に活用して、書籍の販促につなげようという動きが生まれている。 たとえば、インプレスジャパン。2月15日に出る新刊本『
出版大手10社からなる連合組織「千代田出版会」は4日、人気コミック「ONE PIECE(ワンピース)」の取引に関し協調介入に踏み切ったことを発表した。同会の鳥嶋代表は累計発行部数が2億5千万部を超える同漫画の価格維持のための措置と説明している。 「ワンピース」は集英社が発行する漫画誌「週刊少年ジャンプ」連載の人気作品。今月4日に発売された最新第64巻は初版発行部数が出版史上初となる400万部を記録した。同作で描かれる人間味あふれる豊かなストーリー展開は広く読者を魅了し、「大人でも泣ける漫画」として青年層にも広く浸透。今では「読んでいない奴は非国民」とすら形容されるほどだ。 だが、発行部数が増えるにつれ、中古書店には読み終わった「ワンピース」があふれる事態にも発展している。定価400円ほどの新品に対し、中古本は現在1冊100円から250円あたりを推移しているが、これ以上中古市場に流れ続けると
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